日機装
NIKKISO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
見えない技術で、いのちと産業を支えるグローバルニッチトップ企業
Healthier World すべてのいのちが、いきいきと輝く未来。
この会社ってなに?
もしあなたの周りでどなたかが腎臓の治療で透析を受けているなら、その時に使われる機械は日機装が作っているかもしれません。同社はこの人工透析装置で国内トップクラスのシェアを誇ります。また、あなたが飛行機で旅行するとき、その翼やエンジンには日機装が作る炭素繊維を使った軽くて丈夫な部品が使われ、空の安全を支えています。さらに、ガソリンスタンドの地下タンクから燃料を汲み上げる特殊なポンプも同社の製品で、私たちの暮らしに欠かせないインフラの裏側で活躍している会社です。
日機装はFY2025に売上高2,156.4億円、営業利益153.31億円と大幅な増益を達成。祖業の特殊ポンプを扱うインダストリアル事業と、国内首位級の人工透析装置を手掛けるメディカル事業を両輪としています。近年は積極的なM&Aを通じて事業ポートフォリオを再編し、特にLNGや水素といったクリーンエネルギー関連へのシフトを加速させています。この戦略的転換が利益率の改善に寄与し始めており、市場の評価も高まっています。
会社概要
- 業種
- 精密機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号
- 公式
- www.nikkiso.co.jp
社長プロフィール
当社グループは「Healthier World すべてのいのちが、いきいきと輝く未来。」をビジョンに掲げています。創業以来培ってきた流体制御・極低温・複合材などの独自技術を基盤に、産業・医療・航空宇宙の3つの事業領域で社会課題の解決に貢献します。新中期経営計画『NIKKISO 2028』のもと、事業ポートフォリオの変革と持続的な成長を通じて、企業価値の向上を目指してまいります。
この会社のストーリー
輸入品に頼っていた特殊ポンプの国産化という高い志を掲げ、創業者 音 力(おと ちから)が会社を設立。日本の産業発展への貢献が始まった。
創業からわずか8年で株式上場を達成。社会的な信用を獲得し、さらなる成長への基盤を築いた。
ポンプ技術を応用し、医療分野へ進出。人工透析という新たな治療法を国内に普及させる大きな一歩を踏み出した。
複合材技術を活かし、航空宇宙分野に挑戦。ボーイング社向けに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の生産を開始した。
クリーンエネルギー分野を強化するため、LNG(液化天然ガス)関連装置メーカーの大型買収を敢行。グローバル展開を加速させた。
産業、医療、航空宇宙という3つの柱を確立し、70年の歴史を刻んだ。次の成長ステージに向けた歩みを進めている。
事業ポートフォリオの変革を掲げ、持続的な成長を目指す新中期経営計画をスタート。2028年度の営業利益目標300億円を掲げ、企業価値向上を目指す。
注目ポイント
産業の心臓部である「特殊ポンプ」と、人々の命を支える「人工透析装置」。日機装はこの2つの分野で国内トップシェアを誇り、安定した事業基盤を築いています。
航空機の軽量化に貢献する炭素繊維複合材や、LNG・水素といったクリーンエネルギー関連技術も展開。社会の未来を支える先端分野で成長を続けています。
安定した配当を継続しており、2026年12月期は前期から10円増配の年間36円を予定。株主への利益還元に積極的な姿勢も魅力の一つです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 20円 | 643.1% |
| FY2022/3 | 25円 | 12.8% |
| FY2023/3 | 27.5円 | 20.1% |
| FY2024/3 | 30円 | 25.0% |
| FY2025/3 | 40円 | 19.4% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当については業績連動を基本としつつ、継続的な増配を通じて株主還元を強化する方針を掲げています。近年の配当性向は20%前後で推移しており、将来の成長投資とバランスを取りながら利益配分を決定しています。今期も増配を予定しており、株主還元への意識が高まっています。
同業比較(収益性)
精密機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日機装の業績は、主力であるインダストリアル事業やメディカル事業の堅調な推移により売上収益が2,000億円を超える水準まで成長しています。FY2022/3には一時的な大幅増益を達成しましたが、その後も事業ポートフォリオの再構築や収益性の改善に取り組み、FY2025/3には当期純利益が約137億円へと回復しました。今期以降も高付加価値な製品投入により、安定した成長基調を維持する見通しです。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0.2% | 0.1% | 1.9% |
| FY2022/3 | 11.8% | 4.8% | 19.3% |
| FY2023/3 | 7.2% | 3.1% | 3.1% |
| FY2024/3 | 5.6% | 2.4% | 3.0% |
| FY2025/3 | 8.5% | 3.8% | 7.1% |
過去数年間、営業利益率は一時的に低下したものの、FY2025/3には事業構造改革の進展により7.1%まで回復しました。ROE(自己資本利益率)についても、資本効率の向上に向けた取り組みを継続しており、直近では8.5%と改善傾向にあります。今後は高収益な特殊ポンプや航空機部材のシェア拡大により、さらなる収益性の向上が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は順調に向上しており、自己資本比率は44.2%と安定した水準を確保しています。FY2024/3以降、有利子負債を積極的に活用しつつも、純資産の積み上げによって財務基盤を強固に維持しています。BPS(1株当たり純資産)も右肩上がりで推移しており、持続的な価値創出に向けたバランスシートが構築されています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 35.9億円 | -146億円 | 94.5億円 | -110億円 |
| FY2022/3 | 83.8億円 | 768億円 | -687億円 | 851億円 |
| FY2023/3 | 142億円 | -92.3億円 | -146億円 | 50.2億円 |
| FY2024/3 | -65.7億円 | -49.9億円 | 134億円 | -116億円 |
| FY2025/3 | 176億円 | 1.3億円 | -97.9億円 | 178億円 |
