マクセル6810
Maxell,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
昔、音楽を聴くのに使ったカセットテープや、テレビのリモコンに入っていた乾電池で「maxell」のロゴに見覚えがあるかもしれませんね。実は今、マクセルの技術はもっと見えないところで私たちの生活を支えています。例えば、あなたがスマートフォンで写真を撮るとき、そのカメラのレンズ部品はマクセル製かもしれません。また、普及が進む電気自動車(EV)のモーターを動かす重要な部品や、ワイヤレスイヤホンの高性能な小型電池も手掛けています。普段は意識しないけれど、身の回りのハイテク製品の「縁の下の力持ち」として、マクセルの技術は活躍しているのです。
2025期実績は売上高1,298.1億円、営業利益93.18億円と増収増益を達成。旧来のコンシューマー向け製品から、車載向け光学部品や次世代の全固体電池といった高付加価値なBtoB事業へとポートフォリオ転換を加速させています。半導体関連事業の売却など選択と集中を進めており、これらの構造改革が今後の利益成長を牽引できるかが最大の注目点です。株価はPBR1倍割れ水準にあり、事業再編の成果が市場に評価されるかどうかの岐路に立っています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区港南二丁目16番2号 太陽生命品川ビル21F
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 11.2% | 5.3% | - |
| 2022/03期 | 4.4% | 2.1% | - |
| 2023/03期 | 6.1% | 3.0% | - |
| 2024/03期 | 8.2% | 4.4% | 6.3% |
| 2025/03期 | 4.3% | 2.4% | 7.2% |
| 3Q FY2026/3 | -(累計) | -(累計) | 7.5% |
収益性は、事業ポートフォリオの再編と高収益事業への集中が奏功し、営業利益率は2021/03期の2.7%から2025/03期には7.2%へと大幅に向上しました。一時は赤字によるROEの低下に苦しんだものの、不採算事業の売却や選択と集中を通じて、直近では自己資本効率の改善が見られます。今後も製品ミックスの高度化により、継続的な利益率の安定と向上を狙う方針です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,391億円 | — | 93.7億円 | -189.5円 | - |
| 2022/03期 | 1,382億円 | — | 36.6億円 | -74.0円 | -0.6% |
| 2023/03期 | 1,328億円 | — | 51.9億円 | 109.3円 | -3.9% |
| 2024/03期 | 1,291億円 | 80.8億円 | 75.4億円 | 164.6円 | -2.7% |
| 2025/03期 | 1,298億円 | 93.2億円 | 40.9億円 | 93.1円 | +0.5% |
マクセルの業績は、全固体電池や車載向けなど高付加価値製品への事業シフトにより収益体制が改善傾向にあります。2021/03期および2022/03期は純損失を計上しましたが、その後は営業利益率の向上とともに黒字転換を果たし、2025/03期には売上高約1,298億円、営業利益約93億円を記録しました。今後は市場拡大が見込まれる全固体電池の量産化を牽引役に、成長軌道への回帰を目指す展開が期待されます。 【3Q 2026/03期実績】売上963億円(通期予想比71%)、営業利益72億円(同72%)、純利益0百万円(同0%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
マクセルは電池事業や産業用部材を主力とし、現在は全固体電池の量産化や車載・医療向け製品への注力が収益の鍵となっています。一方で、市場の汎用品化による価格競争や為替変動、原材料価格の高騰を主な事業リスクとして開示しており、高付加価値製品への転換を急いでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,280億円 | — | 1,298億円 | +1.4% |
| 2024期 | 1,330億円 | — | 1,291億円 | -2.9% |
| 2023期 | 1,300億円 | — | 1,328億円 | +2.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 80億円 | — | 93億円 | +16.5% |
| 2024期 | 75億円 | — | 81億円 | +7.8% |
| 2023期 | 95億円 | — | 56億円 | -40.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「MEX26」では、2027期に売上高1,500億円、営業利益120億円を目標に掲げています。これは、事業ポートフォリオの転換を加速させ、車載向けや全固体電池などの成長分野への投資を強化する戦略です。過去の中計では利益目標が未達に終わっており、収益性の向上が最大の課題となります。一方で、直近の業績予想に対する実績は上振れ傾向にあり、経営管理の精度が改善している点はポジティブな兆候と言えるでしょう。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
第3四半期決算にて連結経常利益が前年同期比9.8%増を達成し、市場の評価を獲得。
コイン形全固体電池「PSB2032」を開発し、IoTデバイス市場向けの量産体制を強化。
