新電元工業6844
Shindengen Electric Manufacturing Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使っているスマートフォンやパソコン。その内部で電気を安定して供給する部品(電源)を作っているのが新電元工業です。また、街で見かけるホンダのバイクに乗っている人がいたら、そのバイクのエンジンを動かすための重要な電子部品も同社が手掛けている可能性が高いです。さらに、最近増えてきた電気自動車(EV)の充電スタンドにも、新電元工業の技術が活かされています。普段は目に見えない場所で、私たちの生活や社会インフラを支える「縁の下の力持ち」のような会社なのです。
2025期は売上高1,058.3億円に対し、デバイス事業の回復遅れが響き、営業利益は1.28億円、最終赤字24.36億円と厳しい結果に着地した。一方、主力の二輪車向け電装事業は堅調に推移しており、収益基盤を支えている。2026年に完了予定の京セラのパワーデバイス事業買収は、製品ポートフォリオを抜本的に強化し、EV関連市場でのシェア拡大を目指す成長の起爆剤として期待されている。会社は2026期に営業利益24億円へのV字回復を見込んでおり、M&Aによるシナジーを早期に具現化できるかが今後の株価の鍵を握るだろう。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲11.3% | ▲4.4% | - |
| 2022/03期 | 11.1% | 4.5% | - |
| 2023/03期 | 2.7% | 1.2% | - |
| 2024/03期 | ▲1.1% | ▲0.5% | 1.2% |
| 2025/03期 | ▲3.6% | ▲1.7% | 0.1% |
| 3Q 2026/03期 | 10.7%(累計) | 4.0%(累計) | 3.7% |
収益性については、2022/03期には営業利益率が6.0%まで改善しましたが、その後はデバイス事業の回復遅れやコスト高騰の影響により、営業利益率は低水準での推移を余儀なくされています。特に直近期では営業利益率が0.1%まで低下し、ROEもマイナス圏に沈むなど、資本効率の面で課題が浮き彫りとなっています。高付加価値製品への転換と徹底したコスト管理による収益力の再構築が急務です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 804億円 | — | ▲55.6億円 | -539.7円 | — |
| 2022/03期 | 922億円 | — | 59.0億円 | 572.7円 | +14.6% |
| 2023/03期 | 1,010億円 | — | 16.4億円 | 159.6円 | +9.6% |
| 2024/03期 | 1,023億円 | 12.8億円 | ▲7.1億円 | -69.1円 | +1.2% |
| 2025/03期 | 1,058億円 | 1.3億円 | ▲24.4億円 | -236.2円 | +3.5% |
新電元工業の業績は、パワーデバイスや電装事業における国内外の競争激化の影響を受け、近年の利益水準は不安定な推移が続いています。2021/03期には営業損益がマイナスに沈みましたが、その後の構造改革を経て一時的な回復を見せました。しかし、直近ではコスト増などにより、2025/03期には約24億円の純損失を計上するなど、業績回復の途上にあります。 【3Q 2026/03期実績】売上838億円(通期予想比77%)、営業利益31億円(同130%)、純利益56億円(同312%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
パワー半導体や車載用電装品などのパワーエレクトロニクス事業を主軸としています。リスク要因としては、国内外における激しい競争環境と市況変動による売上への影響が挙げられ、事業ポートフォリオの再編や新設会社の買収による成長転換を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 879億円 | — | 922億円 | +4.9% |
| 2023期 | 1,080億円 | — | 1,010億円 | -6.5% |
| 2024期 | 1,122億円 | — | 1,023億円 | -8.8% |
| 2025期 | 1,066億円 | — | 1,058億円 | -0.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 41億円 | — | 55.6億円 | +35.7% |
| 2023期 | 57億円 | — | 36.2億円 | -36.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の「第17次中期経営計画」では2027期に売上高1,200億円、営業利益70億円を掲げていますが、初年度の2025期実績(営業利益1.28億円)を見る限り、利益目標の達成は極めて厳しい状況です。過去の業績予想も未達となるケースが多く、計画達成力には課題が見られます。ただし、京セラのパワーデバイス事業買収という大きな戦略的投資を実行しており、これが計画達成に向けた起爆剤となるかが最大の注目点です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年3月期の純利益予想を58億円から48億円へ下方修正を発表し、投資家心理に影響を与えた。
京セラのパワーデバイス事業承継会社を買収し、製品ラインナップの拡充と競争力強化を推進。
SES事業を展開するヘルメスシステムズを1億9000万円で子会社化し、事業ポートフォリオの多角化を図った。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
