クリナップ
Cleanup Corporation
最終更新日: 2026年3月29日
ステンレス技術で日本の食文化を支える、システムキッチンのパイオニア
キッチンを単なる調理の場から、家族が集い、創造性を育む暮らしの中心へと進化させ、サステナブルな未来の食文化を創造することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うキッチン、もしかしたらクリナップ製かもしれません。クリナップは、日本で初めてシステムキッチンを開発した会社の一つで、特にサビや汚れに強いステンレス製のキッチンで有名です。マイホームを建てたり、リフォームを考えたりするとき、住宅展示場やショールームで「こんなキッチンが欲しいな」と憧れるような、機能的で美しいキッチンをたくさん作っています。普段何気なく目にしているそのピカピカのキッチンの裏側で、クリナップの技術が活躍しているのです。
システムキッチン大手のクリナップは、FY2025に売上高1,299.9億円(前期比1.6%増)、営業利益20.70億円(同60.7%増)を達成し、増収増益で着地しました。FY2024は原材料価格の高騰で大幅な減益に見舞われましたが、価格改定や高付加価値製品への注力で収益性が回復傾向にあります。今後は、国内のリフォーム需要の取り込みと、伊高級キッチンメーカーとの提携による超高級市場の開拓が成長の鍵となります。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都荒川区西日暮里6-22-22
- 公式
- cleanup.jp
社長プロフィール

私たちは、創業以来培ってきた「ステンレス加工技術」というコア・コンピタンスを磨き続け、日本の食文化を支えてきました。これからもお客様の暮らしに寄り添い、事業の「変革と創造」に挑戦することで、キッチンから笑顔を創り、持続的な成長を目指してまいります。
この会社のストーリー
創業者の井上兄弟が、東京都荒川区で個人事業として座卓(ちゃぶ台)の製造販売を開始。戦後の日本の暮らしを豊かにしたいという想いが、ものづくりの出発点でした。
洋風化する暮らしの変化を捉え、座卓製造から撤退し、当時まだ珍しかったステンレス流し台の製造販売へ大きく舵を切りました。この決断が、後の飛躍の礎となります。
「厨房の家具化」をコンセプトに、日本で初めて調理台・流し台・コンロ台などを一体化した「システムキッチン」を開発・発表。日本のキッチン文化に革命を起こしました。
システムキッチンが主力製品となり、ブランド名が広く浸透したことから、商号を「クリナップ株式会社」に変更。新たなブランドイメージで全国展開を加速させました。
安定した成長を背景に、株式を上場。社会的な信用を高め、さらなる事業拡大のための経営基盤を確立しました。
主力工場がある福島県いわき市が被災。困難な状況を乗り越え、生産を再開するとともに、岡山工場との二極生産体制を構築し、リスク分散と供給能力の強化を図りました。
システムキッチン発売50周年を機に、サステナブルな未来を見据えた「未来キッチンプロジェクト」を始動。キッチンをLDKから解放し、暮らしの新たな可能性を提案しています。
注目ポイント
1973年に日本で初めてシステムキッチンを発表したパイオニア企業。以来、半世紀にわたり日本のキッチンを進化させ、豊かな食生活を支え続けています。
耐久性や清掃性に優れたステンレスにこだわり、独自の加工技術を磨き続けています。高品質なステンレスキャビネットは他社にはない強みであり、長年愛される理由です。
自己資本比率60%超という健全な財務体質を誇ります。安定した経営基盤のもと、着実な配当を実施しており、長期的な視点で安心して応援できる企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 42.2% |
| FY2022/3 | 23円 | 26.9% |
| FY2023/3 | 26円 | 38.0% |
| FY2024/3 | 31円 | 77.6% |
| FY2025/3 | 31円 | 65.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的な配当の継続を基本方針としています。近年は配当水準を引き上げており、FY2024/3以降は年間31円の配当を維持しています。業績変動がある中でも株主還元を重視する姿勢を示しており、中長期的な信頼の維持に努めています。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は安定した国内需要を背景にFY2021/3の約1,042億円からFY2025/3には約1,300億円まで継続的な増収基調を維持しています。一方で、原材料価格の高騰や円安によるコスト増が利益を圧迫し、営業利益はFY2024/3に約13億円まで低下しました。しかし、FY2026/3には構造改革の進展と価格転嫁の効果により、業績回復が鮮明となる見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.3% | 2.1% | 2.5% |
| FY2022/3 | 5.8% | 3.7% | 3.3% |
| FY2023/3 | 4.5% | 2.9% | 2.4% |
| FY2024/3 | 2.6% | 1.6% | 1.0% |
| FY2025/3 | 3.0% | 1.9% | 1.6% |
ROEはFY2022/3の5.8%をピークに低下傾向にあり、足元では3%前後で推移しています。営業利益率も原材料高の影響を受けてFY2024/3には1.0%まで落ち込みましたが、その後は緩やかな改善に向かっています。収益体質の抜本的な強化が求められる局面であり、高付加価値商品へのシフトが今後の鍵となります。
財務は安全?
