創業ストーリー
発明王・豊田佐吉が自動織機の製造・販売のために設立。トヨタグループの源流企業として誕生
産業車両の製造を開始。後に世界シェア首位を獲得し、現在の主力事業に成長
フォークリフト単体からトータル物流ソリューションへ事業を拡大。倉庫自動化にも注力
オランダの空港・物流自動化大手Vanderlandeを約1,900億円で買収。グローバル物流ソリューション企業へ飛躍
TOB成立により非公開化へ。約5.9兆円の買収でトヨタグループの完全子会社となり、グループ再編の新章が始まる
TOYOTA INDUSTRIES CORPORATION
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
あなたの身の回りの物流を支えるフォークリフト、車のエアコン、工場の自動倉庫——これらを世界トップクラスの技術で手がけるのが豊田自動織機です。トヨタグループの「モノづくりの原点」として、社会インフラを支える存在です。
豊田自動織機は1926年に豊田佐吉が設立したトヨタグループの源流企業です。フォークリフト(トヨタL&Fブランド)で世界シェア首位、カーエアコン用コンプレッサーでも世界トップを誇ります。産業車両・物流ソリューション、自動車部品、繊維機械の3事業を柱とし、売上高は4.1兆円規模。2025年6月にトヨタ自動車グループがTOB(株式公開買付け)を発表し、2026年3月に1株20,600円で成立。買収総額は約5.9兆円で、2026年5月中旬の臨時株主総会を経て上場廃止予定です。グループ再編により、重複事業の整理と経営効率の向上が期待されています。
トヨタL&Fブランドのフォークリフトで世界首位。産業車両・物流ソリューション事業は全社利益の約5割を稼ぐ大黒柱です
カーエアコン用コンプレッサーで世界シェア首位。トヨタ車の快適な空調を支える縁の下の力持ちです
豊田佐吉の自動織機から始まった「研究と創造の精神」。繊維機械でも世界トップシェアを維持し、創業事業を大切にする企業文化が光ります
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
トヨタ向けカーエアコン用コンプレッサー(世界首位)、エンジン、ターボチャージャー、駆動系部品。トヨタの生産台数に連動
トヨタL&Fブランドのフォークリフト(世界首位)、Vanderlande社の物流自動化システム、倉庫ソリューション。利益の柱
エアジェット織機で世界トップシェア。創業事業であり高い技術力と利益率を維持
電子機器、コンプレッサー(非車載)、不動産事業など。安定的に利益を創出
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.8% | 2.1% | 5.6% |
| 2022/03期 | 5.0% | 2.4% | 5.9% |
| 2023/03期 | 5.0% | 2.5% | 5.0% |
| 2024/03期 | 4.6% | 2.1% | 5.2% |
| 2025/03期 | 4.8% | 2.8% | 5.4% |
ROEは5.2%(2025/03期)で改善傾向にあるものの、純資産が5兆円と巨大なため数値としては低水準です。営業利益率は5.0〜5.9%で安定推移。2024/03期のROE低下(3.7%)は、保有株式の評価替えによる純資産膨張が主因でした。非公開化後はトヨタグループ内での資本効率改善が進む見込みです。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.1兆円 | 1,182億円 | 1,367億円 | 440.3円 | - |
| 2022/03期 | 2.7兆円 | 1,591億円 | 1,803億円 | 580.7円 | +27.7% |
| 2023/03期 | 3.4兆円 | 1,699億円 | 1,929億円 | 621.2円 | +24.9% |
| 2024/03期 | 3.8兆円 | 2,004億円 | 2,288億円 | 736.9円 | +13.4% |
| 2025/03期 | 4.1兆円 | 2,217億円 | 2,623億円 | 857.0円 | +6.6% |
売上高は5期連続で増収を達成し、2025/03期には4.1兆円を突破。営業利益も2,217億円と過去最高を更新しました。2026/03期予想は売上高4.0兆円・営業利益1,800億円と減収減益見通しで、フォークリフト用エンジン認証問題に起因する米国集団訴訟の和解金や米国関税の影響が主因です。なお、TOB成立により非公開化後の業績開示は変わる見込みです。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 約2.0兆円 | 約600億円 | 3.0% |
| 産業車両・物流 | 約1.6兆円 | 約1,200億円 | 7.5% |
| 繊維機械 | 約1,300億円 | 約180億円 | 13.8% |
| その他 | 約2,500億円 | 約237億円 | 9.5% |
セグメント別では産業車両・物流が利益の約5割を稼ぐ大黒柱。売上では自動車事業が最大ですが、利益率3.0%と薄利です。繊維機械は売上規模こそ小さいものの利益率13.8%と最も高収益。Vanderlande社買収以降、物流ソリューション事業の拡大が成長戦略の中心となっています。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 2,500億円 | 2,200億円 | 2,217億円 | -11.3% |
| 2024/03期 | 2,100億円 | — | 2,004億円 | -4.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
売上高は2030年ビジョンの中間目標である4兆円規模を前倒しで達成。しかし営業利益率7%・ROE 10%の目標には届いていません。エンジン認証問題による特別損失やブランド毀損が計画達成を妨げました。TOB成立による非公開化後は、トヨタグループ全体での事業再編・効率化が新たな戦略の軸となります。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
発明王・豊田佐吉が自動織機の製造・販売のために設立。トヨタグループの源流企業として誕生
産業車両の製造を開始。後に世界シェア首位を獲得し、現在の主力事業に成長
フォークリフト単体からトータル物流ソリューションへ事業を拡大。倉庫自動化にも注力
