小森コーポレーション6349
KOMORI CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
皆さんが毎日使っている「お札」、実はその多くが小森コーポレーションの特別な印刷機で刷られています。それだけではありません。普段手に取る雑誌や書籍、街で見かけるポスター、スーパーに並ぶお菓子の綺麗なパッケージも、同社の機械がなければ生まれません。さらに、スマートフォンやパソコンの中にある精密な電子回路を作るための装置も手掛けています。見えないところで、私たちの生活に欠かせない様々な「印刷」を支えている、縁の下の力持ちのような会社です。
印刷機械の国内最大手で、紙幣印刷機では世界的なシェアを誇る老舗メーカー。2025年3月期は売上高1110.5億円(前期比+6.5%)、営業利益71.18億円(同+45.3%)と、コロナ禍の赤字からV字回復を達成しました。為替の円安効果に加え、北米や欧州での高付加価値製品の販売が好調だったことが主な要因です。今後は、成長領域であるデジタル印刷やプリント基板向け装置(PE事業)への投資、カナダ企業の買収などM&Aを加速させ、持続的な成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都墨田区吾妻橋3-11-1
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.1% | 1.4% | - |
| 2022/03期 | 6.1% | 4.1% | - |
| 2023/03期 | 5.4% | 3.5% | - |
| 2024/03期 | 4.2% | 2.8% | 4.7% |
| 2025/03期 | 6.3% | 4.3% | 6.4% |
| 3Q FY2026/3 | 5.0%(累計) | 3.0%(累計) | 8.1% |
収益性は、構造改革と高付加価値製品へのシフトにより、営業利益率が2021/03期のマイナス水準から6%台まで改善しました。ROE(自己資本利益率)は2025/03期時点で6.3%を確保しており、効率的な資産活用が進んでいます。今後もグローバルニッチトップ企業として、付加価値の高い印刷システムによる利益率の維持・拡大が重要となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 718億円 | — | 20.7億円 | -37.0円 | - |
| 2022/03期 | 876億円 | — | 61.6億円 | 110.7円 | +22.0% |
| 2023/03期 | 979億円 | — | 57.2億円 | 104.8円 | +11.7% |
| 2024/03期 | 1,043億円 | 49.0億円 | 46.4億円 | 86.8円 | +6.5% |
| 2025/03期 | 1,111億円 | 71.2億円 | 72.5億円 | 136.6円 | +6.5% |
小森コーポレーションの業績は、コロナ禍による停滞から着実に回復し、売上高は1,000億円を超える水準まで成長しています。2021/03期の赤字から一転、海外市場での印刷機販売が牽引し、2025/03期には純利益が約72億円を記録しました。今後はさらなる利益率の向上を目指し、2026/03期には売上高1,245億円、営業利益91億円の増収増益を計画しています。 【3Q 2026/03期実績】売上853億円(通期予想比69%)、営業利益69億円(同76%)、純利益54億円(同84%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業リスクには、印刷機械市場における海外競合他社との激しい競争、および原材料費・物流コストの変動が挙げられます。また、海外売上比率が高いため為替レートの変動による業績への影響が大きく、経営環境の不透明さに対するリスク管理が重要な焦点となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,094億円 | — | 1,111億円 | +1.5% |
| 2024期 | 1,020億円 | — | 1,043億円 | +2.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 58億円 | — | 71億円 | +22.7% |
| 2024期 | 33億円 | — | 49億円 | +48.4% |
| 2023期 | 34億円 | — | 57億円 | +68.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新たな中期経営計画では、2027年3月期に売上高1,350億円、営業利益率10%以上という高い目標を掲げています。これは、2025期実績(売上高1110.5億円、営業利益率6.41%)から大幅な成長を企図するものです。成長ドライバーとして、既存事業の強化に加え、M&Aを含むPE(プリントエレクトロニクス)事業の拡大を据えており、計画達成に向けた具体的な施策の実行力が問われます。近年の業績予想は保守的で実績が上回る傾向にあり、市場の信頼は厚いものの、目標達成のハードルは高いと評価されます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
カナダの印刷機メーカーであるCPS社を戦略的買収し、パッケージ印刷市場での競争力を強化。
経営陣のインセンティブ強化を目的に、業績連動型株式報酬制度の改定を実施。
