ZACROS
ZACROS Corporation
最終更新日: 2026年3月29日
包装技術で未来を拓く、110年の歴史を持つ革新的な化学メーカー
私たちは、独創的な技術にさらに磨きをかけ、地球環境や人々の安全・安心な生活に貢献することで、持続可能な未来の実現を目指します。
この会社ってなに?
あなたがスーパーマーケットで手にするお惣菜や冷凍食品のパッケージ、その多くにZACROSの技術が使われています。また、シャンプーや洗剤の詰め替えパウチも同社が得意とする製品です。実はもっと身近なところにも関わっていて、あなたが毎日見ているスマートフォンのディスプレイに使われる偏光板用保護フィルムでは、世界トップクラスのシェアを誇ります。普段何気なく目にしている製品の「包む」技術の裏側で、ZACROSは私たちの暮らしの安全性と利便性を支えているのです。
樹脂包装材大手のZACROSは、FY2025に売上高1,507.3億円(前期比10.7%増)、営業利益101.16億円(同21.2%増)と増収増益を達成しました。現在は2030年度のROE12%達成を掲げる中長期経営計画の第一段階にあり、今後3年間で700億円を投じる積極的な構造改革を推進中です。汎用食品包装事業の売却など事業ポートフォリオの変革を進め、医薬・ライフサイエンスや先端材料といった高付加価値分野へのシフトを加速させています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都文京区小石川1丁目1番1号
- 公式
- www.zacros.co.jp
社長プロフィール

当社は「2030年度のROE12%達成」という目標に向け、今後3年間を『積極投資による構造改革期』と位置づけています。ビジネスモデルの進化、事業ポートフォリオの変革、バランスシート改革を断行し、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
この会社のストーリー
蝋引き紙・ターポリン紙等の加工紙メーカーとして事業を開始。包装材料のパイオニアとしての第一歩を踏み出す。
時代のニーズを捉え、ポリエチレン製品の製造を開始。事業の主軸をプラスチック包装材へとシフトさせ、成長の基盤を築く。
安定した成長を背景に株式を上場。社会的な信用を高め、さらなる事業拡大に向けた資金調達の道を開く。
創業100周年を機に、海外展開を加速。業務用液体容器「CUBITAINER®」の事業を獲得し、グローバル市場での競争力を強化する。
電子材料分野などの成長が評価され、株価が5,130円の上場来高値を記録。市場からの高い期待が寄せられる。
藤森工業からZACROSへと社名を変更し、新たなブランドイメージを構築。2030年度に向けた積極投資による構造改革計画を始動させる。
クラレやサイフューズなどと連携し、再生医療の産業化に向けた協創を開始。ライフサイエンス分野を新たな成長の柱とする挑戦が始まる。
注目ポイント
中長期経営計画に基づき、汎用食品包装事業を売却する一方、ライフサイエンスや再生医療、電子材料などの高成長分野へ700億円規模の積極投資を計画。未来に向けた大胆な変革を進めています。
独自の技術で軟包装フィルムやPETフィルムの水平リサイクルを実現。業務用液体容器「CUBITAINER SUR」はワールドスター賞を受賞するなど、環境負荷低減への貢献が高く評価されています。
安定配当に加え、創立110周年記念配当を実施。さらに、株式分割後も優待内容を維持することで実質的な株主優待の拡充を行うなど、株主への還元意識が高い企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 18.75円 | 19.6% |
| FY2022/3 | 20.5円 | 20.3% |
| FY2023/3 | 21円 | 32.9% |
| FY2024/3 | 21円 | 34.8% |
| FY2025/3 | 32.5円 | 37.0% |
| 権利確定月 | 3月 |
当社は株主還元を重視しており、安定的な配当の継続と成長に応じた増配を基本方針としています。配当性向の目標を掲げるとともに、必要に応じて記念配当を実施するなど、株主へ利益を積極的に分配する姿勢を示しています。今後も業績の成長を反映させながら、持続的かつ魅力的な還元策を追求する見通しです。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、2026年3月期に向けて売上高が1,570億円に達する見通しとなっており、成長基調を維持しています。2023年3月期には原材料価格の高騰等の影響で一時的な減益となりましたが、その後は高付加価値製品への注力と事業ポートフォリオの最適化により、利益水準の回復が鮮明となっています。今後は構造改革に伴う先行投資が収益に寄与し、持続的な成長が期待されるフェーズにあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.3% | 6.2% | 8.8% |
| FY2022/3 | 9.0% | 6.0% | 8.1% |
| FY2023/3 | 5.4% | 3.8% | 4.5% |
| FY2024/3 | 4.8% | 3.2% | 6.1% |
| FY2025/3 | 6.5% | 4.2% | 6.7% |
収益性は、構造改革の影響により一時的にROEが4.8%まで低下したものの、足元では改善基調にあります。営業利益率は2023年3月期の4.5%から、2025年3月期には6.7%まで持ち直しており、高付加価値な製品群へのシフトが奏功していることが伺えます。今後は、注力する医薬・電子材料分野での利益率向上を通じて、さらなる資本効率の改善を目指しています。
財務は安全?
