ローム6963
ROHM COMPANY LIMITED
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン、家事を助けてくれる最新の家電製品の内部には、無数の小さな電子部品が詰まっています。ロームは、それらの機器が正しく、そして効率的に動くための「頭脳」や「心臓」にあたる半導体を作っている会社です。特に、電気自動車(EV)がスムーズに走り、充電時間を短縮するために不可欠な「パワー半導体」という分野で世界をリードしています。普段目にすることはないかもしれませんが、あなたの快適で便利な生活は、ロームの技術によって支えられているのです。
ロームはパワー半導体とアナログ半導体に強みを持つ電子部品メーカーです。2025期はSiC(炭化ケイ素)パワー半導体への巨額の先行投資が響き、売上高4484.7億円に対して営業損失400.6億円という大幅な赤字を計上しました。しかし、2026期は売上高4400.0億円、営業利益40.0億円とV字回復を見込んでいます。現在、自動車部品大手のデンソーからの買収提案や、東芝・三菱電機とのパワー半導体事業統合協議の渦中にあり、業界再編のキープレイヤーとして市場の注目を集めています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都府京都市右京区西院溝崎町21番地
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.8% | 4.0% | - |
| 2022/03期 | 8.3% | 6.8% | - |
| 2023/03期 | 9.2% | 7.5% | - |
| 2024/03期 | 5.7% | 4.1% | 9.3% |
| 2025/03期 | ▲5.4% | ▲3.4% | ▲8.9% |
| 3Q 2026/03期 | 1.8%(累計) | 1.0%(累計) | 2.6% |
売上高営業利益率は2023/03期の18.2%をピークに、需要低迷と固定費負担が重なり2025/03期には-8.9%まで大幅に悪化しました。この結果、ROEやROAなどの収益性指標もマイナスへ転じています。稼ぐ力の低下は一時的な市場環境の悪化と積極的な設備投資による減価償却費の増加が主因であり、今後の工場稼働率の改善が利益率回復の鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,599億円 | — | 370億円 | 94.1円 | — |
| 2022/03期 | 4,521億円 | — | 668億円 | 170.2円 | +25.6% |
| 2023/03期 | 5,079億円 | — | 804億円 | 204.7円 | +12.3% |
| 2024/03期 | 4,678億円 | 433億円 | 540億円 | 138.8円 | -7.9% |
| 2025/03期 | 4,485億円 | ▲401億円 | ▲501億円 | -129.8円 | -4.1% |
ロームは車載や産業機器向けパワー半導体を得意としますが、市場需要の減速により2025/03期には過去最大の営業赤字となる約401億円を計上しました。2026/03期に向けては構造改革やコスト削減を進め、黒字転換を目標とする回復基調にあります。高付加価値なSiC(炭化ケイ素)パワー半導体への投資が続いており、中長期的な競争力強化を目指しています。 【3Q 2026/03期実績】売上3695億円(通期予想比84%)、営業利益97億円(同243%)、純利益148億円(同212%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
パワー半導体を主力とし、自動車や産業機器向けに強みを持つ事業構造です。最新の開示では、パワー半導体事業の統合に向けた他社との協議や、過去の巨額投資に伴う利益の振れ幅が最大のリスク要因として注視されており、収益性の改善が重要な経営課題となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 40億円 | — | -401億円 | 大幅未達 |
| 2024期 | 750億円 | — | 433億円 | -42.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 4,800億円 | — | 4,485億円 | -6.6% |
| 2024期 | 5,400億円 | — | 4,678億円 | -13.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年3月期を最終年度とする中期経営計画は、売上高6,000億円、営業利益率20%以上という高い目標を掲げましたが、市況の悪化とSiCパワー半導体への巨額な先行投資が重なり、結果は大幅な未達となりました。近年の業績予想も、期初予想から大きく下振れする傾向が続いており、計画達成力には課題が残ります。現在は赤字からのV字回復を目指すフェーズにあり、2026期の黒字化達成が当面の焦点です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年3月期の通期連結業績予想を修正し、営業利益を40億円から50億円へ引き上げ。
第3四半期累計の連結最終利益が前年同期比71倍の148億円に急拡大。
東芝、三菱電機とパワー半導体事業の統合に向けた協議を開始すると発表。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
