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曙ブレーキ工業

AKEBONO BRAKE INDUSTRY CO.,LTD.

最終更新日: 2026年3月28日

ROE0.3%
BPS20.4円
自己資本比率38.6%
FY2025/3 有報データ

事業再生から再成長へ、世界の安全を足元から支えるブレーキの巨人

事業再生を成し遂げた強固な基盤の上で、電動化など次世代のモビリティ社会においても、世界トップクラスの安全・安心を提供するブレーキメーカーとして再成長を遂げます。

この会社ってなに?

あなたが毎日乗るかもしれない自動車。その安全を根幹で支えているのが「ブレーキ」です。曙ブレーキ工業は、そのブレーキシステムを開発・製造している専門メーカーです。普段、街で見かけるトヨタや日産をはじめ、世界中の多くの自動車に同社の製品が搭載されています。もしかしたら、あなたの愛車のブレーキも「akebono」製かもしれません。さらに、その技術は自動車だけでなく、新幹線やオートバイの安全な停止にも貢献しており、私たちの移動の裏側で重要な役割を担っています。

独立系ブレーキ大手、曙ブレーキ工業は事業再生ADRを経て再建途上にあります。直近の2025年3月期決算では、売上高1,616.7億円、営業利益31.24億円を計上しましたが、純利益は1.68億円と依然として収益性の低さが課題です。2025年度からの中期経営計画「基盤再構築」を始動させ、財務体質の強化と次世代製品開発を推進し、2028年度以降の「再成長」を目指しています。株価は再建への期待感から底値から回復傾向にあるものの、本格的な業績回復と株価上昇には中計の着実な実行が鍵となります。

輸送用機器プライム市場

会社概要

業種
輸送用機器
決算期
3月
本社
埼玉県羽生市東五丁目4番71号
公式
www.akebono-brake.com

社長プロフィール

長岡 宏
長岡 宏
代表取締役社長 CEO
挑戦者
事業再生ADRを完了し、新たな成長ステージへと舵を切りました。2025年度からの中期経営計画では「基盤再構築」を掲げ、将来の「再成長」を目指します。電動化などの変化に対応し、グローバル市場、特にインド市場への展開も視野に入れ、企業価値向上に努めます。

この会社のストーリー

1929
曙ブレーキ工業の創業

石井治郎が「曙石綿工業合資会社」として創業し、日本の自動車産業の黎明期からブレーキ製品の開発・製造を開始した。

1961
東京証券取引所へ上場

事業の成長を背景に、東京証券取引所に株式を上場。ブレーキ専門メーカーとして社会的な信用を高め、事業拡大の基盤を築いた。

1979
米国進出とグローバル化の加速

米国のゼネラルモーターズ(GM)社にディスクブレーキ用パッドを納入開始。これを皮切りに海外展開を本格化させ、グローバルな部品メーカーへと飛躍した。

2007
モータースポーツへの挑戦

F1のマクラーレン・メルセデスチームにブレーキシステムを供給開始。世界最高峰のレースで技術力を証明し、ブランドイメージを向上させた。

2019
事業再生ADRの申請

北米事業の不振などが響き、経営が悪化。私的整理の一種である事業再生ADRを申請し、厳しい経営再建の道のりが始まった。

2024
事業再生計画の完了

スポンサー支援のもとで財務体質の改善を進め、事業再生ADR手続を完了。継続企業の前提に関する注記も解消され、経営正常化への大きな一歩を踏み出した。

2025
新中期経営計画の策定

長岡宏新CEOのもと、「基盤再構築」をテーマとする新中期経営計画を策定。2028年度以降の「再成長」に向けた新たなスタートを切った。

注目ポイント

事業再生からのV字回復期待

2019年に事業再生ADRを申請しましたが、2024年に計画を完了。財務体質が改善し、経営は正常化へ向かっています。ここからのV字回復と再成長が期待される注目のフェーズです。

電動化時代を見据えた技術開発

競合他社に先行して「電動サービスブレーキ」の開発を推進。EVシフトという自動車業界の大変革期において、新たな市場を切り拓く技術力を持っています。

「再成長」へ向けた新中期経営計画

2025年度から「基盤再構築」をテーマにした新中期経営計画が始動。収益性の改善やインドなど新市場への展開を掲げ、2028年度以降の本格的な成長を目指す明確なビジョンがあります。

サービスの実績は?

1,616.7億円
連結売上高
2025年3月期実績
-2.8% YoY
31.24億円
連結営業利益
2025年3月期実績
-0.9% YoY
1.68億円
親会社株主に帰属する当期純利益
2025年3月期実績
-95.1% YoY
66%
海外売上高比率
2025年3月期時点(会社四季報より)
0
1株当たり配当金
2025年3月期実績
13期連続無配

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
なし
配当なし
安全性
普通
自己資本比率 38.6%
稼ぐ力
普通
ROE 0.3%
話題性
普通
ポジティブ 45%

配当・優待はもらえる?