為替差損の影響を受け、4-6月期の最終利益が前年同期比31.0%減となる厳しい決算を発表。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社の財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%台後半を安定して維持しており、長年無借金経営を継続してきました。2024/03期に一時的な有利子負債が発生しましたが、翌期には大幅に縮小させており、強固な資本基盤が保たれています。この高い財務余力は、積極的な研究開発や将来的なM&A戦略を支える重要な基盤となっています。 【3Q 2026/03期】総資産1806億円、純資産1198億円、自己資本比率59.1%、有利子負債98億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 81.7億円 | 22.2億円 | 92.9億円 | 59.5億円 |
| 2022/03期 | 92.8億円 | 13.8億円 | 29.4億円 | 79.0億円 |
| 2023/03期 | 44.8億円 | 5.3億円 | 40.8億円 | 39.5億円 |
| 2024/03期 | 80.5億円 | 4.8億円 | 48.7億円 | 75.7億円 |
| 2025/03期 | 170億円 | 47.8億円 | 43.1億円 | 122億円 |
営業キャッシュフローは、2025/03期に約170億円の大幅なプラスを計上し、事業による資金創出能力の高さを示しました。過去には一時的なマイナスもありましたが、全体として安定的な営業キャッシュフローを創出しています。潤沢な資金を背景に、成長投資や株主還元を継続的に実施する余裕がある良好な財務循環です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が20%と一定の多様性が確保されており、機械メーカーとしては先進的なガバナンス体制を構築しています。監査等委員会設置会社へ移行することで監督機能を強化しており、連結子会社24社を抱えるグローバル企業として適切なリスク管理と透明性の高い経営体制を目指しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 713万円 | 2,625人 | - |
平均年収713万円は、機械業界における平均的な水準と比較しても十分に競争力のある給与設定と言えます。長期的な業績変動はあるものの、グローバルでの売上比率が高い同社にとって、高い専門性を持つ人材を確保・維持するための安定的な待遇が提供されていると推察されます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。小森コーポレーションのTSRは、調査期間である2021期から2025期までの5年間、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る(アンダーパフォーム)結果となりました。これは、コロナ禍における業績悪化やデジタル化の遅れ懸念による株価の長期低迷が主な要因です。ただし、直近2025期では株価が回復基調にあり、TOPIXとの差は縮小傾向にあります。今後の業績改善と株主還元強化が、TSRを向上させる鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 40円 | 38.0% |
| 2017/03期 | 40円 | 365.6% |
| 2018/03期 | 40円 | 75.7% |
| 2019/03期 | 40円 | 163.1% |
| 2020/03期 | 30円 | - |
| 2021/03期 | 20円 | - |
| 2022/03期 | 56円 | 50.6% |
| 2023/03期 | 45円 | 42.9% |
| 2024/03期 | 60円 | 69.1% |
| 2025/03期 | 68円 | 49.8% |
株主優待は実施しておらず、1,000株以上保有の株主へ当社オリジナルカレンダーを贈呈しています。
配当方針として総還元性向80%以上を掲げ、配当と自己株式取得を組み合わせた積極的な株主還元を実施しています。近年の配当金額は堅調に推移しており、2025/03期には1株当たり68円の配当を実現しました。高い配当利回りと柔軟な還元姿勢により、株主重視の経営を体現しています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 104.5万円 | 4.5万円 | 4.5% |
| 2022期 | 109.0万円 | 9.0万円 | 9.0% |
| 2023期 | 150.9万円 | 50.9万円 | 50.9% |
| 2024期 | 191.7万円 | 91.7万円 | 91.7% |
| 2025期 | 199.2万円 | 99.2万円 | 99.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.74倍と解散価値とされる1倍を大きく下回っており、株価は割安と判断される水準です。一方で、配当利回りは4.23%と業界平均を大幅に上回っており、高配当銘柄としての魅力があります。信用倍率は2.07倍と買い残が優勢ですが、過熱感はなく需給バランスは比較的安定していると言えます。時価総額は業界内で中規模に位置しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -11.5億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 34.1億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 66.1億円 | 8.9億円 | 13.5% |
| 2024/03期 | 68.0億円 | 21.6億円 | 31.7% |
| 2025/03期 | 76.2億円 | 3.7億円 | 4.8% |
税引前利益に対する法人税等の支払額は、年度によって変動が見られます。繰越欠損金の解消や税務上の優遇措置などが影響し、実効税率が標準的な税率を下回る期があります。将来的な安定した納税に向けて、利益の着実な蓄積が進んでいます。
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