創業ストーリー
焼結金属フィルターの製造から出発。空気圧機器の基礎技術を蓄積
Sintered Metal Corporation → SMC Corporationへ。グローバルブランドの確立を目指す
即納体制と豊富な品目数で競合を圧倒。空気圧制御機器の国内標準に
創業家2代目として社長に就任。売上高1兆円を目標に掲げ、半導体用チラーなど新領域を開拓
千葉・柏に新研究開発拠点を開設。開発期間の半減を目指し、次世代製品の創出を加速
SMC CORPORATION
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
あなたの身の回りにある自動車、スマートフォン、食品——これらを作る工場のロボットを動かしているのが、SMCの空気圧機器です。工場の「筋肉」ともいえるアクチュエータで世界のものづくりを支える、縁の下の力持ちです。
SMCは1959年に焼結金属工業として創業し、空気圧制御機器(アクチュエータ、バルブ、エアドライヤー等)で世界トップシェアを誇るFA(ファクトリーオートメーション)企業です。国内シェア約63%、海外シェア約37%と圧倒的な市場支配力を持ち、自動車・半導体・食品・医療など幅広い産業の工場自動化を支えています。自己資本比率91.8%・無借金経営という鉄壁の財務体質と、営業利益率24%超の高収益性が特徴。2025年3月期は売上高7,921億円、純利益1,563億円。2026/03期期は半導体・北米需要の回復を見込み増収増益を予想しています。千葉・柏に新研究拠点を開設し、開発期間の短縮にも取り組んでいます。
国内63%・海外37%のシェアを握り、世界中の工場のロボットや自動化ラインを動かす「工場の心臓部」を提供しています
有利子負債ゼロ、自己資本比率91.8%という日本トップクラスの財務基盤。景気後退期にも攻めの投資ができる「要塞型経営」です
製造業で営業利益率24%超はキーエンスに次ぐ異次元の水準。圧倒的シェアと即納体制が価格競争を回避する独自の収益構造を実現
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
空気圧シリンダ、バルブ、エアドライヤー等。国内シェア63%で圧倒的首位
自動車・半導体・食品工場向け。北米経済回復に伴い受注が改善傾向
ドイツ・イタリアを中心にFA需要を取り込み。EV関連投資が追い風
半導体・EV向けに展開。現地競合との競争が激化も技術優位性を維持
韓国・台湾・東南アジア。半導体製造装置向けが成長ドライバー
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 9.3% | 7.9% | - |
| 2022/03期 | 13.2% | 10.9% | - |
| 2023/03期 | 13.8% | 11.7% | - |
| 2024/03期 | 10.0% | 8.5% | 25.3% |
| 2025/03期 | 8.2% | 7.4% | 24.0% |
営業利益率は24〜31%と製造業トップクラス。2022期-23のピーク時には31.3%に達しました。半導体・中国需要の一巡で直近2期は低下していますが、それでも24%は圧倒的な水準です。ROEは8〜13%台で推移しており、自己資本の厚さ(91.8%)を考えると資本効率も良好。独占的な市場シェアと即納体制による値崩れしにくいビジネスモデルが高収益の源泉です。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 5,522億円 | 0円 | 1,218億円 | 1832.0円 | — |
| 2022/03期 | 7,274億円 | 0円 | 1,930億円 | 2923.8円 | +31.7% |
| 2023/03期 | 8,248億円 | 0円 | 2,246億円 | 3444.6円 | +13.4% |
| 2024/03期 | 7,769億円 | 1,962億円 | 1,783億円 | 2766.9円 | -5.8% |
| 2025/03期 | 7,921億円 | 1,902億円 | 1,563億円 | 2444.6円 | +2.0% |
2023/03期に売上高8,248億円の過去最高を記録後、半導体・中国市場の調整で2期連続の減益となりましたが、2026/03期は回復基調に。営業利益率は24〜31%と、製造業としては異次元の高水準を維持しています。圧倒的な市場シェアと即納体制が価格競争力の源泉です。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
機械の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動制御機器事業(日本) | 約2,400億円 | 約600億円 | 約25.0% |
| 自動制御機器事業(北米) | 約1,200億円 | 約300億円 | 約25.0% |
| 自動制御機器事業(欧州) | 約1,100億円 | 約250億円 | 約22.7% |
| 自動制御機器事業(中国) | 約1,400億円 | 約280億円 | 約20.0% |
| 自動制御機器事業(その他アジア) | 約800億円 | 約200億円 | 約25.0% |
SMCは単一セグメント(自動制御機器事業)ですが、地域別に見ると日本が約30%、海外が約70%の売上構成。中国市場が最大の海外市場で約18%を占めますが、現地競合との競争が激化しています。北米は経済回復に伴い受注が改善傾向にあり、2026/03期の増収の牽引役として期待されています。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/03期 | 2,150億円 | 1,930億円 | 1,902億円 | -1.5% |
| 2024/03期 | 2,300億円 | 2,000億円 | 1,962億円 | -1.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
SMCは公式な中期経営計画を公表していませんが、売上高1兆円を中長期目標として掲げています。2023/03期に8,248億円まで到達しましたが、市況悪化で後退。ただし設備投資は計画通り年間1,000億円規模を維持しており、需要回復時の供給力確保を着実に進めています。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
焼結金属フィルターの製造から出発。空気圧機器の基礎技術を蓄積
Sintered Metal Corporation → SMC Corporationへ。グローバルブランドの確立を目指す
即納体制と豊富な品目数で競合を圧倒。空気圧制御機器の国内標準に
創業家2代目として社長に就任。売上高1兆円を目標に掲げ、半導体用チラーなど新領域を開拓
千葉・柏に新研究開発拠点を開設。開発期間の半減を目指し、次世代製品の創出を加速
