日本ガイシ
NGK INSULATORS,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
セラミックスの力で、地球の未来を焼き固める
独自のセラミック技術にさらに磨きをかけ、新しい価値を創造し、人類と地球の未来に貢献する
この会社ってなに?
自動車の排気ガスをきれいにするセラミックスフィルターや、再生可能エネルギーの電気を大量に貯められる巨大な電池を作っている会社です。スマホや半導体を作る工場の装置にも同社のセラミックス部品が使われており、環境対策からハイテクまで幅広く社会を支える「セラミックスの総合メーカー」です。
日本ガイシは1919年創業のセラミックス技術を基盤とする素材メーカーで、電力用碍子で世界トップシェアを誇ります。現在は排ガス浄化用ハニカムセラミックスが主力で、自動車の環境規制強化を追い風に世界シェア約5割を獲得。さらにNAS電池(ナトリウム硫黄電池)による大規模電力貯蔵、半導体製造装置用セラミックス部材など、独自技術を活かした事業ポートフォリオの転換を進めています。2025年3月期は売上高6,195億円(前期比+7.0%)、営業利益812億円(同+22.3%)と増収増益を達成。自己資本比率63.0%と安定した財務基盤を持ち、2026年4月には社名をNGKに変更し、新分野開拓への決意を示しています。
会社概要
- 業種
- ガラス・土石製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号
- 公式
- www.ngk.co.jp
社長プロフィール
セラミックス技術で社会課題の解決に貢献し、カーボンニュートラルとデジタル社会の実現を目指します。2026年4月にはNGKへ社名変更し、祖業の碍子にとらわれない新たな挑戦を続けてまいります。
この会社のストーリー
日本陶器(現・ノリタケカンパニーリミテド)のがいし部門が独立し、日本碍子株式会社として設立。電力インフラの整備に貢献。
東京・名古屋・大阪の各証券取引所に株式上場を果たし、戦後復興を支えるインフラ企業として成長を加速。
セラミックスのハニカム構造技術を活かし、自動車排ガス浄化用触媒担体の製造を開始。環境分野への多角化の転機に。
世界初のナトリウム硫黄電池(NAS電池)の量産を実現。大規模電力貯蔵という新分野を切り開く。
半導体製造装置用セラミックス部材の需要が急拡大。デジタルソサエティ事業が新たな成長ドライバーに。
FY2026/3期3Q累計で経常利益20%増益を達成し、通期業績予想を上方修正。半導体部材の生産能力3倍増を発表。
2026年4月に社名をNGKに変更。碍子にとらわれない新分野への挑戦と、グローバルブランドの確立を目指す。
注目ポイント
自動車の排出ガス規制強化を追い風に、ディーゼル・ガソリン車両向けセラミックスフィルターで圧倒的な世界シェアを維持。EV化の中でもハイブリッド車向け需要は堅調です。
次世代半導体の製造工程で使うセラミックス部材「ハイセラムキャリア」の生産能力を3倍に増強。200億円を投じて国内拠点を強化し、デジタル社会のインフラを支えます。
世界唯一の量産メーカーとして、大規模電力貯蔵用NAS電池を展開。カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの安定供給を支える独自技術です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 38円 | 23.3% |
| FY2017/3 | 40円 | 35.5% |
| FY2018/3 | 44円 | 30.9% |
| FY2019/3 | 50円 | 45.3% |
| FY2020/3 | 50円 | 59.0% |
| FY2021/3 | 30円 | 24.7% |
| FY2022/3 | 63円 | 27.8% |
| FY2023/3 | 66円 | 37.2% |
| FY2024/3 | 50円 | 37.4% |
| FY2025/3 | 60円 | 32.3% |
なし
日本ガイシの配当はFY2022/3期に63円と大幅増配を実施しましたが、FY2024/3期は業績調整を受けて50円に減配。FY2025/3期は60円に回復し、FY2026/3期は76円への増配を予定しています。配当性向は25〜37%の範囲で推移しており、株主重視・ROE重視の経営方針のもと、業績に応じた利益還元を基本としています。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
ガラス・土石製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日本ガイシは碍子・セラミックス技術を基盤とする素材メーカーで、FY2022/3期には排ガス浄化用ハニカムの需要回復を受けて営業利益835億円と過去最高水準を達成しました。FY2023/3〜FY2024/3期は自動車市場の調整局面を受けて横ばい圏で推移しましたが、FY2025/3期は売上高6,195億円・営業利益812億円と増収増益に転じています。FY2026/3期は売上高6,500億円・営業利益850億円と過去最高更新を計画しており、半導体関連部材やNAS電池の成長が牽引する見通しです。営業利益率は11〜16%で推移しており、素材メーカーとしては高い収益性を維持しています。
事業ごとの売上・利益
排ガス浄化用ハニカムセラミックス(DPF・GPF等)が主力。世界シェア約5割。自動車の排出ガス規制強化が追い風。
半導体製造装置用セラミックス部材(ハイセラムキャリア等)、電子部品。次世代半導体向けで高成長。
NAS電池、電力用碍子(祖業)、産業用セラミックス。NAS電池は大規模電力貯蔵向けで成長期待。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.5% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 20.7% | 7.2% | - |
| FY2023/3 | 13.6% | 5.3% | - |
| FY2024/3 | 8.6% | 3.6% | 11.5% |
| FY2025/3 | 9.0% | 4.8% | 13.1% |
日本ガイシの営業利益率は11〜16%で推移しており、ガラス・土石製品業界の中では高い収益性を維持しています。FY2022/3期にはハニカムセラミックスの好調を背景に16.4%を達成しましたが、その後は原材料高騰や自動車市場の調整局面を受けて11%台に低下。FY2025/3期は13.1%に回復しており、半導体関連部材やNAS電池の伸長による収益構造の改善が見られます。ROEは5.8〜12.0%で推移しており、資本コストを上回るROEの達成を中長期の必須目標として掲げています。
財務は安全?
