ニコン7731
NIKON CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが趣味で写真を撮るとき、手にしている高性能なカメラはニコン製かもしれません。実は、ニコンの技術はもっと身近なところで活躍しています。普段使っているスマートフォンやパソコンの心臓部である半導体チップは、ニコンが作る超精密な機械(露光装置)なしでは製造できません。また、病院で受ける眼の検査や、あなたがかけているメガネのレンズの裏側でも、ニコンの光学技術が役立っているのです。最先端の科学研究から日々の暮らしまで、ニコンは「見る」技術で世界を支えています。
ニコンは、2025期に売上高7152.9億円を計上したものの、営業利益は24.22億円へと大幅に落ち込みました。さらに、買収した金属3Dプリンター事業に関連するのれん等の減損損失として約1042億円を計上し、2026期の連結最終損益は850億円の赤字(過去最大)となる見通しです。主力の映像事業は堅調ですが、半導体露光装置事業は厳しい状況が続いており、ヘルスケアやコンポーネント事業を次の収益の柱に育て上げることが喫緊の課題となっています。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区西大井1-5-20
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 6.4% | 3.5% | - |
| 2022/03期 | 7.5% | 4.2% | - |
| 2023/03期 | 7.4% | 4.3% | - |
| 2024/03期 | 5.0% | 3.0% | 5.5% |
| 2025/03期 | 0.9% | 0.5% | 0.3% |
| 3Q FY2026/3 | 15.1%(累計) | 7.9%(累計) | 21.4% |
収益性は、2022/03期から2023/03期にかけて改善が見られたものの、直近では減益の影響を強く受け営業利益率は0.3%まで低下しました。これは半導体事業などの市場環境悪化に加え、先行投資や資産評価損が利益を圧迫しているためです。ROE(自己資本利益率)も1.0%と非常に低水準であり、資本効率の改善が今後の経営における大きな課題となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4,512億円 | — | 345億円 | -94.0円 | - |
| 2022/03期 | 5,396億円 | — | 427億円 | 116.2円 | +19.6% |
| 2023/03期 | 6,281億円 | — | 449億円 | 125.5円 | +16.4% |
| 2024/03期 | 7,172億円 | 398億円 | 326億円 | 94.0円 | +14.2% |
| 2025/03期 | 7,153億円 | 24.2億円 | 61.2億円 | 17.9円 | -0.3% |
ニコンの業績は、半導体露光装置の販売減や金属3Dプリンター事業に関連する減損損失の影響を受け、2026年3月期には過去最大規模となる850億円の最終赤字が見込まれています。2021/03期のコロナ禍による落ち込みから一度は回復基調にありましたが、主力事業の収益力低下が重石となりました。現在は構造改革を推進しており、次期以降の反転攻勢に向けた経営基盤の立て直しが急務となっています。 【3Q 2026/03期実績】売上4839億円(通期予想比68%)、営業利益△1036億円(同-288%)、純利益△872億円(同-291%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
映像・精機・ヘルスケア等の多角的な事業展開を行っていますが、半導体露光装置の販売減や減損損失が響き、2026年3月期は850億円規模の過去最大の最終赤字となる見通しです。競争環境の激化や構造改革の進捗が経営リスクとして強く意識されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 350億円 | — | 24億円 | -93.1% |
| 2024期 | 430億円 | — | 398億円 | -7.5% |
| 2023期 | 500億円 | — | 549億円 | +9.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 7,450億円 | — | 7,153億円 | -4.0% |
| 2024期 | 6,650億円 | — | 7,172億円 | +7.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画(2022期-2025)では、売上収益目標7,000億円を2年前倒しで達成するなど、事業規模の拡大は順調に進みました。しかし、肝心の利益面では営業利益率10%以上の目標に対し、最終年度の実績はわずか0.34%と大幅な未達に終わりました。特に、成長ドライバーと位置付けたM&Aが巨額の減損損失につながり、2026期には過去最大の最終赤字を計上する見込みです。計画達成能力、特に利益創出力とM&A戦略の精度には厳しい評価を下さざるを得ません。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
M&A戦略を抜本的に見直し、ガバナンスと意思決定プロセスの透明化を優先する方針を発表。
2026年3月期の連結最終損益が850億円の赤字見通しとなることを開示。