財務健全性は引き続き強固であり、自己資本比率は59.5%という高い水準を維持しています。近年は構造改革のための積極的な投資に伴い、これまでゼロであった有利子負債が2025年3月期には約93億円まで増加しましたが、十分な返済能力を有しています。強固な資本基盤を背景に、将来の成長に向けた戦略的な投資を柔軟に行える体制が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 119億円 | -98.9億円 | -8.1億円 | 20.0億円 |
| FY2022/3 | 114億円 | -51.8億円 | -27.6億円 | 62.2億円 |
| FY2023/3 | 83.7億円 | -39.7億円 | -24.4億円 | 44.0億円 |
| FY2024/3 | 101億円 | -61.1億円 | -35.1億円 | 39.7億円 |
| FY2025/3 | 65.9億円 | -175億円 | 2.7億円 | -109億円 |
営業キャッシュフローは本業の安定的な稼ぎにより一定水準を維持していますが、2025年3月期は構造改革に伴う大規模な設備投資を実施したため投資キャッシュフローが拡大し、フリーキャッシュフローは一時的なマイナスとなりました。これは将来の成長に向けた先行投資の段階であるため、計画の範囲内と言えます。中長期的には投資回収フェーズに入ることで、再びキャッシュ創出能力が向上するものと考えられます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 107億円 | 34.3億円 | 32.0% |
| FY2022/3 | 111億円 | 34.1億円 | 30.7% |
| FY2023/3 | 68.3億円 | 19.7億円 | 28.9% |
| FY2024/3 | 89.1億円 | 43.8億円 | 49.1% |
| FY2025/3 | 104億円 | 38.4億円 | 37.0% |
税引前利益に対する法人税等の比率は、年度によって変動が見られます。特に2024年3月期には税負担率が一時的に上昇しましたが、これは特殊要因による一時的な影響が含まれているためです。原則として税率水準は概ね一般的な範囲で推移しており、将来の利益に対する税コストは正常化の方向にあります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 696万円 | 2,648人 | - |
従業員の平均年収は約696万円であり、製造業の中でも比較的高水準を維持しています。近年、構造改革の一環として事業ポートフォリオの再編や高付加価値事業へのシフトを進めており、業績の拡大が従業員の処遇改善にも反映されていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。
上位株主には日本マスタートラスト信託銀行などの信託口が名を連ねており、機関投資家の保有比率が高い構造です。また、創業家に関連する法人や個人も一定の株式を保有しており、創業家と機関投資家がバランスを取り合う安定的な株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
樹脂包装材のリーディングカンパニーとして、医薬・食品・電子材料など多岐にわたる事業を展開しています。現在は中長期経営計画に基づいた構造改革期にあり、先行投資による償却費の発生がある一方、バイオ医薬品関連など成長領域への注力による収益性向上が今後の重要課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%となっており、多様な視点を取り入れた経営体制の構築が進んでいます。監査体制については監査報酬4,100万円を投じ、連結子会社13社を含むグループ全体で厳格なモニタリングを実施しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,480億円 | — | 1,507億円 | +1.8% |
| FY2024 | 1,400億円 | — | 1,362億円 | -2.7% |
| FY2023 | 1,325億円 | — | 1,294億円 | -2.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 93億円 | — | 101億円 | +8.8% |
| FY2024 | 70億円 | — | 83億円 | +19.2% |
| FY2023 | 108億円 | — | 59億円 | -45.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2030年度のROE12%達成を最終目標とする中長期経営計画が進行中です。最初の3年間(FY2024-2026)を「積極投資による構造改革期」と位置づけ、累計700億円の戦略投資を計画しています。具体的には、汎用食品包装事業の売却など低収益事業からの撤退と、医薬・ライフサイエンスや半導体関連などの成長分野へのリソース集中を進めています。先行投資による一時的な費用増はあるものの、FY2025には既に利益が回復基調にあり、ポートフォリオ変革の効果が表れ始めています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。過去5年間のうち、FY2022以降の4年間はTOPIXのパフォーマンスを下回る(アンダーパフォーム)結果となっています。これは、構造改革前の汎用製品事業が市場で評価されにくかったことや、先行投資期間における株価の軟調な推移が背景にあります。しかし、FY2025には大幅な増配を実施しており、今後の事業ポートフォリオ変革による企業価値向上がTSRの改善につながるかどうかが焦点です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 156.4万円 | +56.4万円 | 56.4% |
| FY2022 | 133.2万円 | +33.2万円 | 33.2% |
| FY2023 | 117.1万円 | +17.1万円 | 17.1% |
| FY2024 | 159.3万円 | +59.3万円 | 59.3% |
| FY2025 | 154.7万円 | +54.7万円 | 54.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER、PBRともに業界平均をやや下回っており、割安感がある水準です。配当利回りは業界平均を上回っています。信用倍率は0.09倍と売り長(から売りの方が多い状態)であり、将来の株価上昇時に買い戻しが期待される「踏み上げ」相場への思惑も燻ります。構造改革の進捗が確認される決算発表が次の注目イベントとなります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計で経常利益16.4%増を達成し、業務用液体容器がワールドスター賞を受賞。
食品包装事業をカナオカホールディングスへ譲渡し、事業ポートフォリオ変革を断行。
2030年度のROE12%を目指す中長期経営計画に基づき積極的な構造改革に着手。
最新ニュース
ZACROS まとめ
ひとめ診断
「食品からスマホまで支える包装材の老舗が、汎用事業を売却し、医薬・先端材料分野へ大胆に舵を切る構造改革の真っただ中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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