デンソー
DENSO CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
トヨタグループの技術の心臓──EV・半導体・サーマルで自動車の未来をつくる世界No.2部品メーカー
環境と安心の技術で、モビリティ社会の未来を支える
この会社ってなに?
あなたの車のエアコン、カーナビ、エンジン制御──クルマの中で動く電子部品の多くにデンソーの技術が使われています。EVのモーターを動かすインバーター、自動ブレーキを支えるセンサー、さらにはコンビニのQRコード決済端末まで。デンソーの製品は「見えないけれど、なくてはならない」存在として、あなたの移動と日常を静かに支えています。
デンソーは1949年にトヨタ自動車工業から分離独立した世界第2位の自動車部品メーカーです。FY2025/3は売上収益7兆1,618億円・営業利益5,190億円と売上・利益ともに過去最高を更新しました。電動化(インバーター・モーター)、サーマルシステム(車載空調・ヒートポンプ)、モビリティエレクトロニクス(ECU・ADAS)を3本柱に、グローバル35カ国に展開しています。2026年3月にはパワー半導体大手ロームへの買収提案(1.3兆円規模)を正式表明し、半導体の垂直統合による「クルマの電子化」の主導権確保に動いています。同月発表の中期経営計画「CORE 2030」では、2030年度に売上8兆円・営業利益率10%・ROE11%を目指す成長ビジョンを掲げました。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県刈谷市昭和町1-1
- 公式
- www.denso.com
社長プロフィール
デンソーは『環境』と『安心』を軸に、モビリティ社会の未来を切り拓きます。CORE 2030では売上8兆円・営業利益率10%を目標に、電動化・半導体・ソフトウェアの3領域に経営資源を集中します。ローム買収はその中核戦略であり、パワー半導体の内製化でクルマの電子化をリードする覚悟です。
この会社のストーリー
トヨタ自動車工業の電装部門が分離独立し、愛知県刈谷市で日本電装株式会社として創業しました。「トヨタの技術の心臓」として、自動車の電子化・電装化を支える使命を持って歩み始めました。
サーマルシステム事業を急成長させ、カーエアコンで世界トップシェアを獲得。海外展開も加速し、グローバル自動車部品メーカーとしての地位を確立しました。
トヨタ初代プリウスのハイブリッドシステム向けにインバーターを開発・供給。電動化技術のパイオニアとして、EVシフトの基盤を20年以上前から築いてきました。
1:4の株式分割で個人投資家に門戸を開くとともに、林新之助が社長に就任。ソフトウェア・半導体領域の強化を打ち出し、「部品メーカー」から「テクノロジー企業」への脱皮を宣言しました。
パワー半導体大手ロームへの買収提案(1.3兆円)を正式表明。中期計画「CORE 2030」で売上8兆円・営業利益率10%を掲げ、半導体の垂直統合で自動車産業の電子化をリードする新たなデンソーが始動しました。
注目ポイント
売上7兆円超・世界2位の自動車部品メーカーとして盤石な事業基盤を持ち、トヨタグループ(約31.5%保有)による安定した株主構造と受注基盤が長期投資の安心材料です。自己資本比率61%・実質無借金経営の財務健全性も魅力。
配当はDOE(株主資本配当率)基準で、FY2025/3は64円(利回り3.3%)と5期連続増配を達成。CORE 2030ではDOE4.0%以上を目標に掲げており、今後5年間の配当成長が数値目標付きで約束されている稀有な大型株です。
1.3兆円規模のローム買収はデンソー史上最大のM&Aであり、SiCパワー半導体の垂直統合によりEV時代の主導権を握る大勝負です。売上8兆円・営業利益率10%の中計目標は野心的ですが、実現すればバリュエーション再評価の余地は大きい。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 36.4円 | 39.0% |
| FY2017/3 | 32.7円 | 36.7% |
| FY2018/3 | 35.5円 | 31.7% |
| FY2019/3 | 37.9円 | 42.9% |
| FY2020/3 | 37.9円 | 159.3% |
| FY2021/3 | 37.9円 | 86.8% |
| FY2022/3 | 44.7円 | 48.2% |
| FY2023/3 | 50.1円 | 44.5% |
| FY2025/3 | 64円 | 44.1% |
なし
