野村マイクロ・サイエンス6254
Nomura Micro Science Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、ゲーム機。これらの頭脳である「半導体」は、製造過程でチリやホコリを徹底的に洗い流す必要があります。この洗浄に使われるのが、不純物を極限まで取り除いた「超純水」という特別な水です。野村マイクロ・サイエンスは、この超純水を作り出すためのプラント(装置一式)を設計・製造している会社です。普段私たちが目にすることのない半導体工場の裏側で、最先端の技術を支える重要な役割を担っています。
半導体製造に不可欠な「超純水」製造装置で世界的な競争力を持つ企業。旺盛な半導体設備投資を追い風に、2025年3月期は売上高963.6億円(前期比+32.0%)、営業利益153.72億円(同+44.4%)と過去最高業績を達成しました。しかし、大規模プロジェクトの完了に伴い、2026年3月期は売上高600.0億円、営業利益62.0億円と大幅な減収減益を見込んでいます。この受注サイクルの波を乗りこなし、次の中期的な成長軌道に戻れるかが投資家の注目点です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県厚木市岡田二丁目9番10号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 19.8% | 10.6% | - |
| 2022/03期 | 22.6% | 12.7% | - |
| 2023/03期 | 31.1% | 16.8% | - |
| 2024/03期 | 31.7% | 14.2% | 14.6% |
| 2025/03期 | 30.9% | 10.9% | 16.0% |
| 3Q FY2026/3 | 8.2%(累計) | 2.5%(累計) | 11.3% |
半導体業界の設備投資活発化を背景に受注残高が積み上がり、営業利益率は2021/03期の13.1%から2025/03期には16.0%まで着実に向上しています。ROE(自己資本利益率)も27%超の高水準を維持しており、限られた資本を効率よく活用して高い利益を生み出す経営体質が定着しました。今後は市場環境の変化に対応しつつ、この高い収益性をいかに維持できるかが注目点です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 304億円 | — | 26.2億円 | 71.2円 | - |
| 2022/03期 | 319億円 | — | 32.9億円 | 89.4円 | +5.1% |
| 2023/03期 | 496億円 | — | 58.1億円 | 156.9円 | +55.5% |
| 2024/03期 | 730億円 | 106億円 | 79.8億円 | 213.5円 | +47.2% |
| 2025/03期 | 964億円 | 154億円 | 102億円 | 270.8円 | +32.0% |
半導体製造プロセスに不可欠な超純水製造装置の需要拡大により、売上高は過去5年間で約3倍の963億円まで急成長しました。営業利益もこれに伴い、2021/03期の約40億円から2025/03期には約154億円へと大幅に伸長しています。一方で、2026/03期期については大型案件の端境期を想定し、売上高600億円、営業利益62億円と一時的な減収減益を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上410億円(通期予想比68%)、営業利益46億円(同75%)、純利益29億円(同75%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
超純水製造装置の専業メーカーとして、半導体製造プロセスにおける「水」の重要性を担う独自のポジショニングを築いています。一方で、半導体業界の設備投資サイクルに強く依存するため、市場の景況感変動が業績に直接的な影響を及ぼすリスクを内包しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 880億円 | 920億円 | 964億円 | +9.5% |
| 2024期 | 580億円 | 650億円 | 730億円 | +25.9% |
| 2023期 | 380億円 | 440億円 | 496億円 | +30.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 120億円 | 140億円 | 154億円 | +28.1% |
| 2024期 | 70億円 | 80億円 | 106億円 | +52.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中計「HiPES-2023」は、旺盛な半導体需要を背景に最終年度を待たずに売上・利益ともに目標を大幅に上回って達成しました。しかし、現行の中計「TTT-26」は、2025期に記録的な業績を達成した反動で、最終年度(2026期)は大幅な減収減益を見込んでおり、計画達成には不透明感が漂います。過去2年間、会社予想を大幅に上回る実績を叩き出してきた予想精度の高さは評価できますが、受注産業特有の業績の波をどう乗り越えるかが課題です。
最新ニュース
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メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
第3四半期連結経常利益が前年同期比38.1%増を記録し、堅調な半導体投資需要を背景に成長を維持。
ゴールドマン・サックス証券による投資判断の格上げを受け、来期の業績V字回復期待から株価が急騰。
TATA SEMICONDUCTORとの提携を開始し、インド市場における超純水供給事業のグローバル展開を加速。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