キャッシュフローは、事業ポートフォリオの入れ替えに伴う資産売却益が計上された期を除き、営業キャッシュフローによる安定的な稼ぐ力が回復しています。投資活動については将来の成長に向けた設備投資を継続しつつ、適宜資産の最適化を図っています。FY2025/3には営業活動で約176億円のキャッシュを創出し、健全なフリーキャッシュフローを維持しました。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 31.3億円 | 29.0億円 | 92.9% |
| FY2022/3 | 342億円 | 206億円 | 60.1% |
| FY2023/3 | 58.9億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 64.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 153億円 | 16.8億円 | 11.0% |
過去には資産売却等による一時的な課税影響が見られたものの、直近では実効税率が標準的な水準に回帰しつつあります。FY2023/3からFY2024/3にかけては繰延税金資産の取り扱い等により法人税等負担が軽微でした。今期以降は事業の安定化に伴い、適切な納税水準で推移する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 679万円 | 8,120人 | - |
平均年収679万円という水準は、製造業の中でも技術集約型の精密機器業界として標準的です。海外展開の強化に伴う収益力向上が、今後のさらなる賃金改善に向けた重要なドライバーとなっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日機装持株会・日機装従業員持株会。
安定株主として日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占めており、機関投資家の影響力が強い構成です。また、持株会が上位に名を連ねており、従業員や役員による安定的な保有意識も維持されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
精密機器メーカーとして、特殊ポンプや人工腎臓装置など高付加価値な製品群をグローバルに展開しています。為替変動や原材料価格の高騰が事業上の主なリスクとして認識されており、収益安定化に向けたポートフォリオの再編を継続的に進めています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.4%であり、さらなる多様性の推進が求められるフェーズです。指名・報酬委員会の過半数を社外役員が占めることで経営の監督機能を強化しており、健全なガバナンス体制を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 165億円 | — | 153億円 | -7.1% |
| FY2024 | 140億円 | — | 64億円 | -54.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2,335億円 | — | 2,156億円 | -7.6% |
| FY2024 | 2,305億円 | — | 2,134億円 | -7.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年を最終年度とする旧中計は売上・利益ともに未達で終了しました。しかし、新たに策定された中期経営計画「NIKKISO 2028」では、最終年度のFY2028に売上収益3,000億円、営業利益300億円(利益率10%)という野心的な目標を掲げています。これは事業ポートフォリオの再編とクリーンエネルギー分野への注力が実を結ぶことへの期待の表れです。一方で、過去の業績予想は期初計画に対して未達となる傾向があり、計画達成の確度が今後の課題と言えます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、コロナ禍の影響や事業ポートフォリオ再編の途上にあったことなどが株価の重しとなり、株主還元を含めても市場全体の成長に追いつけなかったことを示唆しています。ただし、FY2025には自社TSRが172.4%と大きく改善しており、近時の株価上昇が反映され始めています。新中期経営計画の進捗とともに、今後はTOPIXを上回るパフォーマンスが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 82.1万円 | -17.9万円 | -17.9% |
| FY2022 | 99.0万円 | -1.0万円 | -1.0% |
| FY2023 | 109.8万円 | +9.8万円 | 9.8% |
| FY2024 | 106.9万円 | +6.9万円 | 6.9% |
| FY2025 | 172.4万円 | +72.4万円 | 72.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER11.9倍、PBR0.98倍と、精密機器業界の平均(PER21.1倍, PBR1.8倍)と比較して株価は割安な水準にあると評価できます。これは、事業ポートフォリオ転換中の過渡期であることが一因と考えられます。信用倍率は5.43倍と買い残が多く、株価上昇への期待感が高い状況ですが、将来の売り圧力になる可能性も注視が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年12月期連結決算を発表し、売上収益2156.42億円、営業利益153.31億円と大幅増益を達成しました。
次世代船舶エンジンをサポートする燃料ガス供給システムを発表し、モビリティ事業の拡大を加速させています。
米連結子会社グループを通じ、多用途水素ステーションの建設を発表。水素利用の効率化に向けた設計革新を実現しました。
最新ニュース
日機装 まとめ
ひとめ診断
「人工透析装置と産業ポンプの老舗が、M&Aを駆使してLNG・水素などクリーンエネルギー事業へピボットする技術者集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「精密機器」に分類される他の企業
光学の名門、M&Aの巨額減損で足踏みしながらも非カメラ領域への脱皮を急ぐ苦闘の巨人
『街の体重計』から『半導体工場の超精密測定器』まで手がける、計測技術のデパート企業
手術室のミクロン単位を支配する、医療界の隠れた世界トップ企業
ノーベル賞を生んだ京都の技術屋が、1000億円の大型M&Aで『見えないものを見る』技術の深淵を覗き込んでいる
圧力計のガリバーが、水素社会のインフラを静かに支配する老舗テック企業
暮らしのインフラを120年支える老舗が、水道・ガスメーターのDXで未来を『計測』している
『時の支配者』が、伝統の技とM&Aで富裕層の腕を狙い撃つ高級ブランドへ脱皮中
『精密に測る』技術一本で、半導体製造の最重要工程を支える隠れた世界的リーダー