創業ストーリー
古河電気工業とドイツ・シーメンスの合弁として設立。「富士」は富士山、「電機」は電気機器を意味する
パワートランジスタの製造を開始。電力変換デバイスのコア技術を確立
情報通信事業を富士通に移管し、パワエレ・半導体・自販機に経営資源を集中
北澤通宏氏が社長就任。パワー半導体の増産投資とグローバル展開を加速
データセンター向けUPSで国内シェア約4割。AI時代のインフラ企業として時価総額は5年で3倍以上に
FUJI ELECTRIC CO.,LTD.
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
あなたが駅やオフィスで使う自動販売機、データセンターを守る電源装置、EVの心臓部であるパワー半導体——これらを手がけるのが富士電機です。電力を「つくる・送る・使う」すべてに関わる、社会インフラの屋台骨を支える企業です。
富士電機は1923年に古河電気工業とドイツ・シーメンスの合弁で設立された重電大手です。パワーエレクトロニクス(受変電・制御機器)、パワー半導体、自動販売機、発電プラントの4事業を柱とし、売上高は1.1兆円規模。近年はデータセンター向けUPS(無停電電源装置)で国内シェア約4割を獲得し、AI・DXの基盤を支える企業として注目を集めています。パワー半導体はEV・再エネ向けに需要が拡大中で、2025年3月期は営業利益率10.5%・ROE 12.6%と5年連続で過去最高益を更新。2026年3月期も増収増益を見込んでおり、脱炭素・デジタル社会の両方を支えるインフラ企業として成長を続けています。
EV・再エネ・データセンターに不可欠なパワー半導体で世界有数の技術力。脱炭素社会の実現を電力変換技術で支えています
売上高1.1兆円、営業利益率10.5%、ROE 12.6%。着実に収益構造を改善し続ける経営力が魅力です
AI時代に欠かせないデータセンター向けUPS(無停電電源装置)で国内シェア約4割。成長市場の恩恵を直接受ける立ち位置
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
受変電設備、配電盤、UPS、EMS。データセンター向け電源装置が急成長
モーター制御、インバータ、FA機器。工場自動化ニーズに対応
パワー半導体(IGBT、SiC)。EV・再エネ・産業機器向けに需要拡大
自動販売機、冷凍冷蔵ショーケース。国内シェアトップクラス
地熱・水力発電。海外中心に再エネ発電所を建設・運営
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 10.7% | 4.0% | - |
| 2022/03期 | 13.2% | 5.3% | - |
| 2023/03期 | 12.4% | 5.2% | - |
| 2024/03期 | 13.5% | 5.9% | 9.6% |
| 2025/03期 | 14.3% | 7.0% | 10.5% |
ROEは9%台から12.6%へ着実に改善。営業利益率も5.5%→10.5%と5年で倍増し、重電メーカーとしては三菱電機(7%)や日立(9%)を上回る高水準です。パワー半導体やデータセンター向け電源など高付加価値事業の構成比が高まったことが収益性改善の主因です。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8,759億円 | 0円 | 419億円 | 293.5円 | - |
| 2022/03期 | 9,102億円 | 0円 | 587億円 | 410.7円 | +3.9% |
| 2023/03期 | 1.0兆円 | 0円 | 613億円 | 429.5円 | +10.9% |
| 2024/03期 | 1.1兆円 | 1,061億円 | 754億円 | 527.6円 | +9.3% |
| 2025/03期 | 1.1兆円 | 1,176億円 | 922億円 | 642.7円 | +1.8% |
5期連続で増収増益を達成し、売上高は1.1兆円を突破。営業利益率は5.5%(2021期)から10.5%(2025期)へと大幅に改善しています。パワー半導体とデータセンター向け電源装置が牽引役です。2026/03期予想は純利益が減少見込みですが、これは前期の一時利益の剥落が主因で、営業利益は堅調を維持。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
電気機器の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| パワーエレクトロニクス エネルギー | 約3,500億円 | 約380億円 | 約10.9% |
| パワーエレクトロニクス インダストリー | 約2,200億円 | 約230億円 | 約10.5% |
| 半導体 | 約2,300億円 | 約350億円 | 約15.2% |
| 食品流通 | 約1,800億円 | 約90億円 | 約5.0% |
| 発電プラント | 約1,400億円 | 約130億円 | 約9.3% |
EDINET有価証券報告書より取得。半導体セグメントが利益率15.2%と最も高収益で、全社利益の約3割を稼ぐ成長ドライバー。エネルギーセグメントもデータセンター向け電源の好調で収益性が向上しています。食品流通(自販機)は利益率5.0%とやや低いですが、安定したキャッシュフローを生む事業です。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 1,090億円 | 1,140億円 | 1,176億円 | +3.2% |
