京三製作所
Kyosan Electric Manufacturing Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
100年以上にわたり社会の『安全と安心』を支える信号技術のパイオニア
世界中の人々が安全・安心に移動できる社会インフラを創造し、持続可能な未来に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが毎日利用する電車や駅の安全は、実は京三製作所の技術に支えられているかもしれません。普段何気なく目にしている線路脇の信号機や、駅のホームドア、踏切の警報機などは、同社が国内トップクラスのシェアを誇る製品です。さらに、街の交差点にある車両用・歩行者用の交通信号機も製造しています。私たちの安全でスムーズな移動は、こうした目立たないけれど重要な社会インフラの裏側で、この会社の100年以上にわたる技術力によって守られているのです。
鉄道信号システムと交通管理システムで安定した基盤を持つ、創業100年超のインフラ企業。FY2025には売上高853.7億円、営業利益61.12億円を達成し、過去最高の業績を記録しました。しかし、もう一つの柱である半導体製造装置向け電源事業が市況悪化の影響を受け、FY2026の業績予想を大幅に下方修正しており、短期的な収益性の課題に直面しています。今後は既存事業の安定性を維持しつつ、半導体関連事業の回復が株価の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 平安町二丁目29番地の1
- 公式
- www.kyosan.co.jp
社長プロフィール
人口減少などの社会課題を見据え、鉄道信号システムや交通インフラ事業を深化させると共に、海外展開の強化やDXを活用した新事業の開拓にも積極的に取り組んでいます。100年を超える歴史で培った技術力を基盤に、次の100年も社会の安全・安心に貢献し続けます。
この会社のストーリー
東京電機工業株式会社として創業。鉄道信号用継電器や信号機の国産化に着手し、日本の鉄道交通の近代化を支える一歩を踏み出した。
戦後の復興が進む中、東京証券取引所市場第一部に上場。社会からの信頼を得て、さらなる事業拡大への基盤を築いた。
事業の全国的な拡大に伴い、大阪証券取引所市場第一部にも上場。日本の交通インフラを支える企業としての地位を固めた。
鉄道信号で培った制御技術を応用し、半導体製造装置用電源装置の分野へ進出。事業の多角化に成功し、新たな収益の柱を確立した。
大正、昭和、平成の時代を超えて社会インフラを支え続け、創立100周年を迎えた。技術革新の伝統を胸に、次の100年へと歩みを進める。
インドの鉄道信号会社TSTS社の株式を追加取得し、子会社化。成長著しいインド市場での事業基盤を強化し、グローバル展開を加速させる。
2028年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定。既存事業の強化に加え、DX活用による新サービス創出や海外展開を推進する。
注目ポイント
鉄道信号システム・道路交通システムを主力とし、人々の生活に不可欠なインフラを支えています。景気変動に比較的強い安定した事業基盤が魅力です。
信号技術で培ったパワーエレクトロニクス技術を活かし、半導体製造装置に不可欠な高信頼性電源装置も提供。テクノロジー分野でも高い技術力を誇ります。
株主への安定的な利益還元を基本方針としており、自己資本配当率(DOE)2%台半ばを目安とした配当を実施。長期的な資産形成を目指す投資家にとって魅力的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2021/3 | 15円 | 0.1% |
| FY2022/3 | 18円 | 9.5% |
| FY2023/3 | 18円 | 54.5% |
| FY2024/3 | 20円 | 36.5% |
| FY2025/3 | 23円 | 30.2% |
株主優待制度は現在実施されていません。
京三製作所は、中長期的な利益水準に応じた安定的な株主還元を重視しており、配当方針としてDOE(株主資本配当率)2%台半ばを目安としています。近年の業績回復に伴い、1株あたりの配当金もFY2021/3の15円からFY2025/3には23円まで着実に引き上げています。利益成長に応じて株主への還元を強化する姿勢を明確にしており、投資家にとって安定的な配当インカムが見込める銘柄です。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
京三製作所は、鉄道信号システムや道路交通管理システムを主力とする電気機器メーカーであり、FY2025/3には売上高853億円、営業利益61億円を達成し、成長基調にあります。過去にはFY2021/3に大きな赤字を計上したものの、構造改革による経営効率化が進み、その後は安定的な利益を確保する体制へと転換しました。直近のFY2026/3予想では、前期比で増益を維持する見通しを立てており、安定した需要を背景に底堅い業績推移を見せています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -21.2% | -7.7% | 2.0% |
| FY2022/3 | 26.4% | 10.5% | 4.1% |
| FY2023/3 | 4.5% | 1.8% | 3.1% |
| FY2024/3 | 6.9% | 2.7% | 3.5% |
| FY2025/3 | 9.2% | 3.8% | 7.2% |
収益性については、FY2021/3の赤字期を経て、営業利益率がFY2025/3には7.2%まで改善するなど、効率的な経営体制への移行が鮮明です。ROE(自己資本利益率)も9.2%まで回復しており、資本の運用効率が向上していることを示しています。信号インフラという公共性の高い事業を柱に、パワーエレクトロニクス分野など高付加価値な事業への注力が利益率の改善を支えています。
財務は安全?
