三菱電機
Mitsubishi Electric Corporation
最終更新日: 2026年4月30日
100年の技術力で社会を支え、デジタルで未来を切り拓く総合電機の雄
データの活用とデジタル技術によって社会課題を解決する「イノベーティブカンパニー」への変革を目指します。
この会社ってなに?
エアコン「霧ヶ峰」やエレベーター、駅の案内表示など、暮らしの至るところに三菱電機の技術が使われています。工場で動くロボットや人工衛星まで手掛ける「縁の下の力持ち」で、私たちの日常と社会インフラの両方を支える存在です。
三菱電機はFA(ファクトリーオートメーション)・空調・防衛宇宙を柱とする総合電機メーカーです。FY2025/3期は売上高5兆5,217億円・営業利益3,918億円と過去最高を更新。次期中計では3年間で成長投資1兆円を掲げ、自動車部品事業への鴻海資本受け入れ交渉や防衛事業の海外展開拡大など、事業ポートフォリオの大胆な入れ替えを加速しています。FY2026/3期は営業利益4,300億円(利益率8.0%)を見込み、利益体質への転換が着実に進んでいます。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内2-7-3
- 公式
- www.mitsubishielectric.co.jp
社長プロフィール

「成長性」「収益性・効率性」「健全性」の3つの視点によるバランス経営を推進します。事業を通じた社会課題の解決という原点に立ち、サステナビリティの実現を経営の根幹に据えています。次期中計では3年間で1兆円の成長投資を実行し、イノベーティブカンパニーへの変革を加速させます。
この会社のストーリー
「三菱造船」の電機製作所を母体として独立し、三菱電機株式会社が設立。日本の近代化を技術面から支えるスタートを切りました。
家電から重電、産業機器、宇宙関連まで事業領域を拡大。「技術の三菱」として日本の経済成長を支えました。
検査不正問題が発覚し信頼回復が急務に。同年に創立100周年を迎え、ガバナンス改革と事業変革を同時に推進する転機となりました。
自動車機器事業の再編や鴻海との資本提携交渉など、不採算事業を切り離して収益力の底上げを図る構造改革に着手しました。
AIスタートアップ「燈」への50億円出資、米Nozomi Networks買収、パワー半導体工場への大型投資を実行。防衛事業では海外輸出拡大も視野に。
3年間で1兆円の成長投資枠を設定。防衛・宇宙事業の売上高6,000億円、営業利益率10%以上を掲げ、イノベーティブカンパニーへの変革を加速しています。
注目ポイント
家電、FA機器、エレベーター、鉄道システム、防衛・宇宙まで。ありとあらゆる社会インフラを100年以上の技術蓄積で支える唯一無二の存在です。
自動車部品事業の鴻海との合弁化交渉、グループ間接業務の集約、不採算事業の売却。選択と集中を徹底し、利益率10%の壁に挑んでいます。
レーダーや人工衛星で日本の防衛を支えるコア企業。防衛予算増額の追い風を受け、2031年度に売上高6,000億円を目指す成長分野です。
SiCパワー半導体への大型投資、AIスタートアップとの協業、DX人財育成拠点の開設。次世代技術への布石を着々と打っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 27円 | 25.4% |
| FY2017/3 | 27円 | 27.5% |
| FY2018/3 | 40円 | 31.6% |
| FY2019/3 | 40円 | 37.9% |
| FY2020/3 | 40円 | 38.7% |
| FY2021/3 | 36円 | 40.0% |
| FY2022/3 | 40円 | 41.9% |
| FY2023/3 | 40円 | 39.5% |
| FY2024/3 | 50円 | 36.8% |
| FY2025/3 | 50円 | 32.1% |
株主優待制度はありません。
配当は36円から55円へと4期連続で増配を実施し、累進配当の姿勢を鮮明にしています。FY2026/3期は年間55円(中間25円+期末30円)の予想。配当性向は33〜42%の安定した水準を維持しつつ、自社株買い(最大500億円)も併用した積極的な株主還元を展開しています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は5期連続で増収を達成し、FY2025/3期には5兆5,217億円と過去最高を更新しました。営業利益率も5.5%から7.1%へ着実に改善しており、FAシステムや空調事業の好調に加え、不採算事業の整理が奏功しています。FY2026/3期予想では売上高は若干減収ながら、営業利益4,300億円(利益率8.0%)と利益面ではさらなる改善を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
電力システム・交通・ビルシステム(エレベーター等)。安定した更新需要が強み
FA機器・自動車機器。FAは世界シェア上位、自動車部品は鴻海との資本提携を検討中
空調(霧ヶ峰)・家電。データセンター向け空調の急成長が注目点
