ヤマハ発動機
Yamaha Motor Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
二輪車からマリン、ロボティクスまで。世界に「感動」を届ける多角化モビリティ企業
私たちは、『感動創造企業』として、人々の夢を知恵と情熱で実現し、常に『次の感動』を期待される企業を目指します。
この会社ってなに?
あなたが街中で見かけるクールなバイクやスクーター、その多くはヤマハ発動機が作っています。また、坂道を楽に上れる電動アシスト自転車「PAS」に乗ったことはありませんか?あれもヤマハ発動機の代表的な製品です。さらに、海でのレジャーや釣りに使われるボートの多くには、ヤマハのエンジンが搭載され、世界中の海で活躍しています。普段目にすることのない工場の裏側でも、製品を組み立てる産業用ロボットが私たちの生活を支えており、あなたの暮らしの様々な場面でヤマハ発動機の技術が関わっています。
二輪車世界大手のヤマハ発動機は、FY2025に売上高2兆5,342億円、営業利益1,264億円を計上しました。為替の影響や一部地域での需要減速により前期比で減収減益となりましたが、翌期予想では売上高2兆7,000億円、営業利益1,800億円とV字回復を見込んでいます。既存事業の収益性を高めつつ、電動アシスト自転車(SPV)や精密農業、船舶サブスクリプションなど成長領域へのM&Aや投資を加速させ、事業ポートフォリオの変革を進めています。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 静岡県磐田市新貝2500
- 公式
- global.yamaha-motor.com
社長プロフィール

当社は「感動創造企業」として、人々の可能性を拡げる革新的な製品とサービスを提供し続けます。中期経営計画で掲げた『ART for Human Possibilities』の実現を目指し、既存事業の強化と戦略的投資で企業価値向上に努め、ステークホルダーの皆様の期待に応えていきます。
この会社のストーリー
日本楽器製造(現ヤマハ)から二輪車部門が分離独立。最初の製品である「YA-1」の成功を礎に、ヤマハ発動機株式会社が設立された。
FRP(繊維強化プラスチック)製のボートと船外機の生産を開始。二輪車で培ったエンジン技術を応用し、マリン分野へと事業を拡大した。
インドネシアやブラジルに初の海外生産拠点を設立。積極的にグローバル市場を開拓し、世界的なブランドへの道を歩み始めた。
自社の二輪車生産ラインで培った技術を活かし、産業用ロボット事業を開始。モビリティ以外の分野でも技術力を発揮し始めた。
世界に先駆けて電動アシスト自転車「PAS」を開発・発売。新たなパーソナルモビリティ市場を創出し、社会に大きな影響を与えた。
「Advancing robotics」「Rethinking solution」「Transforming mobility」をテーマに、ロボティクスやソリューション事業を強化。社会課題の解決を目指す姿勢を明確にした。
売上高2兆円超を達成。成長戦略と構造改革を柱とする新中期経営計画をスタートし、既存事業の収益力強化と新規事業への投資を加速させる。
注目ポイント
二輪車やマリン製品だけでなく、産業用ロボット、電動アシスト自転車など事業領域が広いのが強み。一つの市場の変動に左右されにくい安定した収益基盤を築いている。
安定した配当を継続しており、配当利回りも高い水準で推移している。株主優待制度も実施しており、株主への利益還元に積極的である。
電動化技術や自動運転、精密農業、医療分野など、未来の社会課題を解決する新規事業へ積極的に投資。M&Aも活用し、持続的な成長を目指している。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 38.33円 | 25.8% |
| FY2022/3 | 41.67円 | 24.4% |
| FY2023/3 | 48.33円 | 88.6% |
| FY2024/3 | 16.67円 | 45.4% |
| FY2025/3 | 11.67円 | 70.3% |
| 権利確定月 | 12月 |
配当方針として安定的な還元を重視しており、連結配当性向30%以上を目安に、業績に応じた還元を行っています。近年の利益減少に伴い一時的に配当性向は上昇しましたが、中期的な利益成長による増配を基本姿勢としています。株主優待も活用し、長期的かつ安定的な株主価値の向上を目指しています。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ヤマハ発動機は二輪車やマリン事業を軸にグローバル展開していますが、FY2025/3は原材料価格の高騰や需要減速の影響を受け、売上収益2兆5,342億円、純利益161億円と大幅な減益を記録しました。一方で、FY2026/3に向けては電動化や新規事業の成長による収益回復を見込んでおり、純利益は1,000億円まで改善する計画を立てています。為替変動リスクや物流コストの影響を注視しつつ、強固な製品ポートフォリオを通じて着実な成長を図っています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.3% | 8.5% | 10.1% |
| FY2022/3 | 16.5% | 8.0% | 10.0% |
| FY2023/3 | 13.9% | 6.4% | 10.4% |
| FY2024/3 | 8.8% | 3.9% | 7.0% |
| FY2025/3 | 1.3% | 0.6% | 5.0% |
収益性は、FY2021/3からFY2022/3にかけて営業利益率10%前後を維持するなど高水準を維持していましたが、FY2025/3には利益圧迫により営業利益率が5.0%、ROEが1.3%まで低下しました。これは世界的な経済環境の変化によるコスト増が利益率を直接的に押し下げたことが主因です。今後はコスト構造の見直しと高付加価値製品へのシフトにより、収益性の再浮上を目指す方針です。
財務は安全?
