レーザーテック
Lasertec Corporation
最終更新日: 2026年4月30日
「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」
半導体の進化を支える、最先端ソリューションを提供
この会社ってなに?
スマートフォンやPC、AIサーバーに搭載される最先端半導体チップ。その製造工程で使われる「フォトマスク」という設計図の原版に傷や欠陥がないかを検査する装置を作っているのがレーザーテックです。特にEUV(極端紫外線)露光という最先端技術に対応した検査装置では世界シェア100%という圧倒的な存在であり、TSMC・サムスン・インテルなど世界の主要半導体メーカーすべてが同社の装置を使っています。私たちが日常的に使うスマホやPCの中身を支える「縁の下の力持ち」です。
レーザーテックは、最先端半導体製造に不可欠なEUV向けマスクブランクス欠陥検査装置で世界市場を独占する研究開発型企業です。FY2025/6は売上高2,515億円、営業利益1,228億円(営業利益率48.8%)と過去最高を記録。無借金経営で自己資本比率63.7%と財務も盤石です。2030年6月期を最終年度とする中期経営計画では売上高4,000〜5,000億円・営業利益率35%以上を掲げ、年平均成長率10%以上を目指しています。FY2026/6は検収タイミングの影響で減収減益予想ながら、2026年1月に通期経常利益を18%上方修正し、受注回復と新製品投入による再成長への期待が高まっています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 6月
- 本社
- 神奈川県横浜市港北区新横浜2-10-1
- 公式
- www.lasertec.co.jp
社長プロフィール

1977年生まれ、山梨県出身。学習院大学理学部卒業後、NEC半導体子会社を経て2008年にレーザーテック入社。エンジニアとしてフォトマスク検査装置の開発を担い、KLAからシェアを奪還した実績を持つ。2024年7月に47歳の若さで社長に就任。「半導体業界はスピードが命」を信条に、自ら海外顧客を回る営業の最前線にも立つ。2030年に向けて売上高4,000〜5,000億円、年平均成長率10%以上を掲げ、次世代High-NA EUV対応や新製品開発を加速させている。
この会社のストーリー
光学技術への情熱を原点に、独自技術で世の中にない製品を生み出すべく横浜で創業。
8月13日に法人として設立。レーザー応用技術を武器に本格的な事業展開を開始。
横浜市港北区に本社を移転。その後の成長を支える研究開発拠点としての基盤を確立。
12月に株式を上場。グローバル市場への飛躍の第一歩を踏み出す。
EUV露光技術の商用化に伴い、マスクブランクス欠陥検査装置で世界シェア100%を達成。時価総額が急拡大。
47歳の仙洞田哲也が社長に就任。2030年に売上4,000〜5,000億円を目指す中期経営計画を策定。
注目ポイント
EUV向けマスクブランクス欠陥検査装置で世界市場を独占。TSMC・サムスン・インテルなど全主要半導体メーカーが顧客。
ROE40%超・有利子負債ゼロの鉄壁財務。技術的参入障壁に裏付けられた驚異的な収益効率を実現。
従業員516名で1人当たり売上高約4.9億円。製造業として異次元の生産性を誇る。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12.8円 | 35.8% |
| FY2017/3 | 14円 | 35.5% |
| FY2018/3 | 17円 | 35.1% |
| FY2019/3 | 23.5円 | 35.7% |
| FY2021/3 | 75円 | 35.1% |
| FY2022/3 | 97円 | 35.2% |
| FY2023/3 | 180円 | 35.2% |
| FY2024/3 | 230円 | 35.1% |
| FY2025/3 | 329円 | 35.1% |
なし
連結配当性向35%を目安とした業績連動型の弾力的な利益還元方針を掲げています。FY2025/6は年間329円(前年比+43%)と4期連続増配を達成。FY2026/6も329円を維持する計画で、減益局面でも配当性向が41%に上昇する形で株主還元を重視。加えて自己株式取得にも積極的で、総合的な株主還元の充実に取り組んでいます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/6は売上高2,515億円(+17.8%)、営業利益1,228億円(営業利益率48.8%)と過去最高を大幅更新しました。FY2026/6は製品検収タイミングの変動により売上高2,200億円(-12.5%)、営業利益1,000億円(-18.6%)と減収減益を見込みますが、2026年1月に通期経常利益を850億→1,000億円へ18%上方修正しており、実態は当初計画を上回るペースで推移しています。2Q累計(7-12月)の経常利益は651億円(+4.3%)と堅調で、受注回復と新製品投入が寄与しています。
事業ごとの売上・利益
EUV向けマスクブランクス欠陥検査装置、マスク欠陥検査装置、ウェーハ関連検査装置が主力。売上構成比95%超を占める圧倒的な主力セグメント。世界シェア100%のEUV検査装置が収益の柱。
装置のメンテナンス・保守サービス、消耗品供給。ストック型ビジネスとして安定収益に貢献。装置稼働台数の増加に伴い着実に成長中。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 14.8% | 12.5% | 29.0% |
