市光工業
ICHIKOH INDUSTRIES,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
100年以上の歴史を誇る光のパイオニア、未来のモビリティを照らし出す
あらゆる場所に光を届け、安全・安心・快適でサステナブルなモビリティ社会の未来を創造すること。
この会社ってなに?
あなたが夜道を運転するとき、前を明るく照らしてくれるヘッドライト。雨や霧の日、後ろの車に自分の存在を知らせるテールランプやブレーキランプ。実は、普段何気なく目にしているこれらの自動車の「目」とも言える部品を、市光工業は作っています。最近の新型車でよく見る、流れるように光るウインカーや、デザイン性の高いライトにも、この会社の技術が活かされているかもしれません。あなたの安全なドライブを、車の外側から支えている会社です。
自動車用ランプ大手の市光工業は、仏ヴァレオの連結子会社として事業を展開しています。直近の2025年12月期決算では、売上高1,170.9億円(前期比6.7%減)、営業利益58.15億円(同19.1%増)と減収増益を達成しました。用品事業の売却による減収を、コスト構造の改善や高付加価値製品の投入でカバーした形です。親会社ヴァレオとの協業により、LED化の深化や次世代ライティング技術開発を加速させており、収益性向上が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 12月
- 本社
- 神奈川県伊勢原市板戸80
- 公式
- www.ichikoh.com
社長プロフィール

フランスのヴァレオグループとの強固な連携のもと、1世紀以上にわたる歴史で培った技術力で、自動車照明の未来を切り拓きます。安全・安心・快適・サステナブルなモビリティの実現に向け、革新的なライティングソリューションを提供し続けることで、企業価値の持続的な向上を目指します。
この会社のストーリー
創業者の萩野卯太郎が「白光舎」を設立。日本のモータリゼーション黎明期に、アセチレンランプの製造・販売を開始した。
事業拡大に伴い、社名を現在の「市光工業株式会社」に変更。自動車用ランプメーカーとしての基盤を確立していく。
夜間の視認性を飛躍的に向上させるハロゲンヘッドランプを日本で初めて開発・生産し、自動車の安全性向上に大きく貢献した。
グローバルな事業展開を加速するため、世界有数の自動車部品メーカーであるフランスのヴァレオ社と照明事業分野で提携を開始した。
世界的な金融危機の影響で自動車業界全体が打撃を受け、投資有価証券の評価損を計上するなど、厳しい経営環境に直面した。
ヴァレオ社による株式公開買付け(TOB)を経て、同社の連結子会社となる。グローバルな開発・生産体制がさらに強化された。
Japan Mobility Showにて、路面に情報を投影する「ニアフィールドプロジェクション」など、SDV時代を見据えた革新的な技術を発表。
インドのタタグループとの合弁会社設立を発表。成長著しいインド市場での事業拡大を図り、グローバルなプレゼンス向上を目指す。
注目ポイント
世界的な自動車部品メーカー、仏ヴァレオグループの一員です。グローバルな技術力とネットワークを活かし、次世代の自動車ライティング技術開発をリードしています。
1903年創業。日本初のハロゲンヘッドランプ開発など、常に業界の先駆者として走り続けてきました。歴史に裏打ちされた高い技術力で、未来のモビリティを創造します。
路面に情報を映し出すプロジェクション技術や、デザイン性の高いe-Grilleなど、単なる照明にとどまらない「光」の新たな価値を提案。自動運転時代に不可欠な技術を開発しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 7円 | 16.9% |
| FY2022/3 | 9円 | 19.6% |
| FY2023/3 | 11円 | 13.5% |
| FY2024/3 | 13円 | 28.0% |
| FY2025/3 | 14円 | 21.7% |
株主優待制度は実施していません。
同社は業績連動を基本としつつ、安定的な配当の継続を重視する方針を掲げています。近年は増配傾向が続いており、株主還元への意識が高まっています。利益成長に見合った安定的かつ持続的な配当により、株主への利益還元を図る姿勢が示されています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
市光工業の業績は、自動車メーカーの生産調整や製品ポートフォリオの入れ替えによる売上高の変動が顕著となっています。2025年3月期は売上高1,171億円と減収ながらも、利益面では営業利益約58億円を確保するなど効率化による底堅さを示しました。2026年3月期も安定的な推移が見込まれるものの、自動車業界特有の生産環境の変化が引き続き注視すべき要因です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.1% | 3.5% | 4.4% |
| FY2022/3 | 8.0% | 3.5% | 2.9% |
| FY2023/3 | 12.1% | 6.1% | 5.1% |
| FY2024/3 | 6.3% | 3.4% | 3.9% |
| FY2025/3 | 7.7% | 4.8% | 5.0% |
収益性については、2023年3月期にROEが12.1%まで上昇しましたが、直近では7%台の安定した水準で推移しています。営業利益率は概ね3%から5%の間で安定しており、製造業としての一定の収益コントロール力を有しています。今後は電動化や次世代ライティング技術への投資回収を通じた利益率の向上が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は年々向上しており、自己資本比率は2025年3月期時点で61.0%と非常に高い水準にあります。有利子負債は極めて限定的であり、無借金経営に近い強固な財務体質を構築しています。潤沢な自己資本を背景に、将来の成長投資や株主還元を柔軟に実施できる基盤が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 92.1億円 | -66.8億円 | -23.5億円 | 25.3億円 |
| FY2022/3 | 130億円 | -59.1億円 | -44.0億円 | 70.9億円 |
| FY2023/3 | 134億円 | -96.1億円 | -38.0億円 | 37.6億円 |
| FY2024/3 | 110億円 | -47.3億円 | -30.4億円 | 63.2億円 |
| FY2025/3 | 120億円 | -108億円 | -21.2億円 | 12.5億円 |
