富士通
Fujitsu Limited
最終更新日: 2026年4月30日
AIとデータで社会課題を解決し、持続可能な未来を創るグローバルITサービス企業
テクノロジーを駆使して持続可能な社会を実現し、グローバルなビジネスモデルの変革を牽引する
この会社ってなに?
富士通のサービスは、企業のDX推進を支えるクラウド・AIソリューションから、自治体の行政デジタル化、スーパーコンピュータ「富岳」による先端研究まで幅広く展開されています。銀行ATMの基幹システム、電子カルテ、マイナンバー関連システムなど、私たちの生活インフラの裏側で富士通の技術が動いています。最近では防衛分野のAI活用やソフトウェア開発全工程のAI自動化にも取り組み、日本のデジタル社会を支える存在です。
富士通はハードウェア中心のSIモデルから、AI・データドリブンのサービスソリューション企業への転換を加速しています。FY2026/3 Q3累計では営業利益が前年同期比約2倍の2,110億円に達し、通期予想を上方修正。売上収益3兆5,300億円、営業利益3,600億円、最終利益4,250億円(+93.4%)と大幅増益を見込みます。ブレインパッド買収(565億円)によるデータ分析力強化、大規模言語モデル「Takane」やAIエージェント「Watomo」の開発、防衛装備庁からの「AI幕僚」開発受託など、AI領域での存在感が急速に高まっています。配当はFY2026/3に年50円(前期比+79%)への大幅増配を予定し、株主還元も積極化しています。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
- 公式
- global.fujitsu
社長プロフィール
イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくというパーパスの実現に向け、従来のSIモデルから脱却し「AIの富士通」への変革を強力に推し進めます。ブレインパッドとの融合により、データ・AI活用の実行力を飛躍的に高め、お客様の課題を解決するパートナーとしての価値を最大化します。
この会社のストーリー
通信機器メーカーとして富士通信機製造株式会社が設立され、90年の歴史が幕を開けました。富士電機から独立し、電話交換機の製造からスタート。
国産初のリレー式計算機FACOM100を開発。「国産コンピュータの雄」としての地位を確立し、IBM互換機戦略でメインフレーム市場を牽引しました。
パーソナルコンピュータFM-8を発売し、日本のPC市場に参入。FMシリーズは教育機関を中心に普及し、日本のIT教育の礎を築きました。
PCや携帯電話などのハードウェア事業を順次カーブアウト。レノボとの合弁(FCCL)設立など、ICTサービスへの経営資源集中を断行しました。痛みを伴う選択と集中の時代。
時田隆仁社長が就任し、パーパス経営とDX推進を掲げました。ジョブ型人事制度の導入やFujitsu Uvanceの立ち上げなど、従来のSIモデルからの脱却を加速。
ブレインパッドを565億円で買収し、データサイエンス・AI活用基盤を大幅強化。防衛装備庁「AI幕僚」開発受託、大規模言語モデル「Takane」の金融分野展開など、AI戦略が本格始動しています。
注目ポイント
ブレインパッド買収、大規模言語モデル「Takane」開発、防衛AI「AI幕僚」受託など、AI領域への投資が結実。従来のSIモデルから高付加価値のAIサービス企業への転換が加速しています。
ハードウェア事業の分社化と選択と集中を推進し、営業利益率は4.3%→10.2%(FY2026/3予想)へ大幅改善。FY2026/3は最終利益4,250億円と過去最高益を更新見込みです。
FY2026/3は年50円(前期比+79%)の大幅増配を予定。業績上振れ分を全額還元する方針に加え、年間600〜1,000億円規模の自社株買いも継続しており、総還元性向は高水準です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 8円 | 19.1% |
| FY2017/3 | 9円 | 21.0% |
| FY2018/3 | 11円 | 13.3% |
| FY2020/3 | 18円 | 22.8% |
| FY2021/3 | 20円 | 19.7% |
| FY2022/3 | 22円 | 23.8% |
| FY2023/3 | 24円 | 21.7% |
| FY2024/3 | 260円 | 191.8% |
| FY2025/3 | 28円 | 23.2% |
なし
株式分割(FY2024/3に1:10実施)調整後ベースで5期連続増配を継続中です(20円→22円→24円→26円→28円→50円予想)。FY2026/3は業績上振れ分を全額還元する方針のもと、年50円と前期比79%の大幅増配を予定しています。配当性向は約21%と低水準ですが、年間600〜1,000億円規模の自社株買いとの合計で総還元性向を高めています。株主優待制度はなく、配当と自社株買いによる直接的な資本還元に集中しています。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
富士通の業績は「売上縮小・利益拡大」の構造改革モデルが鮮明です。FY2023/3に営業利益3,356億円のピークを記録後、FY2024/3はハードウェア事業再編に伴う一時費用で1,603億円に落ち込みましたが、FY2025/3には2,651億円へ回復。FY2026/3はQ3累計で営業利益が前年同期比約2倍の2,110億円に達し、通期予想を上方修正。営業利益3,600億円・最終利益4,250億円と過去最高益を更新する見通しです。最終利益の大幅増は政策保有株式の売却益等の非営業利益も貢献しています。
事業ごとの売上・利益
