三菱重工業
Mitsubishi Heavy Industries,Ltd.
最終更新日: 2026年4月30日
防衛・エネルギー・宇宙で日本を支える、総合重機のリーディングカンパニー
人々の豊かな暮らしと安全を、先進的なものづくりで支え続ける。
この会社ってなに?
あなたが毎日使っている電気は、発電所のタービンが作っています。その世界トップクラスのガスタービンを製造しているのが三菱重工業です。また、日本の空を守る戦闘機やミサイル防衛システム、宇宙ロケットH3の打ち上げも同社が担っています。エアコンの室外機(三菱重工サーマルシステムズ)や、高速道路の料金所システムなど、日常のインフラにも三菱重工の技術が使われています。つまり、日本の「安全」と「快適」を縁の下で支える、まさに社会インフラの巨人です。
三菱重工業は売上収益5兆円超を誇る日本最大の総合重機メーカーです。ガスタービンではGE・シーメンスと並ぶ世界3強の一角を占め、防衛装備品では国内最大のプライムコントラクターとして戦闘機・護衛艦・ミサイルを供給しています。FY2025/3期は売上収益5兆271億円(前期比+7.9%)、純利益2,454億円と過去最高を更新。FY2026/3期も防衛費増額とガスタービン需要の追い風で、純利益2,600億円への上方修正を発表しました。2024年4月に就任した伊藤栄作CEOは経営方針「ITO(Innovative Total Optimization)」を掲げ、フォークリフト事業の売却など事業ポートフォリオ改革を加速しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビル
- 公式
- www.mhi.com
社長プロフィール
私は「ITO(Innovative Total Optimization)」を経営の柱に据え、三菱重工グループ全体の最適化を推進しています。エネルギーの安定供給、国の安全保障、そして宇宙開発——これらは社会の根幹を支える使命です。技術力と実行力で、これからもステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
三菱の祖・岩崎彌太郎が政府から長崎造船所の払い下げを受け、近代的な造船・重機事業の礎を築いた。
財閥解体により東日本重工・中日本重工・西日本重工の3社に分割。1964年に再統合し、現在の三菱重工業が発足した。
高度成長期の電力需要に応え、原子力発電所の建設事業を本格展開。日本のエネルギーインフラの中核を担う。
日本初のジェット旅客機の開発に着手。国産航空機の夢を背負う一大プロジェクトが始動した。
度重なる設計変更と納入延期の末、MRJ改めSpaceJetの開発を事実上凍結。約6,000億円超の損失を計上する痛恨の結果となった。
新CEOのもと「Innovative Total Optimization」を経営の柱に据え、事業ポートフォリオの大胆な組み替えを推進。防衛・エネルギーへ経営資源を集中。
三菱ロジスネクストの全株式を売却。非中核事業からの撤退により、防衛・エネルギー・宇宙の成長3本柱に経営資源を集約。
防衛費増額とガスタービン需要の追い風で受注高5兆円を突破。純利益2,600億円の過去最高益更新が視野に入り、日本を代表する成長企業としての地位を確立。
注目ポイント
戦闘機(F-35ライセンス生産)、護衛艦、ミサイル防衛システムなど、日本の安全保障の根幹を支えています。防衛費GDP比2%への拡大により、受注は構造的な拡大局面にあります。
GE・シーメンスと並ぶガスタービンの世界トップ3。高効率GTCC(ガスタービン複合サイクル)は脱石炭の切り札として世界中で需要が拡大。データセンター向け電源も新たな成長分野です。
国産基幹ロケットH3の製造を担い、宇宙事業でも存在感を示しています。原子力から再生可能エネルギーまで、日本のエネルギー安全保障に不可欠な技術を幅広く保有するテクノロジー企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 63.1% |
| FY2017/3 | 12円 | 45.9% |
| FY2019/3 | 13円 | 43.1% |
| FY2020/3 | 15円 | 57.8% |
| FY2021/3 | 7.5円 | 62.0% |
| FY2022/3 | 10円 | 29.6% |
| FY2023/3 | 13円 | 33.5% |
| FY2024/3 | 200円 | 302.7% |
| FY2025/3 | 23円 | 31.5% |
株主優待制度は導入されていません。
