SMC
SMC CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
空気圧制御機器で世界を制覇する「工場自動化の王者」
空気圧制御技術を核に、世界中の工場自動化を支え、ものづくりの革新を推進する
この会社ってなに?
あなたの身の回りにある自動車、スマートフォン、食品——これらを作る工場のロボットを動かしているのが、SMCの空気圧機器です。工場の「筋肉」ともいえるアクチュエータで世界のものづくりを支える、縁の下の力持ちです。
SMCは1959年に焼結金属工業として創業し、空気圧制御機器(アクチュエータ、バルブ、エアドライヤー等)で世界トップシェアを誇るFA(ファクトリーオートメーション)企業です。国内シェア約63%、海外シェア約37%と圧倒的な市場支配力を持ち、自動車・半導体・食品・医療など幅広い産業の工場自動化を支えています。自己資本比率91.8%・無借金経営という鉄壁の財務体質と、営業利益率24%超の高収益性が特徴。2025年3月期は売上高7,921億円、純利益1,563億円。FY2026/3期は半導体・北米需要の回復を見込み増収増益を予想しています。千葉・柏に新研究拠点を開設し、開発期間の短縮にも取り組んでいます。
会社概要
- 業種
- 機械
- 決算期
- 3月
- 公式
- www.smcworld.com
社長プロフィール

供給面を整えれば売上高1兆円の達成は可能。半導体用チラーでサムスンやTSMCに攻勢をかけ、新たな成長領域を切り開いていく。
この会社のストーリー
焼結金属フィルターの製造から出発。空気圧機器の基礎技術を蓄積
Sintered Metal Corporation → SMC Corporationへ。グローバルブランドの確立を目指す
即納体制と豊富な品目数で競合を圧倒。空気圧制御機器の国内標準に
創業家2代目として社長に就任。売上高1兆円を目標に掲げ、半導体用チラーなど新領域を開拓
千葉・柏に新研究開発拠点を開設。開発期間の半減を目指し、次世代製品の創出を加速
注目ポイント
国内63%・海外37%のシェアを握り、世界中の工場のロボットや自動化ラインを動かす「工場の心臓部」を提供しています
有利子負債ゼロ、自己資本比率91.8%という日本トップクラスの財務基盤。景気後退期にも攻めの投資ができる「要塞型経営」です
製造業で営業利益率24%超はキーエンスに次ぐ異次元の水準。圧倒的シェアと即納体制が価格競争を回避する独自の収益構造を実現
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 200円 | 14.6% |
| FY2017/3 | 300円 | 17.8% |
| FY2018/3 | 400円 | 19.6% |
| FY2019/3 | 400円 | 20.6% |
| FY2020/3 | 400円 | 24.1% |
| FY2021/3 | 500円 | 27.3% |
| FY2022/3 | 750円 | 25.7% |
| FY2023/3 | 900円 | 26.1% |
| FY2024/3 | 950円 | 34.3% |
| FY2025/3 | 1000円 | 40.9% |
株主優待なし
4期連続増配を達成し、1株当たり配当金はFY2021/3の500円から1,000円へ倍増。配当性向もFY2021/3の27.3%から40.9%へ上昇しており、株主還元を強化する姿勢が明確です。利回りは1.61%と低めですが、株価上昇によるキャピタルゲインとの合計リターンで評価すべき銘柄です。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
機械の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/3に売上高8,248億円の過去最高を記録後、半導体・中国市場の調整で2期連続の減益となりましたが、FY2026/3は回復基調に。営業利益率は24〜31%と、製造業としては異次元の高水準を維持しています。圧倒的な市場シェアと即納体制が価格競争力の源泉です。
事業ごとの売上・利益
空気圧シリンダ、バルブ、エアドライヤー等。国内シェア63%で圧倒的首位
自動車・半導体・食品工場向け。北米経済回復に伴い受注が改善傾向
ドイツ・イタリアを中心にFA需要を取り込み。EV関連投資が追い風
半導体・EV向けに展開。現地競合との競争が激化も技術優位性を維持
韓国・台湾・東南アジア。半導体製造装置向けが成長ドライバー
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.3% | 7.9% | - |
| FY2022/3 | 13.2% | 10.9% | - |
| FY2023/3 | 13.8% | 11.7% | - |
| FY2024/3 | 10.0% | 8.5% | 25.3% |
| FY2025/3 | 8.2% | 7.4% | 24.0% |
営業利益率は24〜31%と製造業トップクラス。FY2022-23のピーク時には31.3%に達しました。半導体・中国需要の一巡で直近2期は低下していますが、それでも24%は圧倒的な水準です。ROEは8〜13%台で推移しており、自己資本の厚さ(91.8%)を考えると資本効率も良好。独占的な市場シェアと即納体制による値崩れしにくいビジネスモデルが高収益の源泉です。
財務は安全?