半導体製造向け部材事業をソノコムへ売却し、リソースを成長分野の電池事業へ集中させる経営判断を実施。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、有利子負債の活用を伴いながらも自己資本比率が55.5%と高い水準を維持しており、安定した経営基盤を構築しています。2024/03期以降、設備投資等の原資として有利子負債が約507億円まで増加しましたが、十分な純資産(約942億円)を有しており財務上の懸念は限定的です。堅実な資産管理により、将来の成長投資に向けた十分な余力を確保しています。 【3Q 2026/03期】総資産1695億円、純資産881億円、自己資本比率44.7%、有利子負債290億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 130億円 | 80.4億円 | 119億円 | 211億円 |
| 2022/03期 | 184億円 | 39.1億円 | 62.1億円 | 145億円 |
| 2023/03期 | 40.0億円 | 17.1億円 | 140億円 | 57.1億円 |
| 2024/03期 | 142億円 | 48.5億円 | 94.9億円 | 93.9億円 |
| 2025/03期 | 98.4億円 | 80.3億円 | 77.5億円 | 18.1億円 |
営業キャッシュフローは、安定した事業活動を通じて毎期黒字を確保しており、強固な収益基盤を裏付けています。一方で、投資キャッシュフローは将来の成長を見据えた全固体電池への設備投資などにより流出傾向にありますが、FCFは安定してプラス圏を維持しています。潤沢な営業キャッシュフローを背景に、成長投資と株主還元をバランス良く両立させている点が特徴です。
この会社のガバナンスは?
監査等委員会設置会社として、1億1,600万円の監査報酬を支払うなど監査・監視体制の強化に努めています。女性役員比率は12.5%であり、連結子会社18社を統括する規模として更なる多様性の推進が求められますが、強固なコンプライアンス基盤を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 746万円 | 3,797人 | - |
従業員平均年収は746万円となっており、製造業・電気機器業界の平均と比較して安定した高水準を維持しています。長期的な平均勤続年数が約19.4年と非常に長いことから、ベテラン層が一定数在籍し、熟練の技術力を背景とした給与体系が構築されていることが伺えます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。マクセルのTSRは、2021期から2025期までの5年間、継続して市場平均であるTOPIXを下回る(アンダーパフォーム)状況が続いています。これは、同期間においてTOPIXが大きく上昇したのに対し、マクセルの株価上昇が相対的に緩やかであったことが主な要因です。事業ポートフォリオの転換期にあり、成長期待が株価に本格的に反映されるまでには至っておらず、今後の構造改革の成果がTSR改善の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 36円 | 48.4% |
| 2017/03期 | 36円 | 33.2% |
| 2018/03期 | 44円 | 32.6% |
| 2019/03期 | 36円 | 35.8% |
| 2020/03期 | 268円 | - |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 40円 | - |
| 2023/03期 | 40円 | 36.6% |
| 2024/03期 | 50円 | 30.4% |
| 2025/03期 | 50円 | 53.7% |
株主優待制度は実施しておりません。
マクセルは株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、連結配当性向30%以上を目安とした安定的かつ継続的な配当を実施しています。過去には業績低迷期に無配となったこともありますが、現在の業績回復に伴い年間50円の配当を継続するなど還元姿勢を強めています。今後は事業成長による利益拡大を配当の原資として、株主還元の充実に努める方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 131.5万円 | 31.5万円 | 31.5% |
| 2022期 | 116.7万円 | 16.7万円 | 16.7% |
| 2023期 | 152.2万円 | 52.2万円 | 52.2% |
| 2024期 | 161.9万円 | 61.9万円 | 61.9% |
| 2025期 | 188.3万円 | 88.3万円 | 88.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業の電気機器セクター平均と比較して、PER・PBRともに割安な水準にあります。これは、市場が同社の将来の成長性や収益性をまだ完全には織り込んでいないことを示唆しています。一方で配当利回りは業界平均を上回っており、株主還元への意識が評価できます。信用倍率は7.66倍と買い残が多く、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面での重さも懸念されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 38.5億円 | 132億円 | 343.7% |
| 2022/03期 | 98.9億円 | 135億円 | 137.0% |
| 2023/03期 | 67.3億円 | 15.3億円 | 22.8% |
| 2024/03期 | 97.9億円 | 22.4億円 | 22.9% |
| 2025/03期 | 97.7億円 | 56.8億円 | 58.1% |
2021/03期から2022/03期にかけては、繰延税金資産の取り崩し等の影響により実効税率が一時的に極めて高くなりました。2023/03期以降は税負担が正常化し、法定税率に近い水準で推移しています。2025/03期の税額上昇は、繰越欠損金の解消や一時的な課税関係によるものであり、今後は30%程度の水準で安定する見込みです。
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