IHI7013
IHI Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが海外旅行で飛行機に乗るとき、その翼についているジェットエンジンの一部はIHIが手掛けているかもしれません。同社は世界の航空機エンジンの主要メーカーの一つです。また、私たちが毎日使う電気を生み出す発電所の設備や、高速道路の大きな橋の建設など、社会を支えるインフラの裏側でIHIの技術が活躍しています。最近では、環境に優しい次世代エネルギーとして注目されるアンモニアを燃料として使う技術開発も進めており、未来のクリーンな社会づくりにも貢献しようとしています。
総合重工業大手IHIは、航空エンジン事業を中核に据え、2025期には売上高1兆6268.3億円、営業利益1435.17億円とV字回復を遂げました。前年度(2024期)は航空エンジンの品質問題で701.38億円の営業赤字を計上しましたが、主力の民間航空エンジン事業の回復や防衛関連事業の伸長が寄与しています。今後は、アンモニア燃焼技術や次世代原子炉(SMR)といった脱炭素ソリューションを新たな成長ドライバーとすべく、積極的な研究開発投資を進める方針です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都江東区豊洲3丁目1番1号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.4% | 0.7% | 2.5% |
| 2022/03期 | 19.3% | 3.6% | 6.9% |
| 2023/03期 | 11.0% | 2.3% | 6.1% |
| 2024/03期 | 16.9% | 3.4% | 5.3% |
| 2025/03期 | 26.3% | 5.2% | 8.8% |
| 3Q FY2026/3 | 16.3%(累計) | 3.6%(累計) | 9.1% |
収益性は、2025/03期においてROE(自己資本利益率)が22.2%、営業利益率が8.8%へと劇的に改善し、高い資本効率を実現しています。過去の業績低迷期には営業利益率が低下する局面もありましたが、利益率の高いアフターマーケット事業の拡大や不採算事業の整理が奏功しました。現在は、高付加価値な製品・サービスへのシフトにより、業界平均を上回る収益構造への転換に成功しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.1兆円 | 280億円 | 131億円 | 88.1円 | - |
| 2022/03期 | 1.2兆円 | 815億円 | 661億円 | 439.8円 | +5.4% |
| 2023/03期 | 1.4兆円 | 820億円 | 445億円 | 294.5円 | +15.3% |
| 2024/03期 | 1.3兆円 | 701億円 | 682億円 | -450.8円 | -2.2% |
| 2025/03期 | 1.6兆円 | 1,435億円 | 1,127億円 | 744.8円 | +23.0% |
IHIの業績は、航空・宇宙・防衛部門を中心とした成長により、2025/03期には売上高約1兆6,268億円、純利益約1,127億円を達成し大幅な増収増益を記録しました。前年度の2024/03期には、特定プロジェクトにおける損失計上の影響で一時的に赤字に転落しましたが、迅速な事業再編とポートフォリオの見直しにより業績を回復させました。今後も航空エンジン事業の堅調な需要を背景に、2026/03期期もさらなる収益拡大を予測しています。 【3Q 2026/03期実績】売上1.1兆円(通期予想比68%)、営業利益1025億円(同68%)、純利益850億円(同71%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
IHIは航空・宇宙・防衛、資源・エネルギー・環境、社会基盤・産業システムを核とする多角的な事業構造を有しています。航空エンジン分野が収益の柱である一方、地政学リスクやサプライチェーンの変動を経営上の重要なリスク要因として開示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1兆6,000億円 | — | 1兆6,268億円 | +1.7% |
| 2024期 | 1兆4,500億円 | — | 1兆3,226億円 | -8.8% |
| 2023期 | 1兆3,000億円 | — | 1兆3,529億円 | +4.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,100億円 | — | 1,435億円 | +30.5% |
| 2024期 | 900億円 | — | -701億円 | 大幅未達 |
| 2023期 | 750億円 | — | 895億円 | +19.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
IHIは現在、具体的な中期経営計画の代わりに「グループ経営方針2023」を掲げ、年度ごとの業績目標を開示しています。2024期は航空エンジン事業の品質問題に関連する一時的な損失で大幅な計画未達となりましたが、2025期では民間航空需要の回復を追い風に売上・利益ともに期初予想を上回るV字回復を達成しました。2027年3月期からの次期中期経営計画では、成長事業への投資を優先する方針が示されており、今後の戦略に注目が集まります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
IHI運搬機械の運搬システム事業の譲渡に関する吸収分割を実施。
カーリフト保守事業をジャパンエレベーターサービスホールディングスへ譲渡。
