愛三工業7283
AISAN INDUSTRY CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日運転するかもしれない自動車。その心臓部であるエンジンが、静かに、そして力強く動くために欠かせない部品を作っているのが愛三工業です。例えば、ガソリンをエンジンに効率よく送り込む「燃料ポンプ」や、空気の通り道を調整する「スロットルボデー」など、燃費を良くしたり、排気ガスをクリーンにしたりする重要な役割を担っています。最近では、電気自動車(EV)のバッテリーを守るケースの開発も手掛けており、未来のクルマの裏側でも活躍の場を広げている会社です。
愛三工業は、トヨタ系の自動車部品メーカーとして電子制御燃料噴射装置を主力に成長を続ける企業です。2025年3月期には売上高3,372.6億円、営業利益183.38億円と過去最高益を更新する見込みで、好調な業績を背景に中期経営計画の主要目標を2年前倒しで達成しました。近年はデンソーからの事業買収で内燃機関部品の競争力を強化する一方、EV向け電池ケースやカーボン部品メーカーの買収など、電動化への対応を加速させており、事業ポートフォリオの転換期にあります。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.0% | 1.9% | - |
| 2022/03期 | 7.2% | 3.5% | - |
| 2023/03期 | 8.1% | 4.0% | - |
| 2024/03期 | 9.4% | 4.7% | 4.9% |
| 2025/03期 | 9.5% | 4.6% | 5.4% |
| 3Q FY2026/3 | 10.5%(累計) | 3.9%(累計) | 6.0% |
売上高の拡大に伴い、営業利益率も2021/03期の2.7%から直近では5%台半ばまで収益性の改善が進んでいます。効率的な生産体制の構築と製品の高付加価値化が奏功し、自己資本利益率(ROE)も継続的に向上して2025/03期には9.4%に達しました。限られた経営資源で利益を生み出す効率性が高まっており、今後も資本コストを意識した経営で更なる収益力強化が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,814億円 | — | 35.3億円 | 56.0円 | - |
| 2022/03期 | 1,938億円 | — | 68.3億円 | 108.4円 | +6.8% |
| 2023/03期 | 2,408億円 | — | 85.0億円 | 135.0円 | +24.3% |
| 2024/03期 | 3,143億円 | 155億円 | 117億円 | 187.6円 | +30.5% |
| 2025/03期 | 3,373億円 | 183億円 | 132億円 | 211.9円 | +7.3% |
愛三工業は、トヨタグループ向けの自動車部品事業における好調な販売を背景に、2021/03期から2025/03期にかけて売上高が約1.8倍の3,373億円まで拡大しました。特に電動化や環境規制への対応に伴う製品シフトが功を奏し、当期純利益は2021/03期の約35億円から2025/03期には約132億円まで大きく成長しています。2026/03期は、自動車業界全体の市場変動を反映し、売上高は3,100億円、当期純利益は120億円と減益を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上2472億円(通期予想比80%)、営業利益148億円(同80%)、純利益120億円(同100%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
燃料ポンプモジュールや排気系部品を主力とする「エンジンシステムサプライヤー」としての地位を確立しつつ、電動化対応製品へのシフトを加速させています。ただし、自動車メーカーの生産変動や原材料価格の推移が業績リスクとして開示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3,150億円 | — | 3,373億円 | +7.1% |
| 2024期 | 2,800億円 | — | 3,143億円 | +12.3% |
| 2023期 | 2,100億円 | — | 2,408億円 | +14.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 160億円 | — | 183億円 | +14.6% |
| 2024期 | 140億円 | — | 155億円 | +10.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
愛三工業は、2025年度を目標としていた旧中期経営計画(売上高2,800億円、ROE8%)を、好調な市況と事業強化により2年前倒しで達成しました。これを受け、2025年2月に新たに2030年度を最終年度とする新中計を発表。新計画では売上高5,500億円、営業利益440億円、PBR1倍以上という野心的な目標を掲げています。近年の業績予想は期初計画を上回る傾向が強く、経営陣の計画達成能力と市場環境の読みには一定の信頼がおけると言えるでしょう。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2030年度を見据えた新中期経営計画を策定し、売上高5500億円の目標を発表。
車載モータ部品メーカーのトライスを買収し、電動化部品の競争力を強化。
上期決算で増益を達成し、通期業績予想の上方修正を実施。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
