小森コーポレーション
KOMORI CORPORATION
最終更新日: 2026年3月28日
世界のお札から感動まで、プリントテクノロジーで社会を支えるグローバル企業
革新的なプリントテクノロジーを通じて、世界中の人々の生活に豊かさと感動を提供し、持続可能な社会の発展に貢献する企業となる。
この会社ってなに?
皆さんが毎日使っている「お札」、実はその多くが小森コーポレーションの特別な印刷機で刷られています。それだけではありません。普段手に取る雑誌や書籍、街で見かけるポスター、スーパーに並ぶお菓子の綺麗なパッケージも、同社の機械がなければ生まれません。さらに、スマートフォンやパソコンの中にある精密な電子回路を作るための装置も手掛けています。見えないところで、私たちの生活に欠かせない様々な「印刷」を支えている、縁の下の力持ちのような会社です。
印刷機械の国内最大手で、紙幣印刷機では世界的なシェアを誇る老舗メーカー。2025年3月期は売上高1110.5億円(前期比+6.5%)、営業利益71.18億円(同+45.3%)と、コロナ禍の赤字からV字回復を達成しました。為替の円安効果に加え、北米や欧州での高付加価値製品の販売が好調だったことが主な要因です。今後は、成長領域であるデジタル印刷やプリント基板向け装置(PE事業)への投資、カナダ企業の買収などM&Aを加速させ、持続的な成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都墨田区吾妻橋3-11-1
- 公式
- www.komori.com
社長プロフィール

1923年の創業以来「顧客感動」の精神を追求し、プリントテクノロジーで社会の発展に貢献してきました。激変する社会環境の中で、お客様とともに新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
この会社のストーリー
東京都墨田区で、小森善七が印刷機械の製造を開始。ここから100年にわたる歴史が始まる。
戦後の復興期に法人化を果たし、本格的な印刷機械メーカーとしての歩みを進める。
独自技術で日本初の紙幣印刷機を開発。国の根幹を支えるセキュリティ印刷分野への大きな一歩を記す。
米国に現地法人を設立し、グローバル展開を加速。世界トップクラスの印刷機械メーカーへと成長していく。
世界的な金融危機の影響で業績が悪化。事業構造の転換と効率化を迫られる厳しい時期を迎える。
MBO Postpress Solutions GmbHを買収。印刷後の加工工程を強化し、デジタル技術との連携を深めるソリューション提供を加速させる。
米Bernal社やカナダCPS社など戦略的なM&Aを再開。プリンテッド・エレクトロニクスなど新事業領域への展開を強化する。
中期経営計画に基づき、環境配慮型製品やDXソリューションの開発を推進。プリントテクノロジーの新たな可能性を切り拓く。
注目ポイント
世界中の紙幣印刷に使われる特殊な印刷機を製造。偽造防止など高度なセキュリティ技術が求められる分野で、世界トップクラスのシェアを誇ります。
電子部品を印刷技術で製造する「プリンテッド・エレクトロニクス」事業を育成中。M&Aも活用し、従来の印刷の枠を超えた成長を目指しています。
安定した配当を継続しており、高い配当利回りが魅力です。総還元性向80%以上を目標に掲げ、株主への利益還元に力を入れています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 38.0% |
| FY2017/3 | 40円 | 365.6% |
| FY2018/3 | 40円 | 75.7% |
| FY2019/3 | 40円 | 163.1% |
| FY2020/3 | 30円 | 0.7% |
| FY2021/3 | 20円 | 0.7% |
| FY2022/3 | 56円 | 50.6% |
| FY2023/3 | 45円 | 42.9% |
| FY2024/3 | 60円 | 69.1% |
| FY2025/3 | 68円 | 49.8% |
株主優待は実施しておらず、1,000株以上保有の株主へ当社オリジナルカレンダーを贈呈しています。
配当方針として総還元性向80%以上を掲げ、配当と自己株式取得を組み合わせた積極的な株主還元を実施しています。近年の配当金額は堅調に推移しており、FY2025/3には1株当たり68円の配当を実現しました。高い配当利回りと柔軟な還元姿勢により、株主重視の経営を体現しています。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
小森コーポレーションの業績は、コロナ禍による停滞から着実に回復し、売上高は1,000億円を超える水準まで成長しています。FY2021/3の赤字から一転、海外市場での印刷機販売が牽引し、FY2025/3には純利益が約72億円を記録しました。今後はさらなる利益率の向上を目指し、FY2026/3には売上高1,245億円、営業利益91億円の増収増益を計画しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -0.1% | -1.4% | - |
| FY2022/3 | 4.9% | 3.9% | - |
| FY2023/3 | 8.1% | 3.5% | - |
| FY2024/3 | 6.0% | 2.8% | 4.7% |
| FY2025/3 | 7.5% | 4.2% | 6.4% |
収益性は、構造改革と高付加価値製品へのシフトにより、営業利益率がFY2021/3のマイナス水準から6%台まで改善しました。ROE(自己資本利益率)はFY2025/3時点で6.3%を確保しており、効率的な資産活用が進んでいます。今後もグローバルニッチトップ企業として、付加価値の高い印刷システムによる利益率の維持・拡大が重要となります。
財務は安全?
