大日本印刷
Dai Nippon Printing Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
印刷技術から未来を創る、進化し続ける総合ソリューション企業
P&I(印刷と情報)の強みを活かしたイノベーションにより、社会の課題を解決し、人々の期待を超える新しい価値を創造することで、心豊かな暮らしを実現します。
この会社ってなに?
あなたがコンビニでお菓子や飲み物を買うとき、そのパッケージの多くを大日本印刷が手掛けています。書店の雑誌や文庫本、教科書などの印刷も主要な事業の一つです。さらに、普段使っているスマートフォンやテレビのディスプレイ内部には、同社の精密な電子部材が組み込まれています。駅の改札でタッチするICカードや、クレジットカードのホログラムなど、意識しないところで私たちの生活の安全性や利便性を支える技術を提供している会社です。
大日本印刷は、FY2025に売上高1兆4576.1億円、営業利益936.12億円を達成し、増収増益基調を維持しています。FY2026には売上高1.5兆円、営業利益940億円を見込むなど、安定成長が続いています。長年の課題であったPBR1倍割れからの脱却に向け、政策保有株の売却や大規模な自社株買いといった資本効率改善策を積極的に推進。印刷事業で培った技術を応用した半導体関連部材などの成長事業が、今後の企業価値向上の鍵を握っています。
会社概要
- 業種
- その他製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 市谷加賀町一丁目1番1号
- 公式
- www.dnp.co.jp
社長プロフィール

1876年の創業以来培ってきた独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを活かし、社会の変化に対応してきました。今後は、既存事業の変革と成長領域への積極的な投資を両立させ、企業価値の最大化を目指します。全てのステークホルダーの期待に応え、持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
銀座に活版印刷の工場を設立し、秀英舎として創業。これが大日本印刷の原点となり、日本の近代化と共に印刷技術の歴史を歩み始める。
秀英舎と日清印刷が合併し、現在の大日本印刷株式会社が誕生。業界をリードする総合印刷会社としての地位を確立していく。
建材や包装材料など、印刷技術を応用した非印刷分野へ進出を開始。現在の多角的な事業ポートフォリオの基礎を築く。
シャドーマスクやフォトマスクなど、テレビや半導体に不可欠な電子部材の生産を開始。印刷技術が先端技術分野で花開く。
物言う株主からの提案もあり、大規模な自社株買いや政策保有株の売却など、PBR1倍割れ脱却に向けた資本効率改善策を次々と打ち出す。
日本の次世代半導体製造を担うRapidus社への出資を決定。印刷技術で培った微細加工技術を活かし、国家プロジェクトを支援する。
生成AIや完全自動運転の領域でスタートアップ企業との資本業務提携を相次いで発表。未来の社会を支える技術革新に積極的に関与していく。
2029年3月期に営業利益1300億円を目指す新中期経営計画を発表。成長事業への投資と株主還元の強化を両立し、さらなる企業価値向上を目指す。
注目ポイント
祖業の印刷で培った微細加工技術を応用し、半導体製造に必要な「フォトマスク」や「ナノインプリントリソグラフィ用テンプレート」などを開発・製造。日本の半導体産業を支える重要な役割を担っています。
市場の要請に応え、大規模な自社株買いや政策保有株の売却を断行。PBR1倍回復を達成し、株主価値向上への強い意志を示しています。
生成AIや完全自動運転といった成長分野のスタートアップ企業と積極的に提携。従来の枠を超え、未来の社会を形作るテクノロジー企業へと変貌を遂げようとしています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 64円 | 71.7% |
| FY2022/3 | 64円 | 18.0% |
| FY2023/3 | 64円 | 19.9% |
| FY2024/3 | 64円 | 14.4% |
正式な株主優待制度は導入されていません。
配当方針として、業績に応じた株主還元を強化する姿勢を明確にしています。配当性向の目標を掲げる一方で、自社株買いを機動的に実施することで、総還元性向の向上を目指しています。持続的な利益成長と資本効率の改善を通じ、安定的かつ魅力的な配当維持が重視されています。
同業比較(収益性)
その他製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
大日本印刷は、出版・商業印刷の縮小を補うべく、電子部材やパッケージ事業の強化を進めており、売上高は1.4兆円規模で底堅く推移しています。FY2025/3には営業利益が約936億円に達し、利益面での成長が顕著です。今後は生成AIや自動運転向け部材などの成長分野への投資により、さらなる収益拡大を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.3% | 1.4% | 3.7% |
| FY2022/3 | 8.5% | 5.2% | 5.0% |
| FY2023/3 | 7.5% | 4.7% | 4.5% |
| FY2024/3 | 9.0% | 5.7% | 5.3% |
| FY2025/3 | 9.2% | 5.8% | 6.4% |
収益性については、事業構造改革による固定費削減が寄与し、営業利益率はFY2021/3の3.7%からFY2025/3には6.4%まで改善しています。ROE(自己資本利益率)も9.2%水準へ向上しており、資本効率を意識した経営が浸透しつつあります。選択と集中による事業ポートフォリオの最適化が、収益力の底上げに大きく貢献しています。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は約60%という高い水準を維持しています。FY2024/3以降、有利子負債が計上されていますが、潤沢な現預金と資産規模を背景に安定した財務基盤を構築しています。政策保有株の縮減など資産効率の向上にも積極的に取り組んでおり、バランスシートの質は高まっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 617億円 | -563億円 | -783億円 | 54.0億円 |
| FY2022/3 | 820億円 | -392億円 | -578億円 | 428億円 |
| FY2023/3 | 380億円 | -250億円 | -524億円 | 130億円 |
| FY2024/3 | 726億円 | 184億円 | -1,187億円 | 909億円 |
| FY2025/3 | 1,327億円 | -367億円 | -874億円 | 960億円 |
