カナデビア
Kanadevia Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
140年以上の歴史を未来へ繋ぐ、脱炭素社会の実現を目指す環境技術のパイオニア
技術をもって、人と地球の豊かな未来を奏でる。
この会社ってなに?
あなたが毎日出すごみ、それがどうなるか考えたことはありますか?実はカナデビアの技術が、そのごみを燃やして電気に変えています。あなたが住む街のごみ処理施設の裏側では、同社のプラントが24時間稼働しているかもしれません。また、あなたが利用する地下鉄のトンネルも、カナデビアが作る「シールド掘進機」という巨大な機械が掘り進めたものかもしれません。海外では、きれいな飲み水を作る海水淡水化プラントも手掛けており、私たちの生活や社会を文字通り「根っこ」から支えている会社なのです。
旧日立造船から社名変更したカナデビアは、ごみ焼却発電プラントを主力に社会インフラ事業を展開するエンジニアリング企業です。FY2025は売上高6,105.2億円、営業利益269.46億円と増収増益を達成し、安定した成長基盤を築いています。現在は日鉄エンジニアリングとの経営統合に向けた協議を進めており、実現すれば国内トップクラスの環境・インフラ企業が誕生する見込みです。株価はPBR1倍割れと割安感があり、統合によるシナジー発現と企業価値向上への期待が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89号
- 公式
- www.kanadevia.com
社長プロフィール

1881年の創業以来、社会インフラ整備や産業の発展に貢献してきました。これからも、脱炭素化、資源循環、安全でレジリエントな社会基盤整備という社会課題の解決に、技術と誠実さで挑み続けます。企業価値を高め、人と地球の豊かな未来を奏でる企業を目指します。
この会社のストーリー
英国人E.H.ハンターが近代的な造船所を設立。日本の近代化を支える造船・機械メーカーとしての歴史が始まる。
日立製作所の傘下となり商号を変更。戦後は日本の高度経済成長を支える造船・重工業の担い手として発展を遂げる。
造船で培った技術を応用し、環境事業へ進出。現在の主力事業であるごみ焼却発電プラントの礎を築く。
事業の選択と集中を進め、祖業であった造船事業を分離。環境・プラント事業を中核とする体制へ大きく舵を切る。
ごみ焼却発電プラントのリーディングカンパニーを買収し、グローバル展開を本格化。世界トップクラスの地位を確立する。
再生可能エネルギーの活用に向け、メガワット級の大型水電解式水素発生装置を開発。次世代エネルギー分野への挑戦を続ける。
「奏でる」とラテン語の「道」を組み合わせた新社名へ変更。造船のイメージを刷新し、総合エンジニアリング企業としての新たな歩みを始める。
エンジニアリング業界の国内トップを目指し、日鉄エンジニアリングとの経営統合に向けた協議を開始。更なる成長と事業領域拡大を見据える。
注目ポイント
主力のごみ焼却発電プラントは世界で1000件以上の実績を誇ります。廃棄物をエネルギーに変える技術で、脱炭素社会と循環型経済の実現に貢献しています。
140年以上の歴史を持つ「日立造船」から、祖業の造船事業を分離。時代の変化を捉え、環境・エネルギー分野へピボットした変革力が強みです。
株主への利益還元を重要な経営課題と位置付けており、配当は年々増加傾向にあります。2025年3月期には年間25円の配当を予想しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 34.3% |
| FY2017/3 | 12円 | 34.5% |
| FY2018/3 | 12円 | 93.2% |
| FY2019/3 | 12円 | 37.1% |
| FY2020/3 | 12円 | 92.0% |
| FY2021/3 | 12円 | 47.5% |
| FY2022/3 | 12円 | 25.6% |
| FY2023/3 | 18円 | 19.5% |
| FY2024/3 | 23円 | 20.4% |
| FY2025/3 | 25円 | 19.0% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
同社は業績連動を基本としつつ、安定的な配当の継続を重視しており、近年は増配傾向にあります。配当性向は20%前後で推移しており、成長投資を優先しつつも株主還元を強化する方針が見て取れます。今後は、事業統合や技術開発投資の影響を考慮しつつ、長期的なキャッシュフローに基づいた還元策の継続が期待されます。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
