野村マイクロ・サイエンス
Nomura Micro Science Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
半導体産業を支える「超純水」技術で、世界の最先端テクノロジーを進化させる水先案内人
水を通じて人と自然と技術が調和した豊かな社会を実現する。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、ゲーム機。これらの頭脳である「半導体」は、製造過程でチリやホコリを徹底的に洗い流す必要があります。この洗浄に使われるのが、不純物を極限まで取り除いた「超純水」という特別な水です。野村マイクロ・サイエンスは、この超純水を作り出すためのプラント(装置一式)を設計・製造している会社です。普段私たちが目にすることのない半導体工場の裏側で、最先端の技術を支える重要な役割を担っています。
半導体製造に不可欠な「超純水」製造装置で世界的な競争力を持つ企業。旺盛な半導体設備投資を追い風に、2025年3月期は売上高963.6億円(前期比+32.0%)、営業利益153.72億円(同+44.4%)と過去最高業績を達成しました。しかし、大規模プロジェクトの完了に伴い、2026年3月期は売上高600.0億円、営業利益62.0億円と大幅な減収減益を見込んでいます。この受注サイクルの波を乗りこなし、次の中期的な成長軌道に戻れるかが投資家の注目点です。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県厚木市岡田二丁目9番10号
- 公式
- www.nomura-nms.co.jp
社長プロフィール
当社は、半導体製造など最先端産業に不可欠な超純水製造技術で社会に貢献してきました。これからも技術革新を続け、グローバルなパートナーシップを通じて、世界のテクノロジーの進化を支えるという使命を果たしてまいります。
この会社のストーリー
水処理装置の販売・設計・施工を目的として設立。ここから日本の「水」技術の歴史が始まった。
韓国法人と台湾法人を設立し、海外の半導体市場へ本格的に進出。グローバル企業への第一歩を踏み出した。
株式を上場し、さらなる事業拡大と技術開発のための資金調達力と社会的信用を獲得した。
韓国子会社の合併や中国企業の買収など、積極的なM&Aを通じて海外事業基盤と技術力を強化した。
東証二部から一部へ市場変更を果たし、日本のトップ企業の一員に。その後、市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
インドの巨大企業TATAグループと協業し、現地の半導体工場へ超純水製造システムを供給。新たな成長市場を開拓した。
半導体需要の波に対応しつつ、次の成長ステージへ。グローバルな事業基盤の強化と新技術開発を加速させる。
注目ポイント
半導体製造に欠かせない、不純物を極限まで取り除いた「超純水」を作る装置で世界をリード。日本の技術力が世界の最先端産業を支えています。
世界的な半導体需要の高まりを受け、業績は急成長中。特に韓国や中国、そしてインドといった成長市場で確固たる地位を築いています。
業績好調を背景に、配当も増加傾向にあります。会社の成長を株主と共に分かち合う姿勢も魅力の一つです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0.8円 | 18.8% |
| FY2017/3 | 3.8円 | 19.6% |
| FY2018/3 | 5円 | 18.0% |
| FY2019/3 | 7.5円 | 26.5% |
| FY2020/3 | 8.3円 | 23.9% |
| FY2021/3 | 16.3円 | 22.9% |
| FY2022/3 | 23.8円 | 26.6% |
| FY2023/3 | 37.5円 | 23.9% |
| FY2024/3 | 250円 | 117.1% |
| FY2025/3 | 80円 | 29.5% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は利益成長に応じた株主還元を重視しており、安定的な配当の継続と向上を基本方針としています。業績が急拡大したFY2024/3には増配を実施し、高い配当性向を記録しました。今後も成長のための内部留保と配当のバランスを考慮し、持続的な還元を目指す姿勢です。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
半導体製造プロセスに不可欠な超純水製造装置の需要拡大により、売上高は過去5年間で約3倍の963億円まで急成長しました。営業利益もこれに伴い、FY2021/3の約40億円からFY2025/3には約154億円へと大幅に伸長しています。一方で、FY2026/3期については大型案件の端境期を想定し、売上高600億円、営業利益62億円と一時的な減収減益を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 19.0% | 10.6% | - |
| FY2022/3 | 22.1% | 12.1% | - |
| FY2023/3 | 15.6% | 13.9% | - |
| FY2024/3 | 24.7% | 11.3% | 14.6% |
| FY2025/3 | 26.6% | 8.7% | 16.0% |
半導体業界の設備投資活発化を背景に受注残高が積み上がり、営業利益率はFY2021/3の13.1%からFY2025/3には16.0%まで着実に向上しています。ROE(自己資本利益率)も27%超の高水準を維持しており、限られた資本を効率よく活用して高い利益を生み出す経営体質が定着しました。今後は市場環境の変化に対応しつつ、この高い収益性をいかに維持できるかが注目点です。
財務は安全?
