日産自動車7201
NISSAN MOTOR CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが街中で見かける「ノート」や「セレナ」、電気自動車の先駆けである「リーフ」などを作っているのが日産自動車です。高速道路での手放し運転をサポートする「プロパイロット」のように、運転をより安全で快適にする技術も開発しています。普段の買い物や家族でのドライブなど、あなたのカーライフの様々な場面で日産の技術が活躍しているかもしれません。将来的には、あなたがUberを呼んだら日産の自動運転車が迎えに来る、そんな未来も目指している会社です。
日産自動車は、2024期に売上高12兆6,857億円、純利益4,266億円を達成しましたが、2025期は構造改革費用により6,708億円の最終赤字に転落する見込みです。国内販売のシェア低下に苦しむ一方、米国市場での採算改善が進んでいます。生き残りをかけて、Uberとの自動運転技術での協業やホンダとの戦略的提携など、大胆なアライアンス戦略に活路を見出そうとしています。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市神奈川区宝町2
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 10.3% | 2.7% | - |
| 2022/03期 | 4.6% | 1.3% | - |
| 2023/03期 | 4.2% | 1.3% | - |
| 2024/03期 | 7.1% | 2.3% | 4.5% |
| 2025/03期 | 11.3% | 3.5% | 0.6% |
| 3Q FY2026/3 | 5.4%(累計) | 1.3%(累計) | 0.1% |
収益性は、2024/03期には営業利益率が4.5%まで改善しましたが、2025/03期には販売不振や投資負担の増加により営業利益率が0.6%まで急低下し、ROE(自己資本利益率)もマイナス12.3%と大幅に悪化しました。これは、世界的な需要変動に対する適応の遅れや固定費負担の重さが主因です。持続的な収益性を確保するためには、グローバルでの販売戦略の再定義とコスト構造の最適化が急務となっています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.9兆円 | — | 4,487億円 | -114.7円 | - |
| 2022/03期 | 8.4兆円 | — | 2,155億円 | 55.1円 | +7.1% |
| 2023/03期 | 10.6兆円 | — | 2,219億円 | 56.7円 | +25.8% |
| 2024/03期 | 12.7兆円 | 5,687億円 | 4,266億円 | 110.5円 | +19.7% |
| 2025/03期 | 12.6兆円 | 698億円 | 6,709億円 | -187.1円 | -0.4% |
日産自動車の業績は、半導体不足の影響から回復した2024/03期には売上高約12.7兆円、当期純利益約4,266億円と好調に推移しました。しかし、2025/03期は販売低迷や競争激化、構造改革に伴う費用計上により約6,709億円の巨額最終赤字へと転落しました。2026/03期予想においても厳しい経営環境が続く見通しとなっており、現在、収益基盤の再構築に向けた抜本的な構造改革が求められています。 【3Q 2026/03期実績】売上8.6兆円(前年同期比-6.2%)、営業利益△101億円、純利益△2502億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報では、EV技術や自動運転などの先行開発投資が設備投資を押し上げる一方、世界的な販売シェアの低下と構造改革に伴う多額の減損リスクが財務上の主要な懸念事項として挙げられています。連結子会社231社を抱える巨大グループとして、収益性の改善が最重要課題です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2023期 | 10兆円 | — | 10兆5967億円 | +6.0% |
| 2024期 | 12兆4000億円 | — | 12兆6857億円 | +2.3% |
| 2025期 | 12兆5000億円 | 12兆6332億円 | — | 修正なし |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2023期 | 2,500億円 | — | 3,771億円 | +50.8% |
| 2024期 | 5,200億円 | — | 5,687億円 | +9.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
事業構造改革計画「Nissan NEXT」では、営業利益率5%の目標に対し4.48%と未達に終わりました。続く2026期目標も、初年度にあたる2025期で構造改革費用がかさみ6,708億円の巨額最終赤字を見込んでおり、目標達成のハードルは極めて高い状況です。業績予想は上振れすることもありますが、計画達成能力には疑問符がつきます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
世界で7工場の閉鎖および2万人の人員削減を決定。
第3四半期累計で2,502億円の最終赤字を発表。
Wayve・Uberと自動運転分野で協業を発表。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性については、2024/03期に有利子負債を約11.5兆円計上するなど積極的な資金調達を行いましたが、2025/03期にはこれを約10.1兆円まで圧縮しました。自己資本比率は26.1%と一定水準を維持していますが、巨額の最終赤字により純資産が目減りしており、財務体質の維持には慎重な舵取りが必要な状況です。今後、大規模なリストラ策などを通じて効率的な資産運用と負債の削減を同時に進める必要があります。 【3Q 2026/03期】総資産19.7兆円、純資産5.3兆円、自己資本比率22.8%、有利子負債6.5兆円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.3兆円 | 3,691億円 | 6,397億円 | 9,537億円 |
| 2022/03期 | 8,472億円 | 1,468億円 | 1.1兆円 | 7,004億円 |
| 2023/03期 | 1.2兆円 | 4,470億円 | 6,706億円 | 7,740億円 |
| 2024/03期 | 9,609億円 | 8,127億円 | 1,316億円 | 1,482億円 |
| 2025/03期 | 7,537億円 | 9,712億円 | 2,633億円 | 2,175億円 |
営業キャッシュフローは安定的な稼ぐ力を示してきましたが、2025/03期は販売減速の影響で約7,537億円まで減少しました。投資キャッシュフローは将来の成長を見据えた投資により高い水準を維持していますが、FCF(フリー・キャッシュフロー)は2025/03期にマイナス約2,175億円となり、本業での現金の創出能力が低下しています。今後は設備投資の選別と効率化を進め、現金の流出を抑えつつ財務基盤を安定させることが重要です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.0%と一定の多様性を確保しつつあり、大規模なグローバル企業として経営の透明性と監査体制の強化に注力しています。しかし、度重なる経営危機を背景に、実効性のある監督機能の構築と、持続的な企業価値向上のためのガバナンス改善が喫緊の課題となっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 896万円 | 132,790人 | - |
従業員の平均年収は896万円と、製造業の中でも自動車業界特有の高水準な待遇を維持しています。ただし、近年の業績悪化による経営再建の影響もあり、今後は成果主義への移行や構造改革に伴う人件費のあり方が注視される局面です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価変動を合わせた投資家リターンを示す指標です。2023期以降、日産自動車のTSRはTOPIXを大幅に下回るアンダーパフォームが続いています。これは、2025期に無配転落したことや、構造改革の遅れによる業績悪化を背景とした株価の長期低迷が主な原因です。株主への十分なリターンを提供できていない状況が続いています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 42円 | 33.6% |
| 2017/03期 | 48円 | 28.9% |
| 2018/03期 | 53円 | 27.8% |
| 2019/03期 | 57円 | 69.9% |
| 2020/03期 | 10円 | - |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 5円 | 9.1% |
| 2023/03期 | 10円 | 17.6% |
| 2024/03期 | 20円 | 18.1% |
| 2025/03期 | 0円 | 0.0% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当方針は業績連動を基本としており、業績が低迷する局面では無配となるなど、方針の継続性に課題を抱えています。2025/03期は巨額赤字を受けて無配に転じており、投資家にとっては配当によるリターンが不透明な状況です。将来的な復配に向けては、まずは経営の抜本的なV字回復が不可欠な条件となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 172.7万円 | 72.7万円 | 72.7% |
| 2022期 | 155.0万円 | 55.0万円 | 55.0% |
| 2023期 | 144.7万円 | 44.7万円 | 44.7% |
| 2024期 | 180.4万円 | 80.4万円 | 80.4% |
| 2025期 | 116.0万円 | 16.0万円 | 16.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPBRが0.25倍と著しく低く、資産価値が株価に全く反映されていない状態です。PERは赤字転落見込みのため参考値ですが、割高感があります。信用買い残が多く、信用倍率も高水準であるため、将来的な株価上昇局面では戻り売りの圧力となる可能性に注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -2,212億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 3,061億円 | 906億円 | 29.6% |
| 2023/03期 | 5,154億円 | 2,935億円 | 56.9% |
| 2024/03期 | 7,022億円 | 2,755億円 | 39.2% |
| 2025/03期 | 2,102億円 | 8,811億円 | 419.2% |
2025/03期の法人税等負担が突出して大きいのは、主に繰延税金資産の取り崩しなど、税務上の調整や特別損失の計上に伴う一時的な会計処理が主因です。平時の税負担率は概ね30%前後で推移してきましたが、業績の大幅な変動に伴い実効税率が急上昇する年が見られます。今後、業績が正常化するにつれ、納税負担も通常の水準に落ち着く見込みです。
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