日立建機6305
Hitachi Construction Machinery Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたの街で行われている道路工事やビル建設で稼働する油圧ショベルやホイールローダーの多くが日立建機製です。災害復旧現場で活躍する重機、鉱山で巨大な岩石を運ぶダンプトラック、高層ビルの解体に使われる超ロングアーム機など、社会インフラの整備と維持に不可欠な存在。ICT施工やドローン測量と連携した「Solution Linkage」で建設現場のDX化も推進しており、人手不足の解消にも貢献しています。
日立建機は1970年に日立製作所から分離独立した総合建設機械メーカー。油圧ショベルで世界シェア3位(キャタピラー、コマツに次ぐ)を誇り、ミニショベルから超大型の鉱山用ダンプトラックまで幅広いラインナップを展開します。2025/03期は売上収益1兆3,713億円・調整後営業利益1,450億円(営業利益率10.6%)を計上。2022年に伊藤忠商事がHCJIホールディングスを通じて約26%を取得し筆頭株主となり、2026年2月には出資比率を33.4%に引き上げ拒否権を確保。長年のパートナーだった米ディア社との提携を解消し、伊藤忠と共に米国市場の独自開拓に乗り出しています。2027年4月には社名を「ランドクロス(LANDCROS)」に変更し、日立の看板を外して新たな成長を目指す『第2の創業』が進行中です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワー
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
油圧ショベル(ミニ〜超大型)、ホイールローダー、鉱山用ダンプトラック、道路機械等の新車販売・レンタル。地域別では日本・欧州・アジアが堅調、北米はディア社との提携解消後の過渡期。
部品販売、メンテナンス、修理サービス、IoT遠隔監視「ConSite」。ストック型収益で新車販売の景気変動を補完する高利益率事業。世界33万台のConSite搭載車両が基盤。
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.1% | 0.8% | - |
| 2022/03期 | 13.5% | 5.4% | - |
| 2023/03期 | 11.0% | 4.3% | - |
| 2024/03期 | 13.1% | 5.1% | 11.6% |
| 2025/03期 | 10.4% | 4.5% | 11.3% |
2024/03期に営業利益率12.0%と過去最高を記録。コマツの営業利益率14%台には及ばないものの、建機メーカーとしては高水準です。ROEは9〜12%で推移し、資本効率は改善傾向。2021/03期はコロナ禍による需要急減で営業利益率4.0%・ROE 1.8%と落ち込みましたが、その後のV字回復は見事でした。2025/03期は減収の影響で利益率がやや低下したものの、バリューチェーン事業(部品・サービス)の利益率が11.9%と高く、新車販売が減速しても収益を下支えする構造が整いつつあります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8,133億円 | 0円 | 103億円 | 48.6円 | — |
| 2022/03期 | 1.0兆円 | 0円 | 758億円 | 356.6円 | +26.0% |
| 2023/03期 | 1.3兆円 | 0円 | 702億円 | 330.0円 | +23.4% |
| 2024/03期 | 1.4兆円 | 1,627億円 | 933億円 | 438.7円 | +11.1% |
| 2025/03期 | 1.4兆円 | 1,547億円 | 814億円 | 382.8円 | -2.5% |
2022/03期〜2024/03期にかけて売上収益は3年で73%成長し1兆4,059億円に到達。資源価格高騰による鉱山機械需要と円安が追い風でした。2025/03期は中国・アジアの需要減退と為替の逆風で減収減益に転じましたが、営業利益率10.6%と高水準を維持。2026/03期予は売上微増・営業利益4.1%増とほぼ横ばいの見通しですが、米国関税の影響次第で下振れリスクもあります。中長期的には伊藤忠との米国開拓による2,000億円の増収効果が期待されます。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設機械ビジネス | 約1兆2,439億円 | 約1,299億円 | 10.4% |
| スペシャライズド・パーツ・サービス | 約1,274億円 | 約151億円 | 11.9% |
売上の約91%を建設機械ビジネスが占め、パーツ・サービスが約9%を補完する構造。建設機械ビジネスの利益率10.4%に対し、パーツ・サービスは11.9%と高く、ストック型収益の拡大が収益安定化の鍵です。役員報酬は取締役7名に対し総額9,000万円(1人あたり推定約1,286万円)で、グローバル大企業としては抑制的。連結従業員26,101名・監査報酬1億7,300万円。設備投資は年間約1,284億円と積極的に生産能力の拡大・更新に投資しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 1兆3,800億円 | — | 1兆4,059億円 | +1.9% |
| 2025/03期 | 1兆3,700億円 | — | 1兆3,713億円 | +0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/03期 | 1,550億円 | — | 1,680億円 | +8.4% |
| 2025/03期 | 1,550億円 | — | 1,450億円 | -6.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024/03期は売上・利益とも会社予想を上回りましたが、2025/03期は営業利益が1,550億円予想に対し1,450億円と6.5%の未達。中計の利益率目標12%に対し2025/03期実績は10.6%で、最終年度(2026/03期)での達成はハードルが高い状況です。一方、配当性向30〜40%の目標は達成しており、売上予想の精度は±2%以内と信頼性が高いのが特徴。利益面は為替や新車需要の変動に大きく左右されるため、予想精度の改善が課題です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
