島津製作所7701
Shimadzu Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが病院でレントゲン撮影を受けるとき、その装置は島津製かもしれません。また、スーパーで買う野菜や果物が安全かどうか、その残留農薬をチェックする検査にも島津の分析技術が活躍しています。さらに、あなたが毎日使うスマートフォンの小さな部品を作る過程や、水道水が安全に飲めることを確認する水質検査の裏側でも、島津の『見えないものを見る』技術が社会の安全と安心を支えているのです。
2025期は売上高5,390.5億円(前期比+5.3%)を達成するも、営業利益は717.20億円(同-1.4%)と増収減益で着地しました。主力の分析・計測機器は底堅いものの、半導体関連や医用機器市場の変動が影響しています。過去最大となる約1058億円でのチェコ電子顕微鏡メーカー買収など、M&Aによる成長戦略を加速させていますが、来期(2026期期初予想)は売上高5,150億円、営業利益580億円と減収減益を見込んでおり、買収効果の発現と市況回復が待たれる状況です。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 10.8% | 7.3% | - |
| 2022/03期 | 13.2% | 8.9% | - |
| 2023/03期 | 12.9% | 8.8% | - |
| 2024/03期 | 12.5% | 8.8% | 14.2% |
| 2025/03期 | 10.9% | 8.0% | 13.3% |
| 3Q FY2026/3 | 8.6%(累計) | 5.7%(累計) | 12.6% |
営業利益率は12%から15%の範囲で安定しており、高付加価値な分析機器を中心とした精密機器メーカーとして優れた収益性を維持しています。ROE(自己資本利益率)は10%以上を継続しており、資本効率を重視した経営がなされています。今後も売上規模の拡大に伴う固定費の吸収により、高い収益水準を維持できるかが焦点となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,935億円 | — | 361億円 | 122.5円 | - |
| 2022/03期 | 4,282億円 | — | 473億円 | 160.5円 | +8.8% |
| 2023/03期 | 4,822億円 | — | 520億円 | 176.6円 | +12.6% |
| 2024/03期 | 5,119億円 | 728億円 | 570億円 | 193.5円 | +6.1% |
| 2025/03期 | 5,390億円 | 717億円 | 538億円 | 183.6円 | +5.3% |
島津製作所は分析計測機器および医用機器を主力としており、過去数年間はグローバルな需要増を背景に増収基調を維持してきました。しかし、2025/03期には原材料高や先行投資の増加により営業利益が微減に転じており、2026/03期予想では半導体市況の影響なども考慮し減収減益を見込んでいます。売上規模は5,000億円超へと順調に拡大しており、安定した事業基盤を構築しています。 【3Q 2026/03期実績】売上3987億円(通期予想比77%)、営業利益502億円(同87%)、純利益391億円(同87%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力事業である分析計測機器を中心に、医用機器や産業機器など多角的に事業を展開しています。特に高度な分析技術を活用したグローバル展開が強みですが、為替変動や原材料価格の変動、さらには海外市場における地政学リスクが収益に影響を与える可能性を重要なリスク要因として開示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 5,250億円 | 5,350億円 | 5,391億円 | +2.7% |
| 2024期 | 5,000億円 | — | 5,119億円 | +2.4% |
| 2023期 | 4,550億円 | — | 4,822億円 | +6.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 760億円 | 720億円 | 717億円 | -5.6% |
| 2024期 | 710億円 | — | 728億円 | +2.5% |
| 2023期 | 680億円 | — | 682億円 | +0.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は明確な中期経営計画の数値目標を開示していませんが、毎期の業績予想に対する達成度を見ることで計画遂行力を評価できます。過去3年間、売上高は期初予想を上回って着地する傾向にあり、事業の成長モメンタムは維持されています。しかし、2025期の営業利益は半導体市況の悪化など外部要因で期初予想を下回りました。来期予想が減収減益である点も踏まえると、外部環境の変化に対応しつつ利益を確保できるかが今後の課題と言えるでしょう。
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競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
電子顕微鏡メーカーTescanを1058億円で買収し、分析サービス領域を強化。
エピストラと共同でAIカスタム培地開発サービスを開始し、製薬支援を強化。
