シマノ
SHIMANO INC.
最終更新日: 2026年3月20日
世界中の自転車に息づく、日本発のグローバル・トップメーカー
人と自然のふれあいの中で、新しい価値を創造し、健康とよろこびに貢献する。
この会社ってなに?
あなたが乗っているスポーツ自転車の変速ギアやブレーキ、あるいは休日の釣りで使うリールの多くにシマノの技術が使われています。世界の高級自転車の約85%にシマノ製コンポーネントが搭載されており、ツール・ド・フランスなどプロレースでも圧倒的な存在感を示す『自転車業界のインテル』です。
シマノは変速機・ブレーキなどの自転車コンポーネントで世界シェア約85%を握るグローバルニッチトップ企業です。FY2025/12は売上高4,662億円(前期比+3.4%)と増収に転じたものの、営業利益は517億円(同-20.6%)と大幅減益。欧州・中国市場での在庫調整の長期化に加え、為替の円高進行が響きました。FY2026/12予想は売上高4,670億円、営業利益470億円とさらなる減益を見込む一方、年間配当は363円へ増配予定で株主還元姿勢は維持。自己資本比率92.5%・無借金経営という盤石な財務基盤を活かし、需要回復局面での巻き返しが期待されます。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 〒590-8577 大阪府堺市堺区老松町3丁77番地
- 公式
- www.shimano.com
社長プロフィール
私たちは、自転車と釣りという自然と触れ合うアウトドアスポーツを通じて、人々の健康と喜びに貢献してまいります。デジタル技術と長年培ってきた精密加工技術を融合させ、常に新しい価値を創造し続けます。
この会社のストーリー
創業者・島野庄三郎が大阪府堺市で創業。当時最も高い技術が要求された自転車部品「フリーホイル」の生産を開始しました。
外装変速機(ディレイラー)の生産を開始し、自転車部品の総合メーカーへの道を歩み始めました。
自転車部品で培った精密加工技術(冷間鍛造技術など)を活かし、釣り具分野へ進出。事業の多角化に挑戦しました。
東京・大阪証券取引所に上場。翌年にはシンガポールに初の海外工場を設立し、グローバル化を加速させました。
世界初となるマウンテンバイク専用コンポーネントを発売。全く新しい自転車文化の創出に大きく貢献しました。
創業から1世紀を迎えました。長年にわたる技術革新により「自転車業界のインテル」と称される地位を確立しました。
サステナビリティの追求とともに、ハードウェアの進化にデジタル技術を掛け合わせることで、新境地を拓く未来へ進んでいます。
注目ポイント
変速機やブレーキなどの自転車コンポーネントで世界トップクラスのシェアを誇り、高級スポーツ用自転車分野で圧倒的な強さを持ちます。
自転車部品で培った精緻な技術を活かしたリールやロッドは、世界中のアングラー(釣り人)から高く評価され、第2の収益の柱となっています。
自己資本比率は90%を超え非常に強固な財務基盤を誇ります。また、自社株買いや増配など、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/12 | 155円 | 28.2% |
| FY2017/12 | 155円 | 37.4% |
| FY2018/12 | 155円 | 26.6% |
| FY2019/12 | 155円 | 27.7% |
| FY2020/12 | 355円 | 51.8% |
| FY2021/12 | 235円 | 18.8% |
| FY2022/12 | 260円 | 18.5% |
| FY2023/12 | 285円 | 42.1% |
| FY2024/12 | 309円 | 36.2% |
| FY2025/12 | 339円 | 87.3% |
なし
FY2025/12は減益にもかかわらず30円増配の339円とし、5期連続増配を達成。配当性向は87.3%まで上昇しましたが、FY2026/12も363円への増配を計画しており、減益局面でも株主還元を優先する姿勢が鮮明です。株主優待制度はありませんが、自社株買い(500億円規模)と合わせた総還元利回りは高水準にあります。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/12は売上高4,662億円と前期比+3.4%の増収に転じましたが、営業利益は517億円(同-20.6%)と在庫調整の長期化と円高進行のダブルパンチにより大幅減益。純利益は340億円と前期の763億円から半減以下に落ち込みました。FY2026/12予想では売上高4,670億円とほぼ横ばい、営業利益470億円とさらに減益見通しですが、在庫正常化が進めば下期からの回復が視野に入ります。
事業ごとの売上・利益
変速機・ブレーキ・ホイール等のコンポーネントで世界シェア約85%。DURA-ACE等の高級品に強み
リール・ロッド等を製造。STELLA等の高級リールブランドで世界的な評価を獲得
ロウイング関連用品、コールドフォージング(冷間鍛造)技術を活用した産業機器部品等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 18.8% | 16.4% | - |
| FY2022/12 | 18.9% | 16.7% | - |
| FY2023/12 | 7.9% | 7.2% | - |
| FY2024/12 | 9.1% | 8.3% | 14.4% |
| FY2025/12 | 3.9% | 3.6% | 11.1% |
| FY2025/12 | 4.9% | 3.6% | 11.1% |
FY2025/12の営業利益率は11.1%とピーク時の27%台から大幅に低下し、ROEも3.9%まで落ち込みました。在庫調整の長期化と円高による為替差損が収益性を大きく圧迫した形です。ただし、自己資本比率92.5%の強固な財務基盤に支えられ、一時的な収益低下局面でも経営の安定性は高水準を維持しています。
財務は安全?
