ニチハ
NICHIHA CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
日本の住まいを彩り、世界へ羽ばたく外壁材のリーディングカンパニー
長期ビジョン「Challenge Global to 2030」を掲げ、製品、技術、人材などあらゆる面で世界に通用するグローバル企業へと進化することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが街を歩いていて目にする、おしゃれなデザインの戸建て住宅。その外壁は、もしかしたらニチハの製品かもしれません。同社は「窯業系サイディング」と呼ばれる外壁材で国内トップシェアを誇り、いわば日本の家の「顔」を作っている会社です。新築の家を建てる時や、古くなった家の外壁をリフォームする際に、豊富なデザインや色、耐久性の高い外壁材で、私たちの住まいの価値を高めてくれています。普段何気なく見ている住宅の外観の裏側で、ニチハの技術が活躍しているのです。
窯業系外壁材で国内首位のニチハは、住宅市況に業績が左右される典型的な企業です。直近の2025年3月期決算では、売上高1,484.8億円を確保したものの、営業利益は前期比31.9%減の69.51億円と大幅な減益を記録しました。これは国内の新設住宅着工戸数の減少と、競争が激化する米国事業の一部撤退に伴う影響が主因です。株価はPBR1倍を割り込んでおり、企業価値向上に向けた資本効率の改善が喫緊の課題となっています。
会社概要
- 業種
- ガラス・土石製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県名古屋市中区錦二丁目18番19号(三井住友銀行名古屋ビル)
- 公式
- www.nichiha.co.jp
社長プロフィール

長期ビジョン「Challenge Global to 2030」を掲げ、あらゆる面で世界に通用する企業を目指します。第一次中期経営計画では、資本コストや株価を意識した経営を実践し、PBR1倍超の達成を通じて企業価値向上に積極的に取り組んでまいります。
この会社のストーリー
愛知県名古屋市に設立。木材の有効活用を目指し、木質繊維を原料とする建材の製造から事業をスタートさせた。
住宅の不燃化・高耐久化という時代のニーズに応え、主力製品となる窯業系サイディングを開発・発売。現在の事業基盤を築いた。
安定した成長を背景に株式上場を果たし、企業としての社会的信用を高め、さらなる発展への礎を築いた。
事業の多角化と総合建材メーカーとしてのイメージを明確にするため、現在の「ニチハ株式会社」に商号を変更した。
名古屋証券取引所に続き、東京証券取引所にも上場。全国的な知名度と信用を獲得し、事業拡大を加速させた。
本格的な海外展開の足がかりとして、米国に現地法人を設立。グローバル市場への挑戦を開始した。
「Challenge Global to 2030」をスローガンに、グローバル展開の加速と資本効率を意識した経営を推進。PBR1倍超を目指す方針を明確にした。
長期ビジョンに基づき、国内外での事業成長を追求。持続可能な社会の実現に貢献する、世界で認められる建材メーカーを目指す。
注目ポイント
主力製品である窯業系サイディングで国内トップシェアを誇ります。高いデザイン性と品質で、日本の住宅の美しい景観づくりに貢献しています。長年培った技術力が強みです。 (2024年3月期 決算説明資料より)
新中期経営計画で「PBR1倍超」を明確な目標に掲げ、資本効率の向上と株主還元の強化を打ち出しています。配当や自社株買いなど、積極的な還元策が期待されます。
高級感のあるデザインの外壁材が特徴で、毎年「NICHIHA SIDING AWARD」を開催。美しい街並みづくりへの貢献意識が高く、多くのハウスメーカーから支持されています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 73円 | 30.0% |
| FY2022/3 | 97円 | 35.0% |
| FY2023/3 | 97円 | 39.2% |
| FY2024/3 | 114円 | 51.0% |
| FY2025/3 | 114円 | 145.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
ニチハは株主還元を重視しており、安定的な配当維持と増配を方針として掲げる累進配当的な姿勢を見せています。配当性向は直近の業績悪化に伴い一時的に145%を超えましたが、会社側は利益水準の回復とあわせて長期的な還元を維持する意向です。株主優待は導入しておらず、配当を通じた直接的なキャッシュ還元に特化した方針をとっています。
同業比較(収益性)
ガラス・土石製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニチハの業績は、窯業系外壁材の国内最大手としての基盤を背景に、売上高は緩やかな増加基調を維持してきました。しかし、近年は原材料価格や物流コストの高騰、および海外事業における住宅市場の減速影響を受け、営業利益は圧迫される傾向にあります。2025年3月期には営業利益が約70億円まで大きく落ち込みましたが、2026年3月期の予想ではコスト構造の改善や事業選別を進めることで、約100億円への回復を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.8% | 6.0% | 10.0% |
| FY2022/3 | 9.1% | 6.3% | 9.8% |
| FY2023/3 | 7.6% | 5.3% | 8.5% |
| FY2024/3 | 6.4% | 4.6% | 7.1% |
| FY2025/3 | 2.2% | 1.5% | 4.7% |
収益性については、かつて営業利益率が10%前後で推移していましたが、近年の資材高騰が直撃し、2025年3月期には営業利益率が約4.7%まで低下するなど厳しい局面を迎えています。ROE(自己資本利益率)も同様に、2021年3月期の8.8%から直近では2.2%へと大幅に低下しており、資本効率の改善が課題となっています。今後は、高付加価値製品へのシフトや不採算事業の整理を通じて、本来の収益力を取り戻せるかが焦点です。
財務は安全?
