イトーキ
ITOKI CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
「明日の『働く』をデザインする」オフィス改革で急成長中の老舗メーカー
ポストコロナ時代の多様な働き方に対応する『働く環境』づくりをリードし、顧客の創造性を最大限に引き出す空間価値を提供し続けること。
この会社ってなに?
あなたが普段オフィスで仕事をしているなら、座っている椅子や使っているデスクは、もしかしたらイトーキ製かもしれません。最近よく見かけるようになった、自由に席を選べるフリーアドレスのオフィスや、おしゃれなカフェのような共有スペースの裏側で、イトーキは快適で生産性の高い働き方を支える空間全体をデザインしています。実はオフィスだけでなく、病院の待合室、大学の講義室、図書館の書架、さらには物流倉庫を自動で動かすシステムまで手掛けており、あなたが気づかない様々な場所で社会のインフラを支えている会社なのです。
オフィス家具大手のイトーキは、コロナ禍以降の働き方の多様化を追い風に、V字回復を遂げています。2025年12月期決算では売上高1,536.8億円、営業利益136.85億円を達成し、4期連続で過去最高益を更新。AIを活用したオフィス移転・集約提案サービスなど、単なる家具メーカーから「働く環境」を総合的にデザインするソリューション企業へと変貌を遂げたことが成長を牽引しています。株価は約4年で10倍以上になる「テンバガー」を達成し、市場の評価も非常に高い状況です。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング
- 公式
- www.itoki.jp
社長プロフィール
「明日の『働く』を、デザインする。」というミッションの下、私たちは単なるオフィス家具メーカーではなく、空間全体をプロデュースし、人々の創造性を引き出すことで社会に貢献します。ポストコロナ時代の多様な働き方に対応するソリューションを提供し、高収益企業への変革を力強く推進していきます。
この会社のストーリー
大阪で「伊藤喜商店」として創業。発明特許品や輸入品を取り扱う事業を開始し、130年以上にわたる歴史の第一歩を踏み出した。
大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。その後、東京証券取引所にも上場し、企業としての社会的信用を高め、事業拡大の基盤を築いた。
オフィス家具メーカーの枠を超え、物流ロボットの製造を開始。この挑戦が、後の自動化・省人化ソリューション事業の礎となった。
東京・日本橋に本社を移転し、「ITOKI TOKYO XORK」を開設。自らが先進的な働き方を実践する「ライブオフィス」として、新たなオフィスソリューションを社会に提示した。
中期経営計画「ITOKI 2023」の最終年にて、売上高1,329億円、営業利益85.8億円を達成。収益体質の改善が進み、成長軌道への回帰を確実なものにした。
AIで企業のオフィス使用状況を分析し、拠点再編を提案する新事業を開始。テクノロジーを駆使して「働く環境」のコンサルティング領域を強化した。
売上高1,500億円、営業利益120億円を目標とする新中期経営計画を発表。4期連続の過去最高益と株価のテンバガー達成を経て、更なる成長を目指す。
注目ポイント
近年の働き方改革とオフィス需要の高まりを捉え、4期連続で過去最高益を更新。株価は約4年で10倍(テンバガー)を達成し、市場から高い評価を受けています。
単なる家具メーカーに留まらず、AIを活用してオフィスの最適化を提案するソリューション事業を展開。データに基づいたコンサルティングで企業の生産性向上に貢献します。
業績好調を背景に増配を継続しており、配当性向40%を目指す方針を掲げています。株主を重視する経営姿勢も魅力の一つです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 58.1% |
| FY2022/3 | 37円 | 31.6% |
| FY2023/3 | 42円 | 32.2% |
| FY2024/3 | 55円 | 37.4% |
| FY2025/3 | 75円 | 39.4% |
| 権利確定月 | 6月 |
イトーキは株主還元を重視しており、連結配当性向40%を目途とした積極的な増配を継続しています。業績の成長に合わせた配当引き上げにより、投資家に対する還元意識を高めています。今後も安定した事業運営により、持続的な利益還元を行う方針を掲げています。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
イトーキは、オフィス需要の回復と高付加価値製品への転換により業績を大幅に伸長させており、営業利益は直近4年間で約5倍の136億円まで急拡大しました。売上高も右肩上がりで推移し、今期は過去最高レベルの成長を見込んでいます。単なる家具販売から空間デザインや運用コンサルティングまで事業領域を広げたことが、収益構造の抜本的な改善に大きく寄与しました。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.6% | 1.1% | 2.2% |
| FY2022/3 | 10.6% | 4.6% | 3.7% |
| FY2023/3 | 10.7% | 5.0% | 6.4% |
| FY2024/3 | 14.6% | 6.0% | 7.3% |
| FY2025/3 | 16.5% | 7.2% | 8.9% |
収益性の指標は劇的に向上しており、ROEは2021年3月期の2.6%から直近では16.5%へと飛躍的な改善を遂げました。営業利益率も約9%水準まで上昇しており、製販一貫体制の強化によるコスト効率の改善が奏功しています。これは同社が単なる製造業から、高利益率なソリューション提供型企業へと着実に変貌を遂げていることを裏付けています。
財務は安全?