無借金経営と自己資本比率92.5%という鉄壁の財務基盤を誇ります。FY2025/12の総資産は9,383億円と前期から若干縮小しましたが、BPS(1株純資産)は10,042円へ上昇。有利子負債ゼロを継続しており、景気後退局面でも資金繰りの懸念が全くない稀有な企業です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 1,124億円 | -201億円 | -588億円 | 923億円 |
| FY2022/12 | 1,107億円 | -334億円 | -584億円 | 773億円 |
| FY2023/12 | 1,146億円 | -318億円 | -440億円 | 828億円 |
| FY2024/12 | 870億円 | -358億円 | -495億円 | 512億円 |
| FY2025/12 | 638億円 | -407億円 | -803億円 | 231億円 |
FY2025/12の営業CFは638億円と前期比で減少しましたが、本業からの安定的なキャッシュ創出は維持しています。財務CFは-803億円と大きくマイナスですが、これは500億円規模の自社株買いの実施が主因です。FCFは231億円に縮小したものの、手元現金4,728億円を保有しており、今後も積極的な株主還元と成長投資を両立できるキャッシュポジションです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 1,526億円 | 366億円 | 24.0% |
| FY2022/12 | 1,766億円 | 484億円 | 27.4% |
| FY2023/12 | 1,034億円 | 422億円 | 40.9% |
| FY2024/12 | 987億円 | 223億円 | 22.6% |
| FY2025/12 | 470億円 | 130億円 | 27.7% |
FY2025/12の税引前利益は470億円(前期比-52.3%)と大幅減少し、実効税率は27.7%に落ち着きました。FY2023/12の40.9%は海外子会社の税制変更に伴う一時的な税負担増が影響。FY2026/12予想では実効税率が10.6%と低く見えますが、これは税効果会計の影響であり、実際の税負担は利益水準に応じて変動します。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 856万円 | 10,130人 | - |
平均年収は850万円台で安定しており、機械メーカーとしては業界トップクラスの給与水準。FY2025/12で従業員数が約200名減少しているが、これはグループ内の再編によるもの。平均年齢41歳台と製造業としては若め。連結ベースでは世界に12,244名の従業員を擁する。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は湊興産・スリーエス・日本生命保険相互会社。
シマノは日本マスタートラスト信託銀行等の信託口が上位を占めており、機関投資家による安定的な保有が目立ちます。一方で、創業家に関連する湊興産が第2位株主として名を連ねており、創業家による一定の影響力が維持されている点も特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自転車部品 | 約3,700億円 | 約400億円 | 10.8% |
| 釣具 | 約800億円 | 約100億円 | 12.5% |
| その他 | 約160億円 | 約17億円 | 10.6% |
研究開発費
売上の約8割を自転車部品が占める世界的なニッチトップ企業です。釣具事業は第2の柱として安定収益を確保。事業リスクとしては為替変動と市場在庫の調整長期化が最大の懸念で、FY2025/12はこの2つが同時に顕在化した形です。研究開発費は売上高の約5%を投じ、電動コンポーネントやデジタル技術の進化に注力しています。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中、女性が3名(21.4%)、社外取締役比率は50%とガバナンスの多様性確保に積極的な体制です。連結子会社49社・連結従業員12,244名を擁するグローバル企業として、監査等委員会設置会社の体制のもと、透明性の高い経営を追求しています。設備投資額446.8億円は、製造拠点の高度化とデジタル化に充当されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 4,200億円 | 4,500億円 | 4,510億円 | +7.3% |
| FY2025/12 | 4,700億円 | 4,660億円 | 4,662億円 | -0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 530億円 | 650億円 | 651億円 | +22.8% |
| FY2025/12 | 700億円 | 460億円 | 517億円 | -26.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2025/12は売上高こそ計画比-0.8%とほぼ達成でしたが、営業利益は計画700億円に対し実績517億円と-26.2%の大幅未達となりました。期中に2度の下方修正を実施しており、予想精度に課題が残ります。一方FY2024/12は初期予想を大幅に上回る実績を残しており、市場環境次第で上振れ余地がある企業体質であることも示しています。
株の売買状況と今後の予定
PERは33.6倍とセクター平均の2倍以上の水準にあり、グローバルニッチトップ企業としてのプレミアム評価が反映されています。信用倍率は3.03倍と買い長の状態で、株価回復を期待する個人投資家の買いが入っている状況です。仏系ファンドからの自社株買い増額の株主提案もあり、資本政策への注目度が高まっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
500億円を上限とする自社株買いの実施を発表。発行済株式の3.4%に相当し、株主還元姿勢を強化しました。
上期経常利益を16%下方修正し、通期も減額。在庫調整の長期化が業績を圧迫しました。
FY2025/12の通期決算を発表。営業利益は517億円と前期比-20.6%の大幅減益。一方で24円増配の363円を計画し、5期連続増配を継続しました。
仏系ファンドのロンシャンから自社株買い増額の株主提案を受領。会社側は反対を表明しました。
最新ニュース
シマノ まとめ
ひとめ診断
「自転車部品で世界シェア8割超の巨人が、在庫調整の長期化で収益力が急低下――底打ち反転はいつか」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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