26年3月期業績および配当の上方修正を発表し、市場の評価が向上。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は70%を超えて推移しており、極めて強固な財務体質を有している点が同社の大きな強みです。2024/03期以降は有利子負債を計上していますが、総資産に対する割合は低く、将来的なM&Aや成長投資に対する十分な余力を保持しています。資産構成もバランスが取れており、経営の安定性は極めて高い水準です。 【3Q 2026/03期】総資産6906億円、純資産5315億円、自己資本比率67.6%、有利子負債8.7億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 638億円 | 139億円 | 130億円 | 499億円 |
| 2022/03期 | 634億円 | 60.4億円 | 157億円 | 573億円 |
| 2023/03期 | 483億円 | 345億円 | 194億円 | 138億円 |
| 2024/03期 | 301億円 | 160億円 | 211億円 | 141億円 |
| 2025/03期 | 520億円 | 232億円 | 484億円 | 288億円 |
営業キャッシュフローは毎期プラスを確保しており、本業による高い稼ぐ力を示しています。投資キャッシュフローは、戦略的な設備投資や子会社買収(Zef Scientific等の取得)により適宜マイナスとなっており、将来の成長に向けた積極的な投資を継続していることが分かります。財務キャッシュフローは配当や自己株式の取得により安定的に流出しており、バランスの良い資金運用が行われています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が25.0%と、製造業としては高い水準でダイバーシティ推進に積極的な姿勢を示しています。監査報酬も1億2,000万円と適正な体制が構築されており、81社の連結子会社を抱える大企業として、健全な内部統制とガバナンスが維持されている点が高く評価されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 901万円 | 14,481人 | - |
従業員平均年収は901万円と、精密機器業界の中でも非常に高い水準にあります。創業150年を超える安定した経営基盤と、グローバルな分析・計測機器市場での強固な競争力が、高水準な給与を支える原資となっていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。2022期まではTOPIXを上回るパフォーマンスでしたが、2023期以降はTOPIXに大きく劣後(アンダーパフォーム)しています。これは、同期間にTOPIXが大幅に上昇した一方で、島津製作所の株価が横ばいであったことが主な要因です。株主還元として増配を続けているものの、株価の伸び悩みがTSRを押し下げている状況であり、大型買収などの成長戦略が株価に反映されることが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 18円 | 22.2% |
| 2017/03期 | 20円 | 22.3% |
| 2018/03期 | 24円 | 23.7% |
| 2019/03期 | 28円 | 25.4% |
| 2020/03期 | 30円 | 27.8% |
| 2021/03期 | 34円 | 27.8% |
| 2022/03期 | 48円 | 29.9% |
| 2023/03期 | 54円 | 30.6% |
| 2024/03期 | 60円 | 31.0% |
| 2025/03期 | 66円 | 36.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は安定的配当の継続を基本方針としつつ、収益やキャッシュフローを勘案した利益還元を行っています。配当性向30%以上を目標に掲げており、業績の成長に合わせて一株あたりの配当金を着実に増額する姿勢が見て取れます。今後も持続的な成長投資と株主還元の両立が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 142.0万円 | 42.0万円 | 42.0% |
| 2022期 | 151.7万円 | 51.7万円 | 51.7% |
| 2023期 | 150.3万円 | 50.3万円 | 50.3% |
| 2024期 | 155.6万円 | 55.6万円 | 55.6% |
| 2025期 | 140.3万円 | 40.3万円 | 40.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは24.8倍と業界平均(25.2倍)並みですが、PBRは2.24倍と業界平均(1.6倍)を上回っており、資産価値に対して市場から高い評価を受けていることが分かります。信用倍率は2.95倍と標準的な水準で、特定の需給の偏りは見られません。将来の成長期待が株価に織り込まれている一方で、割高感も意識される水準にあるため、今後の決算発表で市場の期待に応えられるかが重要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 484億円 | 123億円 | 25.4% |
| 2022/03期 | 656億円 | 183億円 | 27.9% |
| 2023/03期 | 709億円 | 188億円 | 26.6% |
| 2024/03期 | 769億円 | 199億円 | 25.8% |
| 2025/03期 | 720億円 | 182億円 | 25.3% |
法人税等の支払額は、税引前利益の増減に連動して推移しています。実効税率は概ね25%から28%の範囲で安定しており、日本国内の標準的な法人税率に近い水準です。大きな税務上の特殊要因は見当たらず、適正な納税が行われていると言えます。
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「ノーベル賞を生んだ京都の技術屋が、1000億円の大型M&Aで『見えないものを見る』技術の深淵を覗き込んでいる」
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