河合楽器製作所
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
世界が認める音色を奏でる、100年続くピアノ作りのパイオニア
伝統的なピアノ製造技術と最新テクノロジーを融合させ、世界中の音楽愛好家に最高の演奏体験を提供し、世界一の鍵盤楽器メーカーとなる。
この会社ってなに?
あなたが子どもの頃にピアノを習っていたなら、その教室は「カワイ音楽教室」だったかもしれません。あるいは、学校の音楽室やコンサートホールで目にするグランドピアノの蓋に「KAWAI」というロゴを見かけたことがあるでしょう。同社は、世界中のピアニストから愛される高品質なピアノを作り続けている会社です。最近では電子ピアノにも力を入れており、あなたが趣味で楽器を始めようと思ったとき、その選択肢の一つを提供しているのも河合楽器製作所なのです。
ピアノの世界的大手である同社は、FY2025決算で売上高729.2億円、営業利益3.16億円と、中国・欧州市場の不振を背景に大幅な減益を記録しました。この厳しい状況を打開すべく、2035年を最終年度とする10カ年の新中期経営計画「KAWAI 十年の計」を始動。最終年度に売上高1,300億円、営業利益150億円という壮大な目標を掲げています。直近のFY2026は売上高760億円、営業利益15億円の回復予想で、長期的な成長戦略の第一歩を踏み出しています。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 静岡県浜松市中央区寺島町200番地
- 公式
- www.kawai.co.jp
社長プロフィール

創業以来、ピアノづくりに情熱を注ぎ、世界中の音楽愛好家から高い評価を得てきました。今後は、10カ年の中期経営計画『KAWAI 十年の計』のもと、伝統の技術力に新たな発想を加え、世界一の鍵盤楽器メーカーを目指して挑戦を続けます。
この会社のストーリー
ヤマハを離れた河合小市が7人の仲間と共に、理想のピアノ作りを目指して浜松市で創業。国産ピアノのパイオニアとしての歴史が始まる。
戦後の復興期を経て法人化し、ピアノ生産を本格化。品質へのこだわりが、後の「カワイ」ブランドの礎を築いた。
ピアノの製造販売だけでなく、音楽の普及と教育にも力を入れる。全国に広がるカワイ音楽教室の第一歩を踏み出した。
当時の会長・河合滋の名を冠したフラッグシップモデルを発表。ショパン国際ピアノコンクールをはじめ、世界の舞台で高い評価を獲得する。
楽器製造だけでなく、音楽文化全体への貢献を視野に、楽譜出版大手をグループに迎え入れ、事業領域を拡大した。
世界的なパンデミックによりピアノ販売が一時的に落ち込むなど、厳しい事業環境に直面。経営体制の見直しを迫られた。
創業100周年に向けて、2035年を見据えた長期ビジョンを策定。ROE10%以上を目標に掲げ、成長回帰への強い意志を示した。
AI技術を持つ英国企業と提携し、デジタル分野を強化。伝統のアコースティック技術と最新テクノロジーの融合で新たな価値創造を目指す。
注目ポイント
ショパン国際ピアノコンクールなど、世界最高峰の舞台で公式ピアノとして採用される実力。ピアニストから絶大な信頼を得る品質が強みです。
2035年に売上高1,300億円、営業利益150億円を目指す壮大な計画を策定。伝統を守りつつ、未来へ向けた大胆な挑戦に乗り出しています。
会社の資産価値に対して株価が割安とされるPBR1倍割れの状態。配当利回りは3%を超え、株主優待も実施しており、投資妙味のある銘柄です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 48円 | 22.7% |
| FY2017/3 | 50円 | 27.0% |
| FY2018/3 | 50円 | 22.3% |
| FY2019/3 | 55円 | 23.4% |
| FY2020/3 | 55円 | 30.5% |
| FY2021/3 | 55円 | 18.3% |
| FY2022/3 | 75円 | 12.8% |
| FY2023/3 | 85円 | 19.9% |
| FY2024/3 | 95円 | 29.3% |
| FY2025/3 | 95円 | 201.6% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は安定配当を維持する方針をとっており、業績が大きく落ち込んだFY2025/3期も年間95円の配当を据え置きました。その結果、一時的に配当性向が200%を超えるなど株主還元を優先する姿勢が際立っています。今後は収益力の早期回復による配当性向の適正化が重要な焦点となります。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
河合楽器製作所の業績は、世界的なピアノ需要の減退や中国市場の停滞を受け、売上高はFY2022/3の約857億円をピークに減少基調が続いています。FY2025/3には営業利益が約3億円まで急減するなど、利益面で厳しい局面が続きましたが、現在は構造改革を推進中です。2026年3月期には、ピアノ・電子楽器事業の再編と収益構造の改善により、利益水準の回復に向けた転換点を迎えると予想されています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.7% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 16.5% | 7.4% | - |
| FY2023/3 | 10.3% | 5.2% | - |
| FY2024/3 | 6.9% | 3.8% | 4.1% |
| FY2025/3 | 0.9% | 0.5% | 0.4% |
収益性は、販売減と固定費負担が重くのしかかり、営業利益率はFY2022/3の7.8%からFY2025/3には0.4%まで低下するなど厳しい状況が続いています。ROE(自己資本利益率)も同様に、資本効率の低下を反映して1%を下回る低水準で推移しています。現在は、中長期的な収益性向上を目指し、高付加価値製品へのシフトや業務プロセスの抜本的な見直しに注力しています。
財務は安全?