三菱重工業は5期連続増配を実施しており、FY2021/3期の7.5円(分割調整後)からFY2025/3期の23円へと約3倍に増加しました。配当方針は「DOE(株主資本配当率)4%以上」を目安とし、業績連動で持続的な増配を目指しています。FY2026/3期は24円(予想)と6期連続増配の見込みです。配当性向は30%前後で安定しており、利益成長が配当成長に直結する構造です。なお、すべての配当額は2024年10月の1:10株式分割調整後の数値です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
三菱重工業の業績は5期連続の増収増益を達成し、利益成長が加速しています。FY2025/3期の事業利益は3,560億円(事業利益率7.1%)と、FY2021/3期の521億円から約6.8倍に拡大。防衛費の大幅増額(GDP比2%目標)による受注増とガスタービン(GTCC)の旺盛な需要が成長の両輪です。FY2026/3期は事業利益4,200億円、純利益2,600億円を見込み、3期連続の過去最高益更新が視野に入っています。
事業ごとの売上・利益
ガスタービン(GTCC)、蒸気タービン、原子力関連が主力。世界3強の一角で高収益。データセンター向け電源システムも成長分野
化学プラント、交通システム、環境装置、製鉄機械など。社会インフラ向け多角的事業
戦闘機(F-35ライセンス生産)、護衛艦、ミサイル防衛、H3ロケット、航空エンジン。防衛費増額の最大受益者
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.1% | 0.8% | - |
| FY2022/3 | 7.7% | 2.2% | - |
| FY2023/3 | 7.9% | 2.4% | - |
| FY2024/3 | 11.1% | 3.5% | - |
| FY2025/3 | 10.7% | 3.7% | - |
収益性は劇的な改善トレンドにあります。FY2021/3期には事業利益率わずか1.4%だった同社は、FY2025/3期に7.1%まで大幅に改善。ROEも2.8%→10.2%へ向上し、資本効率が大きく改善しました。これはガスタービンの高収益化、防衛事業の利益率向上、そしてSpaceJet凍結後の損失解消が複合的に寄与したものです。
財務は安全?
総資産6.7兆円規模の大企業として、自己資本比率は35.2%と堅実な水準を維持しています。純資産は5年間で約1兆円増加し、利益蓄積による財務基盤の強化が進んでいます。なお、BPSは2024年10月の1:10株式分割を反映した調整後数値です。重工業という資本集約型ビジネスの特性上、大規模な設備投資と運転資金が必要ですが、安定したキャッシュフロー創出力で財務健全性を保っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 3,312億円 | -1,310億円 | -1,589億円 | 2,001億円 |
| FY2025/3 | 5,305億円 | -1,877億円 | -1,141億円 | 3,427億円 |
キャッシュフローはFY2025/3期に営業CFが5,305億円と過去最高を記録し、FCFも3,427億円と大幅に改善しています。FY2021/3期にはコロナ禍の影響で営業CFがマイナスとなりましたが、その後は業績回復に伴い急速に改善。潤沢なキャッシュフローは防衛・エネルギー分野への成長投資と株主還元の両立を可能にしています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 494億円 | 87.2億円 | 17.7% |
| FY2022/3 | 1,737億円 | 601億円 | 34.6% |
| FY2023/3 | 1,911億円 | 607億円 | 31.7% |
| FY2024/3 | 3,152億円 | 932億円 | 29.6% |
| FY2025/3 | 3,745億円 | 1,291億円 | 34.5% |
実効税率は28〜29%前後で安定的に推移しています。海外売上比率の高さからグローバルな税務最適化が行われており、日本の法定実効税率(約30%)をやや下回る水準です。税引前利益はFY2021/3期の550億円からFY2025/3期の3,450億円へと約6倍に拡大し、納税額も着実に増加しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,018万円 | 77,274人 | - |
平均年収は4年間で約154万円上昇し、年率+5%前後の高い昇給傾向が続いています。FY2025/3には初めて1,000万円の大台を突破。防衛・エネルギー事業の好業績を背景に処遇改善が進んでおり、機械業界トップクラスの給与水準です。従業員数は約22,000〜23,000人で安定推移。
誰がこの会社の株を持ってる?
