日本エム・ディ・エム
Japan Medical Dynamic Marketing,INC.
最終更新日: 2026年3月29日
人生100年時代の“歩く”を支える、整形外科医療のパイオニア
整形外科分野のリーディングカンパニーとして、再生医療分野へも挑戦し、革新的な治療法で世界中の人々の健康に貢献します。
この会社ってなに?
もし、あなたやご家族がスポーツや事故で骨折してしまった時、手術で骨を固定するために使われる金属のプレートやネジを想像してみてください。また、おじいちゃんやおばあちゃんが膝や股関節の痛みに悩み、人工関節を入れる手術を受けることもあるかもしれません。日本エム・ディ・エムは、まさにそうした手術で使われる骨接合材料や人工関節を開発し、全国の病院に届けている会社です。普段の生活では目にすることはありませんが、日本の整形外科医療の最前線を、縁の下の力持ちとして支えているのです。
日本エム・ディ・エムは、骨接合材料や人工関節など整形外科分野の医療機器を扱う専門企業です。FY2025は売上高251.1億円(前期比8.3%増)と増収を維持したものの、米国での訴訟関連費用等が響き、営業利益は15.55億円(同10.9%減)、最終損益は4.61億円の赤字に転落しました。株価はPBR0.62倍と解散価値を大きく下回る水準にあり、市場の評価は厳しい状況です。FY2026は営業利益18.5億円への回復を見込む新中期経営計画「1st Stage」を掲げており、収益性の改善が最大の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区市谷台町12-2
- 公式
- www.jmdm.co.jp
社長プロフィール
私たちは、高齢化社会の進展に伴い重要性が増す整形外科分野において、優れた医療機器を提供することを使命としています。医療現場のニーズに的確に応える製品開発とサービス提供を通じて、患者様のQOL(生活の質)向上に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
医療機器の輸入販売を目的として、東京都新宿区に株式会社日本エム・ディ・エムを設立。整形外科分野での歩みが始まる。
日本証券業協会(現:JASDAQ)に株式を店頭登録。企業としての信頼性を高め、さらなる成長への基盤を築く。
株式を東京証券取引所市場第二部に上場。脊椎固定器具の販売を開始し、事業領域を拡大する。
初の自社開発製品である骨接合材料の販売を開始。輸入販売商社からメーカーへと進化を遂げる。
米国カリフォルニア州に子会社「Ortho Development Corporation」を設立。海外での製造・開発・販売体制を強化する。
三井化学株式会社と資本業務提携を締結。両社の技術力や販売網を活かし、新たなシナジー創出を目指す。
「再生医療への挑戦」と「売上高500億円」を目指す長期ビジョン「RT500」を発表。次の成長ステージへ向けた新たな挑戦が始まる。
注目ポイント
骨接合材料や人工関節といった製品は、高齢化が進む日本や世界でますます需要が高まる分野です。社会貢献と事業成長の両立が期待できます。
海外の優れた医療機器を輸入販売する商社機能と、自社で製品を開発・製造するメーカー機能の両方を持ち合わせています。これにより幅広い医療ニーズに対応可能です。
長期ビジョン「RT500」を掲げ、再生医療という最先端分野への挑戦を表明。従来の治療法にとどまらない、未来の医療を創る企業へと進化を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 11円 | 17.4% |
| FY2022/3 | 12円 | 14.8% |
| FY2023/3 | 13円 | 24.1% |
| FY2024/3 | 14円 | 29.0% |
| FY2025/3 | 15円 | 0.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としています。業績が一時的に低迷した局面でも配当を維持・増配しており、株主還元を重視する経営姿勢が伺えます。今後も成長投資とのバランスを考慮しつつ、安定的配当の維持を目指す方針です。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は整形外科分野の堅調な製品需要により251億円まで順調に拡大を続けています。一方で、利益面では円安による調達コスト増に加え、製造間接費の増加が重石となり、FY2025/3期には純損益が赤字に転落しました。FY2026/3期は収益改善に向けた販管費の効率化や価格転嫁が進み、14.5億円の黒字復帰を見込む強気な予想を立てています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.9% | 6.6% | 13.0% |
| FY2022/3 | 9.9% | 7.8% | 13.9% |
| FY2023/3 | 6.1% | 4.8% | 9.5% |
| FY2024/3 | 5.0% | 4.0% | 7.5% |
| FY2025/3 | -1.9% | -1.4% | 6.2% |
過去数年は営業利益率が10%台で安定していましたが、直近ではコスト増の影響により営業利益率は6.2%まで低下しています。ROE(自己資本利益率)についても、利益水準の低下を受けてFY2025/3期にはマイナスへと沈みました。今後は事業ポートフォリオの最適化を通じて、収益性の再構築と効率的な資本活用が喫緊の課題となっています。
財務は安全?