もらえません
1株配当(最新期)
0
方針: 業績の安定と成長を優先し、現在は無配。
1株配当配当性向
FY2021/300.0%
FY2022/300.0%
FY2023/300.0%
FY2024/300.0%
FY2025/300.0%
株主優待
なし

現在、株主優待制度は実施しておりません。

当社は事業再生の過程にあり、現在は財務体質の強化と将来の再成長に向けた投資を最優先としているため、長らく無配を継続しております。株主への利益還元については、経営再建の進展とともに検討される方針です。早期の業績回復を通じ、安定的な配当実施を目指す体制づくりが期待されています。

同業比較(収益性)

輸送用機器の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
0.3%
業界平均
7.4%
営業利益率下回る
この会社
1.9%
業界平均
7.4%
自己資本比率下回る
この会社
38.6%
業界平均
40.9%

業績推移

儲かってるの?

まあまあです
売上高
FY2022/31,355億円
FY2023/31,540億円
FY2024/31,663億円
FY2025/31,617億円
営業利益
FY2022/342.4億円
FY2023/31.9億円
FY2024/331.5億円
FY2025/331.2億円

当社の売上高はFY2021/3の約1,340億円から増加傾向にあり、FY2024/3には約1,663億円まで成長しました。一方で、近年の利益面では、構造改革の影響や原料価格の高騰を背景に変動が続いており、FY2025/3は純利益が約1.7億円まで減少しました。次期FY2026/3予想では、事業再生後の収益基盤再構築に向けて約40億円の営業利益を確保する計画を掲げています。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
0.3%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
0.1%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
1.9%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/3-27.9%-9.0%-0.4%
FY2022/38.5%3.0%3.1%
FY2023/31.9%0.7%0.1%
FY2024/35.7%2.3%1.9%
FY2025/30.3%0.1%1.9%

収益性については、FY2021/3の営業損失から回復を見せ、FY2022/3以降はプラスの営業利益率を維持しています。しかし、売上高利益率は依然として2%以下の水準に留まっており、収益性の改善が最優先課題です。ROEも低水準で推移していることから、今後は生産効率の向上と高付加価値製品へのシフトによる本格的な利益率の向上が期待されます。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率38.6%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
1,007億円
会社の純資産
559億円

財務健全性については、FY2024/3以降に有利子負債が大幅に増加しており、負債の圧縮が重要な経営課題となっています。自己資本比率はFY2025/3時点で38.6%まで向上しましたが、依然として債務負担は大きい状態です。今後は、営業キャッシュフローの着実な創出を通じた有利子負債の削減と財務基盤の安定化が求められています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+14.5億円
営業CF
投資に使ったお金
+59.7億円
投資CF
借入・返済など
-185億円
財務CF
手元に残ったお金
+74.2億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/355.9億円-27.4億円-49.8億円28.4億円
FY2022/354.7億円-22.4億円-11.5億円32.4億円
FY2023/346.5億円-64.3億円-17.4億円-17.8億円
FY2024/376.2億円-35.2億円-19.2億円41.1億円
FY2025/314.5億円59.7億円-185億円74.2億円

営業キャッシュフローは安定して黒字を維持していますが、投資や返済の規模によりフリーキャッシュフローは変動しています。FY2025/3は投資活動によるキャッシュフローがプラスとなりましたが、これは資産売却等による一時的な要因を含んでいる可能性があります。負債の返済を着実に進められる持続的な営業キャッシュフローの拡大が、今後の再建成功のカギとなります。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください
2対処すべき課題 ② 上場維持基準への適合」に記載の取り組みを実施してまいります

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/3-18.1億円0円-
FY2022/360.7億円19.2億円31.6%
FY2023/322.6億円13.0億円57.4%
FY2024/337.8億円3.3億円8.7%
FY2025/3-22.7億円0円-

税引前利益が赤字の期は法人税等の負担が発生せず、黒字の期には業績に応じて納税が行われています。実効税率が年度ごとに大きく変動しているのは、繰越欠損金の解消状況や一時的な会計上の調整による影響です。今後、業績が安定化すれば、一般的な税率水準に収束していくものと考えられます。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
696万円
従業員数
5,351
平均年齢
45.7歳
平均年収従業員数前年比
当期696万円5,351-

従業員の平均年収は696万円と、自動車部品メーカーの業界水準と比較しても比較的堅実な水準を維持しています。過去の経営再建の影響を受けながらも、技術者の確保と育成を重視し、安定的な雇用維持に努めていることが平均勤続年数20.5年という数値に表れています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主20.8%
浮動株79.2%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関6.1%
事業法人等14.7%
外国法人等2.7%
個人その他75.5%
証券会社1%

外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はトヨタ自動車・いすゞ自動車。

ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合(137,776,000株)50.76%
トヨタ自動車株式会社(15,495,000株)5.7%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(12,663,000株)4.66%
いすゞ自動車株式会社(12,111,000株)4.46%
曙ブレーキ誠和魂従業員持株会(2,878,000株)1.06%
林 勇一郎(2,300,000株)0.84%
セコム株式会社(2,000,000株)0.73%
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(2,000,000株)0.73%
スズキ株式会社(1,751,000株)0.64%
大塚化学株式会社(1,630,000株)0.6%

