ニコン
NIKON CORPORATION
最終更新日: 2026年3月29日
光の力で未来を拓く、100年超の歴史を持つ精密技術のパイオニア
人と機械が共創する社会の中心企業となり、世界中の人々が豊かに暮らせる未来を実現する。
この会社ってなに?
あなたが趣味で写真を撮るとき、手にしている高性能なカメラはニコン製かもしれません。実は、ニコンの技術はもっと身近なところで活躍しています。普段使っているスマートフォンやパソコンの心臓部である半導体チップは、ニコンが作る超精密な機械(露光装置)なしでは製造できません。また、病院で受ける眼の検査や、あなたがかけているメガネのレンズの裏側でも、ニコンの光学技術が役立っているのです。最先端の科学研究から日々の暮らしまで、ニコンは「見る」技術で世界を支えています。
ニコンは、FY2025に売上高7152.9億円を計上したものの、営業利益は24.22億円へと大幅に落ち込みました。さらに、買収した金属3Dプリンター事業に関連するのれん等の減損損失として約1042億円を計上し、FY2026の連結最終損益は850億円の赤字(過去最大)となる見通しです。主力の映像事業は堅調ですが、半導体露光装置事業は厳しい状況が続いており、ヘルスケアやコンポーネント事業を次の収益の柱に育て上げることが喫緊の課題となっています。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区西大井1-5-20
- 公式
- www.jp.nikon.com
社長プロフィール

私たちは、2030年のありたい姿として『人と機械が共創する社会の中心企業』となることを目指しています。中核である光利用技術と精密技術をさらに進化させ、社会の様々な課題解決に貢献し、持続的な企業価値向上を実現していきます。
この会社のストーリー
東京・小石川に設立され、光学兵器の国産化を目指して事業を開始。ドイツ人技師を招聘し、光学ガラスの生産から研究を始めた。
小型カメラ「ニコンI型」を発売。その後、世界中のプロカメラマンから高い評価を得る「ニコンF」などを生み出し、カメラブランドとしての地位を確立した。
カメラで培った光学技術を応用し、半導体の製造に不可欠な露光装置を開発。エレクトロニクス産業の発展を支える精機事業の礎を築いた。
スマートフォンの普及によりデジタルカメラ市場が縮小し、業績に大きな影響を受けた。映像事業の構造改革と、精機・ヘルスケア事業への注力を進める転換期を迎える。
ドイツの金属3Dプリンターメーカー大手SLM Solutions社を買収し、デジタルマニュファクチャリング事業へ本格参入。新たな成長の柱を構築する。
過去最大の最終赤字見通しの中で大村泰弘氏が新社長に就任。買収した事業の立て直しと、半導体露光装置事業での巻き返しなど、経営再建に向けた新たな挑戦が始まる。
中期経営計画で掲げるビジョンの実現を目指す。映像・精機・ヘルスケア・コンポーネントの4事業を軸に、光技術を駆使して社会課題を解決し、持続的な成長を目指す。
注目ポイント
カメラのイメージが強いですが、半導体を作る機械や再生医療用の細胞、さらには商業宇宙ステーション計画への出資など、多彩な分野で光技術を活かしています。未来の産業を支える技術力が魅力です。
半導体製造に欠かせない露光装置はニコンの主力事業の一つ。競合との厳しい競争に直面していますが、新製品開発で巻き返しを図っています。日本の技術力の底力に期待が集まります。
デジタルマニュファクチャリング事業へ本格参入するため、金属3Dプリンターのリーディングカンパニーを買収。従来の事業領域に留まらず、M&Aを通じて未来の成長に向けた変革を加速させています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 0.1% |
| FY2022/3 | 40円 | 34.4% |
| FY2023/3 | 45円 | 35.9% |
| FY2024/3 | 50円 | 53.2% |
| FY2025/3 | 50円 | 280.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
ニコンは連結配当性向を基準とした株主還元を基本方針として掲げています。業績が大幅な赤字となる期でも、株主への利益還元を継続的に行い配当水準を維持する安定配当の姿勢を重視しています。今後は持続的な成長と収益改善を通じて、より強固な還元基盤を構築することを目指しています。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニコンの業績は、半導体露光装置の販売減や金属3Dプリンター事業に関連する減損損失の影響を受け、2026年3月期には過去最大規模となる850億円の最終赤字が見込まれています。FY2021/3のコロナ禍による落ち込みから一度は回復基調にありましたが、主力事業の収益力低下が重石となりました。現在は構造改革を推進しており、次期以降の反転攻勢に向けた経営基盤の立て直しが急務となっています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -6.4% | -3.5% | -12.5% |
| FY2022/3 | 7.1% | 4.1% | 9.3% |
| FY2023/3 | 7.3% | 4.3% | 8.7% |
| FY2024/3 | 4.8% | 2.8% | 5.5% |
| FY2025/3 | 1.0% | 0.6% | 0.3% |
収益性は、FY2022/3からFY2023/3にかけて改善が見られたものの、直近では減益の影響を強く受け営業利益率は0.3%まで低下しました。これは半導体事業などの市場環境悪化に加え、先行投資や資産評価損が利益を圧迫しているためです。ROE(自己資本利益率)も1.0%と非常に低水準であり、資本効率の改善が今後の経営における大きな課題となります。
財務は安全?
