小糸製作所
KOITO MANUFACTURING CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
光で未来のモビリティを照らす、自動車ランプ世界No.1メーカー
先進のライティング技術で世界中の人々に安全と安心を提供し、豊かでサステナブルな未来社会の実現を目指す。
この会社ってなに?
あなたが夜間に車を運転するとき、前方を明るく照らすヘッドライトや、ブレーキを踏んだときに光るテールランプを意識したことはありますか?実は、世界中の多くの自動車に搭載されているそれらの照明部品を、小糸製作所が作っています。普段何気なく目にしている自動車の「眼」の部分は、この会社の技術力によって支えられているのです。最近では、自動運転車が周囲の状況を把握するためのセンサー技術(LiDAR)の開発にも力を入れており、未来の安全なドライブを裏側で支える重要な役割を担っています。
自動車用照明で世界首位を誇る小糸製作所は、厳しい事業環境に直面しています。2025年3月期決算では、売上高9,167.1億円(前期比3.5%減)、営業利益448.73億円(同19.9%減)と減収減益に着地しました。しかし、同社は守りに入ることなく、自動運転の「眼」となるLiDAR技術を持つ米Cepton社を買収するなど、次世代技術への投資を加速させています。株主還元にも積極的で、5ヶ年で3,500億円規模の還元と配当性向40%以上を掲げており、変革期を乗り越え再成長を目指す姿勢が鮮明です。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区北品川5丁目1番18号
- 公式
- www.koito.co.jp
社長プロフィール

私たちは、創業以来培ってきた光の技術を進化させ、安全・安心で快適なモビリティ社会の実現に貢献することを使命としています。CASE時代の到来など大きな変革期において、新たな価値創造に挑戦し続け、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
鉄道信号用フレネルレンズの国産化に成功し、日本の交通インフラの安全を支える事業を開始した。
株式会社として法人化し、本格的に自動車用照明機器の分野へ進出。日本のモータリゼーションの黎明期を支えた。
株式上場を果たし、企業としての社会的信用を高め、さらなる成長への基盤を築いた。
世界に先駆けて全ガラスシールドビームヘッドランプを開発し、自動車用ランプの性能と安全性を飛躍的に向上させた。
米国に初の海外生産拠点を設立。これを皮切りにグローバル展開を加速させ、世界トップシェアへの道を歩み始めた。
自動運転向け高性能センサー「LiDAR」を開発する米Cepton社を子会社化。自動車の眼となる次世代技術への投資を本格化させた。
インドの新工場建設など、5年ぶりに500億円規模の大型設備投資計画を発表。世界的な需要増に対応し、シェア拡大を目指す。
2028年度までの5年間で3,500億円規模の株主還元を目指す中期経営計画を発表。成長投資と並行して株主への利益還元も重視する姿勢を示した。
注目ポイント
自動車用ヘッドランプで世界シェアNo.1を誇るトップメーカー。その高い技術力と信頼性で、世界中の自動車メーカーを支えています。
「光」の技術を応用し、自動運転の「眼」となるLiDARセンサー開発企業を買収。単なるランプメーカーから、未来のモビリティを支えるソリューション企業へと進化を遂げています。
連結配当性向40%以上を目安とし、安定的な配当を実施。さらに、2025年からはQUOカードがもらえる株主優待制度も新設し、個人投資家にも魅力的な企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 50円 | 21.4% |
| FY2022/3 | 54円 | 22.6% |
| FY2024/3 | 53円 | 40.5% |
| FY2025/3 | 56円 | 35.8% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は連結配当性向40%以上を目安とした、安定的かつ継続的な利益還元を基本方針としています。近年の業績変動に関わらず、着実な増配傾向を見せており、株主還元への意識が向上しています。また、新たに株主優待制度を導入することで、個人投資家層の拡大と中長期的な保有の促進を図っています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
小糸製作所は自動車用照明器で世界トップシェアを誇りますが、近年の業績は半導体不足の影響や原材料費の高騰により、営業利益が一時的に圧迫される展開となりました。2024年3月期には売上高が約9,503億円まで回復しましたが、2025年3月期以降は市場の停滞感から再び減益トレンドに入っています。2026年3月期も通期で売上高約8,680億円、純利益約220億円を見込むなど、慎重な事業環境が続いています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.6% | 4.8% | 8.0% |
| FY2022/3 | 6.1% | 4.5% | 7.0% |
| FY2023/3 | 4.4% | 3.3% | 5.4% |
| FY2024/3 | 5.7% | 4.2% | 5.9% |
| FY2025/3 | 6.8% | 5.2% | 4.9% |
収益性指標を見ると、営業利益率は5%前後で推移しており、製造業としては堅調な水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は4%から7%の範囲で推移しており、効率的な資産運用と株主資本の積み上がりの間で均衡を図っている状況です。近年の営業利益率の低下は、新技術への研究開発投資やグローバル生産体制の最適化に伴うコスト先行が要因として挙げられます。
財務は安全?
