コーセル
COSEL CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
安定した電源技術とグローバル提携で未来を拓く、高還元ハイテク企業
最先端の電源技術とグローバルな協業を通じて、世界の産業発展と持続可能な社会の実現をエネルギーの側面から支えるリーディングカンパニーを目指します。
この会社ってなに?
普段の生活でコーセルの製品を直接目にすることはほとんどありません。しかし、あなたが病院でMRI検査を受けるとき、工場のロボットが製品を組み立てているとき、あるいはインターネットを使うためのデータセンターが稼働しているとき、その裏側ではコーセルの「スイッチング電源」という装置が活躍しています。この装置は、コンセントから来る電気を、あらゆる電子機器が使える安定した電気に変換する「縁の下の力持ち」です。精密な動作が求められる医療機器や産業用ロボットが正しく動き続けるために、無くてはならない部品を供給している会社です。
スイッチング電源大手のコーセルは、FY2024まで好調な業績を維持していましたが、FY2025は市況悪化の影響で売上高270.5億円(前期比34.7%減)、営業利益6.28億円(同90.9%減)、最終赤字に転落するなど厳しい状況に直面しています。この難局を打開すべく、2024年に台湾の電子部品大手LITE-ON社と資本業務提携を締結し、発行済株式の約20%を譲渡。製品の共同開発や部品調達の強化を通じて、再生可能エネルギーや医療分野など新たな成長領域の開拓を急いでいます。財務は盤石で、DOE3.5%を下限とする累進配当を掲げており、株主還元姿勢も評価されています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 5月
- 本社
- 富山県富山市上赤江町一丁目6番43号
- 公式
- www.cosel.co.jp
社長プロフィール

当社は長年の実績を持つスイッチング電源を基盤としつつ、現状に満足することなく常に変革を目指しています。台湾ライトン社との提携を機に、再生可能エネルギーといった新分野の開拓やグローバルな部品調達を強化し、持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
富山県にて、後のコーセルとなるエルコー株式会社が設立。スイッチング電源の開発・製造という未来への第一歩を踏み出す。
事業のグローバル化を見据え、現在の社名である「コーセル株式会社」へ商号を変更し、新たなブランドイメージを構築する。
持続的な成長と社会的な信頼を背景に、東京証券取引所および大阪証券取引所の市場第一部に上場を果たし、企業としてのステージを上げる。
持続的な高利益体質を目指し、連結営業利益率15%以上、ROE10%という具体的な経営指標を目標として掲げ、収益性向上への強い意志を示す。
世界的なパンデミックの影響を受け、営業利益が前年比で半減。外部環境の変化に対応する経営の重要性が浮き彫りとなる。
台湾の大手電源メーカーであるライトン社と資本業務提携を締結。グローバルな部品調達網の強化と、再生可能エネルギー分野など新市場開拓への大きな一歩を踏み出す。
提携の成果として、ライトン社との共同開発製品ブランドを立ち上げ、6月からの市場投入を発表。技術融合によるシナジー創出を本格化させる。
注目ポイント
「DOE(株主資本配当率)3.5%を下限とした累進配当」を掲げ、4期連続の増配を達成。安定した配当を期待する投資家にとって魅力的な方針です。
台湾のライトン社と資本業務提携を行い、筆頭株主として迎えることで、部品調達力と販売網を強化。再生可能エネルギーなど成長分野への進出を加速します。
産業機器に不可欠なスイッチング電源(直流安定化電源)の標準品で国内トップクラスのシェアを誇ります。見えないところで現代社会のインフラを支える、高い技術力を持つ企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 17円 | 54.7% |
| FY2022/3 | 26円 | 46.8% |
| FY2023/3 | 32円 | 34.2% |
| FY2024/3 | 54円 | 34.6% |
| FY2025/3 | 55円 | - |
株主優待制度は現在実施されておりません。
同社はDOE(株主資本配当率)3.5%を下限とした累進配当方針を採用しており、業績が一時的に低迷しても減配を行わない姿勢が評価されています。配当水準は過去数年で大幅に引き上げられており、高い配当利回りが株価の下支え要因となっています。盤石な財務基盤を活かし、長期的かつ安定的な利益還元を継続する意向です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
コーセルの業績は、半導体不足の緩和や堅調な産業機器需要を背景にFY2024/3には売上高約414億円、当期純利益約52億円と過去最高水準の成長を遂げました。しかし、直近のFY2025/3は設備投資の停滞や在庫調整の影響を受け、売上高は約271億円、純利益は小幅な赤字へと急激に落ち込みました。FY2026/3に向けては、台湾LITE-ON社との提携による共同ブランド製品の投入効果などにより、黒字復帰と売上回復を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.7% | 2.4% | 11.2% |
| FY2022/3 | 4.6% | 4.1% | 10.0% |
| FY2023/3 | 7.5% | 6.5% | 14.0% |
| FY2024/3 | 10.9% | 9.5% | 16.7% |
| FY2025/3 | -0.2% | -0.2% | 2.3% |
収益性は、主力であるスイッチング電源の標準品が国内外で評価され、FY2024/3には営業利益率が16.7%、ROEが10.9%に達するなど高収益体質を証明しました。ただし、FY2025/3には売上減少に伴う固定費負担の増大により、営業利益率は2.3%へと急低下しています。今後は新製品へのシフトを加速させることで、目標とする営業利益率15%以上への再浮上を目指す戦略です。
財務は安全?