アンモニア燃焼技術と社会実装への取り組みで日本エネルギー学会賞技術部門を受賞。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、積極的な投資に伴う有利子負債の増加により一時的に自己資本比率が低下したものの、2025/03期時点で自己資本比率は21.5%まで回復しました。過去の無借金経営から、成長投資を加速させるための戦略的負債へと転換しており、資産規模も2兆2,403億円へと着実に拡大しています。今後も成長事業への投資を継続しつつ、収益力の向上を通じて強固なバランスシートの維持を目指す方針です。 【3Q 2026/03期】総資産2.5兆円、純資産5913億円、自己資本比率23.0%、有利子負債5135億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 228億円 | 372億円 | 137億円 | 144億円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 621億円 | 517億円 | 25.7億円 | 104億円 |
| 2025/03期 | 1,776億円 | 588億円 | 1,162億円 | 1,188億円 |
営業キャッシュフローは、航空エンジンのメインテナンス事業などの高収益な売上拡大により、2025/03期には過去最高水準の約1,776億円を創出しました。投資活動においては、次世代エンジン開発や脱炭素技術への先行投資を継続しているものの、安定的な営業キャッシュフローがそれを十分にカバーしています。創出されたキャッシュを成長投資に優先配分することで、持続的な企業価値の向上を実現しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が29.4%と多様な視点を取り入れたガバナンス体制を強化しています。監査報酬として約4.7億円を投じており、大規模なグローバル企業として監査体制の透明性と健全性が十分に確保されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 813万円 | 27,990人 | - |
従業員の平均年収は813万円と、製造業の中でも比較的高水準を維持しています。航空宇宙やエネルギーといった高付加価値な事業を展開しており、高い専門性と技術力を要する人材への還元がこの年収水準に反映されていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
2021期から2025期までの5年間、IHIのTSR(株主総利回り)は一貫してTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特に2025期は、前年度の赤字からのV字回復と防衛関連株への注目を背景に株価が急騰し、TOPIXを大きく引き離しました。これは、航空宇宙・防衛という高成長・高収益セクターに事業の軸足を置くとともに、配当による株主還元を継続してきた経営戦略が、株主価値の向上に直結した結果と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 3円 | 303.0% |
| 2017/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2019/03期 | 70円 | 27.1% |
| 2020/03期 | 50円 | 59.4% |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 70円 | 15.9% |
| 2023/03期 | 90円 | 30.6% |
| 2024/03期 | 100円 | - |
| 2025/03期 | 120円 | 16.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として、業績の成長に応じた安定的な増配を基本とし、キャッシュフローの状況を考慮した株主還元を推進しています。特に近年は収益拡大を背景に増配を重ね、2025/03期には年間120円の配当を実施しました。今後は、成長事業への投資を先行させつつも、適切な配当性向を維持することで、株主への利益還元を継続していく計画です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 177.9万円 | 77.9万円 | 77.9% |
| 2022期 | 239.3万円 | 139.3万円 | 139.3% |
| 2023期 | 275.8万円 | 175.8万円 | 175.8% |
| 2024期 | 345.4万円 | 245.4万円 | 245.4% |
| 2025期 | 847.9万円 | 747.9万円 | 747.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
IHIのPER・PBRは業界平均を大幅に上回っており、市場から高い成長期待を寄せられていることが分かります。これは、航空宇宙・防衛関連事業の将来性や、アンモニア関連などの脱炭素技術への期待が株価に織り込まれているためと考えられます。信用倍率は3.22倍と標準的な水準ですが、株価が大きく上昇した局面では信用買い残の動向に注意が必要です。時価総額では競合の三菱重工業に次ぐ規模を誇ります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 276億円 | 145億円 | 52.6% |
| 2022/03期 | 876億円 | 216億円 | 24.6% |
| 2023/03期 | 649億円 | 203億円 | 31.3% |
| 2024/03期 | -723億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | 1,385億円 | 257億円 | 18.6% |
法人税等の支払額は税引前利益の変動に連動しており、2024/03期の赤字期には納税が発生しませんでした。2025/03期は業績急回復に伴い、約308億円の法人税等を計上し、税率は法定実効税率に近い水準で推移しています。今後の業績拡大に伴い、適切な納税を通じて社会貢献を果たすとともに、税効果会計を考慮した適切な利益管理を継続します。
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IHI まとめ
「日本の重工業の巨人が、航空宇宙と脱炭素技術の双発エンジンで未来へ離陸する」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。