総資産は堅実に積み上がり336億円規模に達していますが、事業投資のための借入増加により自己資本比率は73.3%へ低下しました。有利子負債も近年発生していますが、依然として強固な資産基盤を維持しています。将来的には適切な財務レバレッジの管理により、資本効率を重視した経営への移行が求められています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 26.0億円 | -13.4億円 | -13.1億円 | 12.5億円 |
| FY2022/3 | 31.1億円 | -17.5億円 | -12.9億円 | 13.6億円 |
| FY2023/3 | 21.9億円 | -14.8億円 | -5.1億円 | 7.0億円 |
| FY2024/3 | 21.0億円 | -18.0億円 | -8.4億円 | 3.0億円 |
| FY2025/3 | 10.5億円 | -16.7億円 | 14.9億円 | -6.2億円 |
営業活動によるキャッシュフローは本業の成長により一定の創出を維持していますが、近年は設備投資等の支出が先行しフリーキャッシュフローが圧迫されています。FY2025/3期には赤字の影響や投資負担からマイナスに転じましたが、財務活動により資金を確保して事業を支えています。今後は営業キャッシュフローの回復を伴う、持続的な投資サイクルへの回帰が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 21.3億円 | 4.6億円 | 21.7% |
| FY2022/3 | 25.9億円 | 4.6億円 | 17.6% |
| FY2023/3 | 20.4億円 | 6.2億円 | 30.3% |
| FY2024/3 | 18.4億円 | 5.7億円 | 31.0% |
| FY2025/3 | 14.9億円 | 19.5億円 | 131.0% |
平時は法定実効税率に近い水準で推移してきましたが、FY2025/3期は純損失計上等の特殊要因により一時的に税負担率が急上昇しました。この数値は会計上の繰延税金資産の取り崩し等が影響していると考えられます。次期以降は事業の黒字化に伴い、再び標準的な税率水準へ戻る見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 747万円 | 538人 | - |
従業員平均年収は747万円であり、精密機器・医療機器業界の平均的な水準と比較しても安定した報酬体系を維持しています。過去には業績連動型の報酬制度を導入するなど、企業収益の拡大に従業員の賃金が反映されやすい仕組みを志向しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は三井化学・MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券)。
筆頭株主である三井化学株式会社が30.01%の株式を保有しており、強い影響力を持つ安定株主となっています。その他には信託銀行等の機関投資家が名を連ねる一方、創業家関連と見られる個人株主も一定比率を保有しており、経営方針に中長期的な視点が求められる構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、国内外の医療機器規制の強化や、製品品質管理に伴う訴訟リスクが挙げられます。整形外科分野に特化しており、収益の源泉が特定の医療ニーズに依存しているため、市場競争の激化や為替変動、さらにはコンプライアンス上の問題が業績に直結しやすい構造です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が22.0%と、日本の上場企業平均を上回る多様性を確保しています。監査等委員会設置会社として、社外取締役を多用した透明性の高い経営体制を構築しており、企業規模に見合った適正なリスク管理が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 252億円 | — | 251億円 | -0.4% |
| FY2024 | 233億円 | — | 232億円 | -0.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 19億円 | — | 16億円 | -16.0% |
| FY2024 | 25億円 | — | 17億円 | -30.2% |
| FY2023 | 28億円 | — | 20億円 | -27.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「1st Stage」では、最終年度のFY2027に連結売上高300億円、営業利益18.5億円を目標としています。FY2025実績は売上高251.1億円、営業利益15.55億円と、売上・利益ともに進捗率は80%台半ばです。しかし、過去の中計や近年の業績予想では、利益目標の大幅な未達が常態化しており、計画達成の蓋然性には注意が必要です。特に米国子会社の収益性改善とコスト管理が計画達成の鍵を握ります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間でTOPIXを一貫して下回る「アンダーパフォーム」が続いています。特にFY2025には自社TSRが38.8%まで低下し、TOPIX(213.4%)との差が大きく開きました。これは、増配を続けているものの、それを上回るペースで株価が下落していることが主な原因です。業績、特に利益面の低迷が株価の重しとなり、株主へのトータルリターンを押し下げている状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 139.2万円 | +39.2万円 | 39.2% |
| FY2022 | 101.6万円 | +1.6万円 | 1.6% |
| FY2023 | 65.9万円 | -34.1万円 | -34.1% |
| FY2024 | 48.0万円 | -52.0万円 | -52.0% |
| FY2025 | 38.8万円 | -61.2万円 | -61.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPERは10.5倍、PBRは0.62倍と、精密機器セクターの平均(PER30倍、PBR2.5倍)と比較して著しく割安な水準にあります。これは近年の利益の伸び悩みや最終赤字を市場が織り込んでいるためと考えられます。一方、信用買い残が売り残の4.68倍と高く、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面での重しとなる可能性もあります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期中間期および通期業績予想の下方修正を発表し、市場の期待を下回る見通しが示されました。
第3四半期決算にて大幅な減収減益を報告し、製造コスト増加等が収益を圧迫しました。
監査役の辞任など、経営陣およびガバナンス体制の見直しに関する適時開示が行われました。
最新ニュース
日本エム・ディ・エム まとめ
ひとめ診断
「『骨』関連医療機器の専門商社、増収続くも利益は足踏み。PBR1倍割れからの再起を狙う状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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