営業キャッシュフローは毎期100億円規模を安定的に創出しており、強固な本業の稼ぐ力が確認できます。投資活動においては成長に向けた設備投資や子会社化を積極的に実施しており、一時的にフリーキャッシュフローが縮小する局面もあります。総じて健全なキャッシュ創出能力を維持しており、経営の安定性は高いと言えます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 65.1億円 | 25.2億円 | 38.8% |
| FY2022/3 | 53.5億円 | 9.3億円 | 17.3% |
| FY2023/3 | 81.3億円 | 2.9億円 | 3.6% |
| FY2024/3 | 65.2億円 | 20.5億円 | 31.4% |
| FY2025/3 | 75.7億円 | 13.6億円 | 18.0% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益に応じて変動しており、税効果会計や繰越欠損金の適用などにより実効税率は年度間でバラつきが見られます。2023年3月期は低水準でしたが、以降は標準的な範囲内に収まっています。将来の税負担を予測する際は、業績動向とともに適用される税制優遇措置を確認することが重要です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 649万円 | 2,693人 | - |
従業員の平均年収は649万円となっており、自動車部品業界の中堅から大手企業として安定した水準を維持しています。近年は収益性の改善が進んでいるものの、親会社の方針やグローバルな市場環境、為替変動が業績に直結しやすく、賞与等の支給額が年度ごとに変動する傾向があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はヴァレオ・マネジメント (常任代理人 三菱UFJ銀行、みずほ証券)・BNP PARIBAS MADRID / 2S / JASDEC / SPANISH RESIDENTS / UCITS ASSETS(常任代理人 香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ)。
フランスの自動車部品大手ヴァレオ(Valeo)グループが61.08%の株式を保有しており、実質的な支配下にあります。残り約4割は機関投資家や個人株主で構成され、浮動株比率は比較的限られており、親会社の意向が経営方針に強く反映される構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業は自動車用照明機器の開発・製造であり、トヨタや日産などの自動車メーカー向けが収益の柱です。事業リスクとしては、世界的な自動車生産台数の変動、原材料価格の高騰、および為替レートの影響を強く受けており、グローバル展開に伴う地政学的な不確実性も重要な監視項目となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.0%であり、今後の多様性向上が課題です。監査体制は整備されており、グローバル基準のガバナンス体制と強固な親会社による経営管理が機能しています。連結子会社4社を擁し、自動車照明専業として国内外で強固な事業基盤を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 1,380億円 | — | 1,355億円 | -1.8% |
| FY2023 | 1,382億円 | — | 1,459億円 | +5.6% |
| FY2024 | 1,290億円 | — | 1,255億円 | -2.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 72億円 | 60億円 | 39億円 | -45.3% |
| FY2023 | 60億円 | — | 74億円 | +23.7% |
| FY2024 | 67億円 | — | 49億円 | -27.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
市光工業は現在、明確な中期経営計画を開示していません。代わりに単年度の業績予想を公表していますが、過去の業績予想は未達となるケースが散見されます。特に営業利益は外部環境の変動を受けやすく、期初予想からの乖離が大きくなる傾向があります。FY2022やFY2024では営業利益が予想を大幅に下回っており、投資家としては計画の信頼性を慎重に見極める必要があります。親会社ヴァレオとの連携強化による収益構造改革が、計画達成能力向上の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間にわたり一貫してTOPIXを大幅に下回る(アンダーパフォーム)状況が続いています。これは、株価が長期的に低迷していることが主な要因です。増配傾向にはあるものの、株価下落がそれを打ち消し、株主への総還元が市場平均に及んでいないことを示唆しています。親会社ヴァレオとのシナジー創出を通じた抜本的な企業価値向上が、TSR改善の必須条件と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 80.0万円 | -20.0万円 | -20.0% |
| FY2022 | 53.8万円 | -46.2万円 | -46.2% |
| FY2023 | 74.8万円 | -25.2万円 | -25.2% |
| FY2024 | 59.9万円 | -40.1万円 | -40.1% |
| FY2025 | 76.4万円 | -23.6万円 | -23.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.61倍と、解散価値とされる1倍を大きく下回っており、市場から割安と評価されています。これは自動車部品セクター全体の傾向でもありますが、同社はその中でも低い水準です。信用倍率は1.65倍と比較的落ち着いており、短期的な需給の偏りは限定的です。今後は、四半期ごとの決算発表で示される収益性の改善が、割安感の是正につながるかどうかの試金石となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
インドのTATA AUTOCOMP SYSTEMSと折半出資の合弁会社設立に向けた契約を締結し、グローバル展開を加速。
Japan Mobility Show 2025にて日本初のプロジェクター技術を展示し、SDV時代のライティング技術を訴求。
2025年12月期の営業利益は58.15億円となり、減収増益を達成する結果となった。
最新ニュース
市光工業 まとめ
ひとめ診断
「自動車ランプの老舗が、仏ヴァレオ傘下で次世代EVの『顔』を照らす存在へと変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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