米宇宙企業Vastへ出資し、商業宇宙ステーション事業への本格的な参画を決定。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社の財務健全性は、総資産が1兆円規模を維持しているものの、自己資本比率は2025/03期時点で57.4%と一定の安定感を保っています。2024/03期以降は有利子負債が増加しており、事業転換や買収に必要な資金を確保しつつも財務規律の維持が求められます。長年培ってきた資産ベースは厚く、赤字局面でも耐えうる一定の体力を維持しています。 【3Q 2026/03期】総資産1.1兆円、純資産5776億円、自己資本比率52.5%、有利子負債2441億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 308億円 | 414億円 | 89.4億円 | 106億円 |
| 2025/03期 | 483億円 | 700億円 | 198億円 | 217億円 |
営業キャッシュフローは2025/03期に約483億円を創出し、本業での稼ぐ力自体は一定程度維持されています。一方で、将来の成長を見据えた積極的な投資キャッシュフローの支出が続いており、これがフリーキャッシュフローを一時的に押し下げる要因となっています。手元資金を投じて事業ポートフォリオの転換を図る過渡期にあると言えます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.2%と一定の水準を確保しており、ダイバーシティ推進が図られています。監査等委員会設置会社として監視機能を強化しつつ、巨大な設備投資や構造改革を伴う複雑な経営課題に対し、透明性の高い経営体制の構築を継続的に進めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 851万円 | 20,069人 | - |
従業員の平均年収は851万円であり、製造業の中でも精機事業や映像事業など高度な技術力を背景に比較的高い水準を維持しています。ただし、直近の業績悪化に伴い役員報酬の減額が行われるなど、業績と連動した報酬制度が機能している側面があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当金を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ニコンのTSRは2021期から2025期までの5年間、一貫して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、安定した配当を継続しているものの、それを上回る株価の低迷が続いていることが主な要因です。特に、主力事業の競争激化やM&A戦略の不透明感が株価の重しとなり、株主へのトータルリターンが市場平均に追いつけていない状況を反映しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 18円 | 32.2% |
| 2017/03期 | 16円 | 159.8% |
| 2018/03期 | 36円 | 41.0% |
| 2019/03期 | 60円 | 35.7% |
| 2020/03期 | 40円 | 200.7% |
| 2021/03期 | 20円 | - |
| 2022/03期 | 40円 | 34.4% |
| 2023/03期 | 45円 | 35.9% |
| 2024/03期 | 50円 | 53.2% |
| 2025/03期 | 50円 | 280.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
ニコンは連結配当性向を基準とした株主還元を基本方針として掲げています。業績が大幅な赤字となる期でも、株主への利益還元を継続的に行い配当水準を維持する安定配当の姿勢を重視しています。今後は持続的な成長と収益改善を通じて、より強固な還元基盤を構築することを目指しています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 105.7万円 | 5.7万円 | 5.7% |
| 2022期 | 137.7万円 | 37.7万円 | 37.7% |
| 2023期 | 146.3万円 | 46.3万円 | 46.3% |
| 2024期 | 168.9万円 | 68.9万円 | 68.9% |
| 2025期 | 169.0万円 | 69.0万円 | 69.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPBR1.01倍と、解散価値に近い水準で評価されています。これは、過去のブランド力や資産に対して、市場が将来の収益力に疑問符を投げかけていることを示唆します。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、信用倍率は0.71倍と、株価下落を見込む投資家が多いことを示しています。今後の決算発表で赤字からの回復シナリオを示せるかが、市場の評価を変えるポイントとなります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 427億円 | 101億円 | 23.7% |
| 2025/03期 | 45.3億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に大きく連動しています。赤字期には税負担が発生しないため納税額はゼロとなりますが、黒字期においても繰越欠損金の解消状況や地域ごとの税務処理により、実効税率は標準的な税率よりも低く推移する傾向があります。業績の乱高下により納税負担も不安定な状況が続いています。
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