筆頭株主であるジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)系が50.76%を保有しており、事業再生を経た強固な支援体制が株主構成の最大の特徴です。トヨタ自動車やいすゞ自動車などの主要な自動車メーカーも一定の比率で出資を続けており、業界内でのサプライヤーとしての重要性がうかがえます。

会社の公式開示情報

役員報酬

8,400万円
取締役3名の合計

自動車用ブレーキ専門メーカーとして、国内外のOEM向け事業が収益の柱です。EDINET開示データからは、事業再生ADRの終了による債務懸念の解消や、電動サービスブレーキ等の次世代製品への投資、管理体制の再構築といったリスク低減と成長に向けた注力分野が明確に読み取れます。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 7名)
女性 0名(0.0% 男性 7
100%
監査報酬
7,500万円
連結子会社数
18
設備投資額
58.7億円
平均勤続年数(従業員)
20.5
臨時従業員数
1079

女性役員比率が0.0%である点は課題ですが、再建計画に基づく基盤再構築を優先しており、今後は多様性の確保を含めたガバナンス改革が期待されます。18社の連結子会社を抱え、監査報酬7,500万円を投じてグローバルなガバナンス体制と内部統制の強化を図っています。

会社の計画は順調?

C
総合評価
事業再生後の計画は利益目標の未達が目立ち、収益性の改善が急務。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

中期経営計画「基盤再構築」
FY2025〜FY2027
売上高: 目標 1,594億円 順調 (1,616.7億円)
101.4%
営業利益: 目標 50億円 やや遅れ (31.24億円)
62.5%
当期純利益: 目標 3億円 やや遅れ (1.68億円)
56%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20231,520億円1,540億円+1.3%
FY20241,673億円1,663億円-0.6%
FY20251,546億円1,594億円1,617億円+4.6%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202330億円2億円-93.8%
FY202435億円32億円-9.9%
FY202540億円50億円31億円-21.9%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

事業再生ADR完了後、2025年度から3カ年の新中期経営計画「基盤再構築」をスタートしました。最終年度(FY2027)の目標として営業利益50億円を掲げていますが、直近のFY2025実績は31.24億円と、目標達成には収益性の抜本的な改善が不可欠です。過去の業績予想を振り返ると、売上高は概ね予想通りに推移するものの、営業利益は期初予想を大幅に下回る傾向が続いており、コスト管理や生産性向上が計画達成の鍵を握ります。投資家としては、利益目標の達成確度を慎重に見極める必要があります。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、2019年に申請した事業再生ADRに象徴される深刻な経営不振と、それに伴う株価の長期低迷、そして無配継続が直接的な原因です。事業再生ADR完了後の再建途上にあり、株主への十分なリターンを提供できていないのが現状です。今後のTSR改善には、中期経営計画の達成による業績のV字回復と、将来的な復配が絶対条件となります。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合-31.0%
100万円 →69.0万円
-31.0万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021126.5万円+26.5万円26.5%
FY2022101.3万円+1.3万円1.3%
FY202393.5万円-6.5万円-6.5%
FY202494.2万円-5.8万円-5.8%
FY202569.0万円-31.0万円-31.0%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残4,183,500株
売り残864,000株
信用倍率4.84倍
2026年3月19日時点
今後の予定
2026年3月期 第1四半期決算発表2025年8月上旬
2026年3月期 第2四半期決算発表2025年11月上旬
定時株主総会2025年6月下旬

PERは122.8倍と業界平均に比べて著しく高く、将来の利益回復を大幅に織り込んだ水準と言えます。PBRは1.05倍と業界平均に近く、解散価値に近い評価です。信用倍率は4.84倍と比較的高く、将来の株価上昇を見込んだ信用買い残が多い状況ですが、これは将来の売り圧力にもなり得ます。当面は無配が継続する見込みで、インカムゲインは期待できません。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや好調
報道件数(30日)
48
前月比 +12.5%
メディア数
22
日本経済新聞, 株探, 会社四季報オンライン, 日刊自動車新聞 ほか
業界内ランキング
上位 35%
輸送用機器業種 80社中 28位
報道のトーン
45%
好意的
35%
中立
20%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・財務40%
経営戦略30%
事業再生20%
海外展開10%

最近の出来事

2025年8月中計策定

2025年度から2027年度の「基盤再構築」を目指す中期経営計画を公表。

2025年11月疑義解消

支援後の債務完済により、長年課題であった継続疑義注記の記載を解消。

2026年2月業績上方修正

通期連結業績予想を上方修正し、営業利益50億円、最終利益3億円を見込む。

曙ブレーキ工業 まとめ

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
なし
配当なし
安全性
普通
自己資本比率 38.6%
稼ぐ力
普通
ROE 0.3%
話題性
普通
ポジティブ 45%

「事業再生ADRから生還した老舗ブレーキメーカー、財務改善と成長戦略のアクセルを踏み込む正念場」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU