日本車輌製造
NIPPON SHARYO,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
創業120年超、新幹線からリニアまで日本の鉄道インフラを支えるトップメーカー
鉄道車両事業を中核とし、輸送用機器、建設機械、エンジニアリングなど多角的な事業を通じて、国内外の社会インフラの発展に貢献し、未来のモビリティを創造する企業を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段利用する新幹線や在来線の多くは、実は日本車輌製造が作っています。例えば東海道新幹線の「N700S」も同社が手掛けており、日本の大動脈を支える重要な役割を担っているのです。また、街で見かける建設現場で活躍する大きなクレーンや杭打ち機、ガソリンを運ぶタンクローリーなども製造しています。私たちの快適で安全な生活は、普段意識しないところで同社の高い技術力に支えられています。
JR東海傘下の鉄道車両メーカー大手。FY2025決算では売上高963.4億円、営業利益69.35億円と増収増益を達成しました。過去の米国事業撤退による損失を乗り越え、国内の鉄道車両事業を基盤に安定的な成長軌道に戻りつつあります。今後は中期経営計画「日車変革2030」の下、連結経常利益率5%の安定的確保を目標に、リニア中央新幹線関連や海外案件の獲得が成長の鍵となります。
会社概要
- 業種
- 輸送用機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号
- 公式
- www.n-sharyo.co.jp
社長プロフィール
私たちは、1世紀以上にわたり培ってきた技術と信頼を基盤に、安全で快適な輸送ソリューションを提供し続けています。中期経営計画『日車変革2030』のもと、鉄道車両事業を核とした持続的な成長を目指し、豊かな社会の実現に貢献してまいります。
この会社のストーリー
愛知県名古屋市熱田区に「日本車輌製造株式会社」を設立。蒸気機関車の修繕から事業を開始し、日本の鉄道史と共に歩み始める。
東海道新幹線の開業に伴い、初代車両である0系新幹線の製造を担当。日本の高度経済成長と高速鉄道網の発展を象徴するプロジェクトに大きく貢献した。
東海旅客鉄道(JR東海)と資本業務提携を締結し、連結子会社となる。新幹線開発やリニア中央新幹線計画において、より強固な連携体制を構築した。
インドネシアのジャカルタ都市高速鉄道(MRT)向け車両を受注するなど、長年培った技術力を武器に海外のインフラ整備にも積極的に参画。
米国市場における鉄道車両生産事業で苦戦し、現地工場を売却し撤退を決定。事業ポートフォリオの見直しと経営体質の強化を図る転機となった。
国内の鉄道車両事業が好調に推移し、第3四半期決算で最終利益が12期ぶりに過去最高を更新。構造改革の成果が実を結び、力強い成長軌道に復帰した。
「連結売上高経常利益率5%の安定的確保」を目標に掲げ、収益力の強化と事業基盤の安定化を目指す。リニア中央新幹線など次世代モビリティへの貢献も期待される。
注目ポイント
初代0系から最新のN700Sまで、日本の大動脈である新幹線の製造を担うトップメーカー。JR東海との強固な連携で、リニア中央新幹線計画でも中核的な役割が期待されます。
一時の苦境を乗り越え、2024年3月期には最終利益が過去最高を更新。安定した鉄道車両事業を基盤に、堅実な成長を遂げている点は投資家にとって魅力的です。
PBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでおり、企業価値に対して株価が割安な水準にある可能性があります。日本のインフラを支える事業の安定性と将来性から、見直されるポテンシャルを秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 10円 | 1.8% |
| FY2022/3 | 20円 | 5.5% |
| FY2023/3 | 20円 | 9.3% |
| FY2024/3 | 25円 | 6.7% |
| FY2025/3 | 35円 | 7.9% |
| 権利確定月 | 3月 |
当社は業績連動を基本としつつ、将来の事業投資と安定的な利益還元を両立させる配当方針を掲げています。直近では増益を背景に配当金額を35円まで引き上げており、株主還元への姿勢を強化しています。今後も財務の健全性を維持しながら、配当性向を意識した適時適切な還元策を実施していく予定です。
同業比較(収益性)
輸送用機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は鉄道車両製造事業を主軸とし、前期の売上高は約881億円から今期は約963億円へと回復基調にあります。鉄道車両の安定した受注に加え、建設機械やエンジニアリング事業の多角化が寄与しており、純利益も前期の約54億円から今期は約64億円へと増益を達成しました。2026年3月期も堅実な需要を見込んでおり、鉄道インフラを支える企業として安定した収益基盤を維持しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.5% | 5.8% | 9.1% |
| FY2022/3 | 10.9% | 3.9% | 6.6% |
| FY2023/3 | 6.1% | 2.5% | 4.6% |
| FY2024/3 | 8.6% | 3.9% | 6.9% |
| FY2025/3 | 9.9% | 4.9% | 7.2% |
営業利益率はFY2023/3の4.6%を底として、FY2025/3には7.2%まで改善しており、生産効率の向上とコスト管理の徹底が利益率の回復を牽引しています。ROEは直近で9.9%と向上傾向にあり、限られた資本を効率的に活用し利益を生み出す体制が整いつつあります。今後も鉄道・建設両事業での利益率維持が、さらなる収益性向上の鍵となります。
財務は安全?
財務状況は非常に堅実であり、自己資本比率はFY2025/3時点で49.3%に達し、前年の45.6%から着実に財務体質が強化されています。かつて有利子負債ゼロを達成していた強力な財務基盤は、現在も十分なキャッシュを保持しつつ、将来の投資と安定経営を支える強固なバックボーンとなっています。資産構成においても自己資本の積み増しが進んでおり、不況耐性の高い盤石なバランスシートを維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 115億円 | -22.9億円 | -16.4億円 | 92.4億円 |
| FY2022/3 | 145億円 | -26.4億円 | -35.7億円 | 119億円 |
| FY2023/3 | 71.5億円 | -15.8億円 | -114億円 | 55.7億円 |
| FY2024/3 | -24.8億円 | -14.4億円 | -40.0億円 | -39.2億円 |
| FY2025/3 | 14.5億円 | -17.2億円 | -35.6億円 | -2.7億円 |
営業キャッシュフローはプロジェクトの進捗や納入時期に大きく左右される傾向があり、FY2024/3期の一時的なマイナスを経てFY2025/3期はプラスへ転じました。継続的な設備投資を賄いつつ、株主還元のための財務キャッシュフロー(負債返済や配当支払い)を安定的に実施している点が特徴です。今後は鉄道車両の大型案件の完了に伴う営業キャッシュフローの着実な回収が、フリーキャッシュフロー改善の焦点となります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 93.0億円 | 13.7億円 | 14.8% |
| FY2022/3 | 63.2億円 | 10.9億円 | 17.3% |
| FY2023/3 | 44.9億円 | 13.8億円 | 30.6% |
| FY2024/3 | 63.1億円 | 9.3億円 | 14.7% |
| FY2025/3 | 73.0億円 | 8.8億円 | 12.1% |
法人税等の実効税率は年度によって変動があり、これは繰延税金資産の取り崩しや海外事業等の税務上の調整が影響しています。一般的に法定税率よりも低い水準で推移する年度が多いのは、税額控除や会計上の利益と税務上の所得の差によるものです。今後も連結業績に応じた適切な納税が行われる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 671万円 | 2,211人 | - |
従業員の平均年収は671万円であり、製造業や鉄道関連業界の平均と比較しても安定した水準を維持しています。近年、鉄道車両の堅調な需要や海外案件の進展を背景に、着実な利益成長が従業員への還元にも寄与していると推測されます。勤続年数が15年以上と比較的長く、腰を据えて働ける環境が給与のベースを支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は東海旅客鉄道。
同社はJR東海グループに属しており、東海旅客鉄道㈱が50.95%の株式を保有する親会社として経営を主導しています。上位株主には信託銀行の管理口や従業員持株会が名を連ねており、安定した株主構造が特徴です。創業家などの特定個人の影響力は限定的で、親会社との強固な業務提携が経営の安定性を担保しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
鉄道車両事業を中核とし、建設機械やエンジニアリング事業など多角的な収益基盤を有しています。開示資料からは、米国事業からの撤退を経て国内市場および成長分野への経営資源の集中による収益改善が鮮明になっており、近年の純利益の過去最高更新など、構造改革の成果が財務諸表に現れています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%であり、取締役会における多様性の確保は道半ばの状況です。一方で、JR東海との密接な連携体制に加え、指名・報酬委員会を設置して取締役報酬の決定プロセスに客観性と合理性を持たせるなど、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 910億円 | — | 963億円 | +5.9% |
| FY2024 | 880億円 | — | 881億円 | +0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 55億円 | — | 69億円 | +26.1% |
| FY2024 | 41億円 | — | 61億円 | +47.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は長期目標として中期経営計画「日車変革2030」を掲げ、連結経常利益率5%の安定的確保を目指しています。FY2025実績では7.17%と既に目標を大幅に上回っており、計画は順調に進捗しています。また、毎期の業績予想は保守的な傾向があり、FY2024、FY2025と2期連続で営業利益を期初予想から大幅に上振れさせて着地しており、堅実な経営姿勢がうかがえます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、2018年に米国事業からの撤退を決定するまでの業績不振や、それに伴う株価の長期低迷が主な要因です。ただし、直近1年の株価は業績回復を背景に大きく上昇しており、今後のTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 91.0万円 | -9.0万円 | -9.0% |
| FY2022 | 80.3万円 | -19.7万円 | -19.7% |
| FY2023 | 75.5万円 | -24.5万円 | -24.5% |
| FY2024 | 89.8万円 | -10.2万円 | -10.2% |
| FY2025 | 78.1万円 | -21.9万円 | -21.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業種(輸送用機器)の平均と比較して、PER・PBRともに割安な水準にあります。これは、自動車大手に比べて事業規模が小さいことや、過去の業績変動が影響していると考えられます。信用倍率は16.86倍と高く、将来の株価上昇を期待した信用買い残が多い状況ですが、将来的な売り圧力になる可能性には注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
海外子会社の解散を発表し、事業の選択と集中による収益構造の適正化を推進。
名証IRセミナーへ登壇し、個人投資家への認知度向上と対話の活性化を実施。
第3四半期累計において、最終利益が115%増となる過去最高益を記録。
最新ニュース
日本車輌製造 まとめ
ひとめ診断
「新幹線のトップメーカーが、親会社JR東海と二人三脚でリニア時代と海外展開を見据える老舗重鎮」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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