有沢製作所
Arisawa Mfg.Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
100年超の伝統技術を未来の素材へ繋ぐ、エレクトロニクスの縁の下の力持ち
先端材料技術の追求を通じて、IT社会の進化を支え、人々の暮らしをより豊かにする未来を創造します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやタブレット、リビングで見るテレビ。これらの電子機器が正しく動くためには、内部に緑色の板のような部品がたくさん入っています。有沢製作所は、この『電子回路基板』を作るための、ガラス繊維を編んで作った布に特殊な樹脂を染み込ませた材料を製造している会社です。普段は目にすることのない部品ですが、この材料がなければ電子機器は作れません。あなたのデジタルライフを、見えないところでしっかりと支えている縁の下の力持ちなのです。
FY2025決算は売上高498.1億円、営業利益48.93億円と前年度の減益からV字回復を達成しました。主力の電子材料事業が市況回復の追い風を受け、収益を大きく牽引しています。株主還元にも極めて積極的で、DOE(株主資本配当率)6%または総還元性向80%以上という高い目標を掲げ、FY2025には年間96円の大幅増配を実施しました。今後は『既存事業の深掘り』と『新規事業の創出』を両輪に、更なる成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 新潟県上越市南本町1-5-5
- 公式
- www.arisawa.co.jp
社長プロフィール

私たちは100年以上にわたり培ってきた技術を基盤に、『既存事業の深掘り』と『新規事業の創出』を両輪に成長を目指します。グループ全体の力を結集し、変化する社会のニーズに応えることで、持続的な企業価値向上を実現してまいります。
この会社のストーリー
新潟県上越市にて、綿素材のバテンレースを製造する会社として創業。織物技術が会社の原点となる。
創業以来培ってきた織物技術を応用し、ガラスクロスの製造を開始。後のエレクトロニクス事業の礎を築く大きな転換点となった。
プリント配線板用ガラス布エポキシ樹脂積層板の生産を開始。エレクトロニクス産業の発展と共に、会社の主力事業へと成長していく。
事業の成長を背景に、東京証券取引所第二部への上場を果たす。これにより、企業としての社会的信用と知名度を高めた。
液晶ディスプレイのバックライト用反射フィルム「リフレホワイト」を開発・販売開始。オプトエレクトロニクス材料分野での地位を確立する。
電子機器に使うフレキシブルプリント配線板材料事業で連携するため、台湾企業へのTOB(株式公開買付け)を実施。グローバルな事業展開を加速させる。
創業100年以上の歴史で初めてコーポレートロゴを刷新。伝統を受け継ぎながら、新たな時代に向けて挑戦していく姿勢を社内外に示した。
「既存事業の深掘り」と「新規事業の創出」を柱とする新中期経営計画を策定。M&Aも活用しながら、持続的な成長を目指す未来への挑戦が始まる。
注目ポイント
中期経営計画では「DOE6%または総還元性向80%以上のいずれか大きい金額」を還元する方針を掲げています。安定した配当が期待できる点は大きな魅力です。
100年以上の歴史で培ったコア技術を深化させつつ、海外企業のTOBや新規事業創出にも積極的。安定基盤の上で、未来への成長に挑戦し続けています。
スマートフォンやPCに不可欠なプリント基板向け材料が主力事業。私たちの生活に欠かせないデジタル社会を、目に見えない「素材」の力で支えています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 23円 | 30.1% |
| FY2017/3 | 20円 | 35.0% |
| FY2018/3 | 34円 | 35.3% |
| FY2019/3 | 30円 | 37.9% |
| FY2020/3 | 30円 | 488.6% |
| FY2021/3 | 39円 | 60.1% |
| FY2022/3 | 95円 | 80.9% |
| FY2023/3 | 90円 | 104.1% |
| FY2024/3 | 60円 | 121.2% |
| FY2025/3 | 96円 | 80.3% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、DOE(株主資本配当率)6%または総還元性向80%以上のいずれか高い方を基準とする方針を掲げています。業績が変動する中でも安定的な配当維持を意識しており、中期経営計画に基づき強固な還元姿勢を維持しています。配当性向は年度により変動しますが、資本効率を重視した分配を優先する考えです。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、主力であるエレクトロニクス材料事業において、スマートフォンの市場動向などの影響を受けつつも、FY2025/3には売上高約498億円、営業利益約49億円と大幅な回復を達成しました。前期比で増収増益となり、電子材料および産業用構造材料の需要が復調したことが寄与しています。FY2026/3予想においても売上高約514億円と成長を見込んでおり、事業拡大に向けた取り組みが継続しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.5% | 3.2% | - |
| FY2022/3 | 5.8% | 5.7% | - |
| FY2023/3 | 6.7% | 4.2% | - |
| FY2024/3 | 3.9% | 2.4% | 3.5% |
| FY2025/3 | 6.3% | 5.5% | 9.8% |
収益性については、FY2024/3に営業利益率が3.5%まで低下したものの、FY2025/3には9.8%まで急回復し、ROEも8.2%と効率性が向上しました。近年の設備投資や子会社再編による構造改革が実を結び、利益を生み出す体質が改善されています。今後も高付加価値製品へのシフトを進めることで、安定した収益性を維持することを目指しています。
財務は安全?
