キーエンス
KEYENCE CORPORATION
最終更新日: 2026年4月30日
驚異の営業利益率50%超、ファクトリー・オートメーションの世界的イノベーター
新しい価値の創造を通じて、世界中のものづくりの現場を革新し続ける
この会社ってなに?
工場の製造ラインで部品の位置や大きさを測ったり、不良品を自動で見つけたりするセンサーや検査装置を作っている会社です。たとえばスマホの精密部品が正確に組み立てられているか、食品の包装に異物がないか、自動車のボディに傷がないか――そうした検査を人の目に頼らず機械で行う技術を提供しています。世界46ヵ国250拠点以上に展開し、世界初・業界初の商品が全体の70%以上を占める圧倒的な開発力が強みです。
キーエンスはFA用センサー・測定器・画像処理機器を手がける超高収益企業です。自社工場を持たないファブレス経営と代理店を介さない直販体制を両輪に、FY2025/3期は売上高1兆591億円(初の1兆円突破)、営業利益5,498億円・営業利益率51.9%を達成しました。有利子負債ゼロ・自己資本比率94.5%の盤石な財務基盤を持ち、2025年5月には独キャデナス社を買収してソフトウェア・プラットフォーム事業にも本格参入。2025年12月に中野鉄也新社長が就任し、新たな成長フェーズに入っています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市東淀川区東中島1-3-14
- 公式
- www.keyence.co.jp
社長プロフィール
お客様の潜在的な課題を見つけ出し、世の中にまだない価値を持った商品を生み出すことで、ものづくりの現場を革新し続けてまいります。
この会社のストーリー
兵庫県尼崎市にて、自動制御機器の開発・製造・販売を目的として滝崎武光氏が設立しました。
「Key of Science」に由来する現在の社名へ変更。独自の直販体制を確立し、顧客の声を直接製品開発に活かす基盤を構築しました。
大阪証券取引所第二部に上場。代理店を介さない直販モデルで顧客密着型の営業を展開し、高付加価値経営の礎を築きました。
海外への販売網を積極的に拡大し、世界46ヵ国250拠点以上の体制を構築。世界中のものづくりの現場に革新的なソリューションを届ける体制を整えました。
FY2025/3期に売上高が初の1兆円を突破。同年5月には独キャデナス社を買収し、3D CADプラットフォーム事業に参入する新たな成長戦略を始動しました。
12月に44歳の中野鉄也氏が代表取締役社長に就任。若手への大胆なバトンタッチにより、次世代の成長を加速させる新体制がスタートしました。
注目ポイント
自社で工場を持たない「ファブレス経営」により、製造コストを抑えつつ高い付加価値を生み出す超高収益体質が最大の魅力。有利子負債ゼロの盤石な財務基盤も際立ちます。
代理店を挟まず、優秀な営業担当者が直接顧客の現場へ赴くことで、顧客自身も気づいていない課題を解決する新製品を生み出し続けています。新商品の70%以上が世界初・業界初。
2025年の独キャデナス社買収で3D CADプラットフォーム事業に参入。ハードウェアに加えソフトウェア・デジタル領域でも「ものづくり支援」の幅を広げ、次の成長の柱を育てています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12.5円 | 9.3% |
| FY2017/3 | 37.5円 | 7.5% |
| FY2018/3 | 50円 | 5.8% |
| FY2019/3 | 100円 | 10.7% |
| FY2021/3 | 200円 | 24.6% |
| FY2022/3 | 200円 | 16.0% |
| FY2023/3 | 300円 | 20.0% |
| FY2024/3 | 300円 | 19.7% |
| FY2025/3 | 350円 | 21.3% |
なし
FY2026/3期は中間配当275円が確定し、年間配当予想は550円と前期比+57%の大幅増配です。FY2023/3に300円へ増配して以降4期連続の増配となり、配当利回りは0.95%に上昇。配当性向は20%前後と低水準で推移しており、増配余力は極めて大きい状況です。株主優待はありませんが、業績成長に伴う持続的な増配が期待できます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高はFY2021/3の5,381億円からFY2025/3には初の1兆円突破となる1兆591億円まで倍増し、5期で売上が約2倍に成長しました。営業利益は5,498億円・営業利益率51.9%と世界トップクラスの収益性を維持。FY2024/3は微増にとどまりましたが、FY2025/3は売上+9.5%・純利益+7.8%と再加速しています。FY2026/3期も3Q累計で前年同期比+8.1%の増益ペースを維持しています。
