河合楽器製作所7952
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが子どもの頃にピアノを習っていたなら、その教室は「カワイ音楽教室」だったかもしれません。あるいは、学校の音楽室やコンサートホールで目にするグランドピアノの蓋に「KAWAI」というロゴを見かけたことがあるでしょう。同社は、世界中のピアニストから愛される高品質なピアノを作り続けている会社です。最近では電子ピアノにも力を入れており、あなたが趣味で楽器を始めようと思ったとき、その選択肢の一つを提供しているのも河合楽器製作所なのです。
ピアノの世界的大手である同社は、2025期決算で売上高729.2億円、営業利益3.16億円と、中国・欧州市場の不振を背景に大幅な減益を記録しました。この厳しい状況を打開すべく、2035年を最終年度とする10カ年の新中期経営計画「KAWAI 十年の計」を始動。最終年度に売上高1,300億円、営業利益150億円という壮大な目標を掲げています。直近の2026期は売上高760億円、営業利益15億円の回復予想で、長期的な成長戦略の第一歩を踏み出しています。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 静岡県浜松市中央区寺島町200番地
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 9.2% | 4.2% | - |
| 2022/03期 | 16.4% | 7.8% | - |
| 2023/03期 | 10.2% | 5.3% | - |
| 2024/03期 | 6.8% | 3.9% | 4.1% |
| 2025/03期 | 0.9% | 0.5% | 0.4% |
| 3Q FY2026/3 | 1.2%(累計) | 0.6%(累計) | 0.0% |
収益性は、販売減と固定費負担が重くのしかかり、営業利益率は2022/03期の7.8%から2025/03期には0.4%まで低下するなど厳しい状況が続いています。ROE(自己資本利益率)も同様に、資本効率の低下を反映して1%を下回る低水準で推移しています。現在は、中長期的な収益性向上を目指し、高付加価値製品へのシフトや業務プロセスの抜本的な見直しに注力しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 675億円 | — | 25.8億円 | 300.2円 | - |
| 2022/03期 | 857億円 | — | 50.5億円 | 587.2円 | +26.9% |
| 2023/03期 | 878億円 | — | 36.7億円 | 427.3円 | +2.4% |
| 2024/03期 | 802億円 | 32.5億円 | 27.8億円 | 323.7円 | -8.6% |
| 2025/03期 | 729億円 | 3.2億円 | 4.0億円 | 47.1円 | -9.1% |
河合楽器製作所の業績は、世界的なピアノ需要の減退や中国市場の停滞を受け、売上高は2022/03期の約857億円をピークに減少基調が続いています。2025/03期には営業利益が約3億円まで急減するなど、利益面で厳しい局面が続きましたが、現在は構造改革を推進中です。2026年3月期には、ピアノ・電子楽器事業の再編と収益構造の改善により、利益水準の回復に向けた転換点を迎えると予想されています。 【3Q 2026/03期実績】売上533億円(通期予想比70%)、営業利益2百万円(同0%)、純利益4.6億円(同56%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業セグメントは楽器製造販売と音楽教室事業です。中国・欧州の景気減速によるピアノ販売の苦戦がリスク要因として挙げられますが、新規の中期経営計画「KAWAI 十年の計」を通じ、デジタル技術の融合や戦略的提携による収益回復を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 770億円 | — | 857億円 | +11.3% |
| 2023期 | 890億円 | — | 878億円 | -1.4% |
| 2025期 | 775億円 | — | 729億円 | -5.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 40億円 | — | 67億円 | +67.4% |
| 2023期 | 50億円 | — | 50億円 | +0.9% |
| 2025期 | 10億円 | — | 3億円 | -68.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
業績低迷を背景に、2035年3月期を最終年度とする10カ年の新中計「KAWAI 十年の計」を策定。最終年度に売上高1,300億円、営業利益150億円という高い目標を掲げました。ただし、直近の2025期は期初予想を大幅に下回る大幅減益で着地しており、まずは足元の収益力回復が急務です。計画の序盤は「足腰を鍛える期間」と位置付けられており、投資家は長期的な視点での進捗を見守る必要があります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
英ROLI社と戦略的パートナーシップを締結し、電子ピアノ製品へのAI技術導入を強化。
米国ミズーリ州およびコロラド州に直営店を相次いでオープンし、北米での販売網を強化。
2035年3月期を最終年度とする10カ年の中期経営計画「KAWAI 十年の計」を策定し、構造改革に着手。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、過去の利益蓄積により自己資本比率は2025/03期時点で60.2%と安定した水準を維持しています。一方で、事業投資や構造改革への対応に伴い、2024/03期以降には有利子負債が約189億円発生しており、手元資金の活用による成長戦略の遂行が求められています。総資産約740億円のうち純資産が厚く、盤石な基盤を維持しながら将来の事業拡大に向けた投資判断を行っている段階です。 【3Q 2026/03期】総資産764億円、純資産448億円、自己資本比率48.0%、有利子負債103億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 49.4億円 | 9.0億円 | 48.0億円 | 40.4億円 |