日本ガイシの財務基盤は着実に強化されています。総資産は5年間で9,090億円から1兆1,430億円へ約26%拡大し、BPS(1株当たり純資産)も1,617円から2,456円へ約52%増加しました。自己資本比率は56〜63%の範囲で推移しており、素材メーカーとしては健全な水準を維持。FY2024/3期から有利子負債が約4,848億円計上されていますが、これは成長投資(半導体部材の増産、独社買収計画等)のための資金調達であり、手元現金も約1,777億円を確保しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 856億円 | -517億円 | 123億円 | 339億円 |
| FY2022/3 | 948億円 | -463億円 | -453億円 | 485億円 |
| FY2023/3 | 979億円 | -520億円 | -346億円 | 459億円 |
| FY2024/3 | 992億円 | -686億円 | -361億円 | 306億円 |
| FY2025/3 | 967億円 | -551億円 | -342億円 | 416億円 |
日本ガイシは毎期安定して856〜992億円の営業キャッシュフローを創出しています。投資CFは年間460〜686億円と積極的な設備投資を継続しており、半導体部材の増産やNAS電池の生産体制強化に充当されています。FCF(フリーキャッシュフロー)は毎期306〜486億円のプラスを維持しており、成長投資と株主還元を両立する健全なキャッシュフロー経営を実践しています。FY2021/3期の財務CFがプラスとなっているのは、成長資金の借入を実施したためです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 530億円 | 145億円 | 27.4% |
| FY2022/3 | 862億円 | 154億円 | 17.9% |
| FY2023/3 | 659億円 | 108億円 | 16.5% |
| FY2024/3 | 630億円 | 225億円 | 35.7% |
| FY2025/3 | 782億円 | 233億円 | 29.8% |
日本ガイシの実効税率は17〜36%と年度によるばらつきがあります。FY2022/3〜FY2023/3期には17〜18%と低水準でしたが、これは海外子会社の税制優遇や繰延税金資産の影響によるものです。FY2024/3期は35.7%と跳ね上がりましたが、これは一時的な税務調整の影響と考えられます。過去5年間の法人税等の納付額は年間約108〜233億円に達しており、地域経済への貢献度は高い水準にあります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 845万円 | 19,931人 | - |
平均年収は約845万円で、ガラス・土石製品業界ではトップクラスの水準です。連結従業員数は約19,931名と大規模な組織を構築しています。平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.2年と安定した雇用環境を維持しており、2026年3月には賃上げ率6.86%と過去最高の賃上げを実施。大卒初任給を30万5,000円に引き上げるなど、人材確保に積極的です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・第一生命保険。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が17.4%を保有し、機関投資家経由の保有が合計約23.3%を占めます。明治安田生命(7.4%)・第一生命(7.3%)の生命保険会社2社が合計約14.7%を保有し、森村グループの一員として安定的な株主構成を維持しています。金融機関の保有比率が50.3%と高く、外国法人等も27.5%を占めており、グローバルな機関投資家からの関心が高い銘柄です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| エンバイロメント事業 | 3,150億円 | 480億円 | 15.2% |
| デジタルソサエティ事業 | 1,680億円 | 320億円 | 19.0% |
| エネルギー&インダストリー事業 | 1,365億円 | 12億円 | 0.9% |
日本ガイシは3つのセグメントで事業を展開しています。主力のエンバイロメント事業は売上の約半分を占め、排ガス浄化用ハニカムセラミックスで世界トップシェアを誇ります。デジタルソサエティ事業は半導体関連部材を中心に利益率19.0%と高収益であり、今後の成長ドライバーとして期待されています。エネルギー&インダストリー事業はNAS電池や祖業の碍子を含みますが、NAS電池の黒字化にはまだ時間を要する状況です。役員報酬は7名で総額6億1,000万円。代表取締役は大島卓会長と小林茂社長の2名体制です。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性3名(21.4%)と、プライム市場上場企業としてダイバーシティ目標に向けた取り組みが進んでいます。連結子会社46社を通じてグローバルに事業を展開し、設備投資は488億円と半導体部材やNAS電池の増産に積極投資を実施。平均勤続年数15.2年と安定した雇用環境を維持しており、監査報酬1億700万円はガバナンス体制の充実を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 630,000百万円 | 650,000百万円 | — | +3.2% |
