フォスター電機6794
Foster Electric Company,Limited
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが普段、お気に入りの音楽を聴くために使っている有名ブランドのヘッドホン。その心臓部であるスピーカーを作っているのが、実はフォスター電機かもしれません。同社は多くのメーカーに製品を供給する「縁の下の力持ち」なのです。また、ドライブ中にカーオーディオから流れるクリアなサウンドも、同社の技術が支えている可能性があります。世界中の自動車メーカーにスピーカーを供給しており、知らず知らずのうちにその高音質を楽しんでいるのです。このように、フォスター電機の『音の技術』は、私たちの生活の様々な場面に溶け込んでいます。
音響部品の老舗メーカーがV字回復を遂げています。2025期には売上高1,376.1億円、営業利益67.9億円を達成し、2022期の大規模な営業赤字から劇的に改善しました。主力のスピーカ事業が売上全体の8割以上を占め、特に車載向け製品の需要拡大が業績回復を力強く牽引しています。利益改善を背景に、2025期の年間配当を60円へと大幅に増配するなど、株主還元への意識も高まっています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都昭島市つつじが丘1丁目1番109号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲6.0% | ▲4.4% | - |
| 2022/03期 | ▲13.0% | ▲8.6% | - |
| 2023/03期 | 1.6% | 0.9% | - |
| 2024/03期 | 3.8% | 2.4% | 3.6% |
| 2025/03期 | 5.9% | 3.7% | 4.9% |
| 3Q 2026/03期 | 6.5%(累計) | 3.0%(累計) | 5.5% |
過去の赤字局面では営業利益率がマイナスに陥るなど厳しい収益性でしたが、固定費削減や不採算事業の見直しにより2025/03期には営業利益率が約4.9%まで大幅に改善しました。ROE(自己資本利益率)についても、負の値から2025/03期には5.7%まで向上しており、資本効率を重視した経営へシフトしています。今後は、高利益率が見込める車載向けやパーソナルオーディオ分野の拡充を通じて、さらなる収益性の向上が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 852億円 | — | ▲33.6億円 | -148.5円 | — |
| 2022/03期 | 911億円 | — | ▲70.2億円 | -315.5円 | +6.9% |
| 2023/03期 | 1,213億円 | — | 8.5億円 | 38.2円 | +33.2% |
| 2024/03期 | 1,224億円 | 44.1億円 | 23.0億円 | 103.7円 | +0.9% |
| 2025/03期 | 1,376億円 | 68.0億円 | 39.0億円 | 175.0円 | +12.4% |
フォスター電機は、音響機器および車載スピーカー事業を主軸としており、2021/03期および2022/03期の赤字期を経て、経営改善に向けた構造改革が功を奏したことで2023/03期から黒字転換を達成しました。2025/03期には売上高約1,376億円、当期純利益約39億円まで業績を回復させており、研究開発型ビジネスへの転換が着実に進んでいます。2026/03期予想では微減収を見込んでいますが、高付加価値製品の拡大により利益水準の維持を目指す方針です。 【3Q 2026/03期実績】売上1000億円(通期予想比74%)、営業利益55億円(同85%)、純利益33億円(同82%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力事業である車載スピーカーやパーソナルオーディオ向け製品の製造販売が収益の柱ですが、原材料価格の高騰や為替変動、市場競争激化による減収減益リスクが主要な経営課題となっています。一方で中期経営計画を通じた収益性の改善を推進しており、事業ポートフォリオの最適化を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,300億円 | — | 1,376億円 | +5.9% |
| 2024期 | 1,200億円 | — | 1,225億円 | +2.0% |
| 2023期 | 1,000億円 | — | 1,213億円 | +21.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 55億円 | — | 67.9億円 | +23.6% |
| 2024期 | 30億円 | — | 44.1億円 | +47.1% |
| 2023期 | 5億円 | — | 24.4億円 | +389.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年度から始まった新中期経営計画では、2027期に売上高1,500億円、営業利益90億円を目標に掲げています。初年度である2025期の実績は売上高1,376.1億円(進捗率91.7%)、営業利益67.9億円(進捗率75.5%)と順調な滑り出しです。特に注目すべきは、過去3期連続で期初予想を大幅に上回る実績を叩き出している点です。このポジティブサプライズの連続は、会社側の保守的な見通しと、それを超える車載向けスピーカーなどの需要の強さを示唆しており、計画の前倒し達成も視野に入ります。
最新ニュース
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
26年3月期第3四半期累計連結経常利益が前年同期比5.6%減の54.8億円となり、市場の注目を集めた。
2025-2027年度の中期事業計画を発表。売上1,500億円・営業利益90億円の目標を掲げ成長を強調。
漆工芸と音響技術を融合したプレミアム・ヘッドホンを発表し、技術力の高さを市場にアピール。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
財務健全性は、赤字期の影響で一時的に自己資本比率が低下しましたが、近年の利益積み上げにより2025/03期には自己資本比率が約57.0%まで安定的に回復しています。有利子負債については、2024/03期に一時的に増加したものの2025/03期には約156億円まで圧縮されており、借入金の返済を含めた財務規律の強化が見て取れます。強固な資産基盤を背景に、将来的な成長投資と株主還元を両立できる財務体質を構築しています。 【3Q 2026/03期】総資産1099億円、純資産729億円、自己資本比率46.5%、有利子負債78億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.4億円 | ▲19.6億円 | ▲26.2億円 | ▲12.2億円 |
| 2022/03期 | ▲128億円 | ▲30.7億円 | 67.7億円 | ▲158億円 |
| 2023/03期 | 3.5億円 | ▲13.2億円 | 17.8億円 | ▲9.7億円 |
| 2024/03期 | 154億円 | ▲85.4億円 | ▲44.4億円 | 68.9億円 |
| 2025/03期 | 148億円 | ▲8.4億円 | ▲98.8億円 | 140億円 |
2022/03期の赤字局面では営業キャッシュフローがマイナス約128億円と大きく落ち込みましたが、2024/03期以降は営業利益の伸長により営業CFが約150億円規模へ劇的に改善しました。投資活動においては成長分野への選別的な投資を継続しつつ、フリーキャッシュフローの大幅なプラス化を実現しています。潤沢になったキャッシュを元手に、財務の健全化や積極的な株主還元へ配分する好循環が生まれています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が33.0%に達しており、多様性を重視した経営体制の構築が進行しています。監査体制としては監査報酬5,400万円を投じ、グローバルに展開する連結子会社25社を含めたグループ全体のガバナンスとコンプライアンスの徹底が図られています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 719万円 | 15,606人 | - |
従業員平均年収は719万円となっており、製造業の平均と比較して安定した水準を維持しています。近年は研究開発型ビジネスへの転換を進めており、高い専門性を持つ人材への適正な還元がこの年収水準を下支えしていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた投資家リターンを示す指標です。2025期までの5年間、フォスター電機のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」の状態でした。これは、2022期に営業赤字を計上するなど、長らく業績が低迷し株価が伸び悩んでいたことが主な原因です。しかし、直近の急激な業績回復と株価上昇により、今後はTOPIXを上回るパフォーマンスが期待されます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 50円 | 19.6% |
| 2017/03期 | 40円 | 97.2% |
| 2018/03期 | 55円 | 33.2% |
| 2019/03期 | 20円 | - |
| 2020/03期 | 35円 | 50.6% |
| 2021/03期 | 15円 | - |
| 2022/03期 | 10円 | - |
| 2023/03期 | 20円 | 52.3% |
| 2024/03期 | 25円 | 24.1% |
| 2025/03期 | 60円 | 34.3% |
株主優待制度は2023年3月権利分をもって廃止されました。
フォスター電機は、経営基盤の強化と連結業績に応じた株主還元を基本方針としており、2025/03期には年間配当を60円へ大幅に引き上げました。現在は安定的な配当維持と成長に向けた内部留保のバランスを図りつつ、連結配当性向を一定の指標として還元を強化する姿勢です。なお、かつて実施していた株主優待制度は廃止されており、今後は現金配当を通じた直接的な利益配分が株主還元の中核となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 118.8万円 | 18.8万円 | 18.8% |
| 2022期 | 67.3万円 | ▲32.7万円 | -32.7% |
| 2023期 | 107.5万円 | 7.5万円 | 7.5% |
| 2024期 | 120.1万円 | 20.1万円 | 20.1% |
| 2025期 | 128.1万円 | 28.1万円 | 28.1% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは16.2倍と電気機器セクターの平均(16.8倍)とほぼ同水準で、現在の株価は業績に対して過度な割高感はありません。一方、信用買い残が売り残の8倍以上と高水準にあり、短期的な株価上昇を見込む個人投資家が多い状況です。将来の売り圧力となる可能性には注意が必要ですが、業績期待の高さの表れとも言えます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.2億円 | 35.8億円 | 1635.6% |
| 2022/03期 | -74.7億円 | 0円 | - |
| 2023/03期 | 23.3億円 | 14.8億円 | 63.6% |
| 2024/03期 | 43.0億円 | 20.0億円 | 46.5% |
| 2025/03期 | 77.3億円 | 38.2億円 | 49.5% |
2021/03期当時は利益水準に対して税負担が極めて重く実効税率が異常値となりましたが、これは繰延税金資産の取り崩しなど一時的な会計処理によるものです。近年の業績回復に伴い、税引前利益に対して適正な水準での納税が行われるようになっています。グローバル展開に伴う海外子会社での税務影響を含め、今後は実効税率が平準化していく見通しです。
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