財務健全性は引き続き強固であり、自己資本比率は67.7%と高い水準を維持しています。FY2024/3から有利子負債約152億円を計上していますが、これは事業拡大や子会社化に伴う戦略的な資金調達によるものです。豊富な純資産約486億円を背景に、成長投資と株主還元を両立できる財務基盤を有しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.1億円 | 15.7億円 | -57.0億円 | 21.8億円 |
| FY2022/3 | 59.0億円 | 28.7億円 | -40.4億円 | 87.7億円 |
| FY2023/3 | 34.7億円 | 5.1億円 | -25.7億円 | 39.8億円 |
| FY2024/3 | 32.2億円 | -10.6億円 | -34.2億円 | 21.6億円 |
| FY2025/3 | 45.5億円 | -20.8億円 | -40.9億円 | 24.7億円 |
営業キャッシュフローは、主力製品の販売状況に応じて変動しつつも、安定した稼ぐ力を示しています。FY2025/3は営業活動で約45億円のキャッシュを創出し、成長に向けた投資を実施しながらも、フリーキャッシュフローは黒字を確保しました。財務キャッシュフローについては、配当支払いや自己株式の取得など、積極的な株主還元を実行していることが主な要因です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 35.8億円 | 14.2億円 | 39.6% |
| FY2022/3 | 42.0億円 | 2.9億円 | 7.0% |
| FY2023/3 | 27.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 14.9億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 52.7億円 | 13.0億円 | 24.6% |
法人税等の支払いは、連結業績の変動に伴い年度ごとに変化しています。FY2023/3およびFY2024/3は繰越欠損金の活用や税務上の調整により実効税率が0%となっていました。FY2025/3以降は業績の回復に伴い、実効税率が標準的な水準へと戻り、適正な納税が行われる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 677万円 | 1,498人 | - |
従業員平均年収は677万円となっており、化学業界の水準としては堅調です。これは、高付加価値な電子材料事業が収益の柱として安定していることが背景にあり、業績に応じた利益還元が従業員の待遇面にも一定程度反映されていると推測されます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は三菱瓦斯化学 (注)3。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が上位を占め、機関投資家の影響力が強い一方で、創業家関連の有沢建興や個人名義の株主も名を連ねており、経営の安定と独立性を保持する構造となっています。近年はストラテジックキャピタル等のアクティビストからの株主提案もあり、資本効率の改善に向けた対話が進められています。
会社の公式開示情報
役員報酬
有沢製作所はプリント基板材料を中心とする電子材料事業を主力とし、産業用構造材料など多角的な展開を行っています。直近の決算では原材料費やコスト変動のリスクが業績に影響を与えているものの、新規事業の創出や海外子会社の強化による収益力向上を目指す経営姿勢が示されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は17.0%であり、経営の多様性確保に向けた取り組みが見られます。社外取締役比率が55%と過半数を占める監査体制を構築しており、透明性の高い経営を維持する一方で、連結子会社11社を抱える企業グループとしてのガバナンス強化が継続的な課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 489億円 | — | 498億円 | +1.9% |
| FY2024 | 453億円 | — | 421億円 | -7.0% |
| FY2023 | 484億円 | — | 427億円 | -11.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 32億円 | — | 49億円 | +52.9% |
| FY2024 | 21億円 | — | 15億円 | -29.4% |
| FY2023 | 34億円 | — | 22億円 | -34.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
過去数年は電子材料市場の市況悪化を受け、期初予想を達成できない年度が続きました。特にFY2023、FY2024は売上・利益ともに二桁のマイナス乖離となり、計画達成力には課題を残しています。しかし、FY2025には市況回復を捉えて営業利益予想を50%以上も上回る実績を叩き出し、回復力の強さを示しました。現在はFY2026の目標達成に向け、既存事業の収益力強化と新規事業創出に取り組んでおり、計画達成の確度が注目されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当による総合的な投資リターンを示す指標です。FY2021、FY2022はTOPIXを若干下回るパフォーマンスでしたが、FY2023以降はTOPIXを上回る優れたリターンを創出しています。特にFY2025には自社TSRが220%に達し、TOPIXを6.6ポイント上回りました。これは、業績のV字回復を背景とした株価の大幅な上昇と、積極的な増配による株主還元強化が直接的な要因と考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 129.6万円 | +29.6万円 | 29.6% |
| FY2022 | 136.0万円 | +36.0万円 | 36.0% |
| FY2023 | 184.3万円 | +84.3万円 | 84.3% |
| FY2024 | 177.2万円 | +77.2万円 | 77.2% |
| FY2025 | 220.0万円 | +120.0万円 | 120.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは業界平均をやや上回っており、成長性への期待が株価に織り込まれていると考えられます。一方、PBRは業界平均並みです。特筆すべきは配当利回りで、業界平均の2倍以上となる約4%の高水準を誇っており、株主還元への積極姿勢が際立っています。信用買い残は売り残を上回る状況ですが、信用倍率は過熱感のある水準ではなく、需給バランスは比較的安定していると言えるでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
26年3月期の通期純利益予想を上方修正し、一転して前期比増益となる見通しを発表しました。
第2四半期累計において連結経常利益が前年同期比26.2%減となり、短期的には利益が圧迫される結果となりました。
創業家の資産管理会社である有沢建興を吸収合併し、グループのガバナンス体制を強化しました。
最新ニュース
有沢製作所 まとめ
ひとめ診断
「創業100年超の伝統織物技術を、スマホやディスプレイの未来を支える先端電子材料に昇華させた技術者集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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