財務健全性は、総資産が約2兆9,026億円まで拡大する一方で、自己資本比率はFY2025/3時点で39.0%となっています。FY2024/3以降、有利子負債を約2,000億円規模で保有する構成へ移行しており、事業投資や設備投資のための資金調達を積極的に行っている様子が伺えます。現時点では健全な財務基盤を維持していますが、成長投資と財務規律のバランスが今後の焦点となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,413億円 | -510億円 | -935億円 | 903億円 |
| FY2022/3 | 709億円 | -742億円 | 231億円 | -32.4億円 |
| FY2023/3 | 802億円 | -1,170億円 | 953億円 | -368億円 |
| FY2024/3 | 1,768億円 | -1,287億円 | -464億円 | 481億円 |
| FY2025/3 | 1,386億円 | -861億円 | -304億円 | 525億円 |
営業キャッシュフローは堅調に推移し、FY2025/3には約1,386億円を創出しています。成長投資として年間861億円の投資支出を継続しつつ、フリーキャッシュフローは524億円を確保しており、事業の自己完結能力は維持されています。財務キャッシュフローは適宜借入や配当を通じた調整が行われており、バランスの取れた資金運用が行われています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,894億円 | 338億円 | 17.9% |
| FY2022/3 | 2,393億円 | 649億円 | 27.1% |
| FY2023/3 | 2,420億円 | 779億円 | 32.2% |
| FY2024/3 | 1,815億円 | 734億円 | 40.5% |
| FY2025/3 | 1,264億円 | 1,103億円 | 87.3% |
FY2025/3の実効税率は約87.3%と一時的に非常に高くなっています。これは利益水準の大幅な変動に伴う税務上の調整や、一時的な費用の計上が影響しています。通常期の税負担は概ね30%前後で推移しており、業績の回復とともに標準的な水準へ回帰する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 835万円 | 55,176人 | - |
従業員平均年収は835万円であり、製造業の平均水準を大きく上回る高水準です。これは、二輪車やマリン製品といった高付加価値な製品を世界展開し、着実な業績拡大を続けていることが背景にあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はNORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)。
日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合が非常に高い構成です。ヤマハ株式会社やトヨタ自動車といった事業会社も名を連ねており、安定した関係性を維持しつつ、グローバルな資本政策を推進しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、為替変動リスクやグローバルな原材料価格の高騰を明記しています。売上収益2兆5,342億円という巨大な規模を誇りつつも、地政学リスクや環境規制への対応を経営の最重要課題と位置付けています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は35.7%に達しており、多様性を重視した先進的なガバナンス体制を構築しています。監査体制においても2億8,200万円の監査報酬を投じており、グローバル企業に相応しい厳格な監視機能と透明性を確保しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2兆7,000億円 | — | 2兆5,342億円 | -6.1% |
| FY2024 | 2兆6,000億円 | — | 2兆5,762億円 | -0.9% |
| FY2023 | 2兆4,500億円 | — | 2兆4,148億円 | -1.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,800億円 | — | 1,264億円 | -29.8% |
| FY2024 | 2,600億円 | — | 1,815億円 | -30.2% |
| FY2023 | 2,300億円 | — | 2,507億円 | +9.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中期経営計画(FY22-24)では売上高・営業利益率ともに目標をクリアし、一定の成果を上げました。しかし、直近2期(FY24, FY25)の業績は、期初予想から大幅な下方修正を余儀なくされており、外部環境の変化に対する耐性に課題を残しています。FY2026の計画では売上高2.7兆円、営業利益1,800億円とV字回復を目指しており、為替変動や新興国市場の動向が達成の鍵を握ります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間(FY2021-2025)の株主総利回り(TSR)を見ると、FY2025を除いて一貫してTOPIXを上回るパフォーマンスを記録していました。特にFY2023には197.9%と、TOPIXの141.1%を大きくアウトパフォームしており、これはコロナ禍後の二輪車需要の回復や好調なマリン事業が株価を押し上げたことが背景にあります。しかし、FY2025は業績の減速懸念から株価が軟調に推移し、TOPIXをアンダーパフォームする結果となりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 136.6万円 | +36.6万円 | 36.6% |
| FY2022 | 154.5万円 | +54.5万円 | 54.5% |
| FY2023 | 197.9万円 | +97.9万円 | 97.9% |
| FY2024 | 225.7万円 | +125.7万円 | 125.7% |
| FY2025 | 195.7万円 | +95.7万円 | 95.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは1倍を割れ、PERも業界平均を下回っており、市場からは割安と評価されている可能性があります。一方で、信用倍率は17.70倍と高く、信用買い残が積み上がっているため、将来的な需給悪化には注意が必要です。配当利回りは業界平均を上回っており、株価の下支え要因となる可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
独・自動車部品メーカーのe-Kit事業子会社を買収し、欧州市場でのEV事業拡大を加速。
2026年12月期の業績大幅回復見通しが市場で好感され、株価が急伸。
物流倉庫におけるマッスルスーツ導入など、労働環境改善とDX推進を継続。
最新ニュース
ヤマハ発動機 まとめ
ひとめ診断
「『バイクの王様』が、船やロボット、そして農業やe-Bikeなど新領域へアクセルを踏み込む総合モビリティ企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「輸送用機器」に分類される他の企業
『運ぶ』を支える商用車大手が、UD買収とボルボ提携で次世代物流の覇権を狙う
フォークリフト世界首位・トヨタグループの源流企業。TOB成立で非公開化へ
世界販売台数首位──マルチパスウェイ戦略で全方位電動化を推進する日本最大のモビリティカンパニー
トヨタグループの技術の心臓──EV・半導体・サーマルで自動車の未来をつくる世界No.2自動車部品メーカー
日産依存7割の車体プレス大手、赤字からのV字回復を目指し構造改革の真っ只中
国内シェア6割の消防車ガリバー、盤石な収益基盤を元手にEV化と海外M&Aで成長を狙う
縁の下のタイヤバルブ世界首位、MBOで変革のアクセルを踏み込むトヨタ系部品メーカー
日本の物流を支える『トラックの骨格』で国内トップ、5期連続増配で株主還元も強化する堅実メーカー