キオクシアホールディングス
Kioxia Holdings Corporation
最終更新日: 2026年4月8日
「記憶」で世界を支える、フラッシュメモリのパイオニア
「記憶」の力で、世界をおもしろくする
この会社ってなに?
スマートフォンやパソコンのデータ保存、クラウドサービスの裏側で動くデータセンターなど、あらゆるデジタル機器の「記憶」を支える半導体メモリを作っている会社です。USBメモリやSSD(高速記憶装置)に使われる「NANDフラッシュメモリ」という部品で世界第2位のシェアを持ち、元々は東芝のメモリ事業でした。ChatGPTなどのAIを動かすデータセンターに大量のメモリが必要になっており、急成長しています。
キオクシアホールディングスは、NAND型フラッシュメモリの開発・製造・販売を手掛ける世界第2位のメモリ半導体メーカーです。2017年に東芝のメモリ事業が分社化して誕生した東芝メモリを前身とし、2018年にBain Capital主導の日米韓連合が約2兆円で買収。2019年に「キオクシア」に社名変更し、2024年12月に東証プライム市場にIPOしました。独自の3次元フラッシュメモリ技術「BiCS FLASH」で業界をリードし、四日市工場(三重県)と北上工場(岩手県)の2大拠点でウエスタンデジタル(サンディスク)との合弁で生産しています。FY2025/3は売上収益1兆7,065億円(前期比+58.5%)、営業利益4,517億円と大幅な黒字転換を達成。AI向けデータセンターでのSSD需要急拡大を追い風に、FY2026/3は売上収益2兆1,798億円〜2兆2,698億円(+27.7%〜+33.0%増)、営業利益7,096億円〜7,996億円(+57.1%〜+77.0%増)のレンジ予想で過去最高益を見込みます。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区芝浦3-1-21 田町ステーションタワーS
- 公式
- www.kioxia-holdings.com
社長プロフィール
AI時代のデータ爆発を支えるのは「記憶」の技術です。キオクシアは東芝時代から40年以上にわたりフラッシュメモリ技術を磨き続けてきました。BiCS FLASHの世代進化とNVIDIAとの協業による超高速SSDで、データセンターから日常のスマートフォンまで、あらゆるデジタル体験を根底から支えていきます。
この会社のストーリー
東芝の舛岡富士雄博士がNAND型フラッシュメモリを発明。世界のデジタル記憶を変える革新的技術の誕生。USBメモリ、SSD、スマートフォンの記憶装置の基盤となった
東芝の経営危機を受けてメモリ事業が分社化。世界第2位のNAND事業が独立企業として歩み始める
Bain Capitalを中心とする日米韓連合が約2兆円で買収。東芝、HOYA、Apple等も出資し、独立した半導体メモリメーカーとしての体制を整備
2024年12月18日に東証プライム市場にIPO。公開価格1,455円でスタートし、1年で10倍以上に急騰するテンバガー銘柄に
生産能力を2倍に拡大し、次世代BiCS FLASHとSuper High IOPS SSDでAIデータセンターの基幹メモリを担う存在へ
注目ポイント
東芝が発明したNAND型フラッシュメモリの技術を継承し、サムスン電子に次ぐ世界シェアを保持。独自のBiCS FLASH技術でサンディスクとの合弁生産を行い、四日市・北上の2大工場で大量生産しています
ChatGPTなどのAIを動かすデータセンターには大量のSSDが必要です。NVIDIAとの協業で開発中の超高速SSDは、AIチップの性能をさらに引き出す革新的製品。AI需要は一過性でなく構造的な成長トレンドです
IPOから約1年で株価10倍超を達成。NAND市況の底打ちからV字回復した業績と、AI需要の長期拡大期待が相まった爆発的な株価上昇力。FY2026/3は過去最高益を大幅更新する見込みです
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
株主優待なし
IPO以来、配当は実施されていません。メモリ半導体事業は巨額の設備投資が必要であり、成長投資を優先する方針です。しかし2026年4月には上場来初の配当実施を検討しているとの報道があり、FY2027/3(2026年度)からの配当開始が期待されています。FY2026/3の予想純利益は4,837億円(レンジ中央値)と潤沢であり、配当原資は十分にあります。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上収益1兆7,065億円(+58.5%)、営業利益4,517億円と劇的なV字回復を達成しました。FY2023/3〜FY2024/3はNAND市況の急速な悪化で2期連続の大幅赤字でしたが、AI向けデータセンター需要の爆発的拡大とNAND価格の回復により収益が急改善。FY2026/3は売上収益2兆2,248億円(レンジ中央値)、営業利益7,546億円と過去最高益を見込みます。営業利益率はFY2022/3の14.2%→FY2025/3の26.5%→FY2026/3予想33.9%と急速に改善しています。
事業ごとの売上・利益
データセンター・エンタープライズ向けSSD(約6割)とPC向けSSD(約4割)。AI向けデータセンター需要の急拡大で最も成長が著しいセグメント。NVIDIAと協業する超高速SSD開発もこのセグメントに含まれる
スマートフォン・タブレット向けのNAND型フラッシュメモリ。Apple、Samsungなど大手スマホメーカーが主要顧客。スマホの大容量化トレンドが追い風だが、価格競争は激しい
組み込み用途(自動車、産業機器等)向けメモリ、SDカード等のリテール製品。IoTや車載向けで安定した需要がある高付加価値セグメント
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 14.3% | 3.5% | 14.2% |
| FY2023/3 | -19.0% | -4.6% | -7.7% |
| FY2024/3 | -44.0% | -8.5% | -23.5% |
| FY2025/3 | 45.9% | 9.3% | 26.5% |
NAND市況に大きく左右されるシクリカルな収益構造です。FY2024/3はROE-44.0%、営業利益率-23.5%と深刻な赤字でしたが、FY2025/3にはROE45.9%、営業利益率26.5%と劇的に回復。自己資本が赤字期に大きく毀損した後の回復局面のため、ROEが異常に高い数値となっています。FY2026/3は営業利益率33.9%(レンジ中央値)とさらなる改善を見込み、半導体メモリ業界でもトップクラスの収益性を目指します。
財務は安全?