伊藤忠商事と米国市場の共同開拓を本格始動。ディア社との30年超の提携解消後、独自販売網の構築で2,000億円増収を目指す。
国内工場でロボットを活用した生産自動化に着手。トランプ関税に備えたコスト削減と人手不足対応を同時推進。
伊藤忠商事がHCJIホールディングスを通じ出資比率を33.4%に引き上げ、拒否権ラインを確保。追加投資額は約1,800億円。
2027年4月に社名を「ランドクロス(LANDCROS)」に変更すると発表。日立の看板を外し『第2の創業』を掲げる。
日立製作所が保有株1,500万株を売却し、持株比率が25.4%→18.4%に低下。持分法適用会社から外れる。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2025/3末時点
総資産1兆7,910億円に対し純資産8,580億円、自己資本比率45.2%と機械メーカーとして堅実な財務体質です。BPSは5年間で57%増加し3,805円に到達。2025/03期は総資産が前期比2.4%減少しましたが、これは棚卸資産の圧縮と為替影響によるもの。有利子負債はIFRS基準でリース債務を含みますが、開示ベースでは0と表示されています。建機メーカーは販売金融(リース・割賦)事業を内包するため、実質的な金融負債は別途存在する点に注意が必要です。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 730億円 | ▲390億円 | ▲89.2億円 | 340億円 |
| 2025/03期 | 1,439億円 | ▲528億円 | ▲854億円 | 911億円 |
2025/03期は営業CF1,439億円と過去最高を記録。在庫圧縮と販売金融の回収が大きく寄与しました。2023/03期は営業CFがマイナス261億円と異例の資金流出でしたが、これは急成長期の運転資本増加(棚卸資産・販売金融債権の膨張)によるもので、財務CFで870億円を調達して補いました。投資CFは年間300〜500億円で、生産設備の更新と海外拠点整備に充当。2025/03期のFCF 911億円は潤沢で、配当と自社株買いを合わせた株主還元の原資として十分な水準です。
この会社のガバナンスは?
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 774万円 | 26,101人 | - |
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年累積TSRは206.1%(投資元本が約2.1倍)と絶対リターンは良好ですが、TOPIX(213.4%)を約7ポイント下回るアンダーパフォーム。2021期〜2022期にかけてはTOPIXを上回りましたが、2023期に大きく落ち込み、2024期に急回復するも再び軟化しています。建機セクター特有のボラティリティの高さが示されており、タイミング次第でリターンが大きく変わる銘柄です。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 40円 | 96.6% |
| 2017/03期 | 12円 | 31.8% |
| 2018/03期 | 85円 | 30.1% |
| 2019/03期 | 100円 | 31.0% |
| 2020/03期 | 60円 | 31.0% |
| 2021/03期 | 20円 | 41.1% |
| 2022/03期 | 110円 | 30.8% |
| 2023/03期 | 110円 | 33.3% |
| 2024/03期 | 150円 | 34.2% |
| 2025/03期 | 175円 | 45.7% |
なし
2022/03期の110円から2025/03期の175円まで4期連続増配を達成。配当性向は30〜46%で推移し、2025/03期は減益ながらも増配を継続した点は株主還元への姿勢を示しています。中期経営計画では配当性向30〜40%を目安に安定配当を方針として掲げています。2021/03期の20円は株式分割(2023年10月に1:3)調整後の数値で、分割前ベースでは60円。利回り3.2%は機械セクター平均(約2.0%)を上回り、インカム投資家にも魅力的な水準です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 162.9万円 | 62.9万円 | 62.9% |
| 2022期 | 151.9万円 | 51.9万円 | 51.9% |
| 2023期 | 151.4万円 | 51.4万円 | 51.4% |
| 2024期 | 224.3万円 | 124.3万円 | 124.3% |
| 2025期 | 206.1万円 | 106.1万円 | 106.1% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 13.9倍はセクター平均をやや下回り、PBR 1.43倍はセクター平均を上回る水準。信用倍率2.54倍は需給面でやや買い優勢ですが過熱感はありません。52週高値7,225円(2026年2月、伊藤忠の追加出資発表時)から直近5,443円まで約25%の調整が入っており、トランプ関税の不透明感が株価の重石となっています。配当利回り3.2%は同セクター内でも高水準で、バリュー投資家の注目銘柄です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 256億円 | 152億円 | 59.6% |
| 2022/03期 | 1,109億円 | 350億円 | 31.6% |
| 2023/03期 | 1,150億円 | 448億円 | 39.0% |
| 2024/03期 | 1,605億円 | 672億円 | 41.9% |
| 2025/03期 | 1,342億円 | 527億円 | 39.3% |
実効税率は37〜42%で推移し、グローバルに事業展開する建機メーカーとしては標準的な水準です。2023/03期の実効税率が41.5%とやや高いのは、海外子会社における移転価格税制の影響と推測されます。2026/03期予想では実効税率45.0%と高めに設定されていますが、これは米国関税によるコスト増を保守的に織り込んだ結果です。日本・中国・アジア・欧州・米州と世界各地に納税義務があり、各国の税制変更リスクには注意が必要です。
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日立建機 まとめ
「油圧ショベル世界3位、伊藤忠と組んで『第2の創業』に挑む建機の巨人」
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