営業キャッシュフローは堅調に推移しており、FY2025/3には約1,327億円のキャッシュを生み出すなど、本業の稼ぐ力が強化されています。投資CFは将来の成長に向けた設備投資や資本提携のために支出されていますが、高い営業CFがフリーキャッシュフローを支える循環が確立されています。財務CFのマイナスは、配当支払いや自社株買いによる株主還元の結果であり、強固な財務体質を示しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 599億円 | 348億円 | 58.1% |
| FY2022/3 | 812億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 837億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 987億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 1,159億円 | 52.4億円 | 4.5% |
法人税等の支払額が過去数年にわたり低い水準である背景には、税務上の繰越欠損金の活用や、グループ内再編に伴う税効果会計の適用が関与していると考えられます。FY2025/3以降は正常な納税サイクルへ移行しつつありますが、依然として実効税率は低水準です。今後は安定した利益成長に伴い、税負担額も段階的に適正な水準へ向かう見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 830万円 | 36,890人 | - |
従業員の平均年収は830万円となっており、製造業および印刷業界の中では比較的高水準です。これは、従来の紙媒体を中心とした事業から、電子部材やマーケティング支援といった高付加価値なデジタル・成長領域への転換を進め、収益性を向上させてきたことが背景にあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は第一生命保険。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家による保有が中心の構成です。創業家に関連する企業や役員が経営に関与し続ける一方で、アクティビスト(物言う株主)の動向や政策保有株の売却など、資本効率化に向けた市場との対話が強化されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業内容は、出版・商業印刷の枠を超え、情報セキュリティや電子デバイス、産業資材など多角的なポートフォリオを構築しています。リスク要因として、原材料価格の高騰やデジタル化に伴う既存印刷需要の減少が挙げられますが、構造改革による固定費削減と成長事業への投資を両立させることでリスクを管理しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.8%となっており、多様性の確保に向けた取り組みが進行中です。監査役会設置会社として厳格な監査体制を維持し、連結子会社110社を抱える巨大グループとしての適切な統制を図っています。東証プライム上場企業として、PBR改善を目的とした資本効率の向上を重要な経営課題と位置づけています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1兆4,550億円 | — | 1兆4,576億円 | +0.2% |
| FY2024 | 1兆4,100億円 | — | 1兆4,248億円 | +1.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 800億円 | — | 936億円 | +17.0% |
| FY2024 | 670億円 | — | 755億円 | +12.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
大日本印刷は、旧中期経営計画の営業利益目標を前倒しで達成するなど、計画遂行能力の高さを見せています。FY2025決算では、期初予想800億円を大幅に上回る936.12億円の営業利益を確保しました。これは、事業構造改革による収益性改善と、半導体関連部材など成長分野の拡大が寄与した結果です。新たに公表されたFY2029期に営業利益1,300億円を目指す新中計も、これまでの実績から期待が持てます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2023にTOPIXを上回るなど改善傾向が見られましたが、直近のFY2025では再びTOPIXを下回る(アンダーパフォーム)結果となりました。これは、株価上昇と安定配当が続いているものの、市場全体の力強い上昇ペースには及ばなかったことを示唆します。資本効率改善策や成長事業への期待から株価は上昇基調にありますが、継続的に市場平均を上回るリターンを生み出すためには、さらなる収益性向上と株主還元の強化が求められます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 103.6万円 | +3.6万円 | 3.6% |
| FY2022 | 130.6万円 | +30.6万円 | 30.6% |
| FY2023 | 169.4万円 | +69.4万円 | 69.4% |
| FY2024 | 214.1万円 | +114.1万円 | 114.1% |
| FY2025 | 198.7万円 | +98.7万円 | 98.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは14.2倍と業界平均(その他製品: 16.8倍)に比べてやや割安感があります。一方でPBRは1.16倍と資産価値に対しては市場から一定の評価を得ており、長年の1倍割れ状態から脱却しました。信用倍率は8.7倍と高水準で、将来の株価上昇を見込んだ買い需要が強いことを示唆していますが、将来的な需給悪化のリスクも内包しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
生成AIソリューションを手掛けるArchaicと資本業務提携を締結し、DX支援の高度化を図る。
政策保有株の縮減と自社株買いを並行して進め、資本効率の最適化を加速させた。
2029年3月期に連結営業利益1300億円を目指す次期中期経営計画を策定し、将来的な成長ビジョンを明確化した。
最新ニュース
大日本印刷 まとめ
ひとめ診断
「『印刷の巨人』から『半導体部材と株主還元の牽引役』へ、万年割安からの脱却を目指す構造改革の真っ只中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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