総資産は成長に伴いFY2021/3の約248億円からFY2025/3には1,168億円まで急拡大しました。事業拡大に向けた設備投資や運転資金確保のため有利子負債が増加し、自己資本比率はFY2021/3の53.1%から31.2%まで低下しています。成長フェーズにおける戦略的な負債活用が見られますが、今後は負債の圧縮と安定した財務基盤の再構築が求められます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.5億円 | -4.3億円 | -9.4億円 | 55.2億円 |
| FY2022/3 | 11.3億円 | 1.3億円 | -8.8億円 | 12.7億円 |
| FY2023/3 | 46.8億円 | 6,500万円 | -2,500万円 | 47.5億円 |
| FY2024/3 | -187億円 | 3.9億円 | 175億円 | -183億円 |
| FY2025/3 | -202億円 | -27.4億円 | 272億円 | -229億円 |
FY2024/3以降、運転資金の急増などにより営業キャッシュフローが一時的に大幅なマイナスとなりました。これに対し、銀行借入などの財務キャッシュフローを通じて積極的に資金を調達し成長投資を賄っている状況です。足元は投資先行型となっており、今後は案件の完工に伴う売上回収を通じてキャッシュフローの改善が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 36.4億円 | 10.2億円 | 28.0% |
| FY2022/3 | 45.8億円 | 12.9億円 | 28.2% |
| FY2023/3 | 64.2億円 | 6.1億円 | 9.5% |
| FY2024/3 | 108億円 | 28.4億円 | 26.3% |
| FY2025/3 | 134億円 | 32.0億円 | 23.9% |
各期の法人税等は税引前利益の変動に応じて推移しています。FY2023/3は一時的な税務要因により実効税率が9.5%と低くなりましたが、通常期はおおむね20%台後半で推移しています。今後の見通しでは、利益水準の低下に伴い相対的な税負担率が上昇する予測となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 941万円 | 580人 | - |
従業員平均年収は941万円と、製造業・エンジニアリング業界の中でも非常に高い水準にあります。半導体市場の旺盛な投資を背景とした好業績が、賞与を通じて従業員へ手厚く還元されていることが主な要因です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は北興化学工業・りそな銀行・野村殖産。
北興化学工業株式会社が筆頭株主として11.49%を保有し、次いで日本マスタートラスト信託銀行などの信託口が続く構成です。創業家や関連会社も一定の株式を保持しており、安定した株主基盤と経営体制が維持されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
超純水製造装置の専業メーカーとして、半導体製造プロセスにおける「水」の重要性を担う独自のポジショニングを築いています。一方で、半導体業界の設備投資サイクルに強く依存するため、市場の景況感変動が業績に直接的な影響を及ぼすリスクを内包しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%にとどまっていますが、監査体制の強化や連結子会社6社によるグローバル経営を推進しています。技術革新と市場分散化を両立させるためのガバナンス体制を整備しており、企業規模に見合った経営の透明性確保に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 880億円 | 920億円 | 964億円 | +9.5% |
| FY2024 | 580億円 | 650億円 | 730億円 | +25.9% |
| FY2023 | 380億円 | 440億円 | 496億円 | +30.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 120億円 | 140億円 | 154億円 | +28.1% |
| FY2024 | 70億円 | 80億円 | 106億円 | +52.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
旧中計「HiPES-2023」は、旺盛な半導体需要を背景に最終年度を待たずに売上・利益ともに目標を大幅に上回って達成しました。しかし、現行の中計「TTT-26」は、FY2025に記録的な業績を達成した反動で、最終年度(FY2026)は大幅な減収減益を見込んでおり、計画達成には不透明感が漂います。過去2年間、会社予想を大幅に上回る実績を叩き出してきた予想精度の高さは評価できますが、受注産業特有の業績の波をどう乗り越えるかが課題です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。当社のTSRは、FY2021からFY2025までの5年間、一貫してTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024には2379.6%という驚異的なリターンを記録しました。これは、世界的な半導体設備投資の活況を背景に業績が急拡大し、それに伴い株価が大きく上昇したことが主な要因です。積極的な配当政策も株主還元に寄与しており、資本市場から高く評価されていることを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 365.9万円 | +265.9万円 | 265.9% |
| FY2022 | 432.0万円 | +332.0万円 | 332.0% |
| FY2023 | 436.9万円 | +336.9万円 | 336.9% |
| FY2024 | 2379.6万円 | +2279.6万円 | 2279.6% |
| FY2025 | 1026.6万円 | +926.6万円 | 926.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は6倍台とやや高く、短期的な値動きを狙った個人投資家の買い意欲がうかがえます。将来の売り圧力となる可能性があるため注意が必要です。PER・PBRともに業界平均を上回っており、市場からの高い成長期待を反映していますが、来期の減益予想を踏まえると割高感も意識されます。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げるなど、アナリストの評価は分かれている状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期連結経常利益が前年同期比38.1%増を記録し、堅調な半導体投資需要を背景に成長を維持。
ゴールドマン・サックス証券による投資判断の格上げを受け、来期の業績V字回復期待から株価が急騰。
TATA SEMICONDUCTORとの提携を開始し、インド市場における超純水供給事業のグローバル展開を加速。
最新ニュース
野村マイクロ・サイエンス まとめ
ひとめ診断
「半導体工場の血液『超純水』を供給する、縁の下の世界的巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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