エスペック
ESPEC CORP.
最終更新日: 2026年3月28日
先端技術の開発を支える、環境試験器の世界トップメーカー
私たちは、地球環境に配慮しつつ、世界中のものづくりを革新的な試験技術で支え、人々の安全で豊かな暮らしと持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが新しいスマートフォンを手にしたとき、そのスマホが夏の猛暑や冬の寒さ、雨の中でも問題なく使えるのはなぜだと思いますか?実は、世に出る前の製品は、エスペックが作る『特殊な部屋』で、灼熱の砂漠から極寒の地まで、あらゆる過酷な環境を再現して徹底的にテストされています。最近よく耳にする電気自動車(EV)のバッテリーや、AIを動かす高性能サーバーも、安全性と性能を保つために同社の装置で厳しく試験されています。私たちの快適で安全なデジタルライフは、普段は目にしないエスペックのような企業の技術によって支えられているのです。
環境試験装置で世界シェア30%を誇るトップ企業。直近のFY2025決算では売上高672.9億円、営業利益75.26億円と過去最高を更新し、力強い成長が続いています。EV向けバッテリーやAI関連半導体など、先端技術分野での旺盛な研究開発需要を的確に捉え、受注残高も高水準を維持。今後は、カスタム製品の収益性改善と国内の生産能力増強が、更なる成長の鍵を握っています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市北区天神橋3丁目5番6号
- 公式
- www.espec.co.jp
社長プロフィール
私たちは、最先端技術の進化に不可欠な環境試験ソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に貢献します。IoTや次世代自動車といった成長市場に注力し、技術革新を通じて新たな価値を創造し続けることで、企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
創業者・田葉井九一が大阪市で理化学機器の製造・販売を開始。後のエスペックの原点となる第一歩を踏み出しました。
日本の産業界の発展とともに、製品の品質と信頼性を保証する必要性が高まる中、環境試験器の開発という新たな分野へ進出しました。
事業の成長と社会的な信用の高まりを受け、株式上場を達成。企業としてさらなる飛躍を目指す基盤を築きました。
グローバル市場でのブランド認知度向上を目指し、旧社名「タバイエスペック」から「エスペック株式会社」へと社名を変更しました。
加速寿命試験装置の分野で強みを持つ米国企業を子会社化し、グローバルな事業ポートフォリオと技術力を強化しました。
環境試験装置事業を譲受し、新会社を設立。IoTや次世代自動車市場への対応力を強化し、国内での生産能力と技術基盤を拡大しました。
高発熱に対応するウォークインチャンバーを発売するなど、AIやデータセンターといった次世代技術の信頼性評価ニーズに応えています。
注目ポイント
あらゆる製品の品質と信頼性を保証する「環境試験器」で、国内シェア60%以上、世界シェア30%以上を誇るトップ企業。日本のものづくりを根底から支えています。
EV向けバッテリーやAI向け半導体など、今後の成長が期待される最先端分野に不可欠な試験装置を提供。時代の変化を捉え、事業を拡大しています。
安定したキャッシュフローを創出し、成長投資だけでなく株主への配当にも積極的に資金を配分する方針を掲げています。株主を重視した経営が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 51円 | 59.4% |
| FY2022/3 | 60円 | 70.7% |
| FY2023/3 | 69円 | 45.9% |
| FY2024/3 | 75円 | 33.0% |
| FY2025/3 | 95円 | 34.5% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
配当方針として、安定的な株主還元を重視した配当を行っています。FY2025/3期には年間95円の配当を実施するなど、業績の成長に合わせて着実な増配傾向を維持しています。今後も配当性向30%〜40%を目安に、株主への利益還元を強化していく姿勢です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
エスペックは、環境試験器で世界シェアトップクラスを誇る強みを背景に、EV(電気自動車)や半導体分野の需要を的確に取り込み、右肩上がりの成長を実現しています。FY2021/3期以降、売上高は約387億円からFY2025/3期には約673億円まで拡大しました。旺盛な設備投資需要を背景に利益面でも改善が続いており、今後も安定した高水準の収益力が見込まれます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.4% | 3.3% | 6.7% |
| FY2022/3 | 4.2% | 3.1% | 4.7% |
| FY2023/3 | 7.1% | 5.0% | 8.3% |
| FY2024/3 | 9.4% | 6.4% | 10.6% |
| FY2025/3 | 10.6% | 7.9% | 11.2% |
製品競争力の高さとカスタム製品の収益性改善により、営業利益率はFY2021/3期の6.7%から直近では11.2%まで着実に向上しました。ROEも改善傾向にあり、FY2025/3期には10.6%と資本効率が大きく向上しています。付加価値の高い環境試験装置の提供を通じて、業界内でも高い収益体質を維持している点が強みです。
財務は安全?