事業ごとの売上・利益
センサー、測定器、画像処理機器、制御・計測機器等のFA関連機器の開発・製造・販売。単一セグメントで全売上を構成。海外売上比率約60%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.8% | 9.8% | - |
| FY2022/3 | 14.8% | 13.1% | - |
| FY2023/3 | 15.6% | 13.7% | - |
| FY2024/3 | 14.0% | 12.5% | 51.2% |
| FY2025/3 | 13.5% | 12.1% | 51.9% |
営業利益率はFY2022/3の55.4%をピークにやや低下傾向にありますが、FY2025/3でも51.9%と50%超を堅持しています。ROEは12.8%と自己資本比率94.5%という超安全な財務体質にもかかわらず高水準を維持。製造業としては世界トップクラスの収益性であり、ファブレス経営と直販体制が生み出す高付加価値モデルが圧倒的な競争優位を支えています。
財務は安全?
総資産はFY2025/3に約3兆2,892億円まで拡大し、5年間で約1.6倍に成長しました。有利子負債ゼロ・自己資本比率94.5%という製造業離れした超健全な財務体質が最大の特徴です。BPS(1株当たり純資産)は12,817円と毎年着実に積み上がっており、内部留保の充実が経営の自由度と安定性を高めています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,927億円 | -1,775億円 | -485億円 | 152億円 |
| FY2022/3 | 2,715億円 | -111億円 | -498億円 | 2,603億円 |
| FY2023/3 | 3,026億円 | -2,835億円 | -637億円 | 191億円 |
| FY2024/3 | 3,879億円 | -2,428億円 | -763億円 | 1,451億円 |
| FY2025/3 | 4,095億円 | -2,806億円 | -834億円 | 1,289億円 |
営業CFはFY2025/3に4,095億円を記録し、5期連続で増加しています。投資活動は有価証券の取得・売却が大きく変動するため年度ごとの振れ幅がありますが、FCF(フリーキャッシュフロー)はFY2024/3に1,451億円、FY2025/3に1,289億円と潤沢なキャッシュ創出を継続。2025年5月の独キャデナス社買収(数百億円)もこの豊富な手元資金で余裕をもって実行されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2,866億円 | 893億円 | 31.2% |
| FY2022/3 | 4,312億円 | 1,279億円 | 29.7% |
| FY2023/3 | 5,128億円 | 1,499億円 | 29.2% |
| FY2024/3 | 5,193億円 | 1,497億円 | 28.8% |
| FY2025/3 | 5,610億円 | 1,624億円 | 28.9% |
税引前利益はFY2025/3に5,610億円に達し、法人税等は1,624億円を納付しています。実効税率は28〜31%の範囲で安定的に推移しており、国内製造業として適正な税負担を維持しています。海外売上比率60%にもかかわらず、透明性の高い税務管理が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 2,039万円 | 12,261人 | - |
平均年収2,039万円は日本の上場企業で最高水準。成果主義の報酬体系で知られる。FY2024/3以降の減少は若手採用の積極化による平均年齢低下(36.1→34.8歳)が主因で、個人ベースの報酬は上昇。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業者の滝崎武光氏が資産管理会社ティ・ティ(15.1%)と個人名義(3.2%)で合計約18%を保有し、キーエンス財団(4.6%)と合わせ創業家関連で約23%を占める。金融機関の信託口も安定保有と見なされ、経営基盤は盤石。
創業者・滝崎武光氏の資産管理会社「ティ・ティ」が筆頭株主(15.1%)で、滝崎氏個人(3.2%)とキーエンス財団(4.6%)を合わせると創業家関連で約23%を保有しています。信託銀行2行(日本マスタートラスト13.4%、日本カストディ8.1%)は年金・投信の受託分で実質的に長期保有が多く、安定株主比率は約48%と見られます。外国人投資家比率が48.5%と高く、グローバルな評価を反映しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 電子応用機器事業 | 1兆591億円 | 5,498億円 | 51.9% |