同社の財務健全性は、総資産が1兆円規模を維持しているものの、自己資本比率はFY2025/3時点で57.4%と一定の安定感を保っています。FY2024/3以降は有利子負債が増加しており、事業転換や買収に必要な資金を確保しつつも財務規律の維持が求められます。長年培ってきた資産ベースは厚く、赤字局面でも耐えうる一定の体力を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 49.7億円 | 180億円 | -49.9億円 | 230億円 |
| FY2022/3 | 314億円 | -3.9億円 | -262億円 | 310億円 |
| FY2023/3 | 1,500万円 | -1,121億円 | -562億円 | -1,121億円 |
| FY2024/3 | 308億円 | -414億円 | -89.4億円 | -106億円 |
| FY2025/3 | 483億円 | -700億円 | -198億円 | -217億円 |
営業キャッシュフローはFY2025/3に約483億円を創出し、本業での稼ぐ力自体は一定程度維持されています。一方で、将来の成長を見据えた積極的な投資キャッシュフローの支出が続いており、これがフリーキャッシュフローを一時的に押し下げる要因となっています。手元資金を投じて事業ポートフォリオの転換を図る過渡期にあると言えます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -562億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 499億円 | 72.5億円 | 14.5% |
| FY2023/3 | 549億円 | 99.6億円 | 18.1% |
| FY2024/3 | 398億円 | 72.1億円 | 18.1% |
| FY2025/3 | 24.2億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に大きく連動しています。赤字期には税負担が発生しないため納税額はゼロとなりますが、黒字期においても繰越欠損金の解消状況や地域ごとの税務処理により、実効税率は標準的な税率よりも低く推移する傾向があります。業績の乱高下により納税負担も不安定な状況が続いています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 851万円 | 20,069人 | - |
従業員の平均年収は851万円であり、製造業の中でも精機事業や映像事業など高度な技術力を背景に比較的高い水準を維持しています。ただし、直近の業績悪化に伴い役員報酬の減額が行われるなど、業績と連動した報酬制度が機能している側面があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はSG/INV(常任代理人 香港上海銀行東京支店)・明治安田生命保険相互会社・NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST(常任代理人 香港上海銀行東京支店)。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占め、機関投資家の保有比率が高い構成です。海外投資家やエシロール・ルックスオティカなどの事業パートナーが重要な株主として存在しており、経営の透明性向上や株主還元を重視するグローバルなガバナンス体制が求められています。
会社の公式開示情報
役員報酬
映像・精機・ヘルスケア等の多角的な事業展開を行っていますが、半導体露光装置の販売減や減損損失が響き、2026年3月期は850億円規模の過去最大の最終赤字となる見通しです。競争環境の激化や構造改革の進捗が経営リスクとして強く意識されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.2%と一定の水準を確保しており、ダイバーシティ推進が図られています。監査等委員会設置会社として監視機能を強化しつつ、巨大な設備投資や構造改革を伴う複雑な経営課題に対し、透明性の高い経営体制の構築を継続的に進めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 350億円 | — | 24億円 | -93.1% |
| FY2024 | 430億円 | — | 398億円 | -7.5% |
| FY2023 | 500億円 | — | 549億円 | +9.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 7,450億円 | — | 7,153億円 | -4.0% |
| FY2024 | 6,650億円 | — | 7,172億円 | +7.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画(FY2022-2025)では、売上収益目標7,000億円を2年前倒しで達成するなど、事業規模の拡大は順調に進みました。しかし、肝心の利益面では営業利益率10%以上の目標に対し、最終年度の実績はわずか0.34%と大幅な未達に終わりました。特に、成長ドライバーと位置付けたM&Aが巨額の減損損失につながり、FY2026には過去最大の最終赤字を計上する見込みです。計画達成能力、特に利益創出力とM&A戦略の精度には厳しい評価を下さざるを得ません。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当金を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。ニコンのTSRはFY2021からFY2025までの5年間、一貫して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、安定した配当を継続しているものの、それを上回る株価の低迷が続いていることが主な要因です。特に、主力事業の競争激化やM&A戦略の不透明感が株価の重しとなり、株主へのトータルリターンが市場平均に追いつけていない状況を反映しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 105.7万円 | +5.7万円 | 5.7% |
| FY2022 | 137.7万円 | +37.7万円 | 37.7% |
| FY2023 | 146.3万円 | +46.3万円 | 46.3% |
| FY2024 | 168.9万円 | +68.9万円 | 68.9% |
| FY2025 | 169.0万円 | +69.0万円 | 69.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPBR1.01倍と、解散価値に近い水準で評価されています。これは、過去のブランド力や資産に対して、市場が将来の収益力に疑問符を投げかけていることを示唆します。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、信用倍率は0.71倍と、株価下落を見込む投資家が多いことを示しています。今後の決算発表で赤字からの回復シナリオを示せるかが、市場の評価を変えるポイントとなります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
M&A戦略を抜本的に見直し、ガバナンスと意思決定プロセスの透明化を優先する方針を発表。
2026年3月期の連結最終損益が850億円の赤字見通しとなることを開示。
米宇宙企業Vastへ出資し、商業宇宙ステーション事業への本格的な参画を決定。
最新ニュース
ニコン まとめ
ひとめ診断
「光学の名門、M&Aの巨額減損で足踏みしながらも非カメラ領域への脱皮を急ぐ苦闘の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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