キングジム
KING JIM CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月29日
キングファイルとテプラの王者が挑む、暮らしを彩る総合メーカーへの進化
独創的な発想と技術で、人々の暮らしを豊かに彩る製品とサービスを提供し、世界中の生活文化の向上に貢献する。
この会社ってなに?
あなたがオフィスで書類を整理するとき、棚に並んでいる青やグレーの分厚いファイルは、きっとキングジムの『キングファイル』でしょう。また、持ち物やファイルに名前を貼るラベルライター『テプラ』も、同社のメガヒット商品で、一度は使ったことがあるかもしれません。最近では、M&Aを通じておしゃれな生活雑貨や家具も手掛けており、あなたが普段利用する通販サイトで見かける便利なキッチングッズやインテリアの裏側でも、キングジムグループが活躍しています。オフィスだけでなく、あなたの暮らしを彩る身近な存在になりつつある会社です。
事務ファイル首位のキングジムは、FY2024に営業赤字(-2.41億円)を計上するなど厳しい状況に直面しましたが、FY2025には売上高396.4億円、営業利益5.37億円と黒字転換を達成しました。来期(FY2026)は売上高420.0億円(前期比5.9%増)、営業利益15.0億円(同179.3%増)と大幅なV字回復を見込んでいます。文具市場の縮小に対応するため、M&Aを積極的に活用し、家具や生活雑貨などの非文具領域へ事業ポートフォリオを拡大しており、この多角化戦略が今後の成長の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 6月
- 本社
- 東京都千代田区東神田2-10-18
- 公式
- www.kingjim.co.jp
社長プロフィール

文具市場の縮小という変化をチャンスと捉え、これまで培ってきた独創的な商品開発力と製造ノウハウを、家具やキッチン雑貨など暮らしを彩る新たな領域へ展開します。M&Aも活用しながら事業ポートフォリオを拡大し、持続的な成長を目指していきます。
この会社のストーリー
創業者・宮本英太郎が「名鑑堂」を設立し、間もなく発明した「キングファイル」の原型となるファイルが大ヒット。戦後のオフィス復興を支える。
株式会社キングジムを設立。書類整理のスタンダードとして「キングファイル」がオフィスに不可欠な存在となり、高度経済成長期の事務効率化に貢献する。
誰でも簡単に美しいラベルが作れるラベルライター「テプラ」を発売。オフィスのみならず家庭にも普及し、新たな市場を創造する大ヒット商品となる。
テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」を発売。そのユニークなコンセプトが一部の熱狂的なファンを生み出し、ニッチ市場での強さを示す。
家具ECサイトを運営する「ぼん家具」を子会社化。文具・事務用品という従来の枠組みを超え、新たな収益の柱を模索する転換期に入る。
デザイン性の高い家電や雑貨を展開する「ライフオンプロダクツ」をグループに迎え、ライフスタイル領域への展開を本格化させる。
「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに第11次中期経営計画を策定。既存事業の強化とM&Aによる新規事業の育成を両輪で進める。
注目ポイント
「キングファイル」「テプラ」という強力なブランドを基盤に、M&Aを積極的に活用。家具やデザイン雑貨など、成長性の高いライフスタイル領域へ事業を拡大しています。
デジタルメモ「ポメラ」のように、他社にはないユニークな発想でニッチな需要を捉える商品開発力が強み。常に「あったら便利」を追求し、新たな市場を創造します。
自社公式オンラインストアで使える優待クーポンがもらえる株主優待が魅力。キングジムのユニークな製品やグループ会社の雑貨などを、お得に手に入れることができます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 27円 | 39.1% |
| FY2022/3 | 22円 | 79.5% |
| FY2023/3 | 14円 | 95.1% |
| FY2024/3 | 14円 | - |
| FY2025/3 | 14円 | 92.6% |
| 権利確定月 | 6月・12月 |
配当については、安定した利益還元を重視する方針を掲げていますが、近年の業績低迷により配当性向は一時的に非常に高い水準となっています。現在は1株あたり14円の配当を維持しつつ、事業の成長による利益水準の底上げを目指しています。株主優待と合わせたトータルでの還元姿勢を継続する方針です。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
キングジムは主力である事務ファイルや『テプラ』などの国内文具市場の縮小に直面しており、近年の業績は低迷傾向で推移しています。FY2024/3には営業損益および最終損益が赤字に転落しましたが、構造改革や家具・雑貨事業の拡大により、FY2025/3には黒字化を達成しました。2026年3月期は、更なる収益拡大に向けて売上高420億円、最終利益10億円の回復を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.1% | 6.4% | 6.7% |
| FY2022/3 | 3.3% | 2.4% | 2.7% |
| FY2023/3 | 1.7% | 1.2% | 0.9% |
| FY2024/3 | -1.3% | -0.9% | -0.6% |
| FY2025/3 | 1.8% | 1.2% | 1.4% |
かつて高い利益率を誇っていましたが、文具需要の減少に伴い営業利益率は1%台前後まで低下し収益性は厳しさを増しています。FY2024/3は赤字によりROEがマイナスに沈みましたが、直近では経営効率の改善に向けた取り組みが進められています。今後は、M&Aを通じて取り込んだ生活雑貨や家具事業でのシナジー創出が、利益率回復の鍵となります。
財務は安全?