| 2022/03期 | 50.8億円 | 8.8億円 | 18.0億円 | 42.0億円 |
| 2023/03期 | 6.1億円 | 13.6億円 | 22.7億円 | 19.8億円 |
| 2024/03期 | 14.4億円 | 9.4億円 | 18.4億円 | 5.0億円 |
| 2025/03期 | 17.0億円 | 22.9億円 | 10.3億円 | 39.9億円 |
営業キャッシュフローは本業の不振により一時的にマイナスとなる年度があるなど現金創出力が不安定な推移を見せています。投資活動では国内外の拠点整備や新製品開発に向けた支出が継続しており、FCF(フリーキャッシュフロー)も赤字となる場面が見受けられます。今後は、収益体質の改善を通じて営業キャッシュフローを安定化させ、持続的な投資と株主還元を両立できる構造への転換が急務となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%と、取締役会の多様性確保が今後の重要な経営課題です。監査体制については監査役会設置会社として適正なモニタリングを実施しており、買収防衛策の廃止を決定するなど、資本効率とガバナンスの最適化に向けた経営改革を推進しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 590万円 | 2,811人 | - |
従業員平均年収は590万円となっており、ピアノ製造を中心とした製造業という業態を考慮すると標準的な水準です。長年勤続する従業員が多く、ベテラン層が安定した給与を受け取っている構造ですが、今後の成長戦略に向けた人材投資や処遇改善が課題となっています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2021期を除きTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、特に2023期以降の業績停滞と、それに伴う株価の軟調な推移が主な要因です。配当は維持・増配傾向にあるものの、株価下落が響き、市場平均を大きく下回るリターンにとどまっています。新中計による業績回復が、TSRを改善させるための最大の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 48円 | 22.7% |
| 2017/03期 | 50円 | 27.0% |
| 2018/03期 | 50円 | 22.3% |
| 2019/03期 | 55円 | 23.4% |
| 2020/03期 | 55円 | 30.5% |
| 2021/03期 | 55円 | 18.3% |
| 2022/03期 | 75円 | 12.8% |
| 2023/03期 | 85円 | 19.9% |
| 2024/03期 | 95円 | 29.3% |
| 2025/03期 | 95円 | 201.6% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は安定配当を維持する方針をとっており、業績が大きく落ち込んだ2025/03期期も年間95円の配当を据え置きました。その結果、一時的に配当性向が200%を超えるなど株主還元を優先する姿勢が際立っています。今後は収益力の早期回復による配当性向の適正化が重要な焦点となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 147.0万円 | 47.0万円 | 47.0% |
| 2022期 | 140.6万円 | 40.6万円 | 40.6% |
| 2023期 | 135.0万円 | 35.0万円 | 35.0% |
| 2024期 | 161.5万円 | 61.5万円 | 61.5% |
| 2025期 | 134.7万円 | 34.7万円 | 34.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
特筆すべきはPBRの低さで、0.55倍と業界平均を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と評価できます。一方、PERは30.0倍と、減益局面にあることを考慮すると割高感があります。信用倍率は0.88倍と売り残が買い残を上回る拮抗状態で、株価の方向性については市場の見方が分かれている状況です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 40.0億円 | 14.2億円 | 35.6% |
| 2022/03期 | 73.0億円 | 22.6億円 | 30.9% |
| 2023/03期 | 56.4億円 | 19.7億円 | 34.9% |
| 2024/03期 | 42.0億円 | 14.2億円 | 33.8% |
| 2025/03期 | 4.7億円 | 6,900万円 | 14.6% |
法人税等は利益の変動に合わせて大きく増減しており、業績が好調だった2022/03期には約23億円を納税しました。一方、利益が急減した2025/03期には納税額も約0.7億円まで圧縮されています。翌期の税負担率の変動は、一時的な特別損益や税効果会計の影響を考慮した一時的な歪みが生じている可能性があります。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
河合楽器製作所 まとめ
「ピアノの名門が、業績V字回復を期して10カ年の壮大な経営計画を奏で始めた状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。