カナデビアはごみ焼却発電設備を核に、安定した受注環境を背景として売上高がFY2021/3の約4,086億円からFY2025/3には約6,105億円まで右肩上がりに成長しています。営業利益もこれに伴い堅調に拡大してきましたが、FY2026/3予想では高採算案件の減少やインフラ事業の苦戦が影響し、純利益が約160億円へ一時的な減益を見込んでいます。今後も環境プラント分野での海外展開を軸に、収益基盤の多様化が業績回復の鍵となります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.3% | 1.0% | - |
| FY2022/3 | 1.9% | 1.7% | - |
| FY2023/3 | 8.6% | 3.2% | - |
| FY2024/3 | 8.2% | 3.6% | 4.4% |
| FY2025/3 | 11.3% | 3.6% | 4.4% |
売上規模の拡大と並行し、経営効率化が進んだことでROE(自己資本利益率)はFY2021/3の3.3%からFY2025/3には11.2%まで着実に改善しました。営業利益率は4%前後で安定しており、重厚長大産業の中でも一定の採算性を維持しています。ただし、海外プロジェクトのトラブルやインフラ事業のコスト変動が利益率を左右する要因となっており、持続的な高収益体制の構築が今後の課題です。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の約4,293億円からFY2025/3には約6,097億円へ大幅に増加しており、積極的な投資活動がうかがえます。特筆すべきは負債構成の変化で、かつて無借金経営であった状態から成長投資に伴い有利子負債が約2,774億円まで膨らんでいる点です。自己資本比率は約31%を維持しており、財務健全性は確保されていますが、負債による資本コストの管理が重要性を増しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 227億円 | -138億円 | -52.7億円 | 88.3億円 |
| FY2022/3 | 269億円 | 9.4億円 | -87.6億円 | 278億円 |
| FY2023/3 | 280億円 | -24.6億円 | -78.4億円 | 255億円 |
| FY2024/3 | 4.8億円 | -215億円 | -26.1億円 | -210億円 |
| FY2025/3 | 248億円 | -566億円 | 302億円 | -318億円 |
営業キャッシュフローは概ね200億円以上のプラスを維持し、本業での稼ぐ力を示していますが、近年は積極的な設備投資やバイオガスプラント買収など投資キャッシュフローが大幅なマイナスとなっています。これに伴いフリーキャッシュフローはマイナス圏で推移しており、成長のための戦略的な資金投下を行っている段階です。今後は投下資本の回収と、それによる収益性向上への転換が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 118億円 | 75.3億円 | 63.9% |
| FY2022/3 | 118億円 | 38.8億円 | 33.0% |
| FY2023/3 | 178億円 | 22.6億円 | 12.7% |
| FY2024/3 | 256億円 | 66.5億円 | 25.9% |
| FY2025/3 | 243億円 | 22.3億円 | 9.1% |
法人税等の支払額は年度により大きく変動しており、これは繰延税金資産の取り崩しや海外事業にかかる現地税制の影響を受けているためです。FY2023/3およびFY2025/3は実効税率が低下していますが、これは税務上の優遇措置や一時的な利益調整による影響です。FY2026/3予想では実効税率が約41%と高水準に見積もられており、標準的な税負担への回帰が見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 792万円 | 12,964人 | - |
従業員平均年収は792万円であり、製造業の平均水準と比較しても安定した給与体系を維持しています。近年の海外事業の拡大や技術トラブルによる業績の変動はあるものの、人材確保を重要視する経営姿勢がこの水準に反映されていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はSTATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505301 (常任代理人 みずほ銀行)・三菱UFJ銀行。