2023年10月の1:4株式分割を反映した調整後ベースで、5期連続増配を実現しています(37.9円→44.7円→50.1円→55円→64円)。配当方針はDOE(株主資本配当率)を基準とし、FY2025/3のDOEは3.5%。中期経営計画「CORE 2030」ではDOE4.0%以上を2030年度の目標に掲げており、配当の増加トレンドは今後も継続が見込まれます。FY2021/3の配当性向が86.8%と高い理由は、コロナ禍で利益が大きく落ち込む中でも減配を回避したためです。FY2022/3以降は40〜50%台で安定しています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上収益7兆1,618億円・営業利益5,190億円と過去最高を記録しました。前期のFY2024/3は売上こそ7.14兆円と好調でしたが、半導体不足の影響や品質関連費用で営業利益は3,806億円に留まっており、FY2025/3は営業利益率が5.3%→7.2%へ大幅改善しています。FY2026/3会社予想(Q3修正後)は売上7兆2,400億円と微増の一方、最終利益は4,200億円(前期比ほぼ横ばい)に下方修正。為替前提の見直し(円高進行)と品質引き当て計上が主な要因ですが、営業利益は6,510億円(+25.4%)と改善見通しです。
事業ごとの売上・利益
インバーター、モーター、BMS等のEV・HEV向け電動化部品。世界シェア上位の成長ドライバー
車載空調、ヒートポンプ、熱マネジメント。EV時代のバッテリー温度管理で需要拡大
ECU、各種センサー、ADASコンポーネント。ソフトウェア定義車両(SDV)の基盤技術
エンジン制御、燃料噴射系、排ガス後処理。内燃機関向けだが地域別にニーズが継続
半導体(セミコンダクタ事業G新設)、FA機器、QRコード関連、農業ソリューション
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.4% | 1.8% | 3.1% |
| FY2022/3 | 6.4% | 3.6% | 6.2% |
| FY2023/3 | 7.2% | 4.2% | 6.7% |
| FY2024/3 | 6.3% | 3.4% | 5.3% |
| FY2025/3 | 8.0% | 5.2% | 7.2% |
FY2025/3は営業利益率7.2%・ROE8.1%と過去5年で最高水準を達成しました。FY2024/3は品質関連費用の計上で営業利益率が5.3%に低下しましたが、FY2025/3は原価改善と為替効果で大幅に回復。ROEも3.1%(FY2021/3)→8.1%と5年間で大きく改善しています。中期経営計画「CORE 2030」では営業利益率10%・ROE11%を目標に掲げており、半導体事業の垂直統合と電動化部品の高付加価値化が鍵を握ります。
財務は安全?
総資産は8兆1,250億円で、自己資本比率は61.3%と極めて健全な水準です。FY2024/3からFY2025/3にかけて総資産が約1兆円減少していますが、これはトヨタ自動車株などの政策保有株式の売却が主因です。BPSはFY2024/3から株式分割(2023年10月、1:4)後の値となっており、FY2023/3以前(分割前)とは単純比較できません。分割後ベースではBPS1,767円で、PBR約1.1倍と純資産に近い水準で評価されています。ローム買収(1.3兆円規模)実行時には有利子負債が大幅に増加する見込みですが、現状の実質無借金経営が強固な財務基盤を提供しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 9,618億円 | -4,595億円 | -4,967億円 | 5,023億円 |
| FY2025/3 | 7,587億円 | 1,219億円 | -6,774億円 | 8,806億円 |
FY2025/3の営業CFは7,587億円と高水準を維持しています。投資CFが+1,219億円とプラスになっている点が特徴的ですが、これはトヨタ自動車株など政策保有株式の大規模売却による収入が設備投資を上回ったためです。結果としてFCFは8,806億円と見かけ上大きくなっていますが、実質的な事業FCFは5,000億円程度と推定されます。財務CFは-6,774億円で、自己株式取得(約4,000億円)と配当金支払いが主因。5年間の営業CF累計は約3.16兆円に達し、ローム買収(1.3兆円)の資金余力は十分です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 4,362億円 | 1,234億円 | 28.3% |
| FY2025/3 | 5,780億円 | 1,589億円 | 27.5% |
FY2025/3の実効税率は約22.4%で、日本の法定実効税率(約30%)を下回っています。これはグローバル35カ国での事業展開による税率差、海外子会社の利益に対する各国税率、および研究開発税制の適用が主な要因です。FY2026/3予想ではQ3修正後の税引前利益5,350億円に対し、実効税率21.5%程度を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 863万円 | 158,056人 | - |
平均年収は4年間で約77万円上昇し、年率+3%前後の安定的な昇給が続いています。一方、単体従業員数は約1,400名減少しており、効率化・自動化投資による生産性向上が進んでいます。平均年齢44.8歳、平均勤続年数23.1年と長期雇用が根付いた企業文化です。
誰がこの会社の株を持ってる?