単一セグメント(電子応用機器事業)で売上1兆591億円・営業利益率51.9%を実現する極めて集中度の高い事業構造です。2025年の独キャデナス社買収でソフトウェア・プラットフォーム事業への展開を開始しましたが、依然としてFA機器が収益の柱です。主要リスクは景気循環・為替・中国市場に加え、新規買収のPMIリスクが新たに加わっています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役12名中、女性は1名(8.0%)と改善の余地があります。監査報酬は3,200万円で適切な水準。連結子会社28社を含むグループ全体で、高効率かつ透明性の高い経営管理を実施しています。平均勤続年数11.1年は、成果主義の厳しい環境でありながら人材定着率が比較的高いことを示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 非開示 | — | 9,673億円 | 実績連動 |
| FY2025/3 | 非開示 | — | 1兆591億円 | 実績連動 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 非開示 | — | 4,950億円 | 実績連動 |
| FY2025/3 | 非開示 | — | 5,498億円 | 実績連動 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
キーエンスは「経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は定めていない」としており、中期経営計画や期初の業績予想を公表しません。しかし徹底した直販体制とファブレス経営により、常に営業利益率50%超という世界トップクラスの収益性を実現しており、結果的に市場の期待を上回る成長を継続しています。2025年5月の独キャデナス社買収は、ソフトウェア・プラットフォーム事業への初の本格参入として注目されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は197.3%で、TOPIX(245.7%)を約48pt下回るアンダーパフォームです。FY2024まではTOPIXと拮抗していましたが、FY2025に株価が調整した結果差が開きました。ただし配当の大幅増額(FY2026/3予想550円)により、今後のTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 168.2万円 | +68.2万円 | 68.2% |
| FY2022 | 174.8万円 | +74.8万円 | 74.8% |
| FY2023 | 193.1万円 | +93.1万円 | 93.1% |
| FY2024 | 229.0万円 | +129.0万円 | 129.0% |
| FY2025 | 197.3万円 | +97.3万円 | 97.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER35.1倍・PBR4.50倍と電気機器セクター平均を大幅に上回るプレミアム評価です。営業利益率50%超・ROE12.8%という突出した収益力が高いバリュエーションの根拠となっています。信用倍率3.73倍は中立圏で、需給面での大きな偏りは見られません。配当利回り0.95%は低水準ですが、FY2026/3期の大幅増配(550円)で改善傾向にあります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
複数の証券会社が目標株価を引き上げ。日系大手証券は目標株価75,000円に上方修正し、強気レーティングを継続。
FY2026/3期3Q決算短信を発表。累計経常利益は前年同期比8.1%増の4,436億円に伸長し、年間配当予想を550円に増額。
代表取締役社長が中田有氏から中野鉄也氏(44歳)に交代。中田氏は取締役特別顧問に就任。若手への経営バトンタッチが注目される。
FY2026/3期2Q決算を発表。経常利益は前年同期比14%増と好調。配当予想を350円から550円に大幅増額修正。
独キャデナス・テクノロジーズ社を数百億円で買収。3D CADプラットフォーム事業に参入し、デジタルとリアルの両面からものづくり支援を強化。
最新ニュース
キーエンス まとめ
ひとめ診断
『経営目標を定めない』驚異の営業利益率50%超、世界が注目するFAセンサーの覇者
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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