| FY2017/3 | 14.5% | 10.8% | 28.6% |
| FY2018/3 | 16.1% | 11.5% | 26.8% |
| FY2019/3 | 19.1% | 11.9% | 27.6% |
| FY2020/3 | 27.6% | 13.2% | 35.4% |
| FY2021/3 | 34.9% | 16.2% | 37.1% |
| FY2022/3 | 34.2% | 13.9% | 36.0% |
| FY2023/3 | 42.3% | 17.0% | 40.8% |
| FY2024/3 | 39.0% | 21.8% | 38.1% |
| FY2025/3 | 40.3% | 25.7% | 48.8% |
営業利益率はFY2025/6に48.8%と驚異的な水準に到達し、製造業として国内トップクラスの収益効率を誇ります。ROEも40%超と極めて高く、世界独占シェアに裏付けられた価格決定力と高い技術参入障壁が安定的な超高収益を支えています。FY2026/6は検収変動で一時的に低下する見込みですが、中計では営業利益率35%以上を最低目標として掲げており、構造的な高収益体質は不変です。
財務は安全?
総資産はFY2025/6に3,296億円に拡大し、自己資本比率は63.7%と高水準を維持。有利子負債ゼロの完全無借金経営が際立つ特徴で、潤沢な内部留保と高い収益力により外部調達に依存しない強固な財務基盤を構築しています。BPSは5年間で約4倍に増加し、着実な株主資本の積み上げが続いています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 30.8億円 | -3.7億円 | -10.4億円 | 27.1億円 |
| FY2017/3 | 35.5億円 | -6.2億円 | -11.5億円 | 29.3億円 |
| FY2018/3 | 29.2億円 | -6.8億円 | -18.1億円 | 22.3億円 |
| FY2019/3 | 58.0億円 | -9.9億円 | -17.1億円 | 48.1億円 |
| FY2020/3 | 165億円 | -20.4億円 | -28.0億円 | 144億円 |
| FY2021/3 | 105億円 | -37.0億円 | -42.4億円 | 67.8億円 |
| FY2022/3 | -34.6億円 | -53.9億円 | 21.5億円 | -88.5億円 |
| FY2023/3 | 405億円 | -206億円 | -156億円 | 200億円 |
| FY2024/3 | 333億円 | -35.7億円 | -231億円 | 297億円 |
| FY2025/3 | 779億円 | -24.2億円 | -246億円 | 755億円 |
営業CFはFY2025/6に約779億円と前年比で2倍超に急増し、フリーキャッシュフローは約755億円と潤沢です。投資CFは研究開発拠点(Lasertec Innovation Park)への設備投資が中心ですが抑制的で、財務CFは配当と自己株取得が主な使途。強力なキャッシュ創出力により、成長投資と株主還元を高水準で両立しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 45.8億円 | 13.5億円 | 29.5% |
| FY2017/3 | 49.9億円 | 14.3億円 | 28.8% |
| FY2018/3 | 57.1億円 | 13.4億円 | 23.5% |
| FY2019/3 | 78.3億円 | 19.0億円 | 24.3% |
| FY2020/3 | 151億円 | 42.9億円 | 28.4% |
| FY2021/3 | 264億円 | 71.9億円 | 27.2% |
| FY2022/3 | 336億円 | 87.3億円 | 26.0% |
| FY2023/3 | 637億円 | 175億円 | 27.5% |
| FY2024/3 | 820億円 | 229億円 | 28.0% |
| FY2025/3 | 1,194億円 | 348億円 | 29.1% |
実効税率は27〜29%で安定推移しており、法令に則った適正な納税が行われています。FY2025/6の法人税等は約348億円で、業績拡大に比例して納税額も増加。FY2026/6は経常利益1,000億円(上方修正後)に対して約280億円の納税を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2022/6 | 1,448万円 | 374人 | - |
| FY2023/6 | 1,581万円 | 425人 | +9.2% |
| FY2024/6 | 1,638万円 | 479人 | +3.6% |
| FY2025/6 | 1,680万円 | 516人 | +2.6% |