同社は極めて強固な財務基盤を有しており、自己資本比率は90%を超える水準で推移しています。借入金への依存がない実質無借金経営を継続しており、潤沢な手元資金を背景に事業投資や株主還元を行う余裕を確保しています。資産面でも過剰な負債を抱えず、安定した資産構成を維持している点が強みです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.4億円 | 27.3億円 | -8.2億円 | 51.6億円 |
| FY2022/3 | -10.2億円 | 19.3億円 | -13.5億円 | 9.1億円 |
| FY2023/3 | 10.3億円 | 6.8億円 | -21.2億円 | 17.1億円 |
| FY2024/3 | 55.3億円 | -18.3億円 | -16.0億円 | 37.0億円 |
| FY2025/3 | 38.6億円 | -16.2億円 | 92.3億円 | 22.4億円 |
営業キャッシュフローは、業績連動で変動するものの、高い営業利益率を背景に継続して正の数値を維持しています。投資活動では将来の成長に向けた設備投資を実施しており、財務活動では配当金の支払いや自社株買いを積極的に行うことで株主還元を強化してきました。実質無借金経営ゆえに財務キャッシュフローの変動は主に株主還元や運用の結果であり、盤石なキャッシュ創出能力を示しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 34.3億円 | 23.6億円 | 68.6% |
| FY2022/3 | 29.8億円 | 10.9億円 | 36.5% |
| FY2023/3 | 52.7億円 | 21.1億円 | 40.0% |
| FY2024/3 | 78.5億円 | 26.8億円 | 34.2% |
| FY2025/3 | 7.4億円 | 8.5億円 | 115.3% |
実効税率は年度によって変動が大きく、利益水準が低い期には税負担の割合が一時的に高まる傾向にあります。これは税引前利益が少ない際にも一定の法人税等負担が発生するためであり、経営の安定時には概ね30%台で推移しています。今後、収益が回復基調に乗ることで実効税率は標準的な水準に収束すると予測されます。
会社の公式開示情報
産業機器向けのスイッチング電源専業メーカーとして、高収益体質を支える製品ポートフォリオが特徴です。直近では再エネ・医療分野の開拓を進める一方で、市場環境の悪化による一時的な営業赤字リスクと、それに対する経営の迅速な構造改革が注視されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 333億円 | — | 271億円 | -18.8% |
| FY2024 | 380億円 | — | 414億円 | +9.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 26億円 | — | 6億円 | -76.1% |
| FY2024 | 54億円 | — | 69億円 | +28.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
コーセルは現在「第10次中期経営計画」を推進中で、営業利益率15%以上、ROE10%以上を経営目標に掲げています。しかし、FY2025の業績は半導体市況の悪化を受けて計画を大幅に下回る見込みで、営業利益率は2.3%、ROEはマイナスに転落し、目標達成は厳しい状況です。一方で、株主還元策としてDOE3.5%を基準とした累進配当を掲げており、業績悪化局面でも配当を維持・増加させる方針は投資家から評価されています。今後は台湾LITE-ON社との提携効果を早期に具現化できるかが、計画達成と株価回復の鍵となります。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.88倍と1倍を割れており、資産価値の観点からは割安と評価されています。配当利回りが4%を超えている点も魅力的です。一方で、信用倍率は0.24倍と売り残が買い残を大幅に上回っており、将来の株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは「制度信用銘柄」であり空売りが入りやすいことも一因ですが、足元の業績悪化に対する警戒感の表れとも言え、短期的な需給は厳しい状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ロームの高性能SiCパワーデバイスを搭載した3.5kW出力の電源ユニットを製品化。
海外事業の再編を進め、不採算な海外子会社の解散及び清算を実施。
26年5月期第3四半期累計の連結営業損益が9億円の赤字に転落し、市場の注目を集めた。
最新ニュース
コーセル まとめ
ひとめ診断
「産業機器向け電源の老舗、台湾大手との提携で半導体市場の荒波を乗り越えようともがく優良財務企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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