日立建機
Hitachi Construction Machinery Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年4月7日
「油圧ショベルで世界を掘り、伊藤忠と組んで新たな大地を拓く建機の巨人」
豊かな大地、豊かな街を未来へ
この会社ってなに?
あなたの街で行われている道路工事やビル建設で稼働する油圧ショベルやホイールローダーの多くが日立建機製です。災害復旧現場で活躍する重機、鉱山で巨大な岩石を運ぶダンプトラック、高層ビルの解体に使われる超ロングアーム機など、社会インフラの整備と維持に不可欠な存在。ICT施工やドローン測量と連携した「Solution Linkage」で建設現場のDX化も推進しており、人手不足の解消にも貢献しています。
日立建機は1970年に日立製作所から分離独立した総合建設機械メーカー。油圧ショベルで世界シェア3位(キャタピラー、コマツに次ぐ)を誇り、ミニショベルから超大型の鉱山用ダンプトラックまで幅広いラインナップを展開します。FY2025/3期は売上収益1兆3,713億円・調整後営業利益1,450億円(営業利益率10.6%)を計上。2022年に伊藤忠商事がHCJIホールディングスを通じて約26%を取得し筆頭株主となり、2026年2月には出資比率を33.4%に引き上げ拒否権を確保。長年のパートナーだった米ディア社との提携を解消し、伊藤忠と共に米国市場の独自開拓に乗り出しています。2027年4月には社名を「ランドクロス(LANDCROS)」に変更し、日立の看板を外して新たな成長を目指す『第2の創業』が進行中です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワー
- 公式
- www.hitachicm.com
社長プロフィール

日立建機は2027年4月に「ランドクロス」へと生まれ変わります。伊藤忠商事というパートナーを得て、30年以上頼ってきた米ディア社との関係を清算し、自分たちの力で世界最大の北米市場に挑みます。ConSiteで培ったIoT技術と、グローバル33万台の顧客基盤が私たちの武器です。「基本と正道」を貫き、Kenkijinスピリットで新しい歴史を切り拓いてまいります。
この会社のストーリー
日立製作所の建設機械事業部門が独立し、日立建機株式会社として発足。1965年に国産初の油圧ショベルを開発した技術力を引き継ぎ、建機専業メーカーとしての歩みを始めた。
米国最大の農業・建設機械メーカーであるディア&カンパニーと提携。北米市場にディアの販売網を通じて参入し、海外売上比率を飛躍的に拡大させた。
超大型油圧ショベルやリジッドダンプトラックで鉱山市場に本格参入。オーストラリア・南米・アフリカの資源開発ブームに乗り、鉱山機械で世界トップクラスのポジションを確立した。
日立製作所がグループ再編の一環で持株比率を引き下げ、伊藤忠商事がHCJIホールディングスを通じて約26%を取得し筆頭株主に。長年の日立グループから離れ、商社との新たなパートナーシップが始まった。
2027年4月の社名変更を発表。ディア社との提携を解消し、伊藤忠と共に米国市場の独自開拓に挑む。IoT遠隔監視「ConSite」を世界33万台に展開し、新車販売からバリューチェーン(部品・サービス)主体のビジネスモデルへの転換を加速している。
注目ポイント
油圧ショベルでキャタピラー・コマツに次ぐ世界3位。ミニショベルから300トン超の超大型機まで幅広いラインナップを持ち、特に鉱山用ダンプトラック・ショベルでは世界トップクラス。建機は長期使用されるため、部品・サービスのストック収益も大きい。
30年超のディア社提携を解消し、伊藤忠商事の商社ネットワークを活用して北米市場の独自開拓に挑む。2,000億円の増収効果を目指す大胆な戦略転換。伊藤忠の出資比率33.4%は経営の安定性と成長投資の両面で心強い。
世界33万台の建機に搭載されたIoT遠隔監視システム「ConSite」が差別化の武器。稼働状況・故障予兆をリアルタイムで把握し、部品の予防交換やメンテナンス提案につなげる。新車販売依存からバリューチェーン型ビジネスへの転換を支える基盤。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 96.6% |
| FY2017/3 | 12円 | 31.8% |
| FY2018/3 | 85円 | 30.1% |
| FY2019/3 | 100円 | 31.0% |
| FY2020/3 | 60円 | 31.0% |
| FY2021/3 | 20円 | 41.1% |
| FY2022/3 | 110円 | 30.8% |
| FY2023/3 | 110円 | 33.3% |
| FY2024/3 | 150円 | 34.2% |
| FY2025/3 | 175円 | 45.7% |
なし
