キヤノン電子
CANON ELECTRONICS INC.
最終更新日: 2026年3月29日
精密技術を翼に宇宙へ、キヤノングループの技術中核企業
キヤノングループの中核企業として、精密技術を基盤に既存事業の深化と新規事業の開拓を進め、持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが普段使うキヤノンのカメラやプリンター、その中に入っているシャッターなどの精密な部品は、実はキヤノン電子が作っているかもしれません。一枚の写真や印刷物の裏側で、同社の高い技術力が活躍しています。さらに、最近ではニュースで耳にする「小型人工衛星」の開発・製造も手がけています。これは天気予報や通信など、私たちの生活を陰で支える宇宙技術です。最先端の製品から宇宙まで、見えないところで社会を支えている会社なのです。
キヤノングループの中核製造子会社で、FY2025の売上高は1,044.2億円、営業利益は89.80億円を記録。主力はカメラやプリンターの精密部品ですが、近年は小型人工衛星の開発など宇宙事業にも注力し、新たな収益の柱を育成中です。親会社キヤノンによる株式公開買付け(TOB)が1株3650円で成立し、完全子会社化を経て上場廃止となる見込み。今後は親子上場解消による意思決定の迅速化と、グループ一体での成長戦略が加速することが期待されます。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 埼玉県秩父市下影森1248番地
- 公式
- www.canon-elec.co.jp
社長プロフィール
1954年の創業以来、一貫して精密技術を核としたモノづくりに邁進し、お客様に信頼される製品を提供してまいりました。近年では宇宙関連事業にも参画するなど新たな挑戦を続け、今後も社会の発展に貢献する価値創造企業を目指します。
この会社のストーリー
8mmカメラ「シネマックス-8T」などの製造を開始し、精密技術を核としたモノづくりの歴史が始まる。
キヤノン株式会社の資本参加を受け、グループの一員として新たな成長段階に入る。
事業の成長と安定性が市場に認められ、株式を上場。社会的な信用を高める。
グループ内での役割を明確にし、ブランドイメージを統一。現在の社名となる。
上場からわずか4年で市場第一部へ。企業としての成長と信頼を確固たるものにする。
自社開発の超小型人工衛星「CE-SAT-I」の打ち上げに成功。精密技術を活かした新領域へ挑戦を開始する。
親会社キヤノンがTOB(株式公開買付け)を実施。親子上場を解消し、グループ一体経営を強化して宇宙事業などの成長を加速させる。
注目ポイント
精密光学技術を応用し、超小型人工衛星の開発・製造・打ち上げからデータサービスまで一貫して手掛けています。日本の宇宙ビジネスをリードする存在です。
カメラ部品やドキュメントスキャナーなど、キヤノンの世界的な製品群を支える高い技術力を有しています。安定した事業基盤が強みです。
親会社キヤノンによる完全子会社化により、意思決定の迅速化と経営資源の集中が期待されます。宇宙事業をはじめとする新規分野での更なる成長を目指します。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 37.9% |
| FY2022/3 | 60円 | 35.4% |
| FY2023/3 | 60円 | 37.4% |
| FY2024/3 | 70円 | 37.4% |
| FY2025/3 | 35円 | 22.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当については、安定的な利益配分を継続することを基本方針としています。業績に応じて適切に還元を行うことで、株主との信頼関係を維持することを目指しています。親会社による完全子会社化に伴い、今後は上場廃止が予定されているため、投資判断においては留意が必要です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
キヤノン電子は、カメラやスキャナーなどの精密機器および宇宙事業を展開しており、近年は売上高が1,000億円規模で安定的に推移しています。FY2024/3期には営業利益が約104億円を記録し、高い収益性を維持してきましたが、FY2025/3期は競争激化により減益となりました。今後も既存事業の深耕に加え、宇宙関連などの成長分野への投資により、強固な収益基盤の構築を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.2% | 4.3% | 7.7% |
| FY2022/3 | 6.2% | 5.0% | 8.3% |
| FY2023/3 | 5.8% | 5.0% | 9.5% |
| FY2024/3 | 6.3% | 5.4% | 10.3% |
| FY2025/3 | 5.1% | 4.4% | 8.6% |
売上高営業利益率は概ね8%から10%の間で推移しており、製造業として一定のコスト競争力を保持していることがわかります。ROE(自己資本利益率)は5%から6%程度で安定していますが、自己資本の蓄積に伴い収益性指標は横ばいの傾向にあります。今後は、高付加価値製品へのシフトを通じて資本効率のさらなる改善が求められる局面です。
財務は安全?