千葉・柏の新研究拠点を本格稼働。開発期間の半減を目指し、半導体用チラーなど次世代製品の開発を加速
2026/03期期3Q決算発表。売上高6,099億円(前年同期比+3.3%)と増収。通期予想も上方修正
米系大手証券がレーティングを引き上げ、目標株価を65,000円→90,000円に大幅増額
エンジン認証問題に関する米国集団訴訟の和解金・顧客対応費用、米国関税の影響で業績予想を下方修正
2025/03期期本決算発表。売上高7,921億円、年間配当1,000円(4期連続増配)を達成

供給面を整えれば売上高1兆円の達成は可能。半導体用チラーでサムスンやTSMCに攻勢をかけ、新たな成長領域を切り開いていく。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
自己資本比率91.8%、有利子負債ゼロという日本の上場企業でもトップレベルの財務体質。BPSは30,255円で5年間で約1.5倍に成長。総資産2.1兆円のうち純資産が1.93兆円と、事実上すべてが自己資本です。この「無借金要塞」の財務基盤は、景気後退局面でも積極的な設備投資と在庫積み増しを可能にし、競合との差を広げる戦略を支えています。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,205億円 | 734億円 | ▲560億円 | 1,939億円 |
| 2022/03期 | 1,561億円 | ▲1,162億円 | ▲889億円 | 399億円 |
| 2023/03期 | 1,016億円 | ▲871億円 | ▲1,133億円 | 145億円 |
| 2024/03期 | 982億円 | ▲1,319億円 | ▲879億円 | ▲337億円 |
| 2025/03期 | 1,967億円 | 352億円 | ▲1,002億円 | 2,319億円 |
2025/03期は営業CF 1,967億円と大幅回復し、FCFも2,319億円の大幅黒字に。2024/03期はFCFがマイナスでしたが、これは新工場建設(設備投資1,078億円)など成長投資が先行したため。財務CFのマイナスは配当金(約600億円)と自社株買いによる株主還元。無借金のため利払い負担はゼロで、キャッシュを全額成長投資と株主還元に振り向けられる好循環です。
取締役15名中女性2名(13.3%)で、グローバル企業としてはダイバーシティの向上余地があります。連結子会社43社・臨時従業員5,061名を含む大規模な組織を統括。監査報酬8,800万円、設備投資1,078億円と、ガバナンスと成長投資の両立を図っています。平均勤続年数19.8年は業界トップ水準の人材定着力を示しています。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 853万円 | 23,114人 | - |
平均年収は約853万円で機械業界ではトップクラスの水準です。単体従業員数は4年間で約480名増加(+8.0%)と積極的な採用を継続。連結では約23,114名の体制を構築しています。平均勤続年数19.8年と業界随一の定着率を誇り、技術者の長期育成を重視する企業文化が高い製品品質を支えています。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSR(株主総合リターン)は125.0%で、TOPIX(213.4%)を大幅に下回っています。2024期まではTOPIX並みの推移でしたが、2025期に半導体・中国需要の減速と米国関税懸念で大きく調整。ただし、これはシクリカル(景気循環)銘柄特有の調整であり、需要回復局面では急反発の可能性もあります。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 200円 | 14.6% |
| 2017/03期 | 300円 | 17.8% |
| 2018/03期 | 400円 | 19.6% |
| 2019/03期 | 400円 | 20.6% |
| 2020/03期 | 400円 | 24.1% |
| 2021/03期 | 500円 | 27.3% |
| 2022/03期 | 750円 | 25.7% |
| 2023/03期 | 900円 | 26.1% |
| 2024/03期 | 950円 | 34.3% |
| 2025/03期 | 1000円 | 40.9% |
株主優待なし
4期連続増配を達成し、1株当たり配当金は2021/03期の500円から1,000円へ倍増。配当性向も2021/03期の27.3%から40.9%へ上昇しており、株主還元を強化する姿勢が明確です。利回りは1.61%と低めですが、株価上昇によるキャピタルゲインとの合計リターンで評価すべき銘柄です。株主優待制度はありません。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 141.7万円 | 41.7万円 | 41.7% |
| 2022期 | 153.2万円 | 53.2万円 | 53.2% |
| 2023期 | 157.3万円 | 57.3万円 | 57.3% |
| 2024期 | 192.2万円 | 92.2万円 | 92.2% |
| 2025期 | 125.0万円 | 25.0万円 | 25.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
PER 23.7倍、PBR 2.05倍ともに機械セクター平均を大きく上回っています。これはSMCの圧倒的な市場シェアと高収益性に対するプレミアム評価です。信用倍率4.95倍と買い残がやや多いですが、機関投資家の長期保有が多い銘柄のため、信用需給の影響は限定的です。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,718億円 | 500億円 | 29.1% |
| 2022/03期 | 2,730億円 | 800億円 | 29.3% |
| 2023/03期 | 3,060億円 | 814億円 | 26.6% |
| 2024/03期 | 2,510億円 | 727億円 | 29.0% |
| 2025/03期 | 2,099億円 | 536億円 | 25.5% |
税引前利益は5年間で1,718億円→2,099億円の推移。実効税率は25〜29%台で安定しています。2025/03期は25.5%とやや低めですが、海外子会社の税効果等が影響。2023/03期のピーク時には3,060億円の税引前利益を計上しました。
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空気圧制御機器で世界首位。国内シェア6割超・海外3割超を握るFA自動化の王者
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最終更新: 2026/06/14 / データ提供: OSHIKABU