FY2022/3の110円からFY2025/3の175円まで4期連続増配を達成。配当性向は30〜46%で推移し、FY2025/3は減益ながらも増配を継続した点は株主還元への姿勢を示しています。中期経営計画では配当性向30〜40%を目安に安定配当を方針として掲げています。FY2021/3の20円は株式分割(2023年10月に1:3)調整後の数値で、分割前ベースでは60円。利回り3.2%は機械セクター平均(約2.0%)を上回り、インカム投資家にも魅力的な水準です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3〜FY2024/3にかけて売上収益は3年で73%成長し1兆4,059億円に到達。資源価格高騰による鉱山機械需要と円安が追い風でした。FY2025/3は中国・アジアの需要減退と為替の逆風で減収減益に転じましたが、営業利益率10.6%と高水準を維持。FY2026/3予は売上微増・営業利益4.1%増とほぼ横ばいの見通しですが、米国関税の影響次第で下振れリスクもあります。中長期的には伊藤忠との米国開拓による2,000億円の増収効果が期待されます。
事業ごとの売上・利益
油圧ショベル(ミニ〜超大型)、ホイールローダー、鉱山用ダンプトラック、道路機械等の新車販売・レンタル。地域別では日本・欧州・アジアが堅調、北米はディア社との提携解消後の過渡期。
部品販売、メンテナンス、修理サービス、IoT遠隔監視「ConSite」。ストック型収益で新車販売の景気変動を補完する高利益率事業。世界33万台のConSite搭載車両が基盤。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.1% | 2.1% | - |
| FY2022/3 | 20.6% | 7.9% | - |
| FY2023/3 | 13.2% | 7.1% | - |
| FY2024/3 | 16.4% | 8.7% | 11.6% |
| FY2025/3 | 20.2% | 7.5% | 11.3% |
FY2024/3に営業利益率12.0%と過去最高を記録。コマツの営業利益率14%台には及ばないものの、建機メーカーとしては高水準です。ROEは9〜12%で推移し、資本効率は改善傾向。FY2021/3はコロナ禍による需要急減で営業利益率4.0%・ROE 1.8%と落ち込みましたが、その後のV字回復は見事でした。FY2025/3は減収の影響で利益率がやや低下したものの、バリューチェーン事業(部品・サービス)の利益率が11.9%と高く、新車販売が減速しても収益を下支えする構造が整いつつあります。
財務は安全?
総資産1兆7,910億円に対し純資産8,580億円、自己資本比率45.2%と機械メーカーとして堅実な財務体質です。BPSは5年間で57%増加し3,805円に到達。FY2025/3は総資産が前期比2.4%減少しましたが、これは棚卸資産の圧縮と為替影響によるもの。有利子負債はIFRS基準でリース債務を含みますが、開示ベースでは0と表示されています。建機メーカーは販売金融(リース・割賦)事業を内包するため、実質的な金融負債は別途存在する点に注意が必要です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 730億円 | -390億円 | -89.2億円 | 340億円 |
| FY2025/3 | 1,439億円 | -528億円 | -854億円 | 911億円 |
FY2025/3は営業CF1,439億円と過去最高を記録。在庫圧縮と販売金融の回収が大きく寄与しました。FY2023/3は営業CFがマイナス261億円と異例の資金流出でしたが、これは急成長期の運転資本増加(棚卸資産・販売金融債権の膨張)によるもので、財務CFで870億円を調達して補いました。投資CFは年間300〜500億円で、生産設備の更新と海外拠点整備に充当。FY2025/3のFCF 911億円は潤沢で、配当と自社株買いを合わせた株主還元の原資として十分な水準です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 89.3億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 527億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 576億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 763億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 683億円 | 0円 | 0.0% |
実効税率は37〜42%で推移し、グローバルに事業展開する建機メーカーとしては標準的な水準です。FY2023/3の実効税率が41.5%とやや高いのは、海外子会社における移転価格税制の影響と推測されます。FY2026/3予想では実効税率45.0%と高めに設定されていますが、これは米国関税によるコスト増を保守的に織り込んだ結果です。日本・中国・アジア・欧州・米州と世界各地に納税義務があり、各国の税制変更リスクには注意が必要です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 774万円 | 26,101人 | - |
誰がこの会社の株を持ってる?