自己資本比率91.8%、有利子負債ゼロという日本の上場企業でもトップレベルの財務体質。BPSは30,255円で5年間で約1.5倍に成長。総資産2.1兆円のうち純資産が1.93兆円と、事実上すべてが自己資本です。この「無借金要塞」の財務基盤は、景気後退局面でも積極的な設備投資と在庫積み増しを可能にし、競合との差を広げる戦略を支えています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,205億円 | 734億円 | -560億円 | 1,939億円 |
| FY2022/3 | 1,561億円 | -1,162億円 | -889億円 | 399億円 |
| FY2023/3 | 1,016億円 | -871億円 | -1,133億円 | 145億円 |
| FY2024/3 | 982億円 | -1,319億円 | -879億円 | -337億円 |
| FY2025/3 | 1,967億円 | 352億円 | -1,002億円 | 2,319億円 |
FY2025/3は営業CF 1,967億円と大幅回復し、FCFも2,319億円の大幅黒字に。FY2024/3はFCFがマイナスでしたが、これは新工場建設(設備投資1,078億円)など成長投資が先行したため。財務CFのマイナスは配当金(約600億円)と自社株買いによる株主還元。無借金のため利払い負担はゼロで、キャッシュを全額成長投資と株主還元に振り向けられる好循環です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,718億円 | 500億円 | 29.1% |
| FY2022/3 | 2,730億円 | 800億円 | 29.3% |
| FY2023/3 | 3,060億円 | 814億円 | 26.6% |
| FY2024/3 | 2,510億円 | 727億円 | 29.0% |
| FY2025/3 | 2,099億円 | 536億円 | 25.5% |
税引前利益は5年間で1,718億円→2,099億円の推移。実効税率は25〜29%台で安定しています。FY2025/3は25.5%とやや低めですが、海外子会社の税効果等が影響。FY2023/3のピーク時には3,060億円の税引前利益を計上しました。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 853万円 | 23,114人 | - |
平均年収は約853万円で機械業界ではトップクラスの水準です。単体従業員数は4年間で約480名増加(+8.0%)と積極的な採用を継続。連結では約23,114名の体制を構築しています。平均勤続年数19.8年と業界随一の定着率を誇り、技術者の長期育成を重視する企業文化が高い製品品質を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業家・高田家の資産管理会社2社(合同会社高田インターナショナル5.95%+トンファイナンスBV 5.4%)を安定株主に加算。金融機関22.6%+事業法人6.0%+創業家11.4%で安定株主は約42%
筆頭株主は信託銀行経由の機関投資家ですが、実質的な支配株主は創業家の高田家です。合同会社高田インターナショナル(5.95%)とトンファイナンスBV(5.4%、オランダ法人の資産管理会社)を合わせ、高田家は約11.4%を保有。先代の髙田芳行氏が1959年に創業し、現社長の髙田芳樹氏が2021年に就任しました。外国人投資家比率が51.4%と高く、グローバルな評価が株価に直結する構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 自動制御機器事業(日本) | 約2,400億円 | 約600億円 | 約25.0% |
| 自動制御機器事業(北米) | 約1,200億円 | 約300億円 | 約25.0% |
| 自動制御機器事業(欧州) | 約1,100億円 | 約250億円 | 約22.7% |
| 自動制御機器事業(中国) | 約1,400億円 | 約280億円 | 約20.0% |
| 自動制御機器事業(その他アジア) | 約800億円 | 約200億円 | 約25.0% |
SMCは単一セグメント(自動制御機器事業)ですが、地域別に見ると日本が約30%、海外が約70%の売上構成。中国市場が最大の海外市場で約18%を占めますが、現地競合との競争が激化しています。北米は経済回復に伴い受注が改善傾向にあり、FY2026/3の増収の牽引役として期待されています。
この会社のガバナンスは?
