ダイヤモンドエレクトリックホールディングス
DIAMOND ELECTRIC HOLDINGS Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
技術力で自動車の未来を点火し、V字回復に挑む電装部品メーカー
技術革新を通じて自動車産業の未来をリードし、持続可能な社会の実現に貢献するグローバル企業となる。
この会社ってなに?
あなたが毎日乗っている自動車のエンジンが、スムーズにかかるのはなぜだと思いますか?その心臓部で、ガソリンに火をつける重要な役割を担っているのが「点火コイル」という部品です。ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは、この点火コイルで世界的なシェアを誇る老舗メーカー。普段はボンネットの中で目にすることはありませんが、あなたの快適で安全なカーライフを縁の下で支えている、そんな会社なのです。もしかしたら、あなたの愛車のエンジンにも、この会社の技術が使われているかもしれません。
自動車用点火コイルを主力とする電装部品メーカー。FY2025は売上高917.2億円、営業利益22.70億円と大幅な黒字転換を達成しましたが、前年度(FY2024)は18.97億円の最終赤字を計上するなど業績の変動が激しいのが特徴です。新中長期経営計画「炎のスクラム」を掲げ、既存事業の強化と新規事業創出による収益基盤の安定化を急いでいます。株価はPBR0.46倍と解散価値を大きく下回る水準にあり、経営再建の進捗が最大の注目点となっています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市淀川区塚本1丁目15番27号
- 公式
- www.diaelec-hd.co.jp
社長プロフィール

当社グループは創業以来培ってきた『ものづくり』の精神を復興させ、全社一丸となって変革に挑んでいます。新中長期経営計画「炎のスクラム」のもと、強固なグローバルサプライチェーンを構築し、時代の変化に対応することで、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
自動車用点火コイルの製造を開始。以来、長年にわたり自動車産業の発展を支える基盤を築く。
親会社のダイヤモンド電機と合併し、生産体制を強化。本社機能も持つ鳥取工場が誕生し、事業拡大の礎を築いた。
ダイヤモンド電機と田淵電機の経営統合により、ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社を設立し、東証二部に上場。
世界的なパンデミックの影響を受け、株価が上場来安値を記録。厳しい経営環境に直面する。
厳しい状況を打開すべく、エンジニア増強など積極的な技術投資を盛り込んだ中期経営計画を策定。再生への強い意志を示す。
東京証券取引所の市場再編に伴い、プライム市場へ移行。企業価値向上へのコミットメントを新たにする。
さらなる成長を目指し、新中長期経営計画「炎のスクラム」を策定。全社一丸となって業績回復と企業変革を加速させる。
注目ポイント
一時は営業赤字に陥るも、新経営陣のもとで「ものづくり復興」を掲げ改革を断行。業績は回復基調にあり、今後の成長に期待がかかる状況です。
PBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回る割安な水準にあります。さらに、投資家還元にも積極的で、配当利回りが高い点も魅力です。
自動車の心臓部である点火コイルで長年の実績を誇ります。既存事業の強化に加え、電子材料やバッテリー関連など、EV化を見据えた新規事業への展開も模索しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 107.9% |
| FY2022/3 | 25円 | 14.0% |
| FY2023/3 | 25円 | 0.2% |
| FY2024/3 | 12.5円 | 0.2% |
| FY2025/3 | 25円 | 50.9% |
株主優待は現在実施しておりません。
当社は業績に応じた利益配分を基本としつつ、安定的な配当の維持を方針として掲げています。業績が好調な時期には増配を行う一方、財務基盤の強化を優先すべき時期には配当額を調整する柔軟な姿勢をとっています。現状では配当性向を意識した適正な利益還元を目指しており、中長期的な企業価値の向上を通じて投資家へのリターンを最大化させる考えです。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高はFY2023/3以降900億円規模で安定推移していますが、営業利益は原材料高騰や開発投資の増加によりFY2023/3に11.9億円の赤字を計上するなど苦戦しました。その後は構造改革やコスト削減の徹底により、FY2025/3には22.7億円の営業利益を確保するまで回復しています。FY2026/3予想では、引き続き堅調な受注を背景に、売上高943億円、営業利益20億円を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1.3% | 0.1% | 3.2% |
| FY2022/3 | 12.6% | 1.9% | 0.6% |
| FY2023/3 | -9.9% | -1.4% | -1.3% |
| FY2024/3 | -18.5% | -2.3% | 0.2% |
| FY2025/3 | 3.6% | 0.5% | 2.5% |
ROE(自己資本利益率)はFY2023/3からFY2024/3にかけて赤字の影響でマイナス圏に沈みましたが、FY2025/3には収益性改善により3.6%へとプラスへ復帰しました。営業利益率もFY2024/3の0.2%からFY2025/3には2.5%まで改善し、効率的な経営体制への転換が進んでいます。今後は、付加価値の高い自動車用電子部品などの製品ポートフォリオを強化し、持続的な利益率向上を目指すフェーズです。
財務は安全?