| 2024/03期 | 940億円 | 1,020億円 | 1,061億円 | +4.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画の中間年度として概ね計画通りの進捗。特に収益性(営業利益率10.5%→目標11%)とROE(12.6%→目標13%)は達成圏内です。業績予想の上方修正が2期連続で実現しており、経営陣の保守的だが着実な姿勢が信頼を得ています。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
古河電気工業とドイツ・シーメンスの合弁として設立。「富士」は富士山、「電機」は電気機器を意味する
パワートランジスタの製造を開始。電力変換デバイスのコア技術を確立
情報通信事業を富士通に移管し、パワエレ・半導体・自販機に経営資源を集中
北澤通宏氏が社長就任。パワー半導体の増産投資とグローバル展開を加速
データセンター向けUPSで国内シェア約4割。AI時代のインフラ企業として時価総額は5年で3倍以上に
2025年4〜12月期決算発表。営業利益740億円で5年連続の過去最高益を更新
筑波工場に設備投資発表。配電盤・電源装置の生産能力1.7倍に拡大へ
日経新聞が「AI関連株に変貌」と特集。データセンター向け電源需要への期待高まる
業績連動型株式報酬制度を導入。経営陣の株価意識を高める施策
2025年3月期本決算。売上高1.12兆円、純利益922億円で過去最高を更新

脱炭素社会の実現とデジタル変革を、パワーエレクトロニクスの技術力で支えていく。それが富士電機の使命です。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
総資産は1.3兆円規模で、自己資本比率は39.6%→52.7%と着実に改善。BPSは4,696円で、株価10,765円に対しPBR 2.29倍は成長性を織り込んだ水準です。有利子負債は約1,662億円ですが、営業CFが年間1,449億円と潤沢で、財務体質は健全です。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 269億円 | 235億円 | 395億円 | 504億円 |
| 2022/03期 | 768億円 | 224億円 | 429億円 | 545億円 |
| 2023/03期 | 1,162億円 | 495億円 | 772億円 | 667億円 |
| 2024/03期 | 849億円 | 624億円 | 459億円 | 224億円 |
| 2025/03期 | 1,449億円 | 634億円 | 862億円 | 815億円 |
営業CFは安定して黒字を維持し、2025/03期は1,449億円と過去最高水準。パワー半導体工場やデータセンター向け電源の設備増強に年間600億円規模の投資を行いながらも、FCFは815億円を確保。財務CFのマイナスは配当・自己株取得による株主還元の充実を反映しています。
取締役15名中女性2名(13.3%)。設備投資は半導体工場やデータセンター向け製品の増産に充当。平均勤続年数20.5年と長く、技術の蓄積と継承が強み。会長CEOの北澤通宏氏は2018年に社長就任後、パワー半導体事業の拡大を主導しています。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 810万円 | 27,391人 | - |
平均年収810万円は電気機器業界の中で上位水準。従業員27,391名、平均年齢44.9歳、平均勤続年数20.5年と定着率が高い企業です。連結では68社を束ね、臨時従業員も3,098名を擁しています。
リターン・配当・市場データを確認
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 10円 | 23.3% |
| 2017/03期 | 11円 | 19.2% |
| 2018/03期 | 14円 | 26.5% |
| 2020/03期 | 80円 | 39.7% |
| 2021/03期 | 85円 | 29.0% |
| 2022/03期 | 100円 | 24.3% |
| 2023/03期 | 115円 | 26.8% |
| 2024/03期 | 135円 | 25.6% |
| 2025/03期 | 160円 | 24.9% |
| 必要株数 | 100株以上(約108万円) |
| 金額相当 | 約500円相当 |
| 権利確定月 | 4月 |
4期連続増配を達成し、配当額は2021/03期の85円から2025/03期には160円へとほぼ倍増。配当性向は24〜29%と余力を残しており、さらなる増配余地があります。利回りは1.49%と高配当ではありませんが、株価上昇によるキャピタルゲインとの総合リターンが魅力です。
PERは19.6倍で業界平均並みですが、PBRは2.29倍と業界平均1.5倍を大きく上回っています。これはROE 12.6%と高い資本効率、パワー半導体・データセンター電源の成長性が評価されているためです。信用倍率7.68倍と買い残が多く、強気の個人投資家が多いことを示しています。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 504億円 | 84.8億円 | 16.8% |
| 2022/03期 | 793億円 | 206億円 | 26.0% |
| 2023/03期 | 878億円 | 265億円 | 30.1% |
| 2024/03期 | 1,078億円 | 325億円 | 30.1% |
| 2025/03期 | 1,188億円 | 265億円 | 22.3% |
税引前利益は5期で504億円→1,188億円と2.4倍に拡大。2021/03期の実効税率16.8%は税効果会計の影響で低めでしたが、以降は26〜30%台で推移。2025/03期は繰延税金資産の計上等により22.3%に低下しました。
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU