ノーリツ鋼機
Noritsu Koki Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月29日
写真技術のDNAを未来へ繋ぐ、M&Aで進化し続ける事業家集団
『尖った技術』と『卓越したサービス』を掛け合わせることで新たな価値を創造し、世界中の人々の豊かな生活とサステナブルな地球環境の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたがクラブや音楽フェスでDJが巧みに操るターンテーブルやミキサー、その多くはノーリツ鋼機グループの製品かもしれません。また、普段何気なく使っているボールペンの滑らかな書き心地も、同社の精密な金属加工技術に支えられています。さらに、あなたが働くオフィスビルの床下には、同社が最近買収した企業のOAフロアが敷かれている可能性も。私たちの知らないところで、ノーリツ鋼機の技術が快適な日常を支えているのです。
ノーリツ鋼機は、写真処理機器から事業の軸足を移し、現在はDJ向け音響機器や金属部品、建材などを手掛ける持株会社です。FY2025には売上高1,192.2億円、営業利益208.15億円を達成し、安定した収益基盤を確立。2026年には約690億円を投じて建材メーカーのセンクシアを買収し、事業ポートフォリオをさらに強化しました。このM&A効果により、FY2026の会社計画では売上高1,676億円、営業利益260億円と大幅な成長を見込んでおり、積極的な投資による企業価値向上が期待されます。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都港区麻布十番1-10-10 ジュールA 5階
- 公式
- www.noritsu.co.jp
社長プロフィール

写真処理機器で培った技術を礎に、時代の変化を捉えM&Aによって多様な事業を成長させてきました。『進取の気風』を胸に、尖った技術と卓越したサービスを通じて、世界中の人々の豊かな生活と地球環境の向上に貢献していきます。株主様をはじめ全てのステークホルダーの皆様と共に未来を創造し、持続的な企業価値向上を目指します。
この会社のストーリー
和歌山にて創業者 西本貫一が写真処理機器の開発・製造を開始。写真の現像・プリントを自動化する革新的な製品で業界をリードする。
事業拡大に伴い法人化。写真のDPE(現像・焼付・引伸)を高速・高品質で処理する「QSS」シリーズが世界的な大ヒットとなる。
写真市場の変化に対応するため、持株会社体制へ移行。M&Aを本格化させ、事業ポートフォリオの多角化へ大きく舵を切る。
医療ビッグデータ事業を手がけるJMDC(現:株式会社JMDC)を子会社化し、ヘルスケア領域へ本格参入。新たな成長の柱を築く。
多角化戦略の中で、一部事業の売却や減損損失を計上。事業の選択と集中を進め、より強固な収益基盤の構築を目指す。
世界的なDJ機器ブランド「Pioneer DJ」を展開するAlphaTheta株式会社を子会社化。ものづくり事業の中核を強化する。
建築構造部材メーカーのセンクシア株式会社を約690億円で買収。ものづくり事業のさらなる拡大と安定収益源の確保を狙う。
持続的な成長を目指す中期経営計画を策定。既存事業の強化と新規事業の創出により、企業価値の最大化を目指し未来へ挑戦し続ける。
注目ポイント
写真処理機器メーカーから、M&Aを駆使して音響機器、金属加工、建材、ヘルスケアへと事業を転換。時代の変化に適応し続けるダイナミズムが魅力です。
DJ機器の「AlphaTheta」など、各事業領域で世界トップクラスのシェアを誇る企業を傘下に持つ。高い技術力とブランド力が成長を牽引しています。
安定した収益基盤を背景に、高い配当利回りを維持。株主への利益還元に積極的な姿勢も、投資家にとって心強いポイントです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.22円 | 25.5% |
| FY2022/3 | 16.89円 | 5.3% |
| FY2023/3 | 12.78円 | 40.2% |
| FY2024/3 | 20.11円 | 40.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
ノーリツ鋼機は、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけています。現在は配当性向40%を目安とした利益還元方針を採用しており、業績の拡大に連動した増配傾向が特徴です。今後も安定した収益基盤を維持しながら、持続的な株主還元に取り組む姿勢を明確にしています。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ノーリツ鋼機は、従来の写真処理機器メーカーから多角化・事業集約を経てものづくりやヘルスケア事業を核とする持株会社へと変貌を遂げました。近年の業績は堅調なM&A戦略や各事業の成長により拡大基調にあり、FY2024/3には売上高1,065億円、営業利益205億円を達成しました。2026/3期もさらなる増収増益を見込んでおり、事業ポートフォリオの最適化による収益成長が明確なトレンドとなっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.2% | 2.0% | 14.2% |
| FY2022/3 | 52.7% | 33.0% | 1.7% |
| FY2023/3 | 5.0% | 3.6% | 15.8% |
| FY2024/3 | 7.2% | 5.4% | 19.2% |
| FY2025/3 | 6.8% | 5.2% | 17.5% |
当社の収益性は、営業利益率が直近で17.5%から19.2%と高水準で推移しており、製造業として優れたコスト管理と付加価値創出能力を示しています。FY2022/3の純利益およびROEが急上昇した背景には特定の事業売却等による一時的な収益計上がありましたが、現在は安定した営業利益ベースの成長に回帰しています。今後も事業集約による効率化が進むことで、ROE(自己資本利益率)の着実な改善が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率はFY2025/3時点で75.7%という強固な水準を維持しています。有利子負債は一時的に計上されていますが、資産全体に対して極めて軽微であり、実質無借金経営に近い財務の柔軟性を有しています。豊富な純資産を活用し、成長投資としてのM&Aを継続できる健全な貸借対照表の状態と言えます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 39.1億円 | -405億円 | 42.8億円 | -366億円 |
| FY2022/3 | 117億円 | 934億円 | -476億円 | 1,051億円 |
| FY2023/3 | -316億円 | 232億円 | -189億円 | -84.2億円 |