総資産規模は800億円前後で推移しており、自己資本比率はFY2025/3時点で14.4%と、製造業としては低い水準に留まっています。特にFY2024/3以降、有利子負債が600億円超と急増しており、資金調達による負債依存度の高まりが見て取れます。今後は安定的なキャッシュフローの創出を通じて負債の圧縮を図り、財務健全性の向上を最優先課題として取り組む必要があります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 37.2億円 | -18.6億円 | 55.1億円 | 18.5億円 |
| FY2022/3 | -44.7億円 | -37.8億円 | 32.3億円 | -82.5億円 |
| FY2023/3 | -34.9億円 | -28.4億円 | 49.1億円 | -63.3億円 |
| FY2024/3 | 21.2億円 | -40.1億円 | 1.3億円 | -18.9億円 |
| FY2025/3 | 35.9億円 | -6.4億円 | -37.8億円 | 29.5億円 |
営業キャッシュフローは一時的な赤字期間を経て、FY2025/3には約36億円まで回復し、本業での稼ぐ力が戻ってきていることを示しています。投資CFは将来の成長に向けた技術投資や設備投資のため恒常的にマイナスですが、FY2025/3は支出が抑制されました。財務CFが大きくマイナスに転じたことは、獲得した営業利益を元手に負債の返済や財務基盤の強化を優先した結果であり、経営の健全化が進んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.7億円 | 23.8億円 | 96.2% |
| FY2022/3 | 12.7億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | -8.2億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 13.1億円 | 32.1億円 | 244.5% |
| FY2025/3 | 14.7億円 | 10.6億円 | 72.0% |
実効税率が法廷税率を大きく上回る年度が散見されますが、これは過去の赤字による繰越欠損金の有効活用や、海外子会社を含むグループ全体の課税所得の算定において生じる一時的な調整によるものです。特にFY2024/3やFY2025/3は、税引前利益に対して法人税負担額が重いように見えますが、これには税効果会計の影響などが含まれています。企業としては、今後の利益創出に伴い、これらの税制上の調整を経て実効税率の正常化を図っていく見込みです。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はダイヤモンドエンジニアリング。
同社の株主構成は、日本カストディ銀行や日本マスタートラスト信託銀行といった信託銀行の信託口が上位を占めており、機関投資家による保有が一定の割合を維持しています。一方で、ダイヤモンドエンジニアリング等の関連会社や役員関連の保有もあり、創業家や特定の事業会社の影響力が一定程度残る構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は自動車用電装品などを軸とする事業を展開し、連結子会社21社を有するグローバルな体制を構築しています。為替変動リスクや原材料価格の高騰を経営上の主な事業リスクとして特定しており、強固なサプライチェーンの構築による収益性の確保を最優先課題としています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は14.2%(1名/6名)であり、多様な視点を取り入れた経営体制の構築を図っています。社外取締役を4名選任する高い監査体制を確保しており、東証プライム市場上場企業として、グローバルな事業規模に応じた透明性の高いガバナンス環境の維持に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 943億円 | — | 917億円 | -2.7% |
| FY2024 | 980億円 | — | 933億円 | -4.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 20億円 | — | 23億円 | +13.5% |
| FY2024 | 9億円 | — | 2億円 | -72.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中長期経営計画「炎のスクラム」では、最終年度のFY2026に売上高1,000億円、営業利益50億円を目標に掲げています。直近のFY2025実績は営業利益22.70億円と大幅な黒字転換を果たし、経営再建が軌道に乗り始めた点は評価できます。しかし、売上高は目標に対して進捗率91.7%と順調な一方、利益面では進捗率45.4%とまだ道半ばです。目標達成には、既存の自動車機器事業の収益性改善に加え、電子機器やアミューズメント機器といった非自動車分野の事業拡大が不可欠です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、株価変動と配当を合わせた投資家の総合的なリターンを示す指標です。FY2024およびFY2025において、当社のTSRはTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、FY2023、FY2024と続いた最終赤字など、不安定な業績を背景とした株価の低迷が主な要因です。FY2025は増配したものの、株価下落の影響をカバーするには至りませんでした。今後のTSR改善には、継続的な業績回復による企業価値向上と株価上昇が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 609.3万円 | +509.3万円 | 509.3% |
| FY2022 | 235.9万円 | +135.9万円 | 135.9% |
| FY2023 | 199.8万円 | +99.8万円 | 99.8% |
| FY2024 | 174.6万円 | +74.6万円 | 74.6% |
| FY2025 | 152.1万円 | +52.1万円 | 52.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は746.73倍と極めて高く、将来の株価上昇を見込んだ信用買い残が大量に積み上がっている状態です。これは将来的な売り圧力にもなり得るため注意が必要です。業界平均と比較すると、PBRは0.46倍と著しく割安で、市場からの評価が低いことを示唆しています。一方で、予想配当利回りは4.05%と業界平均を大きく上回っており、株価の下支え要因となる可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第2四半期決算にて為替差益を含めた営業利益の伸長を発表。
「炎のスクラム」に基づき、グローバルサプライチェーンの再構築を強化。
スタンダード市場への市場区分変更承認および上場維持基準の適合計画を発表。
最新ニュース
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス まとめ
ひとめ診断
「自動車向け点火コイルの老舗、業績の谷からEV時代の新事業創出に挑む再生ストーリー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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