タムラ製作所
TAMURA CORPORATION
最終更新日: 2026年3月28日
創業100年、電子部品の技術力で次世代半導体を支える縁の下の力持ち
優れた技術・製品・サービスにより、お客様にとってかけがえのない企業であり続けるとともに、あらゆるステークホルダーから信頼される企業グループを目指します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、テレビなどの家電製品。これらの内部には、家庭用の電気を製品が使えるように変換・安定させるための「トランス」という小さな部品が不可欠です。タムラ製作所は、こうした電子機器の心臓部ともいえる部品を長年作り続けている会社です。また、あなたがテレビ番組で聞くクリアな音声は、放送局で使われる大きな音響ミキサーによって調整されていますが、同社はそのミキサーも手掛けています。普段は目にしませんが、現代の便利な生活の裏側で、タムラ製作所の技術が幅広く活躍しているのです。
タムラ製作所はトランスやリアクター等の電子部品を主力とする創業100年の老舗企業です。直近の2025年3月期決算では、売上高1,140.5億円(前期比+6.9%)、営業利益51.95億円(同+5.2%)と増収増益を達成しました。しかし、2026年3月期第3四半期では最終利益が大幅減益となるなど、足元の業績は楽観視できません。今後は、データセンターやEV向け需要の取り込み、さらに出資先の次世代半導体材料「酸化ガリウム」の事業化が株価と業績の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都練馬区東大泉1-19-43
- 公式
- www.tamuracorp.com
社長プロフィール
私たちは創業以来、「世界で唯一の価値」を追求し、エレクトロニクス分野の基盤を支える製品を提供してきました。今後もグローバルな視点で事業ポートフォリオの変革を進め、持続的な成長を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
この会社のストーリー
創業者・田村徳重が、高品質なラジオ用トランスの製造販売を開始。日本のラジオ放送黎明期を技術で支えました。
事業拡大に伴い株式会社へ改組し、電子部品メーカーとしての基盤を固めました。
株式公開により社会的信用を高め、さらなる事業拡大と技術開発に向けた経営基盤を強化しました。
長年培った音響技術を結集し、放送局向けのミキシングコンソールで圧倒的なシェアを獲得。業界標準としての地位を確立しました。
国立情報通信研究機構(NICT)と共に、省エネ性能に優れる「酸化ガリウム」ウエハの開発を行うベンチャー企業を設立しました。
出資先のノベルクリスタルテクノロジーが、酸化ガリウム半導体の実用化に向けた重要な技術開発に成功し、大きな注目を集めました。
メキシコ工場への追加投資やマレーシアの生産能力増強など、米中貿易摩擦や地政学リスクに対応し、グローバルでの供給体制を再構築しています。
創業100周年を超え、既存事業の強化と次世代技術への投資を両輪に、エレクトロニクス分野のイノベーションをリードしていきます。
注目ポイント
省エネ性能が期待される次世代パワー半導体材料「酸化ガリウム」を開発するベンチャー企業に出資。未来の技術を育てる先見性が魅力です。
業績に変動がありながらも、安定した配当を継続する姿勢を見せています。株主への利益還元を重視する企業方針がうかがえます。
1924年の創業以来、トランスや電子部品で業界を支えてきた実績があります。長い歴史で培われた確かな技術力と顧客からの信頼が強みです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 8円 | 121.0% |
| FY2022/3 | 10円 | 3.1% |
| FY2023/3 | 10円 | 40.0% |
| FY2024/3 | 10円 | 36.5% |
| FY2025/3 | 13円 | 38.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、業績に応じた利益配分を基本としつつ、安定的かつ継続的な配当の実施を重視しています。配当性向の目安を設け、成長投資と株主還元のバランスを最適化する方針です。今後も収益性の向上を通じて、さらなる株主還元強化が期待されます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
タムラ製作所の業績は、電子部品需要の回復と高付加価値製品への注力により売上高が1,000億円規模で安定して推移しています。FY2025/3には利益率改善により純利益が約27.8億円まで伸長しましたが、FY2026/3予想では構造改革に伴う費用発生により一時的な減益を見込んでいます。今後は高成長が見込まれる酸化ガリウム半導体材料等の先端分野が、次なる成長の柱となることが期待されます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.1% | 0.6% | 2.7% |
| FY2022/3 | -0.2% | -0.1% | 1.8% |
| FY2023/3 | 3.9% | 1.8% | 4.5% |
| FY2024/3 | 3.9% | 2.0% | 4.6% |
| FY2025/3 | 4.3% | 2.2% | 4.6% |
収益性は、高付加価値な電子化学材料事業の拡大を背景に、営業利益率が4%台後半で着実に改善しています。過去には赤字を計上する期もありましたが、事業ポートフォリオの最適化を進めた結果、ROE(自己資本利益率)は4%前後まで回復しました。限られた資産を効率的に活用し、今後さらなる利益率の向上を目指すフェーズにあります。
財務は安全?