財務基盤は極めて強固で、自己資本比率は70%を超える高い水準を維持しており、無借金経営に近い健全な財務体質を長年継続しています。2024年3月期以降、有利子負債を一部計上していますが、依然として総資産に対する負債の比率は低く、倒産リスクは極めて限定的です。潤沢なネット資産を背景に、将来的な成長投資や株主還元を行うための余力は十分にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 750億円 | -10.9億円 | -183億円 | 739億円 |
| FY2022/3 | 657億円 | -522億円 | -84.9億円 | 136億円 |
| FY2023/3 | 598億円 | -715億円 | -133億円 | -118億円 |
| FY2024/3 | 964億円 | -502億円 | -597億円 | 462億円 |
| FY2025/3 | 884億円 | -410億円 | -783億円 | 474億円 |
営業キャッシュフローは毎期安定して500億円以上のプラスを創出しており、本業での高いキャッシュ創出能力が確認できます。一方で投資活動によるキャッシュフローは自動運転向けLiDAR技術の開発やグローバル拠点の増強により、年間400億円から700億円規模の支出が続いています。潤沢なフリーキャッシュフローを原資として、積極的な設備投資と株主還元の両立を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 611億円 | 235億円 | 38.4% |
| FY2022/3 | 606億円 | 223億円 | 36.7% |
| FY2023/3 | 485億円 | 189億円 | 38.9% |
| FY2024/3 | 633億円 | 224億円 | 35.4% |
| FY2025/3 | 491億円 | 29.1億円 | 5.9% |
法人税等の実効税率は通常30%台後半で推移していますが、2025年3月期は一時的な税効果や調整により大幅に低下しました。通常期においては、国内および海外の各拠点で発生する所得に対して標準的な法人税率が適用されています。今後は税負担が正常水準に戻ることを前提として、計画的な納税が進められる見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 654万円 | 23,332人 | - |
従業員平均年収は654万円となっており、自動車部品業界内でも安定した水準を維持しています。自動車照明のリーディングカンパニーとして、継続的な技術開発や海外拠点の拡大に伴う安定した収益力が給与を下支えしています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はトヨタ自動車・日本生命保険(相)。
トヨタ自動車株式会社が22.7%の株式を保有する筆頭株主であり、盤石な提携関係を背景とした経営基盤が特徴です。機関投資家や信託銀行の保有比率も高く、安定した株主構成によって長期的な成長を目指す姿勢が伺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
自動車照明機器を主力とする同社は、世界的な自動車生産動向に業績が強く影響を受けます。特に自動運転技術やLiDARセンサーといった次世代技術への投資を加速させており、収益構造の転換とリスク分散を経営上の最重要課題と位置付けています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.3%と改善傾向にあります。世界的な市場シェアを誇る企業規模に対し、監査報酬の適切な支出を通じて透明性を確保し、グローバル化に対応した取締役会運営と監督体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 9,560億円 | — | 9,167億円 | -4.1% |
| FY2024 | 9,270億円 | — | 9,503億円 | +2.5% |
| FY2023 | 8,710億円 | — | 8,647億円 | -0.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 580億円 | — | 449億円 | -22.6% |
| FY2024 | 645億円 | — | 560億円 | -13.2% |
| FY2023 | 670億円 | — | 468億円 | -30.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は5ヶ年で3,500億円規模という大規模な株主還元計画を打ち出しており、株主を重視する姿勢は評価できます。しかし、足元の業績は期初予想を大幅に下回るケースが散見され、特に営業利益のブレが大きくなっています。外部環境の変動が大きい自動車業界とはいえ、ガイダンス(業績予想)の信頼性向上が今後の課題と言えるでしょう。LiDARなど先行投資の収益化が計画通りに進むかが、将来の計画達成の鍵を握ります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2021まではTOPIXを上回っていましたが、FY2022以降は継続してTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」の状態です。これは、自動車生産の不安定化や原材料高騰による収益性の悪化が株価の重しとなり、増配効果だけでは市場平均のリターンに追いつけなかったことが背景にあります。今後は、LiDAR事業など新規事業の成長性を示し、収益力を回復させることが、TSRを改善し市場平均を上回るリターンを生み出すための鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 204.4万円 | +104.4万円 | 104.4% |
| FY2022 | 139.0万円 | +39.0万円 | 39.0% |
| FY2023 | 141.2万円 | +41.2万円 | 41.2% |
| FY2024 | 146.0万円 | +46.0万円 | 46.0% |
| FY2025 | 110.9万円 | +10.9万円 | 10.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用取引では買い残が売り残を大きく上回る9.18倍となっており、個人投資家からの先高観が強い状況です。一方で、将来の利益成長期待を織り込むPERは業界平均より高く、割安感は薄い水準と言えます。今後の決算で、市場の期待に応える成長性を示せるかが株価の重要なポイントになるでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
資本効率の向上と株主還元の一環として自己株式の取得を実施。
米Cepton, Inc.の買収を完了し、自動運転向けLiDAR事業を強化。
欧州での生産体制見直しに伴い、英国の製造拠点をシェイパーズへ31億円で譲渡。
最新ニュース
小糸製作所 まとめ
ひとめ診断
「自動車照明の絶対王者が、LiDAR技術への大型投資で自動運転時代の覇権を狙う」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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