4092プライム

日本化学工業

Nippon Chemical Industrial Co.,Ltd.

最終更新日: 2026年3月27日

ROE6.1%
BPS5311.1円
自己資本比率54.9%
FY2025/3 有報データ

130年以上の歴史を持つ無機化学のパイオニア、先端材料で未来を拓く

無機化学のコア技術を進化させ、エレクトロニクスや環境分野における課題解決を通じて、持続可能な社会の実現をリードする企業となることを目指します。

この会社ってなに?

あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、ゲーム機、そしてこれから普及が進む電気自動車(EV)。これらの電子機器の中には、電気を蓄えたり放出したりする「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」という、米粒よりも小さな部品が何百個、何千個も使われています。日本化学工業は、このMLCCの性能を左右する「チタン酸バリウム」という重要な素材を製造しています。普段は目にすることのない化学素材の裏側で、同社の技術があなたの快適なデジタルライフを支えているのです。

工業薬品の老舗、日本化学工業は、積層セラミックコンデンサー(MLCC)向け材料など機能製品を軸に安定成長を続けています。2025年3月期は売上高388.4億円、営業利益は前期比47.6%増の33.42億円と大幅な増益を達成しました。しかし、2026年3月期は主要顧客の需要減速を見込み、営業利益14.00億円と大幅な減益を予想しており、市況の変動が業績に与える影響が課題です。PBRは0.56倍と依然として解散価値を下回る水準であり、株主還元と成長戦略による企業価値向上が期待されます。

化学プライム市場

会社概要

業種
化学
決算期
3月
本社
東京都江東区亀戸9丁目11番1号
公式
www.nippon-chem.co.jp

社長プロフィール

棚橋 洋太
代表取締役社長
テクノロジスト
当社は130年以上の歴史の中で培った無機化学技術を核に、社会の発展に貢献してきました。現在は、電子材料などの成長分野へ戦略的投資を継続し、市場の変化に対応した新製品開発を加速させています。持続的な企業価値の向上を通じて、株主様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。

この会社のストーリー

1893
創業、日本初の化学肥料製造を開始

創業者・棚橋寅五郎が東京・小松川に日本化学工業(株)を設立。日本で初めて化学肥料の製造・販売を開始し、日本の農業発展に貢献した。

1949
東京・大阪証券取引所に上場

戦後の復興期を経て、企業としての基盤を固め、東京証券取引所および大阪証券取引所に株式を上場。社会的な信用を高め、さらなる成長への一歩を踏み出した。

1980s
機能性材料への展開と事業の多角化

無機化学の知見を活かし、電子部品に使われるチタン酸バリウムなど、付加価値の高い機能性材料分野へ進出。事業の多角化を推進し、新たな収益の柱を構築した。

2015
TDKとの共同出資会社設立を検討開始

電子部品大手のTDKと、積層セラミックコンデンサー(MLCC)材料を開発する共同出資会社の設立検討を開始。技術力を活かしたオープンイノベーションを推進する。

2023
環境貢献技術の開発を加速

PFAS規制に対応するフッ素フリーの帯電防止剤や、CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)向けの固体吸収剤を開発。環境問題解決への貢献を目指す。

2024
中期経営計画を策定、成長へのコミット

2026年度を最終年度とする中期経営計画を発表。基盤分野の収益力強化と、成長分野への戦略的投資により、ROE6%達成を目標に掲げる。

2030
さらなる成長へ、未来を見据えた目標

2030年度の長期目標として、営業利益60億円、ROE8%を設定。電子材料や環境関連など、将来性のある分野での事業拡大を目指し、持続的な成長を実現していく。

注目ポイント

世界を支える高機能材料メーカー

スマホやPCに不可欠な電子部品「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」に使われるチタン酸バリウムなどを製造。見えないところで現代社会を支える技術力が魅力です。

株主還元への高い意識

総還元性向4割、DOE(自己資本配当率)2%超という明確な株主還元方針を掲げています。安定した配当が期待でき、長期的な資産形成を目指す投資家にとって心強い存在です。

地球の未来に貢献する環境技術

フッ素を使わない帯電防止剤や、CO2を回収する新素材など、環境問題の解決に繋がる製品開発に注力。社会貢献と事業成長の両立を目指すサステナブルな企業です。

サービスの実績は?

92
1株当たり配当金
2025年3月期実績
+31.4% YoY
31.7%
配当性向
2025年3月期実績
-1.5 pt YoY
40%
総還元性向(目標)
中期経営計画
2%超
DOE(株主資本配当率)(目標)
中期経営計画
0.8%
売上高成長率
2025年3月期 (YoY)
47.6%
営業利益成長率
2025年3月期 (YoY)

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 92円
安全性
安定
自己資本比率 54.9%
稼ぐ力
普通
ROE 6.1%
話題性
普通
ポジティブ 30%

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
92
方針: 総還元性向40%目標、DOE2%超基準
1株配当配当性向
FY2016/3517.9%
FY2017/3620.6%
FY2019/37028.6%
FY2020/37033.1%
FY2021/37028.2%
FY2022/38520.0%
FY2023/37072.1%
FY2024/37038.8%
FY2025/39231.7%
2期連続増配
株主優待
なし