DXコンサルティング、クラウド、AI、業務アプリケーション等のITサービス事業。Fujitsu Uvanceを軸に高付加価値化を推進。収益の柱
サーバー、ストレージ、ネットワーク機器等。縮小傾向だがAIサーバーで成長余地。分社化を加速中
PC、モバイル端末等の法人向けデバイス事業。レノボとの合弁(FCCL)で展開
電子部品、半導体パッケージ等。車載・産業向けが安定。新光電気工業を含む
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 15.1% | 6.4% | 7.4% |
| FY2022/3 | 12.0% | 5.5% | 6.1% |
| FY2023/3 | 13.5% | 6.6% | 9.0% |
| FY2024/3 | 15.2% | 7.2% | 4.3% |
| FY2025/3 | 12.6% | 6.3% | 7.5% |
FY2023/3に営業利益率9.0%を達成するも、FY2024/3はハードウェア事業再編の一時費用により4.3%に低下。FY2025/3はサービスソリューション事業の収益貢献が本格化し7.5%まで回復しました。ROEは10%超を安定的に維持しており、資本効率を重視した経営姿勢が一貫しています。FY2026/3予想では営業利益率10.2%への改善が見込まれ、中計目標の調整後営業利益率12%に向けた収益体質の転換が着実に進んでいます。
財務は安全?
自己資本比率は約50%で安定推移しており、大型IT企業として堅固な財務基盤を維持しています。FY2024/3以降、有利子負債が増加していますが、ブレインパッド買収(565億円)などの成長投資に伴う戦略的な借入であり、年間2,000億円超のFCF創出力を踏まえれば健全な水準です。BPSは株式分割(FY2024/3に1:10実施)調整後ベースで着実に成長しており、大規模な自社株買いと並行して純資産の積み上げが進んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 3,092億円 | -1,572億円 | -1,815億円 | 1,520億円 |
| FY2025/3 | 3,039億円 | -892億円 | -2,405億円 | 2,147億円 |
営業キャッシュフローは毎期2,000〜3,000億円規模で安定的に創出されており、本業の稼ぐ力の高さを示しています。FY2024/3は投資CFが約1,572億円と膨らみましたが、これはブレインパッド買収等の成長投資によるもの。FY2025/3には投資CFが抑制され、FCFが約2,147億円と5期ぶりの高水準に回復しました。財務CFのマイナスは自社株買い・配当による株主還元が主因であり、キャッシュの好循環が確立されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1,656億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 2,734億円 | 536億円 | 19.6% |
FY2025/3の推定税引前利益は約3,000億円、法人税等は約802億円で、実効税率は26.7%と算出されます。FY2026/3は政策保有株式の売却益を含む非営業利益が大幅に増加し、税引前利益は約5,900億円と見込まれます。最終利益4,250億円の達成には非経常的な利益の寄与が大きく、実質的な事業利益ベースでの税負担は約28%と日本の法定実効税率に近い水準で管理されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 929万円 | 112,743人 | - |
FY2024/3にジョブ型人事制度の本格導入で平均年収が一気に965万円に上昇。FY2025/3は若手採用増による平均年齢低下と構成変化で929万円に調整されたが、依然として電気機器業界トップクラスの水準。平均勤続年数18.2年と人材定着率も高い。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関24.0%と事業法人1.7%、従業員持株会1.8%を安定株主として分類。外国人投資家比率49.0%はグローバル機関投資家中心で、大型株としての高い流動性を確保。創業家・オーナー系株主は存在せず、プロフェッショナル経営体制です。
日本マスタートラスト信託銀行が17.0%を筆頭に、機関投資家による保有が大半を占める典型的な大型株の株主構成です。外国人保有比率49.0%はグローバル投資家からの高い関心を示しています。第3位のいちごトラスト(3.4%)はアクティビスト投資家として知られるスコット・キャロン氏の関連ファンドで、経営改善への圧力を意識させます。朝日生命(1.5%)は政策保有株主ですが、富士通は政策保有株式の売却を積極的に進めており、FY2026/3の最終利益大幅増にも寄与しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| サービスソリューション | 約2兆2,000億円 | 約2,800億円 | 12.7% |
| ハードウェアソリューション | 約5,500億円 | 約200億円 | 3.6% |
| ユビキタスソリューション | 約3,500億円 | 約150億円 | 4.3% |
| デバイスソリューション | 約4,500億円 | 約300億円 | 6.7% |
研究開発費