ITソリューション・情報通信インフラ。DX需要を取り込み安定成長
パワー半導体(SiC)が主力。EV・再エネ向けに大型投資を実行中
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.5% | 4.0% | - |
| FY2022/3 | 7.1% | 4.0% | - |
| FY2023/3 | 6.9% | 3.8% | - |
| FY2024/3 | 8.2% | 4.6% | 6.2% |
| FY2025/3 | 8.4% | 5.1% | 7.1% |
営業利益率はFY2023/3の5.2%を底にFY2025/3には7.1%まで改善しており、不採算事業の整理とFA・空調の高付加価値化が寄与しています。ROEも8.0%に到達し、中計目標の9%に接近。次期中計では営業利益率10%以上を掲げており、防衛事業の拡大やパワー半導体の本格稼働が鍵を握ります。
財務は安全?
総資産は5期で4兆7,979億円から6兆3,757億円へ約33%拡大しました。自己資本比率は57〜62%と高水準を維持しており、財務健全性に優れています。FY2024/3期以降は成長投資のために有利子負債を活用しはじめていますが、BPS(1株純資産)は1,903円と着実に増加しており、資産の質と量の両面で改善が進んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 4,155億円 | -941億円 | -2,401億円 | 3,214億円 |
| FY2025/3 | 4,559億円 | -1,918億円 | -2,653億円 | 2,642億円 |
営業CFはFY2023/3に一時的に1,667億円まで落ち込みましたが、FY2025/3には4,559億円まで回復し、安定したキャッシュ創出力を示しています。投資CFは成長分野(パワー半導体工場やM&A)への積極投資で増加傾向。財務CFのマイナスは配当・自社株買いによる株主還元の強化を反映しており、FCF(フリーキャッシュフロー)は直近2,642億円と十分な水準を確保しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2,588億円 | 656億円 | 25.4% |
| FY2022/3 | 2,797億円 | 762億円 | 27.2% |
| FY2023/3 | 2,922億円 | 783億円 | 26.8% |
| FY2024/3 | 3,659億円 | 809億円 | 22.1% |
| FY2025/3 | 4,373億円 | 1,132億円 | 25.9% |
FY2026/3期の予想実効税率は20.9%と、法定税率(約30%)を大幅に下回る水準です。海外子会社の利益構成比が高いことや、各国の税制優遇措置の活用が主因です。グローバルに約40ヵ国で事業を展開する同社は、国際課税環境の変化(グローバルミニマム税制など)への対応も進めています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 870万円 | 149,914人 | - |
平均年収869万円は総合電機メーカーの中でもトップクラスの水準です。FY2025/3は単体従業員数が約5,300人減少した一方、平均年収は約40万円増加しており、構造改革による人員最適化と処遇改善を同時に推進しています。連結従業員は約15万人、平均年齢41.3歳・平均勤続16.3年と安定した人材基盤を有しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関35.0%+事業法人2.4%+社員持株会2.1%で安定株主約39%。外国人投資家47.2%と高く、グローバルな評価が株価に反映されやすい構造
外国人株主比率が約47%と非常に高く、グローバル機関投資家からの評価の高さが窺えます。筆頭株主は信託銀行(年金基金等の受託)で15.5%を保有。三菱グループの安定株主として明治安田生命(3.9%)が名を連ね、社員持株会(2.1%)の存在も従業員のエンゲージメントの高さを示しています。特定株主による支配がない分散型の構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| インフラ | 約1兆500億円 | 約900億円 | 8.6% |
| インダストリー・モビリティ | 約1兆8,000億円 | 約1,100億円 | 6.1% |
| ライフ | 約1兆4,000億円 | 約700億円 | 5.0% |
| ビジネスプラットフォーム | 約2,500億円 | 約200億円 | 8.0% |
| 半導体・デバイス | 約2,700億円 | 約300億円 | 11.1% |
研究開発費
事業セグメントは5つに分かれ、インダストリー・モビリティが売上の約33%を占める最大部門です。利益率ではパワー半導体部門が11%超と最も高く、成長投資の効果が表れつつあります。防衛事業は2031年度に売上高6,000億円を目指す方針で、今後の利益構成を大きく変える可能性を秘めています。
この会社のガバナンスは?