財務健全性は、有利子負債のコントロールを軸に安定的な推移を見せています。自己資本比率は40%台を維持しており、強固な財務基盤を背景に成長投資と株主還元の両立が可能な体制を構築しました。今後は、さらなる資本効率の向上と借入金の適切な管理により、持続的な企業価値の増大を目指しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 27.7億円 | -11.7億円 | -26.6億円 | 16.0億円 |
| FY2022/3 | 58.0億円 | 49.2億円 | -14.3億円 | 107億円 |
| FY2023/3 | 63.2億円 | -40.1億円 | -41.5億円 | 23.1億円 |
| FY2024/3 | -10.0億円 | -71.1億円 | 59.0億円 | -81.1億円 |
| FY2025/3 | 89.4億円 | -38.5億円 | -59.4億円 | 51.0億円 |
営業キャッシュフローは本業の好調さを反映して力強いプラスを維持しており、安定的な事業収益が強固なキャッシュ創出力を支えています。投資キャッシュフローについては、成長に向けた設備投資やM&Aなどを適宜実行しつつも、全体としては健全な資金循環を継続しています。一時的にフリーキャッシュフローがマイナスとなる期もありますが、これは将来の成長に向けた戦略的な投資の結果であると捉えられます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.4億円 | 12.7億円 | 52.2% |
| FY2022/3 | 41.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 85.5億円 | 26.5億円 | 31.0% |
| FY2024/3 | 100億円 | 28.2億円 | 28.2% |
| FY2025/3 | 137億円 | 43.6億円 | 31.7% |
法人税等の支払いは、連結業績の向上に伴い着実に増加しています。過去には税効果会計の影響等により実効税率が変動する局面もありましたが、直近では税引前利益に対して概ね妥当な水準で推移しています。将来の納税予測においても安定した利益創出を見越した水準となっており、健全な納税義務を果たしています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 706万円 | 3,957人 | - |
従業員の平均年収は706万円と、日本の製造業およびオフィス家具業界の中でも安定して高水準を維持しています。近年は過去最高益を更新する業績成長が続いており、中長期的な給与ベースアップや働き方改革による職場環境の改善が年収の底上げに寄与しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・アシスト。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行(12.15%)や日本カストディ銀行(7.04%)といった信託口が上位を占めており、機関投資家による保有比率が高い構成です。日本生命やみずほ・三井住友銀行といった金融機関との強固な関係も維持されており、創業家に関連する個人名や持株会も一定の影響力を保持しつつ、市場での流通性が担保されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力はオフィス家具の製造販売ですが、AIを活用した空間分析や物流ロボットなどの新領域へも注力し、製販一貫体制で収益性を向上させています。一方で、原材料価格の高騰や労働力不足といった製造業特有の構造的な事業リスクを抱えており、それらを高付加価値なサービス提供により克服する戦略を採っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.6%で、多様性の確保に向けた取り組みを継続しています。32社の連結子会社を擁する大企業として強固な監査体制を構築しており、1億円を超える監査報酬を支払うなど、外部監視機能とコンプライアンス遵守を最優先する経営体制を確立しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 115億円 | — | 137億円 | +19.0% |
| FY2024 | 100億円 | — | 101億円 | +0.8% |
| FY2023 | 65億円 | — | 85億円 | +31.1% |
| FY2022 | 30億円 | — | 46億円 | +52.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,450億円 | — | 1,537億円 | +6.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中計「ITOKI 2023」は売上こそ僅かに未達でしたが、営業利益目標を42%も上回り、収益構造の改善を証明しました。現行の中計「RISE TO GROWTH 2026」では、最終年度の売上・利益目標を2025年12月期に1年前倒しで達成する見込みです。業績予想は保守的に出す傾向があり、特に利益面で大幅に上振れて着地することが多く、経営陣の計画遂行能力は極めて高いと評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。イトーキのTSRはFY2023からTOPIXを上回り始め、FY2025には336.9%と、TOPIX(182.5%)を大幅にアウトパフォームしています。これは、積極的な増配姿勢に加え、事業構造改革による業績のV字回復が市場に評価され、株価が劇的に上昇したことが主な要因です。株主還元と企業成長の両輪がうまく機能していることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 64.6万円 | -35.4万円 | -35.4% |
| FY2022 | 71.7万円 | -28.3万円 | -28.3% |
| FY2023 | 121.4万円 | +21.4万円 | 21.4% |
| FY2024 | 270.8万円 | +170.8万円 | 170.8% |
| FY2025 | 336.9万円 | +236.9万円 | 236.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2.05倍と比較的落ち着いており、過熱感は限定的です。PER、PBRともに業界平均をやや下回っており、業績の急成長と比較すると株価にはまだ割安感があると判断できます。同業のコクヨやオカムラとの比較においても、今後の成長余地を織り込む投資家の買い意欲は継続する可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年12月期決算にて4期連続最高益を達成し、配当増額を発表。
滋賀工場を全面改修し「ITOKI DESIGN HOUSE SHIGA」としてリニューアル。
AIとデータ活用による会議室不足解消ソリューション「Reserve Any」を発表。
最新ニュース
イトーキ まとめ
ひとめ診断
「老舗オフィス家具メーカーが、DXと空間デザインで『働き方改革』の主役へと返り咲いた物語」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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