総資産は成長に伴い2021/03期の約248億円から2025/03期には1,168億円まで急拡大しました。事業拡大に向けた設備投資や運転資金確保のため有利子負債が増加し、自己資本比率は2021/03期の53.1%から31.2%まで低下しています。成長フェーズにおける戦略的な負債活用が見られますが、今後は負債の圧縮と安定した財務基盤の再構築が求められます。 【3Q 2026/03期】総資産1097億円、純資産387億円、自己資本比率32.2%、有利子負債502億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 59.5億円 | 4.3億円 | 9.4億円 | 55.2億円 |
| 2022/03期 | 11.3億円 | 1.3億円 | 8.8億円 | 12.7億円 |
| 2023/03期 | 46.8億円 | 6,500万円 | 2,500万円 | 47.5億円 |
| 2024/03期 | 187億円 | 3.9億円 | 175億円 | 183億円 |
| 2025/03期 | 202億円 | 27.4億円 | 272億円 | 229億円 |
2024/03期以降、運転資金の急増などにより営業キャッシュフローが一時的に大幅なマイナスとなりました。これに対し、銀行借入などの財務キャッシュフローを通じて積極的に資金を調達し成長投資を賄っている状況です。足元は投資先行型となっており、今後は案件の完工に伴う売上回収を通じてキャッシュフローの改善が期待されます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%にとどまっていますが、監査体制の強化や連結子会社6社によるグローバル経営を推進しています。技術革新と市場分散化を両立させるためのガバナンス体制を整備しており、企業規模に見合った経営の透明性確保に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 941万円 | 580人 | - |
従業員平均年収は941万円と、製造業・エンジニアリング業界の中でも非常に高い水準にあります。半導体市場の旺盛な投資を背景とした好業績が、賞与を通じて従業員へ手厚く還元されていることが主な要因です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。当社のTSRは、2021期から2025期までの5年間、一貫してTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特に2024期には2379.6%という驚異的なリターンを記録しました。これは、世界的な半導体設備投資の活況を背景に業績が急拡大し、それに伴い株価が大きく上昇したことが主な要因です。積極的な配当政策も株主還元に寄与しており、資本市場から高く評価されていることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 3円 | 17.6% |
| 2017/03期 | 15円 | 19.3% |
| 2018/03期 | 20円 | 18.0% |
| 2019/03期 | 30円 | 26.5% |
| 2020/03期 | 33円 | 23.7% |
| 2021/03期 | 65円 | 22.8% |
| 2022/03期 | 95円 | 26.6% |
| 2023/03期 | 150円 | 23.9% |
| 2024/03期 | 250円 | 117.1% |
| 2025/03期 | 80円 | 29.5% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は利益成長に応じた株主還元を重視しており、安定的な配当の継続と向上を基本方針としています。業績が急拡大した2024/03期には増配を実施し、高い配当性向を記録しました。今後も成長のための内部留保と配当のバランスを考慮し、持続的な還元を目指す姿勢です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 365.9万円 | 265.9万円 | 265.9% |
| 2022期 | 432.0万円 | 332.0万円 | 332.0% |
| 2023期 | 436.9万円 | 336.9万円 | 336.9% |
| 2024期 | 2379.6万円 | 2279.6万円 | 2279.6% |
| 2025期 | 1026.6万円 | 926.6万円 | 926.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は6倍台とやや高く、短期的な値動きを狙った個人投資家の買い意欲がうかがえます。将来の売り圧力となる可能性があるため注意が必要です。PER・PBRともに業界平均を上回っており、市場からの高い成長期待を反映していますが、来期の減益予想を踏まえると割高感も意識されます。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げるなど、アナリストの評価は分かれている状況です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 36.4億円 | 10.2億円 | 28.0% |
| 2022/03期 | 45.8億円 | 12.9億円 | 28.2% |
| 2023/03期 | 64.2億円 | 6.1億円 | 9.5% |
| 2024/03期 | 108億円 | 28.4億円 | 26.3% |
| 2025/03期 | 134億円 | 32.0億円 | 23.9% |
各期の法人税等は税引前利益の変動に応じて推移しています。2023/03期は一時的な税務要因により実効税率が9.5%と低くなりましたが、通常期はおおむね20%台後半で推移しています。今後の見通しでは、利益水準の低下に伴い相対的な税負担率が上昇する予測となっています。
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野村マイクロ・サイエンス まとめ
「半導体工場の血液『超純水』を供給する、縁の下の世界的巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。