財務健全性は、過去の利益蓄積により自己資本比率はFY2025/3時点で60.2%と安定した水準を維持しています。一方で、事業投資や構造改革への対応に伴い、FY2024/3以降には有利子負債が約189億円発生しており、手元資金の活用による成長戦略の遂行が求められています。総資産約740億円のうち純資産が厚く、盤石な基盤を維持しながら将来の事業拡大に向けた投資判断を行っている段階です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 49.4億円 | -9.0億円 | 48.0億円 | 40.4億円 |
| FY2022/3 | 50.8億円 | -8.8億円 | -18.0億円 | 42.0億円 |
| FY2023/3 | -6.1億円 | -13.6億円 | -22.7億円 | -19.8億円 |
| FY2024/3 | 14.4億円 | -9.4億円 | -18.4億円 | 5.0億円 |
| FY2025/3 | -17.0億円 | -22.9億円 | -10.3億円 | -39.9億円 |
営業キャッシュフローは本業の不振により一時的にマイナスとなる年度があるなど現金創出力が不安定な推移を見せています。投資活動では国内外の拠点整備や新製品開発に向けた支出が継続しており、FCF(フリーキャッシュフロー)も赤字となる場面が見受けられます。今後は、収益体質の改善を通じて営業キャッシュフローを安定化させ、持続的な投資と株主還元を両立できる構造への転換が急務となっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 40.0億円 | 14.2億円 | 35.6% |
| FY2022/3 | 73.0億円 | 22.6億円 | 30.9% |
| FY2023/3 | 56.4億円 | 19.7億円 | 34.9% |
| FY2024/3 | 42.0億円 | 14.2億円 | 33.8% |
| FY2025/3 | 4.7億円 | 6,900万円 | 14.6% |
法人税等は利益の変動に合わせて大きく増減しており、業績が好調だったFY2022/3には約23億円を納税しました。一方、利益が急減したFY2025/3には納税額も約0.7億円まで圧縮されています。翌期の税負担率の変動は、一時的な特別損益や税効果会計の影響を考慮した一時的な歪みが生じている可能性があります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 590万円 | 2,811人 | - |
従業員平均年収は590万円となっており、ピアノ製造を中心とした製造業という業態を考慮すると標準的な水準です。長年勤続する従業員が多く、ベテラン層が安定した給与を受け取っている構造ですが、今後の成長戦略に向けた人材投資や処遇改善が課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はエイチエスビーシー ブローキング セキュリティーズ(アジア) (常任代理人 香港上海銀行東京支店)・河合社団・住友不動産。
同社は創業家関連の株式会社河合社団や持株会が安定株主として名を連ねており、強固な経営基盤を有しています。一方で、日本マスタートラスト信託銀行などの信託口や海外機関投資家の保有も一定比率を占めており、創業家の影響力を残しつつも市場からの規律を意識した株主構成といえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業セグメントは楽器製造販売と音楽教室事業です。中国・欧州の景気減速によるピアノ販売の苦戦がリスク要因として挙げられますが、新規の中期経営計画「KAWAI 十年の計」を通じ、デジタル技術の融合や戦略的提携による収益回復を目指しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と、取締役会の多様性確保が今後の重要な経営課題です。監査体制については監査役会設置会社として適正なモニタリングを実施しており、買収防衛策の廃止を決定するなど、資本効率とガバナンスの最適化に向けた経営改革を推進しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 770億円 | — | 857億円 | +11.3% |
| FY2023 | 890億円 | — | 878億円 | -1.4% |
| FY2025 | 775億円 | — | 729億円 | -5.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 40億円 | — | 67億円 | +67.4% |
| FY2023 | 50億円 | — | 50億円 | +0.9% |
| FY2025 | 10億円 | — | 3億円 | -68.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
業績低迷を背景に、2035年3月期を最終年度とする10カ年の新中計「KAWAI 十年の計」を策定。最終年度に売上高1,300億円、営業利益150億円という高い目標を掲げました。ただし、直近のFY2025は期初予想を大幅に下回る大幅減益で着地しており、まずは足元の収益力回復が急務です。計画の序盤は「足腰を鍛える期間」と位置付けられており、投資家は長期的な視点での進捗を見守る必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2021を除きTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、特にFY2023以降の業績停滞と、それに伴う株価の軟調な推移が主な要因です。配当は維持・増配傾向にあるものの、株価下落が響き、市場平均を大きく下回るリターンにとどまっています。新中計による業績回復が、TSRを改善させるための最大の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 147.0万円 | +47.0万円 | 47.0% |
| FY2022 | 140.6万円 | +40.6万円 | 40.6% |
| FY2023 | 135.0万円 | +35.0万円 | 35.0% |
| FY2024 | 161.5万円 | +61.5万円 | 61.5% |
| FY2025 | 134.7万円 | +34.7万円 | 34.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
特筆すべきはPBRの低さで、0.55倍と業界平均を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と評価できます。一方、PERは30.0倍と、減益局面にあることを考慮すると割高感があります。信用倍率は0.88倍と売り残が買い残を上回る拮抗状態で、株価の方向性については市場の見方が分かれている状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
英ROLI社と戦略的パートナーシップを締結し、電子ピアノ製品へのAI技術導入を強化。
米国ミズーリ州およびコロラド州に直営店を相次いでオープンし、北米での販売網を強化。
2035年3月期を最終年度とする10カ年の中期経営計画「KAWAI 十年の計」を策定し、構造改革に着手。
最新ニュース
河合楽器製作所 まとめ
ひとめ診断
「ピアノの名門が、業績V字回復を期して10カ年の壮大な経営計画を奏で始めた状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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