財務健全性は非常に高く、自己資本比率は70%前後と強固な安定性を誇ります。以前は無借金経営を継続していましたが、2024年3月期以降は有利子負債を約344億円まで積み増しており、これは設備投資や成長戦略に伴う資金調達の動きと考えられます。潤沢な自己資本を背景に財務的な余力は十分であり、中長期的な投資や株主還元を継続できる堅実な体質を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 158億円 | -112億円 | -15.7億円 | 46.4億円 |
| FY2022/3 | 150億円 | -77.8億円 | -32.1億円 | 72.1億円 |
| FY2023/3 | 55.4億円 | -126億円 | -48.9億円 | -70.8億円 |
| FY2024/3 | 69.2億円 | -60.4億円 | -71.2億円 | 8.8億円 |
| FY2025/3 | 104億円 | -30.4億円 | -80.1億円 | 73.8億円 |
営業キャッシュフローは安定した本業の収益力を反映してプラスを維持しており、2025年3月期には約104億円の営業キャッシュを創出するまで回復しました。投資キャッシュフローは工場の設備投資などで継続的に流出していますが、フリーキャッシュフロー(自由資金)は一時的なマイナス期を経て直近で約74億円のプラスに転じています。積極的な財務改善と並行し、財務キャッシュフローでの配当支払いや自己株式取得を通じて株主還元を継続している点が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 122億円 | 33.5億円 | 27.3% |
| FY2022/3 | 136億円 | 34.5億円 | 25.4% |
| FY2023/3 | 128億円 | 37.7億円 | 29.4% |
| FY2024/3 | 119億円 | 37.9億円 | 32.0% |
| FY2025/3 | 72.5億円 | 45.5億円 | 62.7% |
法人税等の支払いは概ね法定実効税率に近い水準で推移してきましたが、2025年3月期には税引前利益の急減に対して税負担率が約62.7%と高騰しました。これは利益水準が低下した際にも発生する一定の固定的な税金や、損金算入できない項目が利益圧縮時に影響したと考えられます。2026年3月期は、業績回復とともに税負担率も標準的な28%程度へと正常化する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 705万円 | 3,158人 | - |
従業員平均年収は705万円であり、製造業や建材業界の中では比較的安定した水準を維持しています。平均年齢が46歳を超え勤続年数が長いことから、ベテラン層が厚い組織体制となっており、賃金カーブが安定していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 主な安定株主は銀泉・住友林業・三井住友銀行。
上位株主には日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が並ぶほか、住友林業や銀泉株式会社など、長期的な関係を持つ事業会社や金融機関による安定株主構成が特徴です。また、自社株口が10%超と高く、資本効率の向上を重視した経営姿勢が伺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力の窯業系外壁材事業において、国内市場の成熟に加え、原材料価格や物流費の高騰が収益の変動リスクとなっています。海外事業の展開や高付加価値製品への転換を通じた、持続的な利益確保に向けた構造改革の進捗が重要視されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が23.1%と一定の水準を確保しており、多様な視点を取り入れたガバナンス体制を推進しています。また、社外取締役の積極的な登用や監査機能の強化を通じて、連結子会社13社を抱えるグループ経営の透明性を高めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 115億円 | 100億円 | 70億円 | 大幅未達 (-40.0%) |
| FY2024 | 140億円 | — | 102億円 | -27.1% |
| FY2023 | 135億円 | — | 117億円 | -13.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,485億円 | 1,475億円 | 1,485億円 | -0.01% |
| FY2024 | 1,500億円 | — | 1,428億円 | -4.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024年5月に長期ビジョン"Challenge Global to 2030"と第一次中期経営計画を発表し、PBR1倍超えを目標に掲げています。しかし、直近の業績予想は外部環境の悪化を理由に大幅な未達が続いており、計画達成能力には疑問符がつきます。特にFY2025の営業利益は期初予想115億円に対し、実績69.51億円と40%もの大幅な下振れとなりました。まずは足元の業績安定と、信頼性のあるガイダンスを示すことが求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ニチハのTSRは、FY2022以降、市場平均であるTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、増配はしているものの、それを上回る株価の低迷が続いていることが主な要因です。特に国内の住宅市況の悪化や米国事業の不振が業績の重しとなり、投資家からの成長期待が剥落している状況を反映しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 161.3万円 | +61.3万円 | 61.3% |
| FY2022 | 130.9万円 | +30.9万円 | 30.9% |
| FY2023 | 144.8万円 | +44.8万円 | 44.8% |
| FY2024 | 186.8万円 | +86.8万円 | 86.8% |
| FY2025 | 169.5万円 | +69.5万円 | 69.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業他社比較ではPERは平均的ですが、PBRは0.91倍と1倍を割り込んでおり、市場からの成長期待が低い状態です。一方で配当利回りは3%を超え、業界平均より魅力的です。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、株価の下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
資本効率の向上を図るため、自己株式取得および消却を決定しました。
第42回NICHIHA SIDING AWARD 2025を開催し、施工技術を評価しました。
米国子会社において競争激化に伴う住宅用汎用外装材事業からの撤退を実施。
最新ニュース
ニチハ まとめ
ひとめ診断
「日本の『家の顔』を作る外壁最大手、国内住宅市場の停滞と米国事業の再編という逆風に耐える正念場」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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