| FY2025/3 | 620,000百万円 | — | 619,513百万円 | -0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 75,000百万円 | 85,000百万円 | — | +13.3% |
| FY2025/3 | 75,000百万円 | — | 81,241百万円 | +8.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
日本ガイシはFY2025/3期に売上高はほぼ計画通り、営業利益は当初予想750億円に対し812億円と上振れ着地を実現しました。FY2026/3期は当初計画(売上高6,300億円・営業利益750億円)から3Q時点で上方修正し、売上高6,500億円・営業利益850億円に引き上げています。3Q累計の経常利益進捗率89.9%は過去5年平均76.1%を大幅に上回っており、通期計画の達成はほぼ確実な状況です。中長期では「New Value 1000」として2030年に新事業化品売上高1,000億円を目指すビジョンを掲げています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は148.6%とプラスを維持しているものの、同期間のTOPIX(197.6%)を約49ポイント下回るアンダーパフォームとなっています。FY2023/3〜FY2024/3期に自動車市場の調整局面を迎え、株価が伸び悩んだことが主因です。ただし直近のFY2025/3期には半導体関連の成長と3Q好決算による上方修正を受けて株価が大幅に回復しており、今後の事業ポートフォリオ転換が進めばTOPIXとの差を縮める可能性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 145.0万円 | +45.0万円 | 45.0% |
| FY2022 | 130.3万円 | +30.3万円 | 30.3% |
| FY2023 | 134.9万円 | +34.9万円 | 34.9% |
| FY2024 | 158.7万円 | +58.7万円 | 58.7% |
| FY2025 | 148.6万円 | +48.6万円 | 48.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は11.15倍と買い残が大幅に優勢であり、個人投資家の上昇期待が強い状況を示しています。PER 21.2倍・PBR 1.62倍とセクター平均を大きく上回るプレミアム評価が付与されており、これは半導体部材やNAS電池など成長事業への期待を反映しています。配当利回り1.91%はセクター平均をやや下回りますが、FY2026/3期は76円への増配を予定しており、株主還元姿勢の強化が進んでいます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
次世代半導体製造工程向けセラミックス部材「ハイセラムキャリア」の生産能力を3倍に増強すると発表。約200億円を投資。
第3四半期累計の経常利益は前年同期比20.0%増の737億円で着地。通期業績予想を上方修正し、売上高6,500億円、営業利益850億円に引き上げ。
独ボージック社の持ち株会社の買収契約を解除。売り手側マレーシア親会社の経営悪化が原因。サブナノセラミック膜の実用化戦略に影響。
賃上げ率6.86%で過去最高を記録。大卒初任給を30万5,000円に引き上げ、年間賞与215万円を決定。
最新ニュース
日本ガイシ まとめ
ひとめ診断
碍子世界最大手、セラミック技術で排ガス浄化から半導体・NAS電池まで多角展開する名古屋発の素材メーカー
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「ガラス・土石製品」に分類される他の企業
国内セメント首位、価格改定と海外展開で営業利益率10%超を目指す老舗インフラ企業
鉄を溶かす高炉を守る“縁の下の力持ち”、高配当と株主還元で投資家にも熱い視線を送る老舗メーカー
カーボンブラック世界首位級、電炉用電極・半導体素材も展開する炭素製品の総合メーカー
創業150年の老舗耐火物メーカーが、M&Aと新素材を武器に世界市場へ再挑戦
断つ・保つの独自技術で産業インフラを支える創業128年の素材メーカーが、液化水素・半導体向けで次の成長ステージへ
基礎杭の国内ガリバー、ASEANの旺盛なインフラ需要を取り込み再成長を目指す建設会社
創業100年の繊維の老舗が、AIデータセンターの心臓部を支える『特殊ガラス繊維』で世界を席巻中
日本の『家の顔』を作る外壁最大手、国内住宅市場の停滞と米国事業の再編という逆風に耐える正念場