株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占める安定的な構造です。海外金融機関の保有比率も高く、機関投資家の影響力が強い一方で、特定の創業家や支配的な親会社による直接的な支配構造ではない点が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、ごみ焼却発電設備を主力とする環境部門に加え、機械インフラ部門を展開しています。直近の決算では海外子会社の技術トラブルや社会インフラ事業の悪化による赤字転落が報告されており、これら事業リスクの管理が喫緊の課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は25.0%と、東証プライム上場企業として一定の多様性を確保しています。158社の連結子会社を抱える巨大な企業グループを統括するため、監査報酬1億7,900万円を投じてガバナンス体制の強化を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 5,700億円 | — | 6,105億円 | +7.1% |
| FY2024 | 5,200億円 | — | 5,558億円 | +6.9% |
| FY2023 | 4,400億円 | — | 4,927億円 | +12.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 260億円 | — | 269億円 | +3.6% |
| FY2024 | 220億円 | — | 243億円 | +10.6% |
| FY2023 | 200億円 | — | 201億円 | +0.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は具体的な中期経営計画を公表していませんが、毎期の業績予想が実質的な経営目標となります。過去3期連続で売上高・営業利益ともに期初予想を上回る実績を上げており、安定した事業運営と収益管理能力を示しています。特にFY2026の業績予想では、売上高6,200億円、営業利益270億円を目指しており、前期(FY2025)の実績ベースで進捗率はほぼ100%と順調な滑り出しです。今後は日鉄エンジニアリングとの経営統合の行方が、将来の成長軌道を大きく左右する最重要テーマとなります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続してTOPIXを大幅にアウトパフォームしており、株主へのリターン創出において非常に優れた実績を示しています。これは、安定した業績成長を背景とした株価上昇と、積極的な増配による株主還元策が両輪となって実現されたものです。特にFY2024にはTSRが397.7%に達するなど、強力な株価パフォーマンスが投資家に評価されていることを裏付けています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 260.6万円 | +160.6万円 | 160.6% |
| FY2022 | 221.3万円 | +121.3万円 | 121.3% |
| FY2023 | 260.9万円 | +160.9万円 | 160.9% |
| FY2024 | 397.7万円 | +297.7万円 | 297.7% |
| FY2025 | 288.8万円 | +188.8万円 | 188.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.47倍と拮抗しており、買い方と売り方の需給バランスが取れている状態です。一方で、同業の機械セクター平均と比較すると、PER・PBRともに割安な水準に置かれています。これは、同社の安定した収益基盤や将来性が株価にまだ十分に織り込まれていない可能性を示唆しています。日鉄エンジニアリングとの統合が具体化すれば、市場からの再評価が進む可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
日鉄エンジニアリングと経営統合に向けた検討を開始し、業界再編の動きが注目されている。
第3四半期における高採算案件の減少と社会インフラ事業の悪化により通期予想を下方修正した。
日立造船からカナデビアへの社名変更を正式に実施し、新たなブランド構築を推進している。
最新ニュース
カナデビア まとめ
ひとめ診断
「『脱・造船』から1世紀、ごみ焼却発電と社会インフラで世界に挑むエンジニアリングの巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
防衛・エネルギー・宇宙で日本のインフラを支える、総合重機の絶対王者
『摩擦をなくす』技術で自動車から高層ビルまで支える、縁の下のトップ企業
プリ機の覇者が、クレーンゲーム景品とアニメ事業で『推し活』経済圏を丸ごと押さえるコングロマリット
放電加工機の世界トップが、ラーメン製麺機から3Dプリンタまで手掛ける『超精密加工の何でも屋』
日本の精密加工を武器に、中国EV市場で勝ち続ける小型自動旋盤の巨人
空気圧制御機器で世界首位。国内シェア6割超・海外3割超を握るFA自動化の王者
産業用小型ボイラ国内シェア約5割。メンテナンスのストック収益と海外M&Aで成長加速
『見えない情報』を値札やタグに貼り付け、世界の物流を支えるバーコードの巨人