平均年収1,680万円は上場企業全体でもトップクラスの水準。営業利益率40%超の高収益体質が社員還元に直結。従業員数516名と少数精鋭で、4年間で約38%増員。平均年齢は40歳前後と比較的若く、半導体検査の高度な専門性を持つエンジニア集団。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業家・内山家(内山洋3.1%、内山秀3.1%、UCHIYAMA HOLDINGS 1.6%、前田せつ子3.0%)が合計約11%を安定保有。メガバンク等の政策保有と合わせて安定株主比率は約35%。外国人・個人投資家の比率が高く流動性の高い構成。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(19.2%)で、機関投資家による保有が大宗を占めます。創業家の内山洋氏(3.1%)と内山秀氏(3.1%)、UCHIYAMA HOLDINGS(1.6%)が合計約8%を安定保有し、経営の継続性を支えています。外国人持株比率は約26%で、EUV検査装置の独占的地位により半導体関連のグローバルファンドからの注目度が高い銘柄です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 半導体関連装置事業 | 2,400億円 | 1,170億円 | 48.8% |
| サービス・その他 | 115億円 | 58億円 | 50.4% |
事業の主力は半導体フォトマスクおよびマスクブランクス欠陥検査装置で、売上の95%超を半導体関連装置が占める高集中型の事業構造です。EUV向け検査装置は世界シェア100%を握る独占的地位にあり、営業利益率48.8%という驚異的な収益性を実現。一方で、米KLAがEUV検査分野への参入を強化しており、ASMLがサプライヤーとして2社体制を志向する動きもあることから、中長期的な競争環境の変化に注意が必要です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役8名中、女性は1名(12.5%)。従業員516名の少数精鋭体制で、1人当たり売上高は約4.9億円と製造業としては異例の高効率経営です。連結子会社8社は米国・欧州・アジアの海外拠点が中心で、グローバルなサポート体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/6 | 1,900億円 | — | 2,135億円 | +12.3% |
| FY2025/6 | 2,200億円 | — | 2,515億円 | +14.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/6 | 700億円 | — | 814億円 | +16.2% |
| FY2025/6 | 1,040億円 | — | 1,228億円 | +18.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2024/6・FY2025/6ともに期初予想を大幅に上回る着地が続いており、会社予想の保守性が際立ちます。中計の売上目標4,000〜5,000億円に対し、FY2025/6実績は2,515億円。年率10%成長ペースなら達成圏内ですが、FY2026/6の一時的な踊り場をどう乗り越えるかが鍵。利益率は目標35%を大きく上回る48.8%を既に実現しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
レーザーテックの5年TSRは190%と大きなリターンを記録していますが、2021年のピーク(400%)から大幅に調整。直近ではTOPIX(213%)をやや下回るパフォーマンスとなっています。ただし、これはFY2026/6の一時的な減収減益局面の影響であり、中計の成長路線が実現すればTSRの回復が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 400.0万円 | +300.0万円 | 300.0% |
| FY2022 | 250.0万円 | +150.0万円 | 150.0% |
| FY2023 | 180.0万円 | +80.0万円 | 80.0% |
| FY2024 | 230.0万円 | +130.0万円 | 130.0% |
| FY2025 | 190.0万円 | +90.0万円 | 90.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER53.9倍、PBR15.41倍と業界平均を大きく上回る高バリュエーションで推移しています。EUV検査装置の世界独占シェアと半導体市場の構造的成長への期待が織り込まれた水準です。信用倍率は4.07倍と買い残が厚い状況。ゴールドマン・サックスが目標株価50,000円で「買い」に格上げする一方、一部米系証券は弱気継続(目標15,500円)と、アナリスト間でも見方が大きく分かれる銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」に格上げし、目標株価を50,000円に引き上げ。株価は一時34,740円まで急伸。
FY2026/6通期の経常利益予想を18%上方修正(850億→1,000億円)。2Q累計の経常利益は前年同期比4.3%増の651億円と堅調。
FY2026/6 第1四半期決算を発表。売上高は前年同期比で微減も、利益面は概ね計画通りに進捗。
FY2025/6の過去最高益を発表するも、FY2026/6は減収減益予想(売上2,000億、経常850億)を公表し株価下落。
2030年6月期を見据え、売上高4,000〜5,000億円・CAGR 10%以上を掲げる中期経営計画を策定。
最新ニュース
レーザーテック まとめ
ひとめ診断
「EUV向けマスク検査装置で世界シェア100%を独占する、営業利益率48%超の超高収益グローバルニッチトップ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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