以前は無借金経営を誇っていましたが、SiC事業への巨額投資に伴い有利子負債が急増し、2025/03期末時点では約9,589億円に達しました。自己資本比率は2021/03期の83.0%から2025/03期には61.7%まで低下しています。大規模な戦略的投資により資産規模が拡大した一方、財務レバレッジが高まっているため、今後のキャッシュフロー創出による借入金の圧縮が重要です。 【3Q 2026/03期】総資産1.4兆円、純資産9262億円、自己資本比率56.0%、有利子負債4000億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 460億円 | ▲408億円 | ▲248億円 | 51.3億円 |
| 2022/03期 | 922億円 | ▲554億円 | ▲162億円 | 367億円 |
| 2023/03期 | 986億円 | ▲887億円 | ▲222億円 | 98.9億円 |
| 2024/03期 | 829億円 | ▲4,320億円 | 2,651億円 | ▲3,491億円 |
| 2025/03期 | 840億円 | ▲1,157億円 | 391億円 | ▲317億円 |
営業キャッシュフローは堅調にプラスを維持していますが、成長投資のための大規模な設備投資によりフリーキャッシュフローは一時的に大幅なマイナスとなっています。この不足分を賄うため、2024/03期以降は外部調達を積極的に活用し財務キャッシュフローがプラスに転じました。現在は投資フェーズから回収フェーズへの移行期にあり、投資の抑制と営業CFの安定的な創出が焦点です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は18.1%で、取締役会における多様性の確保を進めています。監査等委員会設置会社として監査体制の強化を図りつつ、34社の連結子会社を統括する大規模なグローバル体制を維持しており、持続可能な成長とガバナンスの両立を目指しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 810万円 | 22,608人 | - |
平均年収は810万円と、電子部品業界の中でも比較的高い水準にあります。近年のパワー半導体分野への巨額投資や、それに伴う構造改革の影響を受けて業績が変動する中、専門的な知見を持つ優秀な人材を確保するための競争力を維持している背景があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、2024期までは概ねTOPIXを上回るパフォーマンスを示していました。これは、アナログ半導体の好調な業績とEV化の進展に伴うパワー半導体への期待が株価を押し上げたためです。しかし、2025期には市況悪化と巨額投資による業績赤字を背景に株価が低迷し、TSRはTOPIXを大きく下回りました。足元では業界再編への期待から株価が回復基調にあり、今後のTSR改善が期待されます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 130円 | 53.7% |
| 2017/03期 | 130円 | 52.0% |
| 2018/03期 | 66.1円 | 68.2% |
| 2019/03期 | 150円 | 34.8% |
| 2020/03期 | 150円 | 60.6% |
| 2021/03期 | 150円 | 39.9% |
| 2022/03期 | 185円 | 27.2% |
| 2023/03期 | 51円 | 24.4% |
| 2025/03期 | 50円 | - |
株主優待制度は現在実施していません。
配当方針として連結配当性向30%を目安とした株主還元を掲げていますが、業績悪化に伴い配当金は減額傾向にあります。かつては高配当利回りが投資魅力の一つでしたが、現在は成長投資と財務の安定化を優先する段階です。業績のV字回復に伴う配当水準の見直しが今後の注目点となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 184.8万円 | 84.8万円 | 84.8% |
| 2022期 | 167.4万円 | 67.4万円 | 67.4% |
| 2023期 | 194.0万円 | 94.0万円 | 94.0% |
| 2024期 | 176.2万円 | 76.2万円 | 76.2% |
| 2025期 | 112.1万円 | 12.1万円 | 12.1% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPERは178.4倍と著しく高く、市場が将来の成長を強く織り込んでいることを示唆しています。これは、SiCパワー半導体の将来性や、デンソーによる買収提案、大手電機メーカーとの事業統合協議といった業界再編への期待感が背景にあると考えられます。信用倍率は4.64倍と買い残が多く、株価上昇への期待が優勢な状況です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 407億円 | 36.7億円 | 9.0% |
| 2022/03期 | 826億円 | 157億円 | 19.0% |
| 2023/03期 | 1,095億円 | 292億円 | 26.6% |
| 2024/03期 | 692億円 | 152億円 | 22.0% |
| 2025/03期 | -297億円 | 0円 | - |
2023/03期までは安定した利益計上により20%台の実効税率で納税を行ってきました。しかし2025/03期は営業赤字に伴う税引前損失の発生により法人税等は0円となっています。当面は繰越欠損金の活用などが想定され、業績回復に伴い段階的に正常な納税レベルへ戻る見通しです。
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ローム まとめ
「アナログ半導体の老舗が、EV化の波に乗りSiCパワー半導体へ巨額投資、業界再編の渦中に飛び込む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。