自己資本比率は60%台前半を維持しており、極めて高い財務健全性を確保しています。FY2024/3以降、設備投資等の必要資金調達のため有利子負債が増加していますが、依然として総資産に対する負債の割合は低水準です。安定した自己資本を背景に、強固な経営基盤を保持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 26.6億円 | -16.0億円 | 12.3億円 | 10.6億円 |
| FY2022/3 | 57.8億円 | -26.2億円 | -36.4億円 | 31.6億円 |
| FY2023/3 | 43.0億円 | -22.9億円 | -20.3億円 | 20.2億円 |
| FY2024/3 | 24.3億円 | -53.6億円 | -5.7億円 | -29.3億円 |
| FY2025/3 | 43.5億円 | -45.0億円 | 2.5億円 | -1.5億円 |
営業活動によるキャッシュフローは概ね安定してプラスを維持しており、本業による稼ぐ力は備わっています。一方で、FY2024/3以降は生産体制の再構築や設備更新に伴う投資支出が膨らみ、フリーキャッシュフローが一時的にマイナスとなる年度が発生しました。今後は、こうした戦略的投資による成長回帰が収益向上に寄与するかどうかが注目されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 27.1億円 | 9.7億円 | 35.7% |
| FY2022/3 | 42.6億円 | 11.1億円 | 26.0% |
| FY2023/3 | 35.6億円 | 10.4億円 | 29.2% |
| FY2024/3 | 18.1億円 | 3.4億円 | 18.9% |
| FY2025/3 | 26.2億円 | 9.0億円 | 34.4% |
法人税等の支払額は、税引前当期純利益の増減に連動して推移しています。FY2024/3は利益水準の低下に伴い納税額が約3.4億円まで減少しましたが、その後は利益の回復とともに正常な水準へ戻る見通しです。実効税率は年度により変動がありますが、概ね標準的な税率の範囲内で推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 538万円 | 3,516人 | - |
従業員の平均年収は538万円であり、製造業界の平均的な水準にあります。原材料価格の高騰や住宅市場の動向による収益の変動を受けつつも、安定した雇用と賃金水準の維持に努めています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は井上・タカヤス・クリナップ社員持株会。
創業家である株式会社井上が筆頭株主として23.87%を保有しており、強い影響力を維持しています。また、クリナップ真栄会やクリナップ共進会といった関連団体や社員持株会が上位株主の多くを占めており、安定した株主構成である一方、浮動株の比率は限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力であるシステムキッチン事業を中心に、浴槽や洗面機器を含む住宅設備機器の製造・販売を一体的に展開しています。原材料価格の変動や為替リスクを主要な事業リスクとして開示しており、効率的な生産体制の構築と収益構造の改善が経営課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%であり、さらなる登用が課題となります。監査体制としては監査等委員会設置会社を採用し、適正な業務執行を監視する体制を整えています。連結子会社8社を擁し、いわきと岡山の2大生産拠点を軸に強固なガバナンスと経営基盤を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 21億円 | 20億円 | 21億円 | -1.4% |
| FY2024 | 44億円 | — | 13億円 | 大幅未達 |
| FY2023 | 40億円 | — | 30億円 | -24.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,340億円 | — | 1,300億円 | -3.0% |
| FY2024 | 1,310億円 | — | 1,280億円 | -2.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画ではFY2026に売上高1,380億円、営業利益25億円を目標としています。FY2025実績は売上高1,299.9億円(進捗率94.2%)、営業利益20.70億円(進捗率82.8%)と、目標達成にはもう一段の収益性改善が必要です。特にFY2024の営業利益は期初予想44億円に対し実績12.82億円と大幅な未達に終わっており、外部環境の変化に対する耐性が課題です。今後は高付加価値製品の販売強化とコスト管理が計画達成の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年で市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、原材料価格の高騰による収益性の悪化や、国内市場の成熟による成長性の鈍化が株価に反映された結果と考えられます。配当は安定的に実施されているものの、株価上昇が限定的であったため、総合的な株主リターンは市場平均に及びませんでした。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 105.2万円 | +5.2万円 | 5.2% |
| FY2022 | 107.1万円 | +7.1万円 | 7.1% |
| FY2023 | 142.1万円 | +42.1万円 | 42.1% |
| FY2024 | 166.5万円 | +66.5万円 | 66.5% |
| FY2025 | 146.9万円 | +46.9万円 | 46.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.61倍と、解散価値を示す1倍を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と判断される水準です。PERは18.8倍で業界平均並み、配当利回りは3.21%と比較的高い魅力があります。信用倍率は5.35倍と買い残が多く、将来の株価上昇を期待する投資家が多い一方で、需給面での重さも懸念されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年3月期決算にて営業利益20.70億円を達成し、安定的な経営基盤を維持。
上期経常利益を従来予想から2.6倍へ上方修正し、収益性の改善が鮮明に。
第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比76.1%増の43.9億円となり大幅増益を実現。
最新ニュース
クリナップ まとめ
ひとめ診断
「ステンレスキッチンの老舗が、原材料高を乗り越えリフォーム・中高級市場で再成長を目指す堅実メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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