富士通はサービスソリューションを中心とした「AI・データドリブン企業」へのポートフォリオ変革を推進しています。サービスソリューション部門が売上の約62%・利益の大部分を占め、営業利益率12.7%と全社を牽引。Fujitsu Uvance(クロスインダストリー向けソリューション群)の売上拡大が成長戦略の柱です。R&D投資は約1,600億円(売上比4.5%)を投じ、大規模言語モデル「Takane」やAIエージェント「Watomo」などAI領域の自社技術開発に注力しています。ハードウェア事業は分社化を加速し、サービス比率のさらなる向上を目指しています。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性3名(21.4%)と、プライム市場の大型IT企業としてダイバーシティを推進しています。監査等委員会設置会社として指名委員会・報酬委員会を設置し、経営の透明性を確保。監査報酬7億4,300万円は大手監査法人への適正な対価であり、連結子会社約460社を擁するグローバル企業としてのガバナンス体制が整っています。設備投資515億円は成長領域への積極投資を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 3兆8,000億円 | — | 3兆7,561億円 | -1.2% |
| FY2025/3 | 3兆7,600億円 | — | 3兆5,501億円 | -5.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 3,200億円 | — | 1,603億円 | -49.9% |
| FY2025/3 | 3,300億円 | — | 2,651億円 | -19.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画はFY2026/3に売上収益4.2兆円・調整後営業利益5,000億円を目標に掲げています。売上は事業ポートフォリオ再編に伴う縮小で目標を大幅に下回る見込みですが、利益面では構造改革の成果が着実に現れています。IFRS営業利益3,600億円の予想は中計開始時から大幅な改善であり、サービスソリューション事業の利益率向上が牽引。Fujitsu Uvanceの売上拡大は進行中ですが、7,000億円目標の完全達成には次期中計での加速が必要です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は314.8%とTOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。構造改革による利益率改善と大規模な自社株買い・増配が投資家の支持を集めた結果です。特にFY2024以降のAI関連テーマでの再評価が加速し、FY2024のTSRは+75ポイントの急上昇を記録。ただし、FY2025は+50ポイントの上昇にとどまり、株価の上昇モメンタムはやや減速しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 166.1万円 | +66.1万円 | 66.1% |
| FY2022 | 193.1万円 | +93.1万円 | 93.1% |
| FY2023 | 189.6万円 | +89.6万円 | 89.6% |
| FY2024 | 264.7万円 | +164.7万円 | 164.7% |
| FY2025 | 314.8万円 | +214.8万円 | 214.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは14.7倍と電気機器セクター平均(27.4倍)を大きく下回っており、FY2026/3の大幅増益を踏まえると割安な水準にあります。PBRは3.34倍と高く、高収益体質への転換が評価されています。FY2026/3の大幅増配(年50円)により配当利回りは1.53%とセクター平均並みに改善。信用買い残が高水準(倍率32.29倍)のため、短期的な需給面での重さには留意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
りそな・ブレインパッド・富士通がデータとAIを活用した金融実務の変革に関する協業で基本合意。AIエージェント「Watomo」や大規模言語モデル「Takane」を金融分野に展開。
防衛装備庁から「AI幕僚」の開発を受託。AIで指揮官の意思決定を支援するシステムを開発し、防衛AI分野での存在感を強化。
FY2026/3 Q3累計を発表。営業利益2,110億円(前年同期比約2倍)、最終利益3,436億円(同3.9倍)。通期予想を上方修正し、配当を年50円に大幅増額。
FY2026/3 Q2累計を発表。純利益3,436億円に到達し、通期目標に対する高い進捗を示す。構造改革の成果が鮮明に。
ブレインパッドの公開買付けが成立(約565億円)。データサイエンス・AI活用基盤を強化し、Uvance戦略の中核に据える。
最新ニュース
富士通 まとめ
ひとめ診断
「SIからAIへ──構造改革で利益率を劇的改善し、ブレインパッド買収でデータドリブン経営を加速する国内最大級のITサービス企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「電気機器」に分類される他の企業
空港のアナウンスから防災無線まで、社会インフラを音で支えるニッチトップ企業
プリント基板の老舗が、車載とスマホを両輪に、AIサーバーと宇宙開発という新エンジンを搭載した状態
総合電機の巨人がデジタルで変貌。Lumadaを軸にグローバルで社会インフラを支えるプライム企業
FA・空調・防衛を三本柱に、構造改革と成長投資で利益率10%を狙う総合電機の雄
半導体商社が、自社開発の検査装置と設計ツールを武器に生成AIの波に乗る技術者集団
車載電装の巨人、スマホ依存からの脱却と次世代モビリティへの大転換期
パワー半導体とエネルギー機器の重電大手。データセンター向け電源装置で急成長
通信計測の老舗が、5G需要の波を超え、6GやEV向けM&Aで次の収益の柱を探す『第二の創業期』