同社は強固な財務基盤を有しており、FY2025/3期末時点での自己資本比率は74.7%と非常に高い水準を維持しています。一時的に有利子負債が増加する局面もありましたが、現在はほぼ無借金に近い健全な状態へ戻りました。潤沢な資本を活用し、成長投資と株主還元をバランスよく両立できる財務体質を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 30.4億円 | -20.3億円 | -15.0億円 | 10.1億円 |
| FY2022/3 | 20.2億円 | -9.3億円 | -28.3億円 | 10.9億円 |
| FY2023/3 | 19.2億円 | -10.6億円 | -29.0億円 | 8.6億円 |
| FY2024/3 | 27.4億円 | -37.8億円 | 28.0億円 | -10.4億円 |
| FY2025/3 | 44.5億円 | -11.5億円 | -72.5億円 | 32.9億円 |
営業活動によるキャッシュ・フローは安定してプラスを維持しており、本業で十分な稼ぐ力があることを示しています。FY2024/3期は積極的な投資に伴いフリー・キャッシュ・フローが一時的にマイナスとなりましたが、FY2025/3期には約33億円のFCFを創出し回復しました。創出したキャッシュを、将来の成長のための投資や配当等の株主還元へ戦略的に振り向けています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 28.4億円 | 8.8億円 | 31.0% |
| FY2022/3 | 23.2億円 | 4.2億円 | 18.0% |
| FY2023/3 | 46.6億円 | 13.3億円 | 28.6% |
| FY2024/3 | 69.2億円 | 19.5億円 | 28.2% |
| FY2025/3 | 77.9億円 | 17.9億円 | 23.0% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に伴い連動しています。年度によって実効税率に乖離が見られるのは、税効果会計の影響や特定の控除項目によるものです。今後は、おおむね法定実効税率に近い水準で推移することが見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 763万円 | 1,860人 | - |
従業員平均年収は763万円と、製造業の中でも比較的高水準を維持しています。これは環境試験装置で世界シェアトップクラスという高い収益性を背景に、技術者への還元が適切に行われていることが主な要因です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はエスペック取引先持株会・エスペック従業員持株会。
同社は日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占める安定した株主構成です。また、エスペック取引先持株会や従業員持株会が合計で10%以上を保有しており、経営陣と従業員・取引先が長期的な視点で連携する強固なガバナンス体制が構築されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高の大部分を環境試験装置事業が占め、特に半導体やEV電池分野からの需要が収益の柱となっています。事業上のリスクとしては、原材料価格の変動や為替影響、およびグローバル展開に伴う地政学的リスクが挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%で、多様な視点を経営に取り入れる体制が整いつつあります。また、監査役会の機能強化と社外役員の積極登用により、中堅以上の企業規模として透明性の高いガバナンスが確保されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 680億円 | — | 673億円 | -1.0% |
| FY2024 | 560億円 | — | 621億円 | +10.9% |
| FY2023 | 500億円 | — | 529億円 | +5.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 85億円 | — | 75億円 | -11.5% |
| FY2024 | 50億円 | — | 66億円 | +31.7% |
| FY2023 | 50億円 | — | 44億円 | -12.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「Progressive Plan 2025」では、売上高650億円、営業利益65億円を最終年度目標としていましたが、EV・半導体関連の旺盛な需要を背景に、これを前倒しで達成しました。FY2025実績は売上高672.9億円、営業利益75.26億円と目標を大幅に上回っています。一方、業績予想は期初計画に対してやや未達となるケースも見られ、需要変動への対応が今後の課題です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、ほぼ一貫してTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、同社の着実な業績成長や増配にもかかわらず、半導体サイクルの影響や地政学リスクなど外部環境の変化を受けやすく、株価が市場全体のパフォーマンスに追いついていないことを示唆しています。PBR1倍割れの時期が長かったことも一因と考えられ、今後の資本効率改善と成長戦略の市場への浸透が、TSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 115.7万円 | +15.7万円 | 15.7% |
| FY2022 | 126.6万円 | +26.6万円 | 26.6% |
| FY2023 | 134.9万円 | +34.9万円 | 34.9% |
| FY2024 | 201.3万円 | +101.3万円 | 101.3% |
| FY2025 | 166.4万円 | +66.4万円 | 66.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPER(11.0倍)およびPBR(1.20倍)は、精密機器業界の平均(PER 30.2倍、PBR 1.9倍)と比較して割安な水準にあります。これは、市場が同社の成長性をまだ完全には織り込んでいない可能性を示唆しています。一方で、配当利回りは3.04%と業界平均を上回っており、株主還元への意識の高さが伺えます。信用倍率は1.49倍と拮抗しており、短期的な需給バランスは中立的です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
AIサーバー市場の急拡大に対応する高発熱負荷対応の恒温恒湿室を発売。
高度加速寿命試験装置に大型基板対応モデルを追加投入し製品ラインナップを拡充。
日立ジョンソンコントロールズ空調から環境試験装置事業を18億円で取得し技術革新を推進。
最新ニュース
エスペック まとめ
ひとめ診断
「あらゆるハイテク製品の品質を保証する『環境試験』の巨人、EV・AI半導体の成長を陰で支える世界トップメーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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