取締役15名中女性2名(13.3%)で、グローバル企業としてはダイバーシティの向上余地があります。連結子会社43社・臨時従業員5,061名を含む大規模な組織を統括。監査報酬8,800万円、設備投資1,078億円と、ガバナンスと成長投資の両立を図っています。平均勤続年数19.8年は業界トップ水準の人材定着力を示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 2,150億円 | 1,930億円 | 1,902億円 | -1.5% |
| FY2024/3 | 2,300億円 | 2,000億円 | 1,962億円 | -1.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
SMCは公式な中期経営計画を公表していませんが、売上高1兆円を中長期目標として掲げています。FY2023/3に8,248億円まで到達しましたが、市況悪化で後退。ただし設備投資は計画通り年間1,000億円規模を維持しており、需要回復時の供給力確保を着実に進めています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総合リターン)は125.0%で、TOPIX(213.4%)を大幅に下回っています。FY2024まではTOPIX並みの推移でしたが、FY2025に半導体・中国需要の減速と米国関税懸念で大きく調整。ただし、これはシクリカル(景気循環)銘柄特有の調整であり、需要回復局面では急反発の可能性もあります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 141.7万円 | +41.7万円 | 41.7% |
| FY2022 | 153.2万円 | +53.2万円 | 53.2% |
| FY2023 | 157.3万円 | +57.3万円 | 57.3% |
| FY2024 | 192.2万円 | +92.2万円 | 92.2% |
| FY2025 | 125.0万円 | +25.0万円 | 25.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 23.7倍、PBR 2.05倍ともに機械セクター平均を大きく上回っています。これはSMCの圧倒的な市場シェアと高収益性に対するプレミアム評価です。信用倍率4.95倍と買い残がやや多いですが、機関投資家の長期保有が多い銘柄のため、信用需給の影響は限定的です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
千葉・柏の新研究拠点を本格稼働。開発期間の半減を目指し、半導体用チラーなど次世代製品の開発を加速
FY2026/3期3Q決算発表。売上高6,099億円(前年同期比+3.3%)と増収。通期予想も上方修正
米系大手証券がレーティングを引き上げ、目標株価を65,000円→90,000円に大幅増額
エンジン認証問題に関する米国集団訴訟の和解金・顧客対応費用、米国関税の影響で業績予想を下方修正
FY2025/3期本決算発表。売上高7,921億円、年間配当1,000円(4期連続増配)を達成
最新ニュース
SMC まとめ
ひとめ診断
空気圧制御機器で世界首位。国内シェア6割超・海外3割超を握るFA自動化の王者
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「機械」に分類される他の企業
長野発、世界を掘るミニ建機の巨人。売上の99%が海外という隠れたグローバル企業
LMガイド世界シェア首位。直動案内機器のパイオニアとして半導体・工作機械を支える
『モノづくりの土台』を支える鋳造の巨人が、欧州大型M&Aの巨額減損で揺れる過渡期
自動車塗装のガリバーが、創業100周年を機にEVや香りビジネスにも触手を伸ばす野心的な老舗メーカー
創業100年超の老舗ポンプメーカーが、世界の水インフラと次世代エネルギー(水素)を商機に変え、M&Aで新領域へ進撃中
創業130年の老舗クレーンメーカー、中国事業撤退と財務改善で再起を図る
産業用小型ボイラ国内シェア約5割。メンテナンスのストック収益と海外M&Aで成長加速
放電加工機の世界トップが、ラーメン製麺機から3Dプリンタまで手掛ける『超精密加工の何でも屋』