トヨタ自動車21.25%・豊田自動織機5.59%・トヨタ不動産4.72%とトヨタグループで約31.5%を保有し、安定的な株主基盤を形成。金融機関(信託銀行含む約28%)と合わせて安定株主比率は約60%。外国人投資家比率は約30%で大型株として高い流動性を確保しています。
トヨタ自動車が筆頭株主(21.25%)で、豊田自動織機(5.59%)・トヨタ不動産(4.72%)を含むトヨタグループが約31.5%を保有しています。日本マスタートラスト信託銀行(13.2%)・日本カストディ銀行(5.0%)は国内外の機関投資家の受託資産であり、年金基金や投信を通じた長期保有が中心です。日本生命(3.07%)は政策保有株主、デンソー従業員持株制度会(1.77%)も安定株主に分類されます。トヨタグループによる強固な親子上場関係が特徴で、創業家・オーナー系株主は存在しないプロフェッショナル経営体制です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| エレクトリフィケーション | 約2兆円 | 非開示 | 非開示 |
| サーマルシステム | 約1.5兆円 | 非開示 | 非開示 |
| モビリティエレクトロニクス | 約1.4兆円 | 非開示 | 非開示 |
| パワートレインシステム | 約1.1兆円 | 非開示 | 非開示 |
| 先進デバイス・その他 | 約1.2兆円 | 非開示 | 非開示 |
デンソーはエレクトリフィケーション(電動化)・サーマル・モビリティエレクトロニクスの3本柱を成長ドライバーに、パワートレイン(内燃機関向け)から電動化への事業転換を加速しています。2026年1月のセミコンダクタ事業グループ新設とローム買収提案は、半導体メーカーへの進化を明確に打ち出す戦略転換です。パワートレインシステムは売上1.1兆円を維持しつつも新規投資を停止しており、2030年に向けて電動化・半導体への経営資源の集中が進む見通しです。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中女性2名(16.7%)で、多様性の確保は道半ばですが改善傾向にあります。役員指名報酬会議(過半数が社外取締役)を設置し、報酬の透明性を確保。監査等委員会設置会社として、監査報酬3億2,800万円と企業規模に見合った監査体制を構築しています。平均勤続年数23.1年と長期雇用が定着した企業文化です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 7兆500億円 | — | 7兆1,618億円 | +1.6% |
| FY2026/3 | 7兆500億円 | 7兆2,400億円 | — | +2.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 6,750億円 | — | 5,190億円 | -23.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 5,150億円 | 4,200億円 | — | -18.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026年3月末に発表された「CORE 2030」は売上8兆円・営業利益率10%・ROE11%を5年後の目標に掲げるデンソーの新たな成長ビジョンです。研究開発に3.7兆円・設備投資に2.2兆円の大型投資を計画しており、電動化・半導体・ソフトウェアへの集中投資で利益率の引き上げを目指します。ローム買収が実現すれば半導体事業が新たな収益の柱となり、目標達成の確度が高まります。直近のFY2025/3・FY2026/3では利益予想の下方修正が続いており、CORE 2030の初年度(FY2027/3)の実績が中計の信頼性を測る重要な指標となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は239.0%とTOPIX(213.4%)をアウトパフォームしています。FY2024にはTSR350.7%まで急騰しましたが、FY2025には239.0%に低下。この急落はFY2024の株価ピーク後の調整を反映しています。それでもTOPIXを上回るリターンを維持しており、長期保有の株主に対しては市場平均を超える価値を提供してきました。配当利回り3%台が下支えとなり、インカムゲインとキャピタルゲインの両面で投資妙味があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 214.5万円 | +114.5万円 | 114.5% |
| FY2022 | 233.9万円 | +133.9万円 | 133.9% |
| FY2023 | 227.2万円 | +127.2万円 | 127.2% |
| FY2024 | 350.7万円 | +250.7万円 | 250.7% |
| FY2025 | 239.0万円 | +139.0万円 | 139.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER10.5倍は輸送用機器セクター平均(12.0倍)を下回り、割安感があります。PBR1.09倍はセクター平均を上回りますが、ROE8.1%の収益力を反映した妥当な水準です。配当利回り3.33%はセクター平均を大幅に上回り、大型株としてはインカムの魅力があります。信用倍率は23.92倍と買い残が非常に厚く、株価反発時の利益確定売りや追証による売りが上値を抑える可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中期経営計画「CORE 2030」を発表。2030年度に売上8兆円以上・営業利益率10%以上・ROE11%以上を目指す。5年間で研究開発3.7兆円、設備投資2.2兆円を投入。
パワー半導体大手ロームへの買収提案を正式表明。買収額1.3兆円規模、SiCパワー半導体の垂直統合でEV時代の主導権確保を狙う。
FY2026/3 Q3決算を発表。最終利益を4,200億円に下方修正(従来予想4,970億円)。為替影響と品質引き当てが主因。売上収益は7兆2,400億円に上方修正。
「セミコンダクタ事業グループ」を新設。半導体事業の独立組織化により、ローム買収を見据えた事業基盤を整備。
FY2025/3本決算を発表。売上収益7兆1,618億円・営業利益5,190億円と売上・利益ともに過去最高を更新。営業利益率は7.2%に改善。
最新ニュース
デンソー まとめ
ひとめ診断
「トヨタグループの技術の心臓──EV・半導体・サーマルで自動車の未来をつくる世界No.2自動車部品メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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