シチズン時計
Citizen Watch Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
時を刻む100年の技術で、世界と未来を動かす精密機器メーカー
革新的な技術で時を刻み続け、工作機械などの多様な事業を通じて、世界中の人々の暮らしを豊かにする未来を創造します。
この会社ってなに?
あなたが毎日腕にする腕時計、その中にはシチズンの製品があるかもしれません。特に、光で動き続ける「エコ・ドライブ」技術は、電池交換の手間を省いてくれる便利な機能です。しかし、シチズンの活躍の場はそれだけではありません。あなたが使っているスマートフォンや乗っている自動車、その中にある非常に小さな精密部品を作るための「工作機械」という機械も製造しています。つまり、普段何気なく触れているハイテク製品の裏側で、シチズンの精密技術が私たちの快適な生活を支えているのです。
シチズン時計は、コロナ禍の赤字からV字回復を遂げ、業績拡大基調にあります。2025年3月期は売上高3,168.8億円、営業利益205.9億円を達成。主力の時計事業では、高価格帯ブランドの育成と普及価格帯「TSUYOSA」の世界的なヒットが収益を牽引しています。もう一つの柱である工作機械事業も安定した収益基盤となっており、事業ポートフォリオの強みを発揮。積極的な株主還元姿勢も示しており、2025年3月期には1株当たり45円への増配を実施しています。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都西東京市田無町6-1-12
- 公式
- www.citizen.co.jp
社長プロフィール
「市民に愛され、市民に貢献する」という企業理念のもと、100年以上にわたり革新的なものづくりに挑戦してきました。時計事業と工作機械事業を両輪に、サステナブルな経営基盤を強化し、グローバル市場での持続的な成長を目指します。新たな中期経営計画を通じて企業価値の向上と株主様への還元に努めてまいります。
この会社のストーリー
第一次世界大戦後の好景気の中、国産時計の製造を目指して設立。「市民に愛されるように」という願いを込め、後の社名となる懐中時計「CITIZEN」が誕生した。
尚工舎時計研究所を母体に会社を設立し、腕時計の量産を開始。日本の時計産業の礎を築き、国民への時計普及に貢献した。
オイルショックによる省エネ意識の高まりを背景に、太陽光で動く画期的な腕時計を開発。後の基幹技術「エコ・ドライブ」の原点となる。
標準電波を受信して正確な時刻を自動修正する電波時計を開発。常に正確な「時」を求めるニーズに応え、ブランドの技術力を世界に示した。
時計製造で培った精密加工技術を応用した工作機械事業を強化。海外企業M&Aによりグローバルでの事業基盤を拡大し、時計に次ぐ第二の柱を確立した。
収益構造の改革を目指し、子会社であったシチズン宝飾を解散。経営資源を中核事業である時計や工作機械へ集中させる決断を下した。
普及価格帯の機械式腕時計がアジアや欧州で人気を博し、世界的なヒット商品に。新たなファン層を獲得し、ブランドの再評価につながった。
2027年度の売上高3600億円を目標とする新中期経営計画を発表。最高峰ブランド「The CITIZEN」の海外展開を目指し、更なる成長軌道を描く。
注目ポイント
普及価格帯の機械式時計「TSUYOSA」が世界的に大ヒット。さらに高価格帯ブランド「The CITIZEN」の海外展開も計画しており、全方位的なブランド戦略で世界市場を席巻します。
定期的な電池交換が不要な光発電技術「エコ・ドライブ」は、シチズンの代名詞。環境負荷を低減するサステナブルな製品として、50年近くにわたり世界中で愛され続けています。
新しい中期経営計画では、株主資本配当率(DOE)5.0%以上を目安とする安定的な配当方針を掲げています。業績向上とともに、株主への還元強化にも積極的な姿勢が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 5円 | 1.0% |
| FY2022/3 | 18円 | 25.2% |
| FY2023/3 | 34円 | 45.2% |
| FY2024/3 | 40円 | 42.7% |
| FY2025/3 | 45円 | 46.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
シチズン時計は株主還元を重要視しており、DOE(株主資本配当率)5.0%以上を目安とした安定的かつ継続的な配当を方針として掲げています。業績回復に伴い配当金はFY2021/3の5円からFY2025/3には45円へと大幅に増額されており、還元姿勢が鮮明です。今後は配当と機動的な自己株式取得を組み合わせ、総還元性向を高めることで株主価値の向上を目指しています。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
シチズン時計の業績は、FY2021/3のコロナ禍による赤字から力強く回復し、直近数年間は売上高3,000億円超を安定して維持しています。機械式腕時計「TSUYOSA」の世界的ヒットや、工作機械事業の堅調さが売上拡大を牽引しました。FY2026/3予想では成長が鈍化傾向にあるものの、高価格帯モデルの海外展開などにより収益基盤の安定化を図っています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -11.8% | -6.9% | -4.6% |
| FY2022/3 | 9.3% | 5.6% | 7.9% |
| FY2023/3 | 9.4% | 5.6% | 7.9% |
| FY2024/3 | 9.0% | 5.5% | 8.0% |
| FY2025/3 | 9.0% | 5.7% | 6.5% |
収益性はFY2022/3以降、営業利益率が約8%前後で推移するなど構造改革の成果による安定した利益創出体制が確立されています。ROE(自己資本利益率)は9%台で安定しており、資本効率を重視した経営が定着してきました。直近では原材料費や投資コストの影響により利益率がやや低下していますが、依然として精密機器業界の中で着実な収益力を維持しています。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%超という強固な水準を維持しており、無借金経営から必要に応じた資金調達を行う柔軟な財務構造へ移行しています。純資産は過去5年間で増加傾向にあり、潤沢な資産背景が持続的な事業投資を支えています。今後も堅実なバランスシートを背景に、成長投資と株主還元の両立が期待される状況です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 74.9億円 | -76.3億円 | 183億円 | -1.4億円 |
| FY2022/3 | 347億円 | -95.5億円 | -200億円 | 251億円 |
| FY2023/3 | 166億円 | -135億円 | -401億円 | 30.5億円 |
| FY2024/3 | 346億円 | -127億円 | -270億円 | 219億円 |