同社の財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%台後半を安定して維持しており、長年無借金経営を継続してきました。FY2024/3に一時的な有利子負債が発生しましたが、翌期には大幅に縮小させており、強固な資本基盤が保たれています。この高い財務余力は、積極的な研究開発や将来的なM&A戦略を支える重要な基盤となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 81.7億円 | -22.2億円 | 92.9億円 | 59.5億円 |
| FY2022/3 | 92.8億円 | -13.8億円 | -29.4億円 | 79.0億円 |
| FY2023/3 | 44.8億円 | -5.3億円 | -40.8億円 | 39.5億円 |
| FY2024/3 | -80.5億円 | 4.8億円 | -48.7億円 | -75.7億円 |
| FY2025/3 | 170億円 | -47.8億円 | -43.1億円 | 122億円 |
営業キャッシュフローは、FY2025/3に約170億円の大幅なプラスを計上し、事業による資金創出能力の高さを示しました。過去には一時的なマイナスもありましたが、全体として安定的な営業キャッシュフローを創出しています。潤沢な資金を背景に、成長投資や株主還元を継続的に実施する余裕がある良好な財務循環です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -11.5億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 34.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 66.1億円 | 8.9億円 | 13.5% |
| FY2024/3 | 68.0億円 | 21.6億円 | 31.7% |
| FY2025/3 | 76.2億円 | 3.7億円 | 4.8% |
税引前利益に対する法人税等の支払額は、年度によって変動が見られます。繰越欠損金の解消や税務上の優遇措置などが影響し、実効税率が標準的な税率を下回る期があります。将来的な安定した納税に向けて、利益の着実な蓄積が進んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 713万円 | 2,625人 | - |
平均年収713万円は、機械業界における平均的な水準と比較しても十分に競争力のある給与設定と言えます。長期的な業績変動はあるものの、グローバルでの売上比率が高い同社にとって、高い専門性を持つ人材を確保・維持するための安定的な待遇が提供されていると推察されます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 主な安定株主は小森コーポレーション取引先持株会・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 みずほ銀行決済営業部)・明治安田生命保険相互会社。
同社は機関投資家による保有比率が比較的高く、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占める安定的な構成です。一方で、創業家である小森一族が一定数の株式を保有しており、経営への一定の影響力を維持しつつ、取引先持株会などの存在により、長期的なパートナーシップを重視する姿勢が見て取れます。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業リスクには、印刷機械市場における海外競合他社との激しい競争、および原材料費・物流コストの変動が挙げられます。また、海外売上比率が高いため為替レートの変動による業績への影響が大きく、経営環境の不透明さに対するリスク管理が重要な焦点となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が20%と一定の多様性が確保されており、機械メーカーとしては先進的なガバナンス体制を構築しています。監査等委員会設置会社へ移行することで監督機能を強化しており、連結子会社24社を抱えるグローバル企業として適切なリスク管理と透明性の高い経営体制を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,094億円 | — | 1,111億円 | +1.5% |
| FY2024 | 1,020億円 | — | 1,043億円 | +2.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 58億円 | — | 71億円 | +22.7% |
| FY2024 | 33億円 | — | 49億円 | +48.4% |
| FY2023 | 34億円 | — | 57億円 | +68.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新たな中期経営計画では、2027年3月期に売上高1,350億円、営業利益率10%以上という高い目標を掲げています。これは、FY2025実績(売上高1110.5億円、営業利益率6.41%)から大幅な成長を企図するものです。成長ドライバーとして、既存事業の強化に加え、M&Aを含むPE(プリントエレクトロニクス)事業の拡大を据えており、計画達成に向けた具体的な施策の実行力が問われます。近年の業績予想は保守的で実績が上回る傾向にあり、市場の信頼は厚いものの、目標達成のハードルは高いと評価されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。小森コーポレーションのTSRは、調査期間であるFY2021からFY2025までの5年間、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る(アンダーパフォーム)結果となりました。これは、コロナ禍における業績悪化やデジタル化の遅れ懸念による株価の長期低迷が主な要因です。ただし、直近FY2025では株価が回復基調にあり、TOPIXとの差は縮小傾向にあります。今後の業績改善と株主還元強化が、TSRを向上させる鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 104.5万円 | +4.5万円 | 4.5% |
| FY2022 | 109.0万円 | +9.0万円 | 9.0% |
| FY2023 | 150.9万円 | +50.9万円 | 50.9% |
| FY2024 | 191.7万円 | +91.7万円 | 91.7% |
| FY2025 | 199.2万円 | +99.2万円 | 99.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.74倍と解散価値とされる1倍を大きく下回っており、株価は割安と判断される水準です。一方で、配当利回りは4.23%と業界平均を大幅に上回っており、高配当銘柄としての魅力があります。信用倍率は2.07倍と買い残が優勢ですが、過熱感はなく需給バランスは比較的安定していると言えます。時価総額は業界内で中規模に位置しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
カナダの印刷機メーカーであるCPS社を戦略的買収し、パッケージ印刷市場での競争力を強化。
経営陣のインセンティブ強化を目的に、業績連動型株式報酬制度の改定を実施。
為替差損の影響を受け、4-6月期の最終利益が前年同期比31.0%減となる厳しい決算を発表。
最新ニュース
小森コーポレーション まとめ
ひとめ診断
「『お札』も刷る印刷機の巨人が、デジタル印刷とM&Aで100年目の再成長に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
業務用の『冷やす』を極め、食のインフラから先端医療まで支える技術屋集団
放電加工機の世界トップが、ラーメン製麺機から3Dプリンタまで手掛ける『超精密加工の何でも屋』
半導体需要の波に乗る、鹿児島の超精密加工ニッチトップ企業
半導体工場の血液『超純水』を供給する、縁の下の世界的巨人
工場の血管をつなぐ『カプラ』で世界シェアを握る、省力・省人化の黒子企業
減速機と射出成形機で世界トップクラス、住友グループの総合重機械メーカーが構造改革で次の成長へ
老舗のポンプ商社が、水処理エンジニアリングと環境ソリューションで社会インフラを支えるメーカーへと変貌中
創業100年超の老舗ポンプメーカーが、世界の水インフラと次世代エネルギー(水素)を商機に変え、M&Aで新領域へ進撃中