| FY2024/3 | 326億円 | 3,800万円 | -118億円 | 326億円 |
| FY2025/3 | 199億円 | -4,300万円 | -159億円 | 199億円 |
営業キャッシュフローは、事業の安定に伴い着実な創出フェーズに入っており、FY2024/3には約326億円のフリーキャッシュフローを確保し強固なキャッシュ生成力を証明しました。過去には投資活動による大規模なキャッシュアウトが見られましたが、これは事業多角化のための戦略的なM&A投資によるものです。現在は、潤沢な資金を背景に、成長投資と株主還元をバランス良く両立させる好循環のサイクルに入っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 107億円 | 54.3億円 | 50.6% |
| FY2022/3 | 12.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 145億円 | 42.6億円 | 29.5% |
| FY2024/3 | 205億円 | 43.9億円 | 21.4% |
| FY2025/3 | 208億円 | 51.8億円 | 24.9% |
実効税率は年度によって変動があり、過去には組織再編や繰越欠損金の活用により大きく低下した期もあります。FY2024/3からFY2025/3にかけては概ね20%〜25%前後で推移しており、標準的な税負担水準にあります。FY2026/3予想では35.4%と標準的な法人税率に近づく見込みであり、税引前利益の拡大に伴う着実な納税が想定されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 916万円 | 1,239人 | - |
従業員平均年収は916万円と、製造業および精密機器業界の中でも非常に高い水準にあります。事業の多角化や高付加価値な製品開発による高い利益率が、従業員への厚い還元に繋がっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はサンクプランニング。
筆頭株主である株式会社サンクプランニングが43.19%を保有しており、実質的な支配権を強く維持しています。次いで信託口などの機関投資家が名を連ねる一方、創業家関連と推測される個人株主も上位に存在し、比較的安定した株主構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
ものづくり・部品材料や音響機器など多角的なポートフォリオを形成しています。買収による成長戦略を積極的に推進しており、M&Aに伴う統合リスクや市場環境の変化が主要な事業リスクとして注視されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が33.3%と多様性に配慮した経営体制を構築しています。監査報酬に1億4,100万円を割いており、持株会社としてグループ全体を統括する強固なガバナンスと監視体制を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,126億円 | — | 1,192億円 | +5.9% |
| FY2024 | 976億円 | — | 1,065億円 | +9.2% |
| FY2023 | 800億円 | — | 916億円 | +14.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 174億円 | — | 208億円 | +19.6% |
| FY2024 | 134億円 | — | 205億円 | +53.0% |
| FY2023 | 76億円 | — | 145億円 | +90.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ノーリツ鋼機は、2025年2月に新たに2030年度を最終年度とする中期経営計画「FY30」を発表しました。この計画では、売上高2,500億円、営業利益400億円という高い目標を掲げています。直近では、2026年2月に完了した建材メーカー「センクシア」の大型買収が計画達成の鍵を握っており、FY2026の業績予想にもその効果が大きく織り込まれています。過去の業績予想はいずれも期初計画を大幅に上回って達成しており、経営陣の計画実行力と市場環境の変化への対応力には信頼が置けます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、FY2021からFY2024まで一貫して市場平均であるTOPIXを下回っていましたが、FY2025には233.5%とTOPIXの175%を大幅に上回り、顕著なアウトパフォームを達成しました。これは、事業ポートフォリオの再構築が進み、音響機器事業の収益性が向上したことに加え、大型M&Aへの期待感が株価を押し上げたことが背景にあります。長年の事業転換が結実し、株主価値の向上に繋がったことを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 100.1万円 | +0.1万円 | 0.1% |
| FY2022 | 117.2万円 | +17.2万円 | 17.2% |
| FY2023 | 110.0万円 | +10.0万円 | 10.0% |
| FY2024 | 139.1万円 | +39.1万円 | 39.1% |
| FY2025 | 233.5万円 | +133.5万円 | 133.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は39.61倍と高く、信用買い残が積み上がっている状況は、将来の株価上昇を見込む投資家が多い一方、需給面での重荷となる可能性も指摘されます。同業の精密機器業界平均と比較すると、PER・PBRともに割安な水準にあり、今後の業績成長が評価されれば株価の見直しの余地は大きいと考えられます。特に配当利回りは業界平均を大きく上回っており、株主還元への積極的な姿勢が伺えます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
建築構造部材・フロア材メーカーのセンクシアの株式取得を完了し、グループの製造事業を強化。
2026年12月期の純利益予想を前期比7.4%増の168億円と発表し、市場の期待を上回った。
持株会社体制のもと、グループ中核3社を中心とした中期経営計画 FY30を新たに策定。
最新ニュース
ノーリツ鋼機 まとめ
ひとめ診断
「写真処理機器の老舗が、M&Aを駆使して音響・金属・建材のニッチトップ連合へと変貌を遂げた投資会社」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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