総資産は2021/03期の約1,900億円から2025/03期には約3,000億円へと大幅に増加し、事業拡大に向けた積極的な投資姿勢が伺えます。一方で、2024/03期以降は成長投資のための借入金増加により有利子負債が増加していますが、自己資本比率は45.1%を維持しており、財務の健全性は一定水準で確保されています。今後は利益の積み増しによる自己資本の厚みを増していくことが、さらなる安定的な財務基盤の構築に繋がると考えられます。 【3Q 2026/03期】総資産3056億円、純資産1427億円、自己資本比率37.0%、有利子負債658億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 178億円 | 67.8億円 | 11.8億円 | 110億円 |
| 2022/03期 | 135億円 | 69.5億円 | 41.3億円 | 65.9億円 |
| 2023/03期 | 203億円 | 296億円 | 35.4億円 | 93.3億円 |
| 2024/03期 | 386億円 | 96.6億円 | 114億円 | 290億円 |
| 2025/03期 | 282億円 | 201億円 | 109億円 | 80.9億円 |
本業で稼ぐ力を示す営業キャッシュフローは堅調に推移しており、特に2024/03期は386億円と高水準でした。2023/03期や2025/03期の投資キャッシュフローのマイナス幅拡大は、安城新工場の建設や戦略的な設備投資によるものであり、将来の成長を見据えた先行投資と言えます。営業活動で得た資金を投資へ回しながらも、強固なフリーキャッシュフローを維持するサイクルが定着しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.3%と改善途上にありますが、監査体制の強化や安城新工場の建設を通じた環境経営(カーボンニュートラル)への積極的な投資を行っています。27社の連結子会社を擁するグローバル企業として、強固なガバナンス体制構築に取り組んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 711万円 | 8,781人 | - |
従業員平均年収は711万円であり、製造業の中でも安定した水準を維持しています。長年の実績に基づく堅実な経営体質に加え、自動車電動化への対応など事業変革期の成長性が給与にも反映されやすい環境です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
愛三工業のTSR(株主総利回り)は、2022期以降TOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特に2024期には364.4%(TOPIXは216.8%)と驚異的な伸びを記録しました。これは、好調な業績を背景とした株価の上昇に加え、積極的な増配による株主還元強化策が投資家に高く評価された結果です。旧中計の前倒し達成や新中計への期待感が、継続的な株価上昇のドライバーとなっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 33円 | 33.3% |
| 2017/03期 | 25円 | 34.8% |
| 2018/03期 | 29円 | 40.2% |
| 2019/03期 | 27円 | 27.8% |
| 2020/03期 | 20円 | - |
| 2021/03期 | 18円 | 32.2% |
| 2022/03期 | 29円 | 26.8% |
| 2023/03期 | 35円 | 25.9% |
| 2024/03期 | 55円 | 29.3% |
| 2025/03期 | 68円 | 32.1% |
株主優待制度は実施していません。
同社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的かつ継続的な配当を基本方針としています。業績の拡大を反映し、直近では4期連続の増配を実施するなど株主還元を積極的に推進しています。今後は配当性向の向上を通じ、中長期的な企業価値の増大と株主への還元強化を目指す姿勢を明確にしています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 136.4万円 | 36.4万円 | 36.4% |
| 2022期 | 153.9万円 | 53.9万円 | 53.9% |
| 2023期 | 194.3万円 | 94.3万円 | 94.3% |
| 2024期 | 364.4万円 | 264.4万円 | 264.4% |
| 2025期 | 455.6万円 | 355.6万円 | 355.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
愛三工業の株価指標は、PERが業界平均(約13倍)に比べて割安な水準にあります。一方でPBRは業界平均をやや上回っており、資本効率の改善が評価され始めている可能性があります。配当利回りは3.5%と業界平均より高く、魅力的な水準です。信用倍率は6.72倍と買い残が多く、株価上昇への期待感がうかがえますが、将来の売り圧力となる可能性も注視が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 49.9億円 | 14.6億円 | 29.3% |
| 2022/03期 | 103億円 | 34.2億円 | 33.4% |
| 2023/03期 | 141億円 | 55.8億円 | 39.6% |
| 2024/03期 | 172億円 | 54.6億円 | 31.7% |
| 2025/03期 | 193億円 | 60.6億円 | 31.4% |
実効税率は概ね30%から40%の範囲内で推移しています。利益の増大とともに法人税等の支払額も増加しており、2025/03期には約61億円の納税を行いました。税引前利益に対する税負担率は経営環境や会計上の調整により年度ごとに変動していますが、全体として適正な納税が行われています。
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愛三工業 まとめ
「トヨタ系エンジン部品の王者が、EVシフトの荒波をM&Aと新技術で乗りこなす二刀流サプライヤー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。