取締役20名中女性2名(比率10.0%)と、ダイバーシティの向上が課題として残ります。品質不適切行為を受けたガバナンス改革の一環で、社外取締役を増員し監督機能を強化。監査等委員会設置会社へ移行済みで、監査報酬6億円超の体制で内部統制の実効性を担保しています。平均勤続年数16.3年は業界平均を上回り、人材の安定性が窺えます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 5兆3,000億円 | — | 5兆5,217億円 | +4.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 4,000億円 | — | 3,918億円 | -2.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 3,700億円 | 3,400億円 | — | -8.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画の最終年度(FY2026/3)を迎え、売上高は目標の5兆円を大幅に超過する一方、営業利益率は8.0%にとどまる見通しです。次期中計では3年間で成長投資1兆円(M&A含む)を掲げ、防衛・パワー半導体・DXを重点領域として利益率10%超を目指す方針。自動車部品事業の鴻海との合弁化など、事業ポートフォリオの入れ替えにも注目が集まっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は自社219.9%に対しTOPIX 213.4%とアウトパフォームしています。FY2022〜FY2023はTOPIXを下回る局面もありましたが、FY2024以降の構造改革加速と防衛事業の再評価により急回復。配当込みのトータルリターンで市場平均を約6ポイント上回る成果を実現しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 129.0万円 | +29.0万円 | 29.0% |
| FY2022 | 111.3万円 | +11.3万円 | 11.3% |
| FY2023 | 126.9万円 | +26.9万円 | 26.9% |
| FY2024 | 200.6万円 | +100.6万円 | 100.6% |
| FY2025 | 219.9万円 | +119.9万円 | 119.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER33.6倍は電気機器セクター平均(22.3倍)を大きく上回り、将来の利益成長への期待が強く織り込まれた水準です。PBR2.88倍も業界平均を大幅に超過しており、構造改革と防衛・半導体事業拡大への市場評価が反映されています。信用倍率16倍台は買い方の強気姿勢を示しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
自動車部品子会社「三菱電機モビリティ」への鴻海精密工業の50%出資受け入れ交渉が報道。事業ポートフォリオ見直しが加速
第3四半期累計の利益率悪化を受け、最終利益の下方修正を実施。通期純利益予想を3,400億円に引き下げ
グループ共通間接業務を集約する新会社「三菱電機ビジネスエキスパート」の設立を発表
通期純利益予想を3,700億円へ上方修正し、連続過去最高益の更新見通しを発表
米Nozomi Networks社を買収。OTセキュリティとAI技術を取り込み、過去最大の買収案件
最新ニュース
三菱電機 まとめ
ひとめ診断
FA・空調・防衛を三本柱に、構造改革と成長投資で利益率10%を狙う総合電機の雄
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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