財務健全性は、有利子負債を一時的に抱えたものの、自己資本比率を50%超の水準で維持しており安定しています。FY2024/3以降に有利子負債が増加したのは、将来の成長投資や事業基盤強化のための資金調達が主因です。強固な純資産を背景に、研究開発投資を継続できる財務体質が確保されています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 50.5億円 | -30.5億円 | -7.7億円 | 20.0億円 |
| FY2022/3 | -49.5億円 | -46.2億円 | 45.4億円 | -95.7億円 |
| FY2023/3 | 21.8億円 | -26.4億円 | 5.9億円 | -4.6億円 |
| FY2024/3 | 95.0億円 | -26.7億円 | -40.1億円 | 68.4億円 |
| FY2025/3 | 90.8億円 | -39.0億円 | -36.4億円 | 51.8億円 |
営業キャッシュフローは、近年の業績改善に伴い年間約90億円規模の安定した創出能力を確立しています。投資活動には将来の成長に向けた設備投資が継続的に充てられており、フリーキャッシュフローも強固です。財務CFでは借入金の返済などを行い、適切な資本配分を実施しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 23.8億円 | 18.4億円 | 77.3% |
| FY2022/3 | 20.0億円 | 20.9億円 | 104.2% |
| FY2023/3 | 43.3億円 | 22.8億円 | 52.7% |
| FY2024/3 | 49.6億円 | 27.2億円 | 54.8% |
| FY2025/3 | 50.6億円 | 22.8億円 | 45.0% |
実効税率が法定税率を大きく上回る年度が見受けられますが、これは海外子会社の税負担や繰延税金資産の取り崩し、構造改革に伴う一時的な会計上の処理が影響しています。経常的な利益水準に対して適切な法人税等の支払いを継続しており、税務上の大きな懸念点はありません。今後はグローバルな拠点の再編に伴い、より効率的な税務戦略が期待されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 707万円 | 4,318人 | - |
従業員平均年収は707万円となっており、電子部品業界の標準的な水準を維持しています。近年は原材料費の高騰や電子機器市場の変動に伴う業績の影響を受けていますが、安定した雇用基盤と継続的な支給体制が整えられていることが、平均勤続年数17.4年というデータからも読み取れます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はタムラ協力企業持株会・三井住友銀行。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家の保有比率が高い構造です。また、タムラ協力企業持株会や従業員持株会が一定の株式を保有しており、安定株主の確保を図りつつ、創業家由来の影響力を維持している点が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
タムラ製作所は電子部品(トランス、リアクター等)と電子化学材料を中核に事業を展開しています。開示情報からは、海外生産拠点への積極的な設備投資や子会社事業の再編を進めており、市場環境変化に伴うリスク要因(為替変動や半導体需要の不安定さ)を最適化しつつ、グローバルサプライチェーンの強化を図っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%と、製造業としては一定の多様性を確保しています。監査体制を強固にするための監査報酬の適正支出が行われており、連結子会社30社を管理するグループ経営において、ガバナンスとコンプライアンスの統制が重視されているのが特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,120億円 | — | 1,141億円 | +1.8% |
| FY2024 | 1,080億円 | — | 1,066億円 | -1.3% |
| FY2023 | 940億円 | — | 1,080億円 | +14.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 46億円 | — | 52億円 | +12.9% |
| FY2024 | 46億円 | — | 49億円 | +7.4% |
| FY2023 | 30億円 | — | 48億円 | +61.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は現在、具体的な中期経営計画を公表していませんが、毎期の業績予想で計画を示しています。FY2025は期初予想を上回る着地となり、特に営業利益は12.9%増と好調でした。一方で、FY2026の純利益予想は希望退職に伴う特別損失計上により、前期比78%減の6億円へと大幅に下方修正されており、一時的な収益性の悪化が懸念されます。投資家としては、この構造改革を経て、次世代半導体関連事業などでいかに成長軌道に戻せるかが注目点です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、FY2022、FY2023にはTOPIXを上回るパフォーマンスを示しました。これは、出資先の次世代半導体材料開発が好感され、株価が大きく上昇したことが主な要因です。しかし、FY2024以降は再びTOPIXを下回るアンダーパフォームとなっており、業績の変動や市場全体の地合いに影響を受けやすい不安定さが課題です。株主還元と持続的な株価上昇の両立が、今後のTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 131.1万円 | +31.1万円 | 31.1% |
| FY2022 | 160.1万円 | +60.1万円 | 60.1% |
| FY2023 | 215.2万円 | +115.2万円 | 115.2% |
| FY2024 | 159.8万円 | +59.8万円 | 59.8% |
| FY2025 | 141.2万円 | +41.2万円 | 41.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.83倍と、解散価値を示す1倍を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と判断できます。一方、PERは業界平均をやや上回る水準です。信用倍率は3.37倍と買い残が優勢で、将来の株価上昇を期待する投資家が多いことを示唆していますが、需給面では将来的な売り圧力となる可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期の通期連結純利益予想を、特別損失計上により前期比78%減の6億円へ下方修正。
合肥博微田村电気有限公司の持分譲渡を完了し、事業ポートフォリオの再編を推進。
北米のデータセンター需要拡大に対応するため、メキシコ第2工場へ4億円の追加投資を決定。
最新ニュース
タムラ製作所 まとめ
ひとめ診断
「創業100年の老舗電子部品メーカー、次世代半導体への出資をテコに再成長を狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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