| FY2025/3 | 358億円 | -100億円 | -125億円 | 257億円 |
営業キャッシュフローは業績回復に伴い大幅なプラスで推移し、年間300億円規模の安定した稼ぐ力を示しています。設備投資等の投資活動を行いつつも、フリーキャッシュフローは恒常的にプラスを維持しており、強固な現金創出能力を有しています。財務活動では自己株式の取得や配当支払いを積極的に行い、キャッシュの有効活用を進めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -41.4億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 273億円 | 52.0億円 | 19.0% |
| FY2023/3 | 291億円 | 72.6億円 | 25.0% |
| FY2024/3 | 308億円 | 78.5億円 | 25.5% |
| FY2025/3 | 230億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、業績の変動に応じて一定の範囲内で推移しています。FY2024/3までは標準的な税率水準で納税が行われていましたが、近年の税額変動は繰延税金資産の取り崩しや調整事項による影響を受けています。将来の納税予測に関しては、業績計画に基づき保守的な見通しが立てられています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 767万円 | 12,373人 | - |
従業員平均年収は767万円と精密機器業界の中でも堅調な水準を維持しています。創業100年を超える歴史の中で、時計事業だけでなく工作機械など多角的な収益基盤を持つことが、安定した給与水準を支える背景となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日亜化学工業。
株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行および日本カストディ銀行といった信託銀行の信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合が高い安定的な構成です。事業会社では日亜化学工業や三菱電機などが名を連ねていますが、特定の創業家による支配色は薄く、グローバルな市場での投資家からの信頼を背景とした構成と言えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は時計事業を中核としつつ、工作機械やデバイス事業などを展開する多角的なポートフォリオを構築しています。リスク要因として世界経済の変動や為替リスクを挙げており、特に高価格帯ブランドの海外展開やIoT分野での新たな収益源確保が今後の成長の鍵となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が30.0%に達しており、多様性を尊重した経営体制を推進している点がガバナンス上の大きな強みです。連結子会社72社を擁する大規模なグループ全体を統括するため、8,400万円の監査報酬を投じた厳格な内部統制体制を構築し、透明性の高い企業運営を実現しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,100億円 | — | 3,169億円 | +2.2% |
| FY2024 | 3,100億円 | — | 3,128億円 | +0.9% |
| FY2023 | 2,935億円 | — | 3,014億円 | +2.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 230億円 | — | 206億円 | -10.5% |
| FY2024 | 250億円 | — | 251億円 | +0.3% |
| FY2023 | 225億円 | — | 237億円 | +5.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中計(FY2024終了)では、売上高目標にわずかに届かなかったものの、構造改革の成果により営業利益率とROEの目標は達成しました。これは収益性の改善が進んでいることを示しています。進行中の新中計(FY2027目標)では、さらに高い売上高3,600億円、営業利益率9%を掲げており、時計事業のブランド力強化と工作機械事業の成長が達成の鍵となります。業績予想の精度は比較的安定していますが、FY2025の営業利益が期初予想を下回るなど、外部環境の変化には注意が必要です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2023以降、市場平均であるTOPIXを大きく上回るパフォーマンス(アウトパフォーム)を示しています。特にFY2024には自社TSRが283.3%に達し、TOPIXの216.8%を大幅に超過しました。これは、コロナ禍からのV字回復による業績改善と、それに伴う積極的な増配などの株主還元策が投資家に高く評価された結果です。構造改革による収益性向上と成長戦略への期待が、株価上昇と配当増加を通じてTSRを押し上げています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 99.7万円 | -0.3万円 | -0.3% |
| FY2022 | 141.7万円 | +41.7万円 | 41.7% |
| FY2023 | 217.4万円 | +117.4万円 | 117.4% |
| FY2024 | 283.3万円 | +183.3万円 | 183.3% |
| FY2025 | 269.3万円 | +169.3万円 | 169.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERとPBRは精密機器業界の平均とほぼ同水準であり、現在の株価が極端に割高・割安というわけではありません。しかし、配当利回りは業界平均を大きく上回っており、株主還元への積極的な姿勢が評価されています。直近の信用倍率は11.94倍と買い残が多く、株価上昇への期待感がうかがえますが、将来の需給悪化要因になる可能性も注視が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
『シチズン シリーズエイト』からグローバルトレンドの薄型モデルを発売し、ブランド強化を図る。
通期連結業績が好調に推移し、株価は上場来高値を更新する展開を見せた。
2025年度からの「中期経営計画2027」を策定し、時計および工作機械事業の成長戦略を提示。
最新ニュース
シチズン時計 まとめ
ひとめ診断
「伝統の時計職人が、精密工作機械の腕を磨き上げ、再び世界の『時』を刻み始めた状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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