株主優待制度は実施していません。

配当方針として、総還元性向40%を目途にDOE(純資産配当率)2%超の基準を採用しており、資本効率を重視した株主還元策を推進しています。業績に応じた配当の安定性を確保しつつ、成長投資と還元バランスを最適化する方針です。今後も連結業績の推移に基づき、長期的かつ継続的な配当向上を目指しています。

同業比較(収益性)

化学の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
6.1%
業界平均
9.7%
営業利益率下回る
この会社
8.6%
業界平均
14.4%
自己資本比率上回る
この会社
54.9%
業界平均
49.7%

業績推移

儲かってるの?

順調に稼いでいます
売上高
FY2022/3373億円
FY2023/3381億円
FY2024/3385億円
FY2025/3388億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/322.6億円
FY2025/333.4億円

当社の業績は、無機化学品を主軸としつつも電子材料等の成長分野が牽引する構造となっており、直近のFY2025/3期は売上高約388億円、純利益約26億円を達成しました。しかし、FY2026/3期は主要製品の需要変動を見込み、純利益を約11億円と減益を予想しています。長期的には機能性材料の強化により、着実な成長を図る経営戦略をとっています。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
6.1%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
3.4%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
8.6%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/36.1%3.1%-
FY2022/316.8%5.3%-
FY2023/31.8%1.2%-
FY2024/33.7%2.1%5.9%
FY2025/36.1%3.4%8.6%

収益性は、製品ミックスの改善と高付加価値品へのシフトにより、営業利益率が最大10.5%まで上昇するなど、効率化が進んでいます。ROE(自己資本利益率)は期によって変動があるものの、収益性の高い事業への投資を通じて持続可能な水準を追求しています。今後は固定費の最適化と研究開発成果の収益化が、さらなる利益率改善の鍵となります。

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率54.9%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
327億円
会社の純資産
464億円

財務健全性は極めて高く、自己資本比率が約62%と安定した水準を維持しています。FY2024/3期より有利子負債を計上していますが、潤沢な純資産を背景とした強固な資本構造を有しており、リスク耐性は十分に備わっています。無借金経営に近い健全性を維持しつつ、成長投資に必要な資金を機動的に確保する財務規律が浸透しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+63.7億円
営業CF
投資に使ったお金
-50.7億円
投資CF
借入・返済など
-24.2億円
財務CF
手元に残ったお金
+13.0億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/352.2億円-35.4億円-10.2億円16.8億円
FY2022/319.8億円-30.8億円1.2億円-11.1億円
FY2023/314.9億円-28.2億円1.0億円-13.2億円
FY2024/361.5億円-44.1億円-8.7億円17.4億円
FY2025/363.7億円-50.7億円-24.2億円13.0億円

営業キャッシュフローは、本業の安定的な稼ぎにより毎期プラスを維持しており、強固なキャッシュ創出能力を証明しています。投資キャッシュフローは、戦略的な設備投資や研究開発への資金投下により継続的に流出しています。フリーキャッシュフローは、投資負担をコントロールしつつ、株主還元や財務体質改善に振り向ける余裕を持った循環構造を実現しています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1為替レートの変動に係るリスク 当社グループは、製品の一部を海外に輸出し、原材料の一部を海外から輸入しております
2法的規制等に係るリスク 当社グループは、化学品の製造及び販売を主たる事業としており、それに関連した各種の法的規制を受けております

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/323.1億円1.3億円5.7%
FY2022/338.6億円1.3億円3.3%
FY2023/314.1億円5.6億円39.4%
FY2024/323.8億円7.9億円33.3%
FY2025/332.0億円6.4億円20.0%

法人税等の支払額は、税引前利益の変動に応じて推移しています。過去の税率の低さは繰越欠損金の解消や税効果会計による影響が主因であり、現在は法定実効税率に準じた水準へ安定化しています。業績連動型の税負担となるため、特別損益の有無や税務上の優遇措置が当期利益に与える影響を注視する必要があります。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
690万円
従業員数
732
平均年齢
41.4歳
平均年収従業員数前年比
当期690万円732-

従業員平均年収は690万円と、化学業界の中堅企業としては安定した水準を維持しています。長年の歴史を持つ工業薬品メーカーとしての安定した収益基盤が、社員の待遇を支える要因となっています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主33.9%
浮動株66.1%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関24.1%
事業法人等9.8%
外国法人等12.4%
個人その他49.7%
証券会社3.9%

外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本化学工業取引先持株会・INTERACTIVE BROKERS LLC (常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券)。

日本マスタートラスト 信託銀行株式会社(信託口)(963,000株)11.03%
日本化学工業取引先持株会(864,000株)9.89%
INTERACTIVE BROKERS LLC (常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)(401,000株)4.59%
明治安田生命保険相互会社 (常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)(353,000株)4.04%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)(300,000株)3.44%
小西安株式会社(182,000株)2.08%
日本証券金融株式会社(157,000株)1.8%
日本化学工業従業員持株会(153,000株)1.75%
三菱UFJ信託銀行株式会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)(150,000株)1.71%
河合 映治(122,000株)1.39%