総資産2兆9,197億円、自己資本比率25.3%。FY2024/3には2期連続赤字で自己資本比率が15.7%まで低下しましたが、FY2025/3の大幅黒字化で25.3%に回復。半導体メモリは設備投資が巨額のため、ウエスタンデジタル(サンディスク)との合弁で投資負担を分散しています。BPS1,367円に対し株価は27,600円と、PBR20倍超の高バリュエーションはAI時代の成長期待を織り込んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1,951億円 | -2,749億円 | 32.4億円 | -797億円 |
| FY2025/3 | 4,764億円 | -1,730億円 | -3,227億円 | 3,034億円 |
FY2025/3は営業CF4,764億円と前期の1,951億円から大幅に増加。投資CF△1,730億円(設備投資2,256億円を含む)を差し引いてもFCF3,034億円の黒字を確保しました。財務CF△3,227億円は主に借入金の返済。FY2024/3は赤字期ながらも営業CF1,951億円を創出しており、減価償却費が大きい装置産業の特性でキャッシュ創出力は堅調です。今後はAI需要に対応した設備増強(2029年までに生産能力2倍計画)で投資CFが拡大する見込みです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 1,544億円 | 484億円 | 31.4% |
| FY2025/3 | 3,707億円 | 984億円 | 26.5% |
FY2022/3の実効税率は31.4%と法定税率並み。FY2025/3は26.5%に低下しており、海外生産拠点の税制優遇や繰越欠損金の活用が寄与しています。FY2023/3・FY2024/3は税引前損失のため税率は算出不能です。
誰がこの会社の株を持ってる?
東芝30.5%+Bain Capital系BCPE Pangea4社合計51.11%+HOYA3.0%+日本マスタートラスト1.79%で安定株主約86%。EDINETアルゴリズムではBain Capital系PEファンドが外国法人(浮動株)扱いとなるため大幅に補正
筆頭株主は東芝(30.5%)で、2017年のメモリ事業分社化以来の戦略的株主です。第2位〜第5位はBCPE Pangea(Bain Capital系、合計51.11%)で、2018年の買収以来キオクシアの経営を主導してきたPEファンドです。IPO後もロックアップ解除後の大規模な売却は行っておらず、長期保有姿勢を維持しています。HOYA(3.0%)は半導体フォトマスク大手として技術的パートナーの側面もあります。信用倍率は2.67倍と買い長で、個人投資家の成長期待が反映されています。ただし東芝は段階的に保有比率を引き下げており、今後の売り圧力には注意が必要です。
会社の公式開示情報
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| SSD & ストレージ | 約9,400億円 | 約2,800億円 | 約30% |
| スマートデバイス | 約6,500億円 | 約1,300億円 | 約20% |
| その他 | 約1,200億円 | 約400億円 | 約33% |
売上の約55%を占めるSSD & ストレージが成長エンジン。AI向けデータセンターでは大量の高速SSDが必要とされており、エンタープライズSSD市場でキオクシアは前四半期比30%以上の売上伸長を記録(2025年Q3)。スマートデバイスはスマホの大容量化で安定需要があるものの、価格競争が激しいセグメントです。NVIDIAとの協業による「Super High IOPS SSD」は1,000万IOPS以上の超高速性能を目指し、既存のSSDとDRAMの性能差を埋める革新的製品として注目されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 1兆7,000億円 | — | 1兆7,065億円 | +0.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 4,500億円 | — | 4,517億円 | +0.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2025/3は通期業績がほぼ計画線で着地。売上収益1兆7,065億円(計画比+0.4%)、営業利益4,517億円(同+0.4%)と高精度。2025年6月に発表した中長期戦略では、2029年までに生産能力2倍、NVIDIAとの協業によるSuper High IOPS SSDの開発など、AI時代のインフラを支える成長ビジョンを描いています。第8世代BiCS FLASHにCBA技術を導入し、業界トップレベルの性能と電力効率を実現。第9世代・第10世代の開発も並行して推進しています。
株の売買状況と今後の予定
PER53.1倍、PBR20.18倍ともにセクター平均を大幅に上回るプレミアム評価。AI需要による構造的成長ストーリーが織り込まれています。信用倍率2.67倍と適度な買い長。IPO直後は売建不可でしたが、現在は信用売買が活発化しています。売買代金は連日東証の上位を占め、流動性は極めて高い水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
上場来初の配当実施を検討との報道で株価が急騰し、上場来高値27,815円を更新。売買代金は東証1位に
4月1日付で社長交代を発表。早坂伸夫社長が退任し、副社長の太田裕雄氏が新社長に就任。東芝時代からメモリ事業を牽引してきた技術者出身
経営方針説明会でAI時代の中長期戦略を発表。NVIDIAと協業し超高速SSD「Super High IOPS SSD」を開発、2026年下半期に出荷開始予定
FY2025/3通期決算を発表。売上収益1兆7,065億円(+58.5%)、純利益2,723億円と大幅な黒字転換を達成。NAND市況回復とAI需要が牽引
東証プライム市場にIPO。公開価格1,455円で上場。Bain Capital主導の成長投資期間を経て、約6年ぶりに公開企業に復帰
最新ニュース
キオクシアホールディングス まとめ
ひとめ診断
NAND型フラッシュメモリ世界2位。AI需要でデータセンター向けSSDが急成長
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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