大型株特有の幅広い株主構成で、機関投資家と外国人投資家が主要な株主層を形成しています。三菱グループの一員ですが、持ち合い比率は限定的で、浮動株比率は比較的高い水準です。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が15.7%で、年金基金やインデックスファンドの受託分です。外国人投資家が約35%を保有し、ノルウェー政府年金基金(1.54%)など長期の海外機関投資家が名を連ねます。明治安田生命(2.37%)は三菱グループの安定株主であり、三菱重工持株会(1.15%)も安定保有の一角です。特定の支配株主は存在せず、分散された株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| エナジー | 約2.0兆円 | 約2,100億円 | 約10.5% |
| プラント・インフラ | 約6,500億円 | 約400億円 | 約6% |
| 航空・防衛・宇宙 | 約1.4兆円 | 約1,000億円 | 約7% |
三菱重工業はエナジー・プラントインフラ・航空防衛宇宙の3セグメントで事業を展開する総合重機メーカーです。ガスタービンではGE・シーメンスと世界3強を形成し、高効率GTCC(ガスタービン複合サイクル)で競争優位を持ちます。防衛では国内最大のプライムコントラクターとして戦闘機・護衛艦・ミサイルなどを一手に引き受けています。2025年にはフォークリフト事業(三菱ロジスネクスト)を売却し、成長分野への経営資源集中を加速しました。
この会社のガバナンスは?
ガバナンス体制においては女性役員比率が16.7%となっており、多様性の確保に向けた改善が進んでいます。6億8,700万円という巨額の監査報酬は、膨大な事業規模とグローバルな連結経営を支える監査体制が強固であることを示しており、企業の透明性は高く維持されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 2,300億円 | 2,600億円 | — | +13.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 4.9兆円 | — | 5.03兆円 | +2.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 2,800億円 | — | 3,560億円 | +27.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024年4月に発表した「2024事業計画」では、FY2027/3に売上収益5.5兆円・事業利益4,000億円を掲げました。事業利益については最終年度目標(4,000億円)をFY2026/3に前倒しで達成する見通しです。FY2025/3期の業績予想は期初計画を大幅に上回る着地となり、計画の信頼性は高いと評価できます。伊藤CEO主導の「ITO(Innovative Total Optimization)」のもと、フォークリフト事業売却など事業ポートフォリオの最適化も着実に進行しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)はFY2020/3基準で951.3%とTOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024/3以降の急伸が顕著で、防衛費のGDP比2%目標の閣議決定(2022年末)を契機に株価が急騰。配当込みのトータルリターンでは、5年間で約9.5倍という驚異的な成績を残しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 129.0万円 | +29.0万円 | 29.0% |
| FY2022 | 153.5万円 | +53.5万円 | 53.5% |
| FY2023 | 189.6万円 | +89.6万円 | 89.6% |
| FY2024 | 548.6万円 | +448.6万円 | 448.6% |
| FY2025 | 951.3万円 | +851.3万円 | 851.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER62.0倍、PBR6.87倍と、従来のバリュエーション指標では大幅に割高な水準にあります。これは防衛費増額やデータセンター関連需要など、将来の高成長期待が株価に織り込まれているためです。信用倍率は2.65倍と買い残が優勢で、個人投資家の押し目買い意欲が旺盛です。機械セクター内では突出したバリュエーションで取引されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期3Q決算を発表。売上収益3兆3,269億円(前年同期比+9.2%)、事業利益3,012億円(同+25.5%)と2ケタ増益。通期純利益予想を2,600億円へ上方修正し、過去最高益を更新する見通し。
子会社の三菱重工コンプレッサが、スイスの回転機器メンテナンス会社AST Turbo AGを買収。海外フィールドサービス体制を強化。
フォークリフト子会社三菱ロジスネクストの全株式を売却。事業ポートフォリオの選択と集中を推進し、成長分野へ経営資源を集中。
FY2025/3期通期決算を発表。純利益2,454億円で過去最高益を更新。ガスタービンと防衛事業が業績を牽引した。
投資単位の引き下げを目的に1株→10株の株式分割を実施。個人投資家がより投資しやすい環境を整備した。
最新ニュース
三菱重工業 まとめ
ひとめ診断
「防衛・エネルギー・宇宙で日本のインフラを支える、総合重機の絶対王者」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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