財務健全性は、FY2024/3以降に有利子負債が増加しましたが、自己資本比率はFY2025/3時点で41.0%を維持しており、一定の財務基盤を有しています。総資産はFY2024/3に大幅に拡大しましたが、その後は効率的な資産管理により安定化を図っています。負債管理と資本構成の最適化が進んでおり、インフラ関連事業の長期的な安定運営を支える盤石なバランスシートを構築しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -14.3億円 | -27.8億円 | 55.7億円 | -42.1億円 |
| FY2022/3 | 150億円 | -1,500万円 | -135億円 | 149億円 |
| FY2023/3 | -29.1億円 | -14.5億円 | 8.0億円 | -43.6億円 |
| FY2024/3 | -59.0億円 | 17.2億円 | 74.1億円 | -41.9億円 |
| FY2025/3 | 37.4億円 | -3.2億円 | -44.5億円 | 34.3億円 |
営業キャッシュフローは、大型案件の進捗や収益の変動により期ごとに上下しますが、FY2025/3には37億円のプラスを確保し、本業での稼ぐ力が安定化しました。投資活動においては成長戦略に向けた投資を継続しつつ、財務活動での資金調達や返済を適切に行うことでキャッシュポジションを維持しています。安定的な営業CFの創出が重要であり、今後はインフラ更新需要を捉えた継続的な現金獲得が期待されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 16.6億円 | 95.8億円 | 576.0% |
| FY2022/3 | 34.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 26.8億円 | 6.1億円 | 22.8% |
| FY2024/3 | 32.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 66.5億円 | 18.6億円 | 28.0% |
法人税等の支払額は年度により大きく変動していますが、これは税務上の繰越欠損金の活用や利益水準の変化によるものです。直近では安定して利益を計上しており、実効税率も標準的な水準に収束しています。今後も業績予想に基づく適正な納税が行われる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 809万円 | 2,075人 | - |
平均年収は809万円で、電気機器メーカーとしては堅実な水準を維持しています。鉄道信号システムという社会インフラを支える事業を主力としているため、業績が安定しやすく、従業員への待遇にもその安定性が反映されていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・京三製作従業員持株会・京王電鉄。
大株主には日本生命保険相互会社や日本マスタートラスト信託銀行などが名を連ね、金融機関による安定株主の比率が高い構成です。一方で、京三みづほ会や従業員持株会など、社内やグループ関連の保有分も一定割合を占めており、長期的かつ安定的な経営を志向する株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
鉄道信号や道路交通システムといったインフラ設備が中心で、事業の性質上、国や鉄道会社からの公共案件が収益を支える構造です。一方で、近年の決算では業績予想の下方修正が見られるなど、原材料高や競争激化といった外部環境の変化をリスク要因として抱えています。
この会社のガバナンスは?
社外取締役比率が57%と高く、経営の透明性確保に努めています。また、女性役員比率も30.0%に達しており、ダイバーシティ(多様性)推進を積極的に行っている点が特徴です。監査体制においても6,400万円の監査報酬を支払うなど、堅実なガバナンス体制を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 営業利益 | 47億円 | 25億円 | — | -47.7% |
| FY2025 営業利益 | 57億円 | — | 61億円 | +7.2% |
| FY2024 営業利益 | 38億円 | — | 25億円 | -34.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 売上高 | 840億円 | — | 854億円 | +1.6% |
| FY2024 売上高 | 762億円 | — | 705億円 | -7.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年5月に発表された新中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」では、最終年度のFY2028に売上高1,000億円、営業利益80億円を目標に掲げています。しかし、計画初年度であるFY2026から、半導体事業の不振を理由に営業利益予想を期初47億円から24.6億円へ大幅に下方修正しました。過去の業績予想も未達となるケースが見られ、外部環境の変化に対する計画の頑健性には課題が残ります。目標達成には、半導体事業の立て直しと鉄道・交通インフラ事業の着実な成長が不可欠です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、配当を含めても市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを一貫して下回っています(アンダーパフォーム)。これは、半導体市況の変動による業績の不安定さや、PBRが1倍を割れるなど資本効率に対する市場評価が低いことが株価の低迷につながり、TSRを押し下げたと考えられます。安定配当を継続しているものの、キャピタルゲインの伸び悩みがTOPIX劣後の主な要因です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 91.6万円 | -8.4万円 | -8.4% |
| FY2022 | 100.9万円 | +0.9万円 | 0.9% |
| FY2023 | 102.1万円 | +2.1万円 | 2.1% |
| FY2024 | 127.0万円 | +27.0万円 | 27.0% |
| FY2025 | 125.1万円 | +25.1万円 | 25.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが1倍を割り込み、PERも業界平均を下回っており、株価はバリュエーション面で割安感があります。配当利回りが業界平均より高い点は、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的です。一方で、信用買い残が売り残を大幅に上回る「17.1倍」という信用倍率は、将来的な株価の上値を重くする需給面の懸念材料と言えます。当面は業績下方修正を織り込む展開が予想されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ゼロトラストセキュリティ実現のため、IDaaS「Okta」導入を開始し運用効率化を図る。
第3四半期決算にて、連結経常損益が0.9億円の赤字へと転落し業績懸念が高まる。
通期連結営業利益を47億円から24.6億円へ大幅下方修正する旨を開示。
最新ニュース
京三製作所 まとめ
ひとめ診断
「鉄道信号の老舗が、半導体製造装置向け電源で成長を狙う社会インフラの守護神」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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