財務健全性は、過去数年間の総資産の拡大や純資産の積み増しにより、自己資本比率が約48.5%まで向上しており、一定の安定感を保っています。一方で、直近では有利子負債が約878億円まで増加しており、積極的な事業投資や買収に伴う資金調達が財務構成に影響を与えています。今後、利益創出によるキャッシュフローの改善と負債の適正化がバランスシートを安定させる鍵となります。 【3Q 2026/03期】総資産1477億円、純資産698億円、自己資本比率37.3%、有利子負債472億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲36.2億円 | ▲56.8億円 | 99.4億円 | ▲92.9億円 |
| 2022/03期 | 82.9億円 | ▲79.1億円 | 12.7億円 | 3.8億円 |
| 2023/03期 | 27.4億円 | ▲40.9億円 | ▲35.5億円 | ▲13.5億円 |
| 2024/03期 | 22.1億円 | ▲17.8億円 | ▲2.5億円 | 4.3億円 |
| 2025/03期 | ▲21.8億円 | ▲45.3億円 | ▲1.9億円 | ▲67.1億円 |
キャッシュフロー面では、営業活動によるキャッシュフローが業績の変動に応じて大きく乱高下する傾向にあります。2025/03期には営業CFがマイナス約22億円へと悪化し、同時に成長投資のための投資CFが重なったことで、フリーキャッシュフローが約67億円の赤字となりました。安定的な営業キャッシュフローを創出できる体制の確立が、今後の経営における最優先の課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が22.0%と、製造業としては高い多様性確保への意識が伺えます。連結子会社19社を抱えるグループ経営を行っており、監査報酬の適切さからも強固な内部統制体制が維持されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 716万円 | 5,251人 | - |
従業員平均年収は716万円であり、電気機器業界としては安定した高い水準を維持しています。ベテラン層が多い構成と高い技術力を背景に、堅実な処遇がなされていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた投資家リターンを示す指標です。2024期および2025期において、当社のTSRはTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、2024期以降の株価の伸び悩みに加え、2025期における減配が主な要因です。市場全体の成長に乗り切れず、投資家へのリターン創出が課題であることを示しています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 12.5円 | 628.1% |
| 2017/03期 | 12.5円 | 36.7% |
| 2018/03期 | 125円 | 24.3% |
| 2019/03期 | 125円 | 33.2% |
| 2020/03期 | 62.5円 | - |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 100円 | 17.5% |
| 2023/03期 | 130円 | 81.5% |
| 2024/03期 | 130円 | - |
| 2025/03期 | 65円 | - |
株主優待制度は実施されていません。
配当方針については、業績連動を基本としつつ、長期的な資本効率の向上と株主還元のバランスを考慮した決定を行っています。過去には高配当水準を維持していましたが、業績変動や構造改革に伴う投資負担を勘案し、配当水準を適宜見直す柔軟な方針をとっています。安定的な利益成長とセットで、持続可能な還元策を追求する姿勢です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 139.5万円 | 39.5万円 | 39.5% |
| 2022期 | 138.5万円 | 38.5万円 | 38.5% |
| 2023期 | 153.5万円 | 53.5万円 | 53.5% |
| 2024期 | 146.2万円 | 46.2万円 | 46.2% |
| 2025期 | 105.3万円 | 5.3万円 | 5.3% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は9.48倍と買い残が多く、将来の株価上昇を期待する投資家が多い一方で、需給面での重さも懸念されます。業界比較では、PERは平均並みですが、PBRは0.50倍と解散価値を大きく下回る水準で、割安感があります。これは近年の収益性の低迷を市場が織り込んでいることを示唆しており、今後の業績回復が株価水準の是正に繋がるかが焦点となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -11.6億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 58.3億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 43.3億円 | 26.8億円 | 62.0% |
| 2024/03期 | 16.6億円 | 23.7億円 | 142.9% |
| 2025/03期 | -5.2億円 | 0円 | - |
納税状況については、業績の赤字期には法人税等の負担が発生しない一方、利益計上期には繰延税金資産の取り崩しや税務上の調整により、実効税率が一時的に大きく跳ね上がる傾向が見られます。2023/03期から2024/03期にかけては、税引前利益に対して非常に高い税負担率を記録しました。今後は事業の収益安定化に伴い、税負担率も法定実効税率に近い水準へ収束することが予想されます。
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