株主構成は信託銀行や生保などの機関投資家が上位を占めており、安定的な保有傾向が見られます。また、取引先持株会や従業員持株会が一定の比率を保持していることから、経営の安定と従業員の長期的な参画意識を重視する体制がうかがえます。

会社の公式開示情報

役員報酬

8,400万円
取締役2名の合計

無機化学品を中核に、電子材料や機能材などで事業を展開しています。電池材料市場の変化や需要動向が業績に直接影響する構造であり、今後はPFAS規制への対応といった環境変化への適応や、新製品開発による付加価値の向上がリスクと機会の両面で重要となります。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 6名)
女性 1名(16.7% 男性 5
17%
83%
監査報酬
3,700万円
連結子会社数
4
設備投資額
49.7億円
平均勤続年数(従業員)
19

女性役員比率は16.6%と改善が進んでおり、取締役会での多様性確保に努めています。3,700万円の監査報酬を投じて透明性の高い監査体制を構築しており、堅実な企業規模に見合ったガバナンス体制が整備されています。

会社の計画は順調?

B
総合評価
営業利益目標は前倒し達成だが、売上高予想の精度とROE目標の進捗に課題が残る。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

(旧)中期経営計画
FY2022~FY2024
営業利益: 目標 35億円 未達 (22.64億円)
64.69%
ROE: 目標 5% 未達 (3.3%)
66%
中期経営計画 (FY2024-2026)
FY2024〜FY2026
営業利益: 目標 33億円 前倒し達成 (33.42億円 (FY2025実績))
101.3%
ROE(自己資本利益率): 目標 6.0% 順調 (5.76% (FY2025実績))
96%
2030年度 営業利益目標: 目標 60億円 やや遅れ (33.42億円 (FY2025実績))
55.7%
2030年度 ROE目標: 目標 8.0% 順調 (5.76% (FY2025実績))
72%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2025400億円388億円-2.9%
FY2024400億円385億円-3.7%
FY2023380億円381億円+0.2%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202529億円33億円+15.2%
FY202416億円23億円+41.5%
FY202321億円13億円-38.5%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

現行の中期経営計画では、2026年度の営業利益目標33億円を2025年度に前倒しで達成し、収益性改善が大きく進んだことを示しました。一方で、ROE(自己資本利益率)目標6.0%に対しては5.76%(2025年度実績)とやや未達で、資本効率の向上が今後の課題です。業績予想は売上高が期初予想を下回る傾向にある一方、営業利益はコスト管理などが奏功し上振れするケースが多く見られます。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、同社の安定した配当にもかかわらず、株価が市場全体の成長に追いついていなかったことを示唆しています。特にPBRが1倍を大きく割り込んでいる状況は、企業が持つ純資産価値が株価に十分に反映されていないことを意味しており、市場からの成長期待が低い状態が続いていたと分析できます。今後は、進行中の中期経営計画の達成と効果的なIR活動を通じて、市場の評価を高めていくことが重要です。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+17.6%
100万円 →117.6万円
17.6万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021137.3万円+37.3万円37.3%
FY2022115.7万円+15.7万円15.7%
FY202399.4万円-0.6万円-0.6%
FY2024124.7万円+24.7万円24.7%
FY2025117.6万円+17.6万円17.6%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残203,700株
売り残21,100株
信用倍率9.65倍
2026年3月20日週時点
今後の予定
2026年3月期 第1四半期決算発表2025年8月上旬
2026年3月期 第2四半期決算発表2025年11月上旬
2026年3月期 本決算発表2026年5月中旬

PBRは0.56倍と業界平均の1.2倍を大幅に下回り、資産価値に対して株価が割安な水準です。一方でPERは23.7倍と業界平均を上回っており、減益予想の中でも将来の成長性がある程度織り込まれていると考えられます。信用倍率は9.65倍と高水準で、将来の株価下落圧力となりうる信用買い残の動向には注意が必要です。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
42
前月比 +5.2%
メディア数
28
日本経済新聞, 株探, Yahoo!ファイナンス, PR TIMES ほか
業界内ランキング
上位 35%
化学業種 420社中 147位
報道のトーン
30%
好意的
45%
中立
25%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・業績40%
技術・開発30%
資本政策20%
その他10%

最近の出来事

2025年1月プロダクト

TDKと共同でコンデンサー材料開発を行う新会社設立の検討を開始。

2025年5月環境技術賞

日本化学工業協会第57回日化協技術賞にて環境技術賞を受賞。

2025年7月株式報酬

譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分を行い、資本効率の最適化を推進。

日本化学工業 まとめ

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 92円
安全性
安定
自己資本比率 54.9%
稼ぐ力
普通
ROE 6.1%
話題性
普通
ポジティブ 30%

「130年の歴史を持つ老舗化学メーカーが、スマホやEVに必須の超小型電子部品材料で世界を支える」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU