帝国通信工業
Teikoku Tsushin Kogyo Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
80年の歴史を持つ電子部品の黒子、センサー技術で未来を拓く老舗メーカー
培ってきたセンサ技術や無線技術を応用し、自動車、民生、産業機器の各分野で新たな価値を創造することで、より豊かで便利な社会の実現に貢献する。
この会社ってなに?
あなたがゲームをするとき、コントローラーのスティックを倒す微妙な力加減をキャラクターの動きに変えているのは、実は帝国通信工業のセンサーかもしれません。また、自動車のアクセルペダルを踏み込む感覚や、エアコンの温度調節ダイヤルを回すときのクリック感も、この会社の技術が支えています。普段何気なく触れている電子機器の「ちょうどいい操作感」の裏側で、『NOBLE』というブランドで80年以上にわたり活躍しているのがこの会社なのです。
可変抵抗器の老舗、帝国通信工業は、センサー技術を核にゲーム機や自動車向け電子部品で安定した収益基盤を築いています。2025年3月期は売上高167.9億円、営業利益16.63億円と増収増益を達成しました。2026年3月期は売上高170.0億円を見込む一方、営業利益は15.00億円と若干の減益を予想していますが、積極的な株主還元姿勢は継続し、年間配当100円を維持する計画です。PBRは0.98倍と依然として1倍を割れており、資産価値から見た株価の割安感と安定した配当利回りが投資家からの注目を集めています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県川崎市中原区苅宿45番1号
- 公式
- www.noble-j.co.jp
社長プロフィール
1944年の創業以来、独自の技術でエレクトロニクス産業の発展に貢献してきました。現在は自動車や産業機器分野でセンサ技術などを応用した製品を提供し、経営理念である『創意工夫による社会への貢献』のもと、グローバルなニーズに応え、持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
神奈川県川崎市に資本金15万円で設立。通信機用部品の製造を開始し、日本のエレクトロニクス産業の黎明期を支える一歩を踏み出した。
事業の成長が認められ、株式を公開。企業としての信頼性を高め、さらなる発展のための基盤を築いた。
初の海外拠点として台湾ノーブル電子(株)を設立。グローバルな生産体制の構築に向けた挑戦が始まった。
安定した成長と実績が評価され、東証一部銘柄へ。日本の主要電子部品メーカーとしての地位を確立した。
自動車産業の電子化の波に乗り、高品質・高信頼性が求められる車載用センサーやスイッチの開発・供給を強化。新たな成長の柱を築いた。
睡眠データを活用するヘルスケア企業「S'UIMIN」へ出資。既存事業の枠を超え、オープンイノベーションによる新領域への挑戦を開始した。
東京証券取引所の市場再編に伴い、最上位であるプライム市場へ移行。グローバル基準のガバナンスと持続的成長へのコミットメントを示した。
コア技術であるセンサー技術を軸に、CASEやIoTといったメガトレンドを捉えた製品開発を加速。持続可能な社会の実現に貢献する未来を目指す。
注目ポイント
1944年創業。可変抵抗器の老舗として長年培った技術力を基盤に、現在は自動車やゲーム機に不可欠なセンサー部品で強みを発揮する安定企業です。
伝統を守りつつも、睡眠科技ベンチャーへの出資など、既存事業にとらわれない新領域へも積極的に投資。未来の成長に向けた種まきを行っています。
配当利回りが3%台後半と市場平均より高く、安定した株主還元を実施しています。長期的な視点で資産形成を考える投資家にとって魅力的な銘柄です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 40円 | 52.1% |
| FY2022/3 | 60円 | 37.1% |
| FY2023/3 | 60円 | 42.4% |
| FY2024/3 | 70円 | 49.6% |
| FY2025/3 | 100円 | 47.2% |
株主優待制度は実施していません。
当社は利益還元を重要課題と位置づけており、連結配当性向を指標とした安定的かつ継続的な配当実施を基本方針としています。近年の業績向上に伴い、FY2025/3には年間配当を100円に増配するなど、株主還元を積極的に強化する姿勢が鮮明です。強固な財務基盤を背景に、今後も収益に応じた適切な配当水準を維持することが期待されます。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高はFY2022/3以降、150億円から160億円台で安定的に推移しており、電子部品メーカーとしての強固な事業基盤を有しています。FY2025/3は純利益が約20億円と過去数年で最高水準に達しましたが、FY2026/3予想では競争環境の激化を背景に、売上高170億円に対し純利益は13億円へと減益を見込んでいます。短期的には市場環境の影響を受けやすいものの、安定した収益確保が可能な体質を維持しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.3% | 2.8% | 6.3% |
| FY2022/3 | 6.5% | 5.4% | 11.2% |
| FY2023/3 | 5.4% | 4.6% | 9.7% |
| FY2024/3 | 5.0% | 4.2% | 6.2% |
| FY2025/3 | 7.1% | 6.0% | 9.9% |
収益性指標については、営業利益率がFY2022/3の11.2%をピークに変動しており、FY2025/3には9.9%まで回復しました。ROE(自己資本利益率)は5%から7%台で推移しており、資本効率のさらなる改善が今後の成長の鍵となります。売上高規模の拡大とともに、高付加価値製品へのシフトを進めることで中長期的な利益率の向上が期待されます。
財務は安全?