オランダの空港・物流自動化大手Vanderlandeを約1,900億円で買収。グローバル物流ソリューション企業へ飛躍
TOB成立により非公開化へ。約5.9兆円の買収でトヨタグループの完全子会社となり、グループ再編の新章が始まる
トヨタグループによるTOBが成立。買付価格1株20,600円、買収総額約5.9兆円。5月中旬に上場廃止予定
2026/03期 第3四半期累計(4-12月)決算発表。最終利益は前年同期比24.7%減の1,869億円
TOB価格を当初18,800円から20,600円に引き上げ。アクティビスト対応で約15%上乗せ
フォークリフト用エンジン認証問題の米国集団訴訟和解金・関税影響を反映し通期予想を下方修正
トヨタ自動車グループが豊田自動織機の非公開化に向けTOB計画を発表。グループ再編の一環

モノづくりの原点を守りながら、物流ソリューション企業として進化し続ける。トヨタグループの一員として、世界の物流インフラを支えていきます。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
総資産は9.4兆円規模で、自己資本比率52.2%と健全な財務体質を維持。2024/03期に総資産が11兆円に急増したのは、保有するトヨタ自動車株の時価上昇による影響です。2025/03期にはトヨタ株の一部売却などで9.4兆円に圧縮。BPSは16,273円で、TOB価格20,600円はPBR約1.27倍に相当します。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 4,436億円 | 479億円 | 2,095億円 | 4,915億円 |
| 2025/03期 | 1,716億円 | 434億円 | 1,987億円 | 1,282億円 |
営業CFは2024/03期に4,436億円と最高水準を記録しましたが、2025/03期は1,716億円に減少。投資CFのプラス(2024/03期)はトヨタグループ間の持合い株式整理による売却収入が含まれます。FCFは2024/03期の4,915億円から2025/03期は1,282億円に縮小しましたが、引き続き黒字を確保しています。
取締役11名中女性1名(9.0%)で、多様性の確保は課題として認識されています。役員報酬は取締役8名に対して3億9,500万円(1人当たり約4,940万円)と、同規模企業の中ではやや控えめな水準です。監査報酬1億9,400万円は企業規模に見合った体制を構築しています。平均勤続年数18.3年と、長期雇用を重視する企業文化です。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 842万円 | 79,454人 | - |
平均年収842万円は、トヨタグループの中でもデンソー(863万円)に次ぐ水準で、愛知県の製造業としてはトップクラスです。連結従業員数は約7.9万人とグローバルに展開しており、平均年齢41歳と比較的若い組織構成です。平均勤続年数は18.3年と長期雇用が根付いた企業文化を維持しています。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSR(株主総利回り)は265.2%で、TOPIXの213.4%を約52ポイント上回りました。特に2024期のトヨタ株上昇と連動した株価上昇、およびTOBプレミアムが寄与しています。配当を含めた総合リターンでも市場平均を大きく上回る実績です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 120円 | 20.6% |
| 2017/03期 | 125円 | 29.7% |
| 2018/03期 | 150円 | 27.7% |
| 2019/03期 | 155円 | 31.5% |
| 2020/03期 | 160円 | 34.1% |
| 2021/03期 | 150円 | 34.1% |
| 2022/03期 | 170円 | 29.3% |
| 2023/03期 | 190円 | 30.6% |
| 2024/03期 | 240円 | 32.6% |
| 2025/03期 | 280円 | 32.7% |
株主優待制度なし
4期連続増配を達成し、年間配当は150円(2021/03期)から280円(2025/03期)へと87%増加。配当性向は30〜35%で安定しています。2026/03期予想は280円で据え置きですが、TOB成立により上場廃止後は配当方針が変更される可能性があります。なお、株主優待制度は実施していません。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 193.2万円 | 93.2万円 | 93.2% |
| 2022期 | 169.7万円 | 69.7万円 | 69.7% |
| 2023期 | 151.7万円 | 51.7万円 | 51.7% |
| 2024期 | 316.6万円 | 216.6万円 | 216.6% |
| 2025期 | 265.2万円 | 165.2万円 | 165.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
PERは25.6倍で業界平均の約2倍。PBRも1.26倍と業界平均を上回っていますが、これはTOB価格(20,600円)に株価が収斂していることが影響しています。TOB成立済みのため、今後の株価は上場廃止に向けてTOB価格近辺で推移する見込みです。信用倍率4.40倍と買い残がやや多い状況です。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 3,092億円 | 804億円 | 26.0% |
| 2025/03期 | 3,515億円 | 892億円 | 25.4% |
EDINET開示データでは税額の個別内訳が取得できていません。国際会計基準(IFRS)を採用しており、実効税率の詳細は有価証券報告書でご確認ください。2026/03期予想の税引前利益1,800億円に対し純利益2,400億円と逆転していますが、これはトヨタ株式売却益等の税効果が影響しています。
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フォークリフト世界首位・トヨタグループの源流企業。TOB成立で非公開化へ
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU