フォスター電機
Foster Electric Company,Limited
最終更新日: 2026年3月28日
音のプロフェッショナル集団、研究開発力で未来のサウンドを創造
音響技術の革新を通じて、世界中の人々の感性を豊かにし、より良い未来のコミュニケーションを創造する。
この会社ってなに?
あなたが普段、お気に入りの音楽を聴くために使っている有名ブランドのヘッドホン。その心臓部であるスピーカーを作っているのが、実はフォスター電機かもしれません。同社は多くのメーカーに製品を供給する「縁の下の力持ち」なのです。また、ドライブ中にカーオーディオから流れるクリアなサウンドも、同社の技術が支えている可能性があります。世界中の自動車メーカーにスピーカーを供給しており、知らず知らずのうちにその高音質を楽しんでいるのです。このように、フォスター電機の『音の技術』は、私たちの生活の様々な場面に溶け込んでいます。
音響部品の老舗メーカーがV字回復を遂げています。FY2025には売上高1,376.1億円、営業利益67.9億円を達成し、FY2022の大規模な営業赤字から劇的に改善しました。主力のスピーカ事業が売上全体の8割以上を占め、特に車載向け製品の需要拡大が業績回復を力強く牽引しています。利益改善を背景に、FY2025の年間配当を60円へと大幅に増配するなど、株主還元への意識も高まっています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都昭島市つつじが丘1丁目1番109号
- 公式
- www.foster.co.jp
社長プロフィール
当社は長年培ってきた音響技術を核に、変化する市場ニーズに対応し続けます。独自の平面振動板技術(RP)などを活用した革新的な製品開発を推進し、中期事業計画の達成を通じて持続的な企業価値向上を目指します。
この会社のストーリー
創業者である西村茂さんと篠原弘さんが、東京都渋谷区に信濃音響研究所を設立。スピーカーの開発・製造を開始し、フォスター電機の歴史が始まる。
創業から約13年で株式上場を果たす。事業拡大と社会的な信用の獲得に向けた大きな一歩を踏み出した。
プロフェッショナルオーディオ市場や一般コンシューマー向けに、高品質な音響機器を提供する自社ブランド「フォステクス」を立ち上げる。
スマートフォンの普及など市場の変化を捉え、モバイルオーディオ事業が好調に推移。純利益53億円を達成し、大きな成長を遂げた。
経営環境の変化に対応するため、早期退職優遇措置の実施や国内子会社の再編など、事業構造の最適化に着手。筋肉質な経営体質への転換を図る。
生え抜きの岸氏が新社長に就任。長年の営業経験を活かし、新たなリーダーシップのもとで次なる成長ステージを目指す。
独自の平面振動板技術(RP)を活用したヘッドセットなど、ライフスタイル関連製品の開発を強化。持続的な成長に向けた事業戦略を推進する。
注目ポイント
単なる部品メーカーではなく、顧客との共同開発で収益を得るビジネスモデルが強み。独自の平面振動板技術(RP)など、高い技術力で業界をリードします。
2023年に株主優待を廃止し、配当による利益還元に一本化。2026年3月期には年間配当80円への増配を発表するなど、株主への還元姿勢を強化しています。
プロの現場からオーディオファンまで幅広く支持される自社ブランド「フォステクス」を展開。漆工芸と融合したヘッドホンなど、独自性の高い製品も生み出しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 1.2% |
| FY2022/3 | 10円 | 1.2% |
| FY2023/3 | 20円 | 52.3% |
| FY2024/3 | 25円 | 24.1% |
| FY2025/3 | 60円 | 34.3% |
株主優待制度は2023年3月権利分をもって廃止されました。
フォスター電機は、経営基盤の強化と連結業績に応じた株主還元を基本方針としており、FY2025/3には年間配当を60円へ大幅に引き上げました。現在は安定的な配当維持と成長に向けた内部留保のバランスを図りつつ、連結配当性向を一定の指標として還元を強化する姿勢です。なお、かつて実施していた株主優待制度は廃止されており、今後は現金配当を通じた直接的な利益配分が株主還元の中核となります。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
フォスター電機は、音響機器および車載スピーカー事業を主軸としており、FY2021/3およびFY2022/3の赤字期を経て、経営改善に向けた構造改革が功を奏したことでFY2023/3から黒字転換を達成しました。FY2025/3には売上高約1,376億円、当期純利益約39億円まで業績を回復させており、研究開発型ビジネスへの転換が着実に進んでいます。FY2026/3予想では微減収を見込んでいますが、高付加価値製品の拡大により利益水準の維持を目指す方針です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -6.0% | -4.4% | 0.0% |
| FY2022/3 | -13.6% | -8.1% | -8.5% |
| FY2023/3 | 1.5% | 0.9% | 2.0% |
| FY2024/3 | 3.6% | 2.2% | 3.6% |
| FY2025/3 | 5.7% | 3.7% | 4.9% |
過去の赤字局面では営業利益率がマイナスに陥るなど厳しい収益性でしたが、固定費削減や不採算事業の見直しによりFY2025/3には営業利益率が約4.9%まで大幅に改善しました。ROE(自己資本利益率)についても、負の値からFY2025/3には5.7%まで向上しており、資本効率を重視した経営へシフトしています。今後は、高利益率が見込める車載向けやパーソナルオーディオ分野の拡充を通じて、さらなる収益性の向上が期待されます。
財務は安全?
財務健全性は、赤字期の影響で一時的に自己資本比率が低下しましたが、近年の利益積み上げによりFY2025/3には自己資本比率が約57.0%まで安定的に回復しています。有利子負債については、FY2024/3に一時的に増加したもののFY2025/3には約156億円まで圧縮されており、借入金の返済を含めた財務規律の強化が見て取れます。強固な資産基盤を背景に、将来的な成長投資と株主還元を両立できる財務体質を構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.4億円 | -19.6億円 | -26.2億円 | -12.2億円 |
| FY2022/3 | -128億円 | -30.7億円 | 67.7億円 | -158億円 |
| FY2023/3 | 3.5億円 | -13.2億円 | 17.8億円 | -9.7億円 |
| FY2024/3 | 154億円 | -85.4億円 | -44.4億円 | 68.9億円 |
| FY2025/3 | 148億円 | -8.4億円 | -98.8億円 | 140億円 |
FY2022/3の赤字局面では営業キャッシュフローがマイナス約128億円と大きく落ち込みましたが、FY2024/3以降は営業利益の伸長により営業CFが約150億円規模へ劇的に改善しました。投資活動においては成長分野への選別的な投資を継続しつつ、フリーキャッシュフローの大幅なプラス化を実現しています。潤沢になったキャッシュを元手に、財務の健全化や積極的な株主還元へ配分する好循環が生まれています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.2億円 | 35.8億円 | 1635.6% |
| FY2022/3 | -74.7億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | 23.3億円 | 14.8億円 | 63.6% |
| FY2024/3 | 43.0億円 | 20.0億円 | 46.5% |
| FY2025/3 | 77.3億円 | 38.2億円 | 49.5% |
FY2021/3当時は利益水準に対して税負担が極めて重く実効税率が異常値となりましたが、これは繰延税金資産の取り崩しなど一時的な会計処理によるものです。近年の業績回復に伴い、税引前利益に対して適正な水準での納税が行われるようになっています。グローバル展開に伴う海外子会社での税務影響を含め、今後は実効税率が平準化していく見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 719万円 | 15,606人 | - |
従業員平均年収は719万円となっており、製造業の平均と比較して安定した水準を維持しています。近年は研究開発型ビジネスへの転換を進めており、高い専門性を持つ人材への適正な還元がこの年収水準を下支えしていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は三菱UFJ銀行・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 (常任代理人 みずほ銀行)。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行(16.15%)や日本カストディ銀行(10.65%)といった信託銀行による機関投資家の保有比率が高いのが特徴です。また、MURAKAMI TAKATERU氏(約4.02%)のような大口個人投資家の保有も確認されており、経営に対する監視や株主還元の強化が意識される株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力事業である車載スピーカーやパーソナルオーディオ向け製品の製造販売が収益の柱ですが、原材料価格の高騰や為替変動、市場競争激化による減収減益リスクが主要な経営課題となっています。一方で中期経営計画を通じた収益性の改善を推進しており、事業ポートフォリオの最適化を図っています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が33.0%に達しており、多様性を重視した経営体制の構築が進行しています。監査体制としては監査報酬5,400万円を投じ、グローバルに展開する連結子会社25社を含めたグループ全体のガバナンスとコンプライアンスの徹底が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,300億円 | — | 1,376億円 | +5.9% |
| FY2024 | 1,200億円 | — | 1,225億円 | +2.0% |
| FY2023 | 1,000億円 | — | 1,213億円 | +21.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 55億円 | — | 68億円 | +23.6% |
| FY2024 | 30億円 | — | 44億円 | +47.1% |
| FY2023 | 5億円 | — | 24億円 | +389.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年度から始まった新中期経営計画では、FY2027に売上高1,500億円、営業利益90億円を目標に掲げています。初年度であるFY2025の実績は売上高1,376.1億円(進捗率91.7%)、営業利益67.9億円(進捗率75.5%)と順調な滑り出しです。特に注目すべきは、過去3期連続で期初予想を大幅に上回る実績を叩き出している点です。このポジティブサプライズの連続は、会社側の保守的な見通しと、それを超える車載向けスピーカーなどの需要の強さを示唆しており、計画の前倒し達成も視野に入ります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた投資家リターンを示す指標です。FY2025までの5年間、フォスター電機のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」の状態でした。これは、FY2022に営業赤字を計上するなど、長らく業績が低迷し株価が伸び悩んでいたことが主な原因です。しかし、直近の急激な業績回復と株価上昇により、今後はTOPIXを上回るパフォーマンスが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 118.8万円 | +18.8万円 | 18.8% |
| FY2022 | 67.3万円 | -32.7万円 | -32.7% |
| FY2023 | 107.5万円 | +7.5万円 | 7.5% |
| FY2024 | 120.1万円 | +20.1万円 | 20.1% |
| FY2025 | 128.1万円 | +28.1万円 | 28.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは16.2倍と電気機器セクターの平均(16.8倍)とほぼ同水準で、現在の株価は業績に対して過度な割高感はありません。一方、信用買い残が売り残の8倍以上と高水準にあり、短期的な株価上昇を見込む個人投資家が多い状況です。将来の売り圧力となる可能性には注意が必要ですが、業績期待の高さの表れとも言えます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
26年3月期第3四半期累計連結経常利益が前年同期比5.6%減の54.8億円となり、市場の注目を集めた。
2025-2027年度の中期事業計画を発表。売上1,500億円・営業利益90億円の目標を掲げ成長を強調。
漆工芸と音響技術を融合したプレミアム・ヘッドホンを発表し、技術力の高さを市場にアピール。
最新ニュース
フォスター電機 まとめ
ひとめ診断
「音の職人が、自動車産業の大波に乗って復活を遂げたヘッドホン・スピーカーの黒子企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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