自己資本比率は83%前後で安定しており、極めて高い財務の健全性を維持しています。有利子負債はFY2024/3から計上されていますが、依然として資産規模に対して極めて少なく、実質無借金経営に近い強固な財務体質を誇ります。潤沢なネット資産を背景に、将来的な成長投資や株主還元を柔軟に実施できる盤石な経営基盤です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.1億円 | -9.7億円 | -4.7億円 | -5.6億円 |
| FY2022/3 | 17.9億円 | -7.6億円 | -6.5億円 | 10.3億円 |
| FY2023/3 | 16.3億円 | -5.3億円 | -7.5億円 | 11.0億円 |
| FY2024/3 | 29.2億円 | -8,700万円 | -12.7億円 | 28.4億円 |
| FY2025/3 | 18.1億円 | 2.3億円 | -12.8億円 | 20.4億円 |
営業活動によるキャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業での稼ぐ力が確かなものであることを示しています。投資キャッシュフローは設備投資の抑制や資産売却によって近年は小幅な支出またはプラスに転じており、フリーキャッシュフローの創出能力が高まっている点が特徴です。創出された資金は、積極的な配当還元や事業維持に向けた財務基盤の強化に充てられています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.8億円 | 1.3億円 | 14.5% |
| FY2022/3 | 20.2億円 | 4.4億円 | 21.8% |
| FY2023/3 | 21.9億円 | 8.1億円 | 36.8% |
| FY2024/3 | 15.6億円 | 2.0億円 | 12.6% |
| FY2025/3 | 21.3億円 | 1.2億円 | 5.5% |
法人税等の実効税率は、過去の税務上の繰越欠損金の利用や税額控除の適用などにより、年度によって大きく変動する傾向があります。特にFY2025/3は実効税率が約5.5%と低水準に抑えられており、純利益の押し上げ要因となりました。今後の予測については税務環境の正常化を想定し、13%台の税率を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 623万円 | 1,729人 | - |
平均年収は約623万円であり、電気機器業界の平均水準に並ぶ堅実な給与体系を維持しています。長年の事業運営により蓄積された技術力と安定した雇用環境が、従業員の勤続年数(約19.4年)の長さにも表れています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はTHE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED - HONGKONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028-394841 (常任代理人 香港上海銀行東京支店)・NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC(常任代理人 香港上海銀行東京支店)・みずほ銀行。
同社は機関投資家や信託銀行などの大口保有者が名を連ねる一方、個人の大株主や従業員持株会も存在しており、安定株主とアクティビスト(物言う株主)のバランスが取れた構成となっています。特定の親会社を持たない独立系企業として、株主還元の強化と長期的成長の両立が求められる環境にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、国内外の同業他社との競争激化や為替変動、特定取引先への依存等が挙げられています。電子部品メーカーとして抵抗器やセンサー等の技術革新を軸に安定した業績を目指していますが、市場環境の変化に柔軟に対応できる経営体制の構築が不可欠です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は30.0%と、日本の上場企業の中でも高い水準でダイバーシティ経営を推進しています。強固な監査体制と15社の連結子会社を束ねる統治機能により、持続的な企業価値向上に向けたガバナンス体制が整えられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 165億円 | 168億円 | 168億円 | +1.7% |
| FY2024 | 165億円 | — | 152億円 | -7.8% |
| FY2023 | 158億円 | — | 165億円 | +4.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 15億円 | 17億円 | 17億円 | +10.9% |
| FY2024 | 15億円 | — | 9億円 | -36.9% |
| FY2023 | 13億円 | — | 16億円 | +23.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は具体的な中期経営計画を公表していませんが、毎期の業績予想が計画の役割を果たしています。FY2025は期初予想を上回る着地となりましたが、FY2024は大幅な未達となるなど、外部環境の影響を受けやすい事業構造がうかがえます。FY2026の予想は売上高170億円、営業利益15億円と高水準を維持する計画ですが、過去の修正履歴を踏まえると、進捗には注意が必要です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。FY2024まではTOPIXのパフォーマンスを下回る(アンダーパフォーム)状況が続いていましたが、FY2025には自社TSRが228.6%とTOPIXの213.4%を上回り、アウトパフォームに転じました。これは、近年の業績回復と大幅な増配を背景とした株価上昇が主な要因と考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 96.0万円 | -4.0万円 | -4.0% |
| FY2022 | 129.9万円 | +29.9万円 | 29.9% |
| FY2023 | 140.8万円 | +40.8万円 | 40.8% |
| FY2024 | 176.8万円 | +76.8万円 | 76.8% |
| FY2025 | 228.6万円 | +128.6万円 | 128.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPBRが0.98倍と著しく低く、資産価値の面で割安と評価されています。一方、PERは業界平均並みです。信用倍率が0.52倍と売り残が買い残を上回っており、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、株価が上昇した際の買い戻し(踏み上げ)への期待も高まっています。配当利回りは業界平均を大きく上回り、魅力的です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて、連結経常利益が前年同期比21.9%減となる厳しい結果を発表しました。
子会社の木曽精機にて、産業機器向け部品の新工場が完成し、生産能力を1.5倍に引き上げました。
個人投資家向け説明会をWEB開催し、中長期的な事業戦略を投資家へ直接説明しました。
最新ニュース
帝国通信工業 まとめ
ひとめ診断
「ゲーム機のコントローラーから自動車のアクセルまで、"感覚"を電子化する80年選手の部品メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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