HCJIホールディングス(伊藤忠系)25.99%と日立製作所25.42%が安定株主。信託口(マスタートラスト14.2%等)は機関投資家の受託分で浮動株。日立製作所は2025年11月に持株比率を18.4%に低下させており、安定比率は今後変動する可能性あり。
筆頭株主はHCJIホールディングス(伊藤忠商事系、25.99%)で、2022年に日立製作所からの株式取得と公開買付を通じて参画。2026年2月には33.4%への引き上げを発表し、重要議案への拒否権を確保しました。日立製作所(25.42%→18.36%)は2025年11月に1,500万株を売却し持分法適用から外れています。日本マスタートラスト信託銀行(14.23%)、日本カストディ銀行(5.70%)は機関投資家の受託口。シトラスインベストメント合同会社(2.57%)はアクティビスト系ファンドです。伊藤忠の影響力拡大と日立の段階的撤退という株主構成の大転換期にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設機械ビジネス | 約1兆2,439億円 | 約1,299億円 | 10.4% |
| スペシャライズド・パーツ・サービス | 約1,274億円 | 約151億円 | 11.9% |
売上の約91%を建設機械ビジネスが占め、パーツ・サービスが約9%を補完する構造。建設機械ビジネスの利益率10.4%に対し、パーツ・サービスは11.9%と高く、ストック型収益の拡大が収益安定化の鍵です。役員報酬は取締役7名に対し総額9,000万円(1人あたり推定約1,286万円)で、グローバル大企業としては抑制的。連結従業員26,101名・監査報酬1億7,300万円。設備投資は年間約1,284億円と積極的に生産能力の拡大・更新に投資しています。
この会社のガバナンスは?
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1兆3,800億円 | — | 1兆4,059億円 | +1.9% |
| FY2025/3 | 1兆3,700億円 | — | 1兆3,713億円 | +0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1,550億円 | — | 1,680億円 | +8.4% |
| FY2025/3 | 1,550億円 | — | 1,450億円 | -6.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2024/3は売上・利益とも会社予想を上回りましたが、FY2025/3は営業利益が1,550億円予想に対し1,450億円と6.5%の未達。中計の利益率目標12%に対しFY2025/3実績は10.6%で、最終年度(FY2026/3)での達成はハードルが高い状況です。一方、配当性向30〜40%の目標は達成しており、売上予想の精度は±2%以内と信頼性が高いのが特徴。利益面は為替や新車需要の変動に大きく左右されるため、予想精度の改善が課題です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年累積TSRは206.1%(投資元本が約2.1倍)と絶対リターンは良好ですが、TOPIX(213.4%)を約7ポイント下回るアンダーパフォーム。FY2021〜FY2022にかけてはTOPIXを上回りましたが、FY2023に大きく落ち込み、FY2024に急回復するも再び軟化しています。建機セクター特有のボラティリティの高さが示されており、タイミング次第でリターンが大きく変わる銘柄です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 162.9万円 | +62.9万円 | 62.9% |
| FY2022 | 151.9万円 | +51.9万円 | 51.9% |
| FY2023 | 151.4万円 | +51.4万円 | 51.4% |
| FY2024 | 224.3万円 | +124.3万円 | 124.3% |
| FY2025 | 206.1万円 | +106.1万円 | 106.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 13.9倍はセクター平均をやや下回り、PBR 1.43倍はセクター平均を上回る水準。信用倍率2.54倍は需給面でやや買い優勢ですが過熱感はありません。52週高値7,225円(2026年2月、伊藤忠の追加出資発表時)から直近5,443円まで約25%の調整が入っており、トランプ関税の不透明感が株価の重石となっています。配当利回り3.2%は同セクター内でも高水準で、バリュー投資家の注目銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
伊藤忠商事と米国市場の共同開拓を本格始動。ディア社との30年超の提携解消後、独自販売網の構築で2,000億円増収を目指す。
国内工場でロボットを活用した生産自動化に着手。トランプ関税に備えたコスト削減と人手不足対応を同時推進。
伊藤忠商事がHCJIホールディングスを通じ出資比率を33.4%に引き上げ、拒否権ラインを確保。追加投資額は約1,800億円。
2027年4月に社名を「ランドクロス(LANDCROS)」に変更すると発表。日立の看板を外し『第2の創業』を掲げる。
日立製作所が保有株1,500万株を売却し、持株比率が25.4%→18.4%に低下。持分法適用会社から外れる。
最新ニュース
日立建機 まとめ
ひとめ診断
「油圧ショベル世界3位、伊藤忠と組んで『第2の創業』に挑む建機の巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
『現場の空気を作る』コンプレッサー国内首位、建設・イベント需要を追い風に高収益を叩き出す新潟の優良メーカー
業務用の『冷やす』を極め、食のインフラから先端医療まで支える技術屋集団
『半導体をプラスチックで固める』技術で世界首位、生成AIブームの追い風を受ける精密金型技術の巨人
創業100年の老舗シールメーカーが、半導体ブームの波に乗り世界トップシェア製品で過去最高益を更新中
京都発、ニッチな半導体製造装置でAI・パワー半導体の未来を切り拓く技術者集団
世界首位のチェーンメーカーが、物流DXとM&Aを両輪に未来の“動き”を創造中
自動車塗装のガリバーが、創業100周年を機にEVや香りビジネスにも触手を伸ばす野心的な老舗メーカー
パチンコ機大手が国内2大ゴルフ場チェーンを買収、余暇時間の王者を狙う総合レジャー企業