同社は無借金経営を長年継続し、自己資本比率が80%を超える非常に強固な財務体質を誇っています。総資産の多くが現預金や手厚い純資産で構成されており、景気変動に対する高い耐性を備えているのが特徴です。潤沢な自己資本を背景に、成長投資や株主還元を柔軟に実施できる盤石なバランスシートを維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 27.4億円 | -49.8億円 | 4.7億円 | -22.4億円 |
| FY2022/3 | 41.6億円 | -54.9億円 | 17.2億円 | -13.3億円 |
| FY2023/3 | 102億円 | -33.1億円 | -24.6億円 | 68.9億円 |
| FY2024/3 | 127億円 | -94.6億円 | -26.2億円 | 32.4億円 |
| FY2025/3 | 74.0億円 | -27.3億円 | -28.5億円 | 46.7億円 |
営業活動によるキャッシュフローは概ね安定的にプラスを維持しており、本業による現金創出能力の高さが示されています。投資活動では工場の新設や設備投資に継続的に資金を充当していますが、潤沢な営業キャッシュフローによりフリーキャッシュフロー(FCF)は総じて良好です。財務活動では配当の支払いや自己株式の取得などを実施し、株主還元と成長投資のバランスを重視しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 70.8億円 | 16.9億円 | 23.8% |
| FY2022/3 | 89.2億円 | 20.0億円 | 22.4% |
| FY2023/3 | 89.6億円 | 24.0億円 | 26.7% |
| FY2024/3 | 98.8億円 | 22.2億円 | 22.5% |
| FY2025/3 | 84.6億円 | 19.6億円 | 23.2% |
実効税率は概ね20%台前半から中盤で推移しており、国内の法人税制に準じた水準で納税が行われています。FY2026/3期の予想では税引前利益が110億円に増加する見込みであり、それに応じて法人税等の負担も約32億円へ増加する計画です。事業の拡大に伴い、適切な納税を通じた社会的責任の遂行が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 564万円 | 5,574人 | - |
従業員平均年収は564万円であり、精密機器業界の平均水準に位置しています。売上高の大半をキヤノン向けが占める構造上、親会社の業績連動性が高く、安定した水準を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はキヤノン・ジエイピ- ジエイピ-エムエスイ- ルクス ユ-ビ-エス ア-ゲ- ロンドン ブランチ エク コル (常任代理人) 三菱UFJ銀行。
キヤノン株式会社が発行済株式の55%を保有する親子上場企業であり、支配株主による強固なガバナンス体制下にあります。残りの大半も金融機関や信託銀行が占めており、浮動株比率は極めて限定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
光学機器や小型衛星事業を展開する一方、親会社への依存度が高い事業構造がリスク要因として挙げられます。また、キヤノンによる完全子会社化に向けたTOBが成立しており、今後上場廃止となる見通しが重要な開示情報です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.0%と依然として男性中心の構成ですが、強固な監査体制を有しています。現在は親会社による完全子会社化が進んでおり、グループ全体での経営効率化とガバナンスの一体化が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 970億円 | — | 965億円 | -0.5% |
| FY2023 | 1,100億円 | — | 963億円 | -12.4% |
| FY2024 | 970億円 | — | 1,007億円 | +3.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 81億円 | — | 80億円 | -0.8% |
| FY2023 | 90億円 | — | 91億円 | +1.9% |
| FY2024 | 93億円 | — | 104億円 | +12.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は独自の詳細な中期経営計画を公表していませんが、親会社であるキヤノンの「グローバル優良企業グループ構想」に連動しています。直近の業績予想を見ると、売上高は目標に肉薄する一方、利益面ではやや未達の状況です。 しかし、FY2024の業績予想は期初予想を上回るなど、収益性の改善努力が見られます。親会社による完全子会社化で、今後はよりグループ戦略と一体化した目標設定と実行がなされる見込みです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価上昇と配当を合わせた投資家リターンを示す指標です。FY2023以降、同社のTSRはTOPIXを上回るパフォーマンス(アウトパフォーム)を見せています。特にFY2025は親会社キヤノンによるTOB発表が株価を大幅に押し上げたことが最大の要因となり、TOPIXを20%以上上回る261.2%という極めて高いリターンを記録しました。これは事業成長に加え、資本再編イベントが株主価値を大きく向上させた典型的な例と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 109.1万円 | +9.1万円 | 9.1% |
| FY2022 | 108.5万円 | +8.5万円 | 8.5% |
| FY2023 | 147.7万円 | +47.7万円 | 47.7% |
| FY2024 | 175.7万円 | +75.7万円 | 75.7% |
| FY2025 | 261.2万円 | +161.2万円 | 161.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
親会社キヤノンによるTOBが発表され、株価は買付価格3,650円に収斂する動きとなっています。TOB成立により2026年4月21日に上場廃止予定であるため、今後の株価変動は限定的です。 信用取引残高も低水準で、市場の関心はTOB後のグループ戦略に移っています。業界平均と比較するとPER・PBRはやや割安ですが、非公開化されるため指標としての意味は薄れています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
親会社キヤノンによる完全子会社化を目的とした公開買付けを発表。
買付価格1株3650円でのTOBが成立し、上場廃止手続きへ移行。
株式併合および単元株制度の廃止を決定し、経営体制の効率化を推進。
最新ニュース
キヤノン電子 まとめ
ひとめ診断
「キヤノンの精密製造部隊、宇宙への夢を抱きつつ親会社の完全なる翼下へ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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