同社は強固な財務体質を有しており、有利子負債を全く持たない実質無借金経営を長年維持しています。総資産355億円に対して純資産が240億円規模と自己資本比率も67.5%と高く、財務の健全性は極めて高い水準にあります。文具市場の逆風下でも安定した投資活動を続けられるのは、この強固なキャッシュポジションがあるためです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 31.1億円 | -4.9億円 | -13.8億円 | 26.2億円 |
| FY2022/3 | -12.8億円 | -35.8億円 | 32.1億円 | -48.6億円 |
| FY2023/3 | 1.7億円 | -12.3億円 | 10.7億円 | -10.7億円 |
| FY2024/3 | 10.5億円 | -4.4億円 | -10.7億円 | 6.0億円 |
| FY2025/3 | 14.7億円 | -8.3億円 | 1.8億円 | 6.4億円 |
本業で稼ぐ営業キャッシュフローは安定性に欠ける時期がありましたが、直近では改善基調にあり、6億円規模のフリーキャッシュフローを創出できています。FY2022/3の投資キャッシュフローの膨らみは、積極的な事業多角化のためのM&A支出が主な要因です。現在は潤沢な現金を背景に、事業基盤の再構築と成長投資をバランスよく進めています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 27.6億円 | 7.9億円 | 28.7% |
| FY2022/3 | 13.4億円 | 5.5億円 | 41.1% |
| FY2023/3 | 6.4億円 | 2.2億円 | 34.2% |
| FY2024/3 | 1.3億円 | 4.5億円 | 344.6% |
| FY2025/3 | 8.4億円 | 4.1億円 | 49.3% |
FY2024/3は税引前利益が約1.3億円と低水準であった一方、法人税等の負担が重く実効税率は一時的に高騰しました。税引前利益が少ない期には、繰延税金資産の取り崩しや税額控除の影響が相対的に大きくなる傾向があります。FY2026/3の予想では、利益成長に伴い税務上の負担率も標準的な水準へ回帰する見通しです。
会社の公式開示情報
主力である事務用ファイルや「テプラ」に加え、ライフオンプロダクツ等の買収により、生活雑貨や家具へと事業領域を多角化しています。国内文具市場の縮小を新規事業の成長で補う戦略が、直近の決算における増益要因となりました。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 5億円 | — | 5億円 | +1.3% |
| FY2024 | 7億円 | — | -2億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 16億円 | — | 4億円 | -76.6% |
| FY2022 | 21億円 | — | 10億円 | -51.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
キングジムは「第11次中期経営計画」を推進中ですが、具体的な数値目標は単年度の業績予想として開示されています。FY2026目標は売上高420億円、営業利益15億円と、赤字からのV字回復を目指す計画です。ただし、過去4年間で3度が大幅な下方修正となっており、業績予想の精度が課題とされてきました。現行計画は、過去の実績を踏まえた保守的な目標設定の可能性もあり、投資家としては計画の達成だけでなく、M&Aで取得した非文具事業が計画以上に貢献できるかが注目されます。
株の売買状況と今後の予定
マーケットデータを見ると、キングジムのPBRは0.96倍と、解散価値を示す1倍を割り込んでおり、市場からは割安と評価されていることがうかがえます。一方で、PERは23.0倍と業界平均をやや上回っており、これはFY2026のV字回復期待を織り込んだものと考えられます。信用倍率は0.30倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、株価上昇時にはこれらの売りポジションの買い戻し(踏み上げ)が上昇を加速させる可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
環境配慮型の災害対策セットを市場投入し、製品ラインアップの拡充を図る。
本社オフィスを刷新し、「共創スペース」を新設してグループ企業との連携強化を推進。
2026年6月期第2四半期において連結経常利益が前年同期比2.1倍の3.8億円に達し、収益性が改善。
最新ニュース
キングジム まとめ
ひとめ診断
「『キングファイル』の絶対王者が、文具市場の逆風をM